No.739855

【デジナミ】デコボコPT結成!【ハロウィン2014】

物凄く遅くなってしまってすみません!
真パンプキングにダイレクトアタックしてみたぜ…!!
ちょっとめずらしめな組み合わせにしてみました…!

奇数なので閲覧数2倍だ!!!やった!!!

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2014-11-27 02:47:44 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:937   閲覧ユーザー数:905

「げ」

真パンプキングの出現するエリアに足を踏み入れた途端、アスクは盛大に顔を歪めた。

先に何人か既に来ていて、戦いこそ始まっているのだが、その中に見知った顔がいるからだ。

ホタルブクロのランプ等、幻想的なアイテムに彩られたフィールドの中に、その自分が見た事のある人物は

また情けない顔を晒したまま、連れのような子に引っ張り回され、戦っている。

「どうかしたかの?」

「……あれ」

訝るように見上げてくるシマユニモンの仮装をしているパートナーのシエンに、顎先で指し示して答える。

彼が顔を動かして視界に入った人物を見て納得したのか「ああ」と微苦笑を漏らす。

「まだ苦手なのかの?」

「苦手と言うか…」

言いあぐねるように頭をガシガシとユニモンを模したフードの上から掻くと、感触を感じる訳ではないのだが

恐らくゴワゴワしているであろう鬣の部分が手に当たって何とも言えないような気分になる。

視線の先にいる人物は『クラレ』自分の姉の親友であり、自分の昔なじみでもあるハウンドの兄でもある。

彼には正直良い思い出が自分の中にはなく、むしろ余り係わり合いになりたくない気持ちしかない。

それでも彼は自分を見つけると過剰なまでに構おうとしてくるので鬱陶しい事この上なく、あまり近寄りたくない

気持ちにしかならないのである。

無論、クラレのその行動が何の意味を含んでいるのかは重々承知しているのだが、必要以上過ぎて空回りもしているし

何より己が許されたいだけと言う気持ちがあるように思えて、自分はどうしても彼へのモヤモヤを取り払う

事は出来ないでいた。

 

「まあいいよ、どうだって。行こう、シエン」

「そうじゃな。今はイベントに集中しよう」

 

頭を振って気持ちを切り替えると、手元のデジヴァイスを弄ってシエンへの進化支持を送信する。

仮装は維持したままブイドラモンへと変化するものなので少し笑いがこみ上げるが咳払いでごまかして、

そのままバトルが激化している所へと足を踏み入れて行く。

 

「お菓子を寄越せえ!!!」

 

声を大にして叫びたい言葉は子供のようなそれかよ、と胸中でごちりたくなったが喉元で飲み込んで、

完全に他のユーザーに気を取られている真パンプキングに背後から奇襲をかけようとハンマーパンチの指示を出す。

体全体を捻って繰り出されるハンマーの名に相応しい程の思い拳が赤く豪奢なマントを背負った背中に命中し

「へぶっ!?」と情けない声を上げながらキングの名を冠する敵は前に向かって勢いよく飛んで行く。

「うっ…後ろからとか凄く卑怯だぞ!」

「360度が敵しかいないのにしっかり見てない方が悪いと思うけど」

臨戦態勢のシエンの傍らに立ち、冷たい視線で見下ろしていると、ぐぬぬと歯軋りして何かしらこちらへ向かって必殺技を

出そうとしたらしいが、その隙を突いて別のユーザーが攻撃を仕掛けてきて、また盛大にすっ転ぶ。

「何と言うか…情けないのう…もう少し鍛えたらどうじゃ?」

「うっ…う…うるっ、うるっさい!!!怒った!!怒ったぞおお!!」

駄々を捏ねる様に地団駄を踏み始めた真パンプキングに背中と左右から攻撃が降り注ぎ、矛先が逸れたので

次の攻撃を繰り出そうと指示を出そうとした矢先、自分を呼ぶ声が聞こえて視線をいやいやそちらに向ける。

「おおおおおい!!!きよた…」

「オープンチャットでリアルネーム晒そうとするのやめてくれないかな」

「あっはい…ごめん…ごめんなさい!!怒ってる!?ねえ怒ってる!?」

「うるっさい黙って」

「はいぃ…」

「相変わらず辛辣っスねぇ…」

赤い着物に黒い羽織を肩に掛け、同じく赤い鬼の角を頭の両サイドに装備したクラレと、三度笠と紺色のマントを纏った

パートナーのシャウトモンが予想通りそこにはいて、頭を抱えた。

しかし、シャウトモンがデジクロスすればそこそこ戦えるだろうに、未だ持ってそのままの姿で戦っているのは

何でだろうか、とふと疑問に思ったが、さすがに聞くのは癪なのでその言葉は自分の中ではなかった事にする。

「いいから、早く戦いに集中しなよ」

「いや、あの…俺」

 

「もう!おじさん!ちゃんと戦ってよ!!」

 

もごもごと言い澱んでいるクラレを冷めたような、呆れた様な目線で見据えていると、その背後より声がして

アスクはそちらへと視線を移す。

するとそこにいたのは赤いマジシャン服を纏った小さな少女で、ぷうっと頬を膨らませて彼の袖を引っ張っている。

パートナーはどうやらストラビモン。と言う事は職業はスピリットマスターなのであろう。白いシルクハットと

マントが印象的である。

「あーっ、えーっと、ご、ごめんね」

「謝るのは後だってば!ほらほら、こっちのお兄さんが真パンプキングに隙を作ってくれたんだから頑張らなくちゃ!

お兄さんも、手伝って!」

サイドポニーテールをひらひらと揺らしながら小さな少女はにこりと微笑む。

しょうがないな、と溜息を吐くと、飛んで来たのはチームへの招待状。少し悩んだが、まあいいだろうと

その招待を受けると、彼女の名前がくもと言う名前だと言う事が分かった。

と、同時に、クラレとも一緒のチームになってしまった事に気がついて、口の端が思わず引き攣ってしまった事は

言うまでもない。

 

 

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○月○日      アスク

 

本当に頭痛い……なんでこんな事になってるの…

真パンプキングイベントに参加しようとしただけなのに

姉さんの親友で俺の昔なじみのハウンドさんのお兄さんクラレさんに

遭遇しちゃって…正直、この人凄く苦手意識しかなくてなるべく係わり合いに

なりたくなかったのに…

しかも、くもちゃんって小さな女の子と一緒にチームを組んでたみたいで

誘われてチーム入ったのはいいけどクラレさんと一緒になっちゃって…

ああもう、どうにでもなれ……

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