No.75135

真・恋姫†無双 終わらぬループの果てに 第3話

ささっとさん

繰り返して繰り返して、ようやくループの真実の一端にたどり着いた一刀。
そんな既に大陸最強となった一刀は20周目の世界に降り立った。
しかし、そこはこれまでの世界と大きく違う点があった……

2009-05-23 16:49:09 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:45865   閲覧ユーザー数:32497

 

『こんなに早く開放条件を満たすなんて、さすがは私のご主人様ねん♪』

 

 

どこかできいたことのあるこえがする

 

 

『でも、本当に大変なのはこれからよ? 今までと同じと思ってたらダメだからね』

 

 

ちがう? なにかがかわるのか?

 

 

『あぁん、もう時間なの? 残念だけど今回はここまでみたい。それじゃあ頑張ってね、ご主人様♪』

 

 

あ……また、くらく………なって………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今後ここへ来たときは全力でご奉仕してあげるから、楽しみにしててねぇん♪」

 

 

ぜんりょくでおことわりしますっ!!!

 

 

 

 

恋姫†無双 終わらぬループの果てに

 

 

第3話 20周目 その1

 

 

もはや見慣れた荒野で目を覚ました俺は、いつものように黄巾党3人組の登場を待っていた。

 

正直あんな連中のことなどどうでもいいのだが、会わないと始まらないのだから仕方がない。

 

 

「おう嬢ちゃん。こんなところで一人散歩かい?」

 

 

そしていつものように3人組登じょ……って、あれ?

 

声はすれども連中の姿がない。

 

いや、正確に言うと見えているのだが、随分と離れた位置にい………るッ!?

 

 

 

「………貴方達には関係のない事ですよー」

 

 

なっ、風!?

 

驚くべきことに、そこには例の3人組に囲まれている風の姿があった。

 

どうして風が一人でここに? 稟や趙雲さんはどうしたんだ?

 

いや、今はそんな悠長に考えている場合じゃない。

 

何でもない事のように振舞ってはいるが、微かに風の身体が震えている!

 

待ってろ、風っ!!!

 

 

「そんなつれねぇ事言うなよ、お嬢ちゃん。せっかく俺達が…「消えろクズどもッ!!!」…ゴハッ?!」

 

 

邪な笑みを浮かべながら風に手をのばしたノッポの正面に一瞬で回りこむと、

そのまま鳩尾に手加減無しの一撃を叩き込んでKO。

 

残りの2人にも割りと本気で攻撃を加え、ノッポと同じ運命を辿らせる。

 

実は5周目で強くなって以降、この3人組は毎回の如くぶっ飛ばしていた。

 

 

「………ふぅ。君、大丈夫だった?」

 

 

3人組を瞬殺(実際は単なる気絶)した後、俺は呆けている風の安否を気遣う。

 

 

「……えっ? あ、はい、大丈夫ですー。助けていただいてありがとうございました、お兄さん」

 

 

突然現れた俺にしばし呆けた様子の風だったが、

俺に敵意がない事を悟ったのかすぐに本来の調子に戻り礼を言ってきた。

 

もしかしたら俺相手では下手に抵抗しても無駄だと開き直っただけなのかもしれないが、

俺には風に危害を加えるつもりなど毛頭ないので関係ない。

 

 

「いやいや、無事でよかったよ」

 

 

そうは言いつつ、もちろん風が何もされていないのは承知の上である。

 

もし風が何かされてたら、間違いなくこの3人組を殺してただろうし。

 

てか、なんか3人組が不気味な痙攣を起こしてるんだけど……やっぱやり過ぎたかな?

 

 

「…ん、どうかしたかい?」

 

「あっ、すみません。お兄さんが随分と珍しい服を着ていたものですので、つい…」

 

 

ふと風の方から視線を感じたので問いかけてみると、どうやらこの服が珍しかっただけらしい。

 

毎度の事なので特に意識してなかったけど、ポリエステルなんてここにはないからな。

 

 

「確かにこんな服はこっちにはないだろうね」

 

「……こっち? お兄さんは大陸の出身ではないのですか?」

 

「そうなるかな。何処と言われてもちょっと説明しにくいんだけど……ね。

 とりあえずここからは物凄く遠いところかな」

 

「………………」

 

 

さすがに自分で『天の世界から来た!』なんて恥ずかしい事は言えない。

 

それはそうと、俺にも疑問があるので聞いてみることにしよう。

 

 

「ところで、君はどうしてこんな所にいたの? まさか一人旅って訳でもないだろ?」

 

「いえ、実はちょっと夢をみてしまいまして」

 

「夢?」

 

 

何でも風曰く、近隣の町に滞在していた折にとある夢をみたとの事。

 

そしてその夢の内容に沿ってここまで一人でやって来たらしい。

 

ちなみにやはりと言うか、一人旅ではなく稟と趙雲さんと一緒に旅をしているようだ。

 

 

「しかし、それはいくらなんでも無茶じゃないかい?」

 

 

いくら夢をみて自分の名前を改名した風とはいえ、今回のこれはあまりにも無謀だ。

 

このご時勢、風のような子が一人でこんな場所にいるのは間違いなく危険。

 

結果的に何も起こらなかったから良いようなものの、楽観していい事ではない。

 

 

「確かにお兄さんの言うとおりだと思います。

 ですが、多少の差異は在れど結局は夢の通りになったので問題ありませんよー」

 

「問題ないって………ところで、結局それはどんな夢だったの?」

 

『おぅおぅ兄さん、いくら恩人でも乙女の秘密に土足で踏み込むのは無粋ってモンだぜ』

 

 

風の頭の上に乗っかっている宝慧から窘められてしまう。

 

ふむ、言われてみれば確かにちょっとデリカシーがなかったかな。

 

 

「それもそうだね。ゴメンよ、えっと………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おおっ、これは失礼いたしました。風の事は風とお呼びください、お兄さん」

 

「ああ、ゴメンよ、風………………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの、なんか物凄く自然な流れで思わず受け入れてしまったんですけど?

 

 

「……何となく、風っていうのはもしかして君の真名じゃないかなーとか思うんだけど」

 

「はい。風と言うのは私の真名ですよー。ちなみに姓は程 名は立 字は仲徳です」

 

「あ、やっぱり………じゃなくてさ、何でいきなり真名を教えてくれたの?」

 

 

これはあまりにも突拍子過ぎるぞ。

 

 

「何でも何も、お兄さんは風の命の恩人ですから」

 

 

当然のことですよー、と言わんばかりの風。

 

 

「いや、しかしいくら恩人と言ってもそう簡単に真名を人に許すのはどうかと…」

 

「それより、お兄さんの名前も教えていただけませんか?」

 

「あ、そう言えば教えてなかったね。俺は北郷 一刀。真名はないから好きに呼んでいいよ」

 

「ではお兄さんと呼ばせていただきますね」

 

 

好きに呼んでいいとは言ったけど、名前関係ないじゃん。

 

てか君、さっきからずっとそれで呼んでなかったかい?

 

いやいやそれよりも真名を………はぁ、もういいや。

 

 

「さて、そろそろ稟ちゃん達も私を探し始める頃でしょうし、行くとしましょうか」

 

「ん、ああ、そうか。それじゃあね、風」

 

 

風の行動にいちいちツッコミをいれていたら無駄に疲れてしまう。

 

とにかく風と別れたら、俺はここで華琳達が来るのを待……

 

 

ぎゅっ

 

 

「なに言ってるんですか。お兄さんも一緒に行くんですよ?」

 

「へっ?」

 

 

あの、風サン? 何故に俺の服の袖を握ってらっしゃるんですか?

 

 

「助けて頂いたお礼もせずに別れたとあっては、風の名が廃ると言うものです」

 

 

いや、そんな江戸っ子風の言い回しなんて別にいいですから。

 

 

「お礼なんていいよ、俺が勝手にやったことだし。それに一応コイツらの事見とかないと」

 

「そうはいきません。それにこんな人達なんて放っておいて大丈夫です」

 

 

それは人道的にどうなのかと。

 

いや、本音は俺もコイツらなんてどうでもいいんだけど、それだと華琳達に会えな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それとも、お兄さんは風と一緒にいるのが嫌なんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

じわっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぐっ!?」

 

 

目に涙を浮かべながら上目遣いにこちらを見上げてくる風。

 

可愛いと同時にそこはかとなく罪悪感が煽られるぞ?!

 

これヤバイ、ヤバ過ぎるよ。

 

し、しかしな風、来た当初ならともかくそんな古典的な手に引っかかるほど今の俺は甘くない!

 

伊達にこの乱世を19回も経験してないんだ! 今更泣き落としなんかで…

 

 

 

 

 

うるうる…

 

 

 

 

 

なんかで……

 

 

 

 

 

うるうるうる……

 

 

 

 

 

なんか、で………

 

 

 

 

 

うるうるうるうる………

 

 

 

 

 

………………orz

 

 

 

 

 

「………好意を無碍にするのも逆に失礼だし、お言葉に甘えさせてもらうよ」

 

 

まぁ、ここで華琳に会えなくてもまだギリギリでチャンスはあるし、いいか。

 

 

「はい。では行きましょうか、お兄さん♪」

 

 

案の定、俺の言質を取った瞬間笑顔に変わる風。

 

やっぱり嘘泣きか、この策士めッ!って、歴史に名を残す名軍師でしたね。

 

でも、全然嫌な気分にならないのはやっぱり風だからかな? チクショウ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うふふっ、夢よりもずっと素敵な方でしたねー」

 

「ん? 風、なにか言ったかい?」

 

「いえいえ、お兄さんは気にしなくて良い事ですよー」

 

 

 

 

不覚にも泣き落としに屈服した俺は、

風に連れられるまま彼女の滞在している町までやって来た。

 

それなりに大きな町で、住んでいる人々も活気に溢れている様子。

 

それはそれとして、ここに着くまで多分1時間くらいは歩いている。

 

風にとってその夢ってのはどんだけ重要なものだったんだ?

 

 

「お兄さん、あそこが風達が泊まっている宿ですよ」

 

 

俺の腕の中の風が少し先の建物を指差した。

 

ちなみに腕の中という表現は残念ながら間違いではない。

 

と言うのも、俺は現在進行形で風をお姫様抱っこしていたりするのだ。

 

理由は非常に簡単である。

 

 

『お兄さん、突然ですが風は歩き過ぎて疲れてしまいました。

 申し訳ないのですが町まで風を運んでいただけますか?』

 

『は?』

 

 

そんな会話を交わした(むしろ一方的?)のが約30分前。

 

それからなんやかんやで再び風に丸め込まれ、俺は従順にもこうして運んできたのである。

 

ちなみに何故背中におぶさるのではなくお姫様抱っこかと言うと、

 

 

『なるほど。背中におぶるという建前の元、お兄さんは風のお尻をまさぐるつもりなのですねー?』

 

 

と言われてしまったからである。

 

もしかして俺泣いてもいいんじゃね? と思ってしまうほどの酷い言い掛かりだが、

いくらなんでもこれを言われた後におんぶは出来ない。

 

そんな訳でお姫様抱っこに落ち着いたと言うわけである。

 

ただ、俺としてはむしろこっちの方がおんぶよりも問題ありだと思う。

 

具体的に言うとさっきからすれ違う街の人の視線が痛いのだ。

 

もしかして俺、人攫いかなにかに間違えられてるんじゃなかろうか?

 

 

「風、宿も見えたことだしそろそろ自分で歩いたらどうだい?」

 

「……ぐー」

 

 

人を散々弄んどきながら腕の中で思いっきり狸寝入りしてんじゃねぇ!!!

 

 

「………はぁ、やれやれ」

 

 

そもそもフリーダムな性格の風にとやかく言っても意味がないか。

 

宿までもうすぐだし、諦めてこのまま……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「風を放せ、この下衆がッ!!!」

 

「ッ?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間的に背後からの殺気を感じ取り、振り返る間もなくその場から飛びのく。

 

そしてホンの僅かな時間差と共に振り抜かれる刃。

 

回避のタイミングが遅れていれば即死だっただろう。

 

 

「ほう。白昼堂々人攫いを行うような下衆の分際で、我が刃をかわすか」

 

 

空中で体勢を入れ替え着地した俺は、殺気の根源に視線を合わせる。

 

そこにいたのは身の丈を超える槍を構えた一人の少女。

 

否、少女と呼ぶにはあまりにも凄まじい存在感を持つ乱世の豪傑、趙 子龍であった。

 

やばい、この状況で一番人攫いに間違われてはいけない人に間違えられてる。

 

 

「おおっ、星ちゃんではありませんか」

 

 

俺の袖を握る力が若干増した風は、狸寝入りをやめて少女に声をかけた。

 

さすがにふざけていられる状況ではないと理解したらしい。

 

 

「申し訳ありません、星ちゃん。

 私は見ての通りの状態でして、自分の意思では一切身体の自由が利かないのですよー」

 

「………は?」

 

 

え? あれ? この子何言ってんの?

 

この状況でそんな事言ったらどうなるか解らないの?

 

俺にだって解るくらい簡単なこと、天下の名軍師が解らない筈ないよね? よね?

 

 

「心配するな、風。私が今すぐお前を助け出してやる」

 

 

うん、そうだね、もう誰がどう考えたって人攫いの男と攫われた女の子だね。

 

趙雲さんから立ち昇る殺気が一段と強くなりました。

 

この騒ぎを見物してた野次馬の一般人達がそれに当てられてばたばた倒れてます。

 

もはや洒落や冗談はおろか精神誠意尽くした謝罪でも済まない状況です。

 

 

「風、一体何のつもりだ?」

 

「いえ、ちょっと面白そ…「貴様ッ!!! 神聖な真名まで汚すかッ!!!」…おおっ」

 

 

墓穴掘った。

 

この状況で風の真名を呼ぶという最悪の墓穴掘っちまったよ、俺。

 

と言うか、何故なにも悪くない俺がこんな目に遭わないといけないんだ?

 

さすがにこれは理不尽すぎるだろう。

 

うん、なんかムカついてきた。

 

だから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……調子に乗るなよ」

 

「「ッ?!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怒りのままに意識を戦闘のそれへと切り替える。

 

趙雲さんの殺気を遥かに上回る闘気を出し惜しみすることなく開放。

 

せめてもの情けとして妖術なしでやってやろう。

 

あってもなくてもそれほど大差ないと思うけど。

 

 

「お、お兄……さん?」

 

「風、後でお仕置きだ。あと、この場から逃げたら許さん」

 

 

激変した俺の様子に困惑、そして僅かながら本気で怯えをみせる風に一言。

 

そして彼女を下ろし両手を自由にすると、ゆっくりと趙雲との距離を詰めていく。

 

 

「く、来るかッ!!!」

 

 

自らを鼓舞するかのごとく声を張り上げる趙雲だが、それが虚勢である事は明白だった。

 

彼女ほどの武を持つ者ですら、俺の前ではただ無力。

 

彼女自身なまじ強いだけに、ここにいる誰よりもそれを嫌というほど痛感しているだろう。

 

しかし、今更後悔したところで遅い。

 

 

「確かに疑われるような真似をしていた俺にも非はあるのかもしれない。

 しかし何の事実確認も行わないまま斬りかかるのはいかがなものだろうか?」

 

「っ!?」

 

「俺だったからよかったようなものの、

 そうでなければ君は先程無実の人間を一人殺していたかもしれないんだぞ?」

 

「そ………っ!!!」

 

 

動揺する趙雲を無視しながら俺は淡々と喋り続ける。

 

もうすぐ趙雲の間合いか。

 

さて、どう出てくるかな?

 

 

「そして俺も死ななかったとは言え、敵意どころか殺意まで向けられては黙っていられない。

 例えそれが君の友を思うが故の暴走だったとしても………だ」

 

「クッ!!!」

 

 

俺の言葉が終わると同時に趙雲が動く。

 

これだけの威圧の中でなお戦意を失わず、向かってこれるのは賞賛に値する。

 

そして大陸でもトップクラスの武を誇る彼女の動きもまた素晴らしい。

 

素人では目で追う事すらも出来ないまま斬り殺されるだろう。

 

残念ながら今の俺相手には遅すぎるけどね。

 

 

ブンッ!!!

 

 

「なっ!?」

 

 

槍が横薙ぎに振るわれた瞬間、たった一歩のバックステップ。

 

それだけの動作で豪快な風切り音と共に鼻先を通過する槍をあっさり見送った。

 

狙うは返しの動作に入るまでに生じるホンの僅かな、しかし絶対に消すことの出来ない隙。

 

下がった時よりもさらに速い速度で彼女の懐に飛び込むと、

無防備な彼女の身体に躊躇もなく一撃を見舞う。

 

 

「っ………!!!!!」

 

 

目を見開く趙雲。

 

攻撃の感触的には肋骨4本粉砕ってところか。

 

彼女の華奢な身体なんて本当の意味でひとたまりもないな、これ。

 

でも、それはあくまでこの一撃が命中していればの話だ。

 

終わらせるにはこれで十分。

 

俺は構えを解き、彼女から数歩分の距離をとる。

 

 

「………何故、止めた」

 

 

俺が離れた途端に槍を落とし、力なく崩れ落ち膝立ちとなる趙雲さん。

 

それでも視線だけはキッチリと俺のほうを向いており、未だその敵意は消えていない。

 

もっとも、今は敵意より別の感情のほうが大きいみたい。

 

 

「そもそも本気で当てるつもりなんかありませんでしたから」

 

 

ちょっと頭にきたから脅かしただけ。

 

いくらなんでも怒りに任せて不用意に人を殺したりなんてしませんよ。

 

それでも今回の俺の行動は十分に大人気ないんですけどね。

 

それについては俺からもゴメンなさいです。

 

 

「……もはや言葉は不要。好きにされるがよい」

 

 

そして趙雲さんの目から敵意が消えた。

 

でも、お願いですから変に覚悟を決めないでください。

 

 

「別にいいですよ。俺だって貴女と同じ立場だったら絶対に同じ事してますから」

 

 

実際、それで最初の3人組殺すところだったし。

 

 

「………本当にそれでよろしいのですか?

 先程も言っておられたが、一歩間違えれば死ぬところだったのですよ?」

 

「心配後無用です。貴女に殺されるほど俺は弱くありませんから」

 

 

ちょっぴり皮肉を効かせてこんな事を言ってみる。

 

自分で鍛錬して得た力じゃないので、本当はこんな言い方をするのは心苦しいんですけど。

 

 

「………フッ、どうやら貴殿は全てにおいて私の遥か先を歩んでおられるようだ」

 

 

やがて負の感情が消え、憑き物の落ちたような顔で彼女は言った。

 

直感的にだけどこそれはきっと彼女に一番似合った表情なのではと思う。

 

 

「これほどの無礼を働いておきながら厚かましいとは思うのですが、

 もしお許しいただけるのならば是非とも貴殿の名をお聞かせいただきたい。

 我が名は趙 子龍。真名を星と申します」

 

「俺の名前は北郷 一刀。真名はないので好きに呼んで下さい。

 ところで星さん、立てます?」

 

「北郷 一刀……では、これより一刀様と呼ばせていただきます。

 それと申し訳ありませんが一刀様、どうやら腰が抜けてしまい無理のようです。

 出来ればご助力いただけるとありがたいのですが……」

 

 

恥ずかしそうに笑う彼女に誘われて俺も思わず微笑んでしまった。

 

おずおずと手を伸ばしてくる彼女の手を掴み、ゆっくりと引っ張り上げる。

 

なんか物凄くとんでもない流れになってるけど、これはこれでありなの……かな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それと風。お仕置きは必ず実行するので、覚悟しておくように」

 

「むむっ。お兄さん、それはちょっと空気読めてない発言なのではないですか?」

 

「面白がって空気読めてない発言したのは風が先だろ?」

 

「………くー…「狸寝入りで誤魔化してもダメだからなー」…おおっ」

 

 

 

 

あとがき

 

 

風タン寺モエスッ!!!

 

自分で書いた事とは言え、風タンに手玉に取られるなんてくやしい! でも…感じちゃう!(ビクッビクッ)

 

あと俺が一刀に代わって風タンにイケナイオシオキしたい!!!

 

風タンの痴態を想像するだけでみwなwぎwっwてwきwたwwwwwwフヒッ!サーセンwwwwww

 

ハァハァ……風タンマジパネェよ風タン、ハァハァ……ハッ!?

 

 

あ~、コホン……どうも、『ささっと』です。

 

初っ端から見苦しくて申し訳ありません。

 

そして本文中でも無駄に突っ走ってしまい申し訳ありません。

 

むしろこんな話掲載してしまって申し訳ありません。

 

第3話改め本編第1話です。

 

ページ数少ないですが一ページが長いです。

 

稟出てくるまでいきませんでした。

 

そしてちょい役のはずの星が何故かとってもオイシイです。

 

ここからは基本的にループ一回分の内容が濃くなっていくため、

キャラ同士の絡みや情景も必然的に細かくなっていきます。

 

さらにここから本来の外史との乖離も始まっていきます。

 

と言っても基本は魏ルートなので、一刀君の独自勢力結成なんてものはありません。

 

あくまでも風を優遇した結果初っ端からこんな感じになっただけです!!!

 

しかしもう少しコンパクトにするはずだったのに、何でこんな事になったのかなぁ?

 

でも次回こそは自重するのでご安心を!!!(また思いっきり爆走しそうな予感大ですが……)

 

 

 

 

コメント、および支援ありがとうございました。

 

次回もよろしくお願いいたします。

 

 

 

PS:あとがき初っ端のは紛れもなく真実です(小説を書いている時の私的な意味で)

 

PSのPS:ページ数少の一ページ長とページ数多の一ページ短、どっちがいいですか?

 

 


 
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