No.748141

真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第四十話

ZSANさん

大和の王になった一刀の元にやって来る使者達

2015-01-02 15:25:58 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:4079   閲覧ユーザー数:3533

~一刀視点~

「北郷様、涼州から馬超殿と馬岱殿が謁見を申し出ております」

やはり来たか 予想通りだな

「通せ」

取り次ぎ役にはそう伝え、一方では雅様を呼ぶように伝える

 

「一刀、お前いったいどういうつもりだ!」

「落ち着いてよ、お姉様~

 ごめんね、一刀お兄様

 お姉様はずっとこんな調子なの」

謁見の間に入るなり、俺を怒鳴りつける翠に、それを窘める蒲公英

妹分の蒲公英の方が冷静なのって良いんだろうか?

「それについて聞きに来たんなら説明するから、落ち着けよ」

「分かったよ、でも内容次第じゃこっちにも覚悟が有るからな!」

そして、俺は説明を始める

「漢王朝の権威が衰えている事はもう隠しようが無い事実だ

 だが、この乱世を終わらせるためには国を統一する必要がある

 それは今の漢王朝では無理だ 新たな王朝の元でなければな

 今回、俺が王の任命を受けたのはそう言った理由からだ」

「だが、それなら漢王朝の権威を取り戻せば良いだろう

 傍から見れば、一刀が王に、いや皇帝になりたいようにしか見えないぞ」

翠の反論に

「それは違いますよ」

雅様がやって来て翠の反論を打ち消す

「一刀は最初、貴女と同じ事を言いました 自分達と漢王朝の復権を、と

 しかし、それはもう無理なのです

 十常侍の専横を許した時点で民からも諸侯からも信を失ったのです 漢王朝は

 ならば新たな王朝を建てて、その王朝に禅譲するのが私の役目、ひいては漢王朝の最後の役目なのです

 貴女には漢王朝の忠臣である事よりも、この乱世を終わらせる事に力を貸して欲しいのです

 それが、漢王朝最後の皇帝である私 劉協の願いです」

雅様の説得に翠は何も反論できなくなっていた

「分かりました

 一刀、お前に従うよ 但し今回みたいな誤解がまた起きないとも限らない

 だから、連絡役として蒲公英をお前の陣営に置いてくれ」

俺に特に異存はは無いので、翠の提案を受け入れた

翌日、翠は蒲公英を置いて涼州に帰還して行った

その際、蒲公英に

「お姉様、ホントは自分が残りたかったんでしょ

 蒲公英は嬉しいから文句無いんだけどね」

と言われて一人で混乱していた

 

その2日後、今度は劉備が諸葛亮を伴ってやって来た

「江夏の太守、劉埼の名代としてやってきました劉備玄徳です

 此方は軍師の諸葛亮です」

「今回の訪問の理由は?」

型通りの挨拶を終え、俺が本題を促す

「先ず、個人的な要件を済ませてから本題を申し上げます

 北郷さんの事をあの一件で冷酷非情な人物だと判断した事をお詫びします

 更に、洛陽の復興を行っていたのに攻め込み申し訳ありませんでした

 あの後、自分が如何に浅慮であるか知らされました

 頭を下げて済む問題で無い事は承知していますがそれでも謝罪せずにはいられません

 本当に済みませんでした」

そう言って深く頭を下げる

正直言って驚いた ここまでの謝罪をするとは思ってもみなかった

だがこのままでは話が進まないので

「その件に関しての謝罪は受け入れた

 で、本題に入ってくれるかな」

「その件については私から申し上げます」

と諸葛亮が話して来た

「私達は北郷様の大和との同盟をお願いに来ました

 今までの経緯から私達と大和との間は決して友好と呼べる間柄ではありません

 ですが、その経緯を水に流して我等と同盟を結んで欲しいのです」

諸葛亮の言葉に対し

「しかしだな、襄陽攻略の際に戦闘を仕掛けてくるなど其方に信を置けと云うのは無理な話だ

 同盟と云うなら、其方が我等に従属する形の同盟 ならば考える余地はあるがな」

「それで構いません」

諸葛亮の言葉に全員が驚いた

「元々、国力の違いから対等な同盟はあり得ない事は承知の上です

 ですから私達は大和国の一太守と云う形で名目上、同盟として欲しいのです」

「それならば此方に異存はない

 但しその条件ならば此方の指示は最優先で従ってもらうと劉埼殿に伝えて欲しい」

「必ず伝えます」

その後、二人から真名を預かって欲しいと言われ改めて預かった

劉備の訪問の3日後、今度は孫呉から冥琳がやって来た

「先ずは大和国王就任に対して、お祝いを申し上げます

 同盟を結んでいる間柄と致しまして嬉しい限りです」

ただ、祝辞を述べただけだと、恭順したと見られ兼ねないから同盟関係を強調してきたか

ま、問題無いけど 最初からそのつもりだし

「そして、今回は北郷様にお願いがあり、まかり越しました」

俺が先を促すと

「我の主、孫策伯符の妹君 孫権様を北郷様に娶って頂きたいのです」

少し驚いたが、以前炎蓮が言ってたことを本気で行って来たか

「しかし、俺は正妻として既に鞘華を娶っている

 そうなると孫権は側妾になってしまうぞ」

「それも承知の上です」

冥琳の言葉に考え込んでしまう すると

「良いんじゃないですか」

鞘華が言ってくる 賛成してくれるならその目が笑っていない笑顔は辞めてくれ

しかし、断る事も出来ず、承知する

「では、直ぐに戻り孫策に報告いたします

 詳しい日時については、後日使者を立てます」

冥琳はそう言って帰還して行った

 

その後、鞘華に

「何人娶っても良いけど、ちゃんと責任は取るのよ

 それと私の事もちゃんと愛してね

 貴方に一番愛してもらう女の座は譲る気は無いからね」

~あとがき~

 

各陣営の対応とそれに対する一刀達の返答です

 

翠は蒲公英を置いて行きましたが、蒲公英も一刀に好意を持っていますから

 

桃香が(従属的)同盟の相手に選んだのは一刀達でした

一刀は謝罪を受け入れたので真名を再び預かりました

 

孫呉は蓮華を一刀に嫁がせましたが、これは有りがちな対応ですね

近いうちに蓮華との婚礼の話を書きます

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 


 
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