No.746013 真・恋姫無双~Re:道~ツナまんさん 2014-12-26 06:29:44 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:1409 閲覧ユーザー数:1259 |
第四章‐壱話 『 時は流れて 』
「…勝率八割強、賭けにしちゃ十分だな。楠と山吹、恋は予定通りに動いてくれ」
盤上の駒を一通り動かし終え、和樹が指示を飛ばす。あの、虎牢関での戦いから数ヶ月、表向きでは勝利を収めた事になっている連合の動きを観察し、そして今、袁招軍の動きが活発になったことで再び動き出す。今までのツケを清算して貰わなくてはならない。そうしなければ新しい国ができても、それは名前が違うだけの張りぼてと変わらない。
「それと、斗詩…お前もいいんだな?」
「はい。その代わり…」
「わぁってるよ。ただし、絶対の約束はできねぇからな」
「はい」
「うし、じゃあ解散っと。俺も出てくるか」
去り際に何進の立つ部屋、その中にいる人物の事を思う。彼女にとっては最初で最後の戦になるだろうし、負ければ当然得るものは無く、たとえ勝利したとしても得られるものは些細なものかもしれない。しかし、だからこそ負けられない。本当の意味でこの国を作り直す為にも、彼女の為にも。
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なんて事があったのが数日前。そして今、和樹は
「本気で言ってるの?」
「本気だ。全員相手にしてやる」
顔は布を巻いて隠し、服装もすっぽりと外套で隠した状態の和樹が曹操の問いに答える。
場所は陳留の鍛錬場。この日、陳留では武官の雇用試験が行われており、半分暇つぶしで参加していた。
「
「構わねぇよ」
王淀とはもちろん偽名だが、もう一つ。未だに中二病の抜けきってない奴なら分かるだろうと予想しての名前だった。そして、案の定一刀の方は何かを考え込んでいた。
「ウチ等全員とか無謀やで。なぁ、一刀もそう思うやろ?」
「う~ん、確かにそうなんだけどどっかで聞いた事ある気がするんだよなぁ」
「なんや?軍神みたいな凄い奴なん?」
「そうじゃないけど…ん?軍神?…あっ!」
「始め!」
一刀が何かに気づいたのと同時に開始の合図がかかり許緒が岩打武反魔の鉄球を投げつける。
しかし、和樹の外套の裾が僅かに揺れたかと思った瞬間、鉄球は和樹を避けるように真っ二つに斬られていた。
「やっぱり、王伝ってオーディンの当て字か。確かにどっちも斬鉄剣だもんなぁ」
「一刀、何言うてるかわからん」
「えっと、つまり『王伝』は偽名で、正体は多分和樹だよ」
「やっぱ気づいたか」
言いながら和樹は覆面と外套を脱ぎ捨てる。紺の着流しにブーツの、いつも通りの和樹がそこにいた。
「さて、じゃあ仕切り直しといこうか?」
「やあああ!」
「うりゃあ!」
和樹の挑発に乗せられた于禁と李典が同時に襲い掛かる。
「遅え!」
眼前に迫っていた二人の得物を、それでも一瞬で弾き飛ばす。先程のもそうだったが、和樹の剣速は以前より明らかに速くなっている。速すぎて止まって見えるほどに。
「猛虎蹴撃!」
ドゴーーーン
間髪入れずに、今度は楽進の必殺の一撃が飛来する。
「やったか!?」
「…は、フラグだボケ!」
ゴンッ
いつの間にか楽進の背後に回っていた和樹はそのまま拳骨を喰らわしている。
「一体、何したんや?」
「楽進の氣弾って衝突して爆発するだろ?なら、適当な小石でもぶつけて離れちまえば簡単にかわせる」
不思議がる霞にそう説明する。原理はそうだとしてもいざやるとなるとそう簡単にはいかないだろうが和樹はそれをやって見せたのだ。兎に角、これであっという間に三人。最初の緒許も含めれば四人。
「さてと、後は…」
「もういいわ、そこまでよ」
次の相手に移ろうとした所で曹操が静止の声を掛ける。
「もういいのか?」
「十分よ。それにこれ以上続けたら残りの試験に支障をきたすわ」
「そうか」
「桂花、残りの試験は任せるわ。橘、来なさい。何か話しが有って来たのでしょう?」
「話が早くて助かる」
脱ぎ捨てた外套を拾い上げ、曹操の後に続く。とりあえずは謁見はさせてもらえる事にはなりそうなので、一応の安堵と共に和樹はその場を後にした。
あとがき
ツナ「まず、始めに更新がえらく遅れてしまい申し訳ありませんでした」
狐燐「何があった?」
ツナ「ウチのノートPCが盗難に遭いまして、新しいPCを買う余裕もなく、今回は連休が取れたのでそれを利用してネカフェから投稿してます」
狐燐(絶句)
ツナ「というわけでもう暫くはこの状況が続きそうですが細々と続けて生きます」
狐燐「うん、まあ、その…がんばって」
ツナ「ちなみに各人の虎牢関からの数ヶ月間は小出しで語っていきます。主に拠点√を使って」
ツナ「てなわけで、また次回!」
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遅くなりました。新章突入いたします。言い訳は後ほど
『Re:道』と書いて『リロード』ということで
注:オリキャラでます