No.739211

真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第三話

ZSANさん

賊に襲われた村に向かう四人

2014-11-24 11:15:32 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4533   閲覧ユーザー数:3771

 

~一刀視点~

俺達が村の入り口まで来た時、村はとんでもない状態だった

正確な数は分からないが、100人はいるであろう賊に蹂躙されていた

「くそっ」

俺はその中に飛び込んで行った

 

「へえ、上玉じゃねえか

 たっぷり可愛がってやるぜ」

「だれが、賊に好き勝手されるもんですか」

「へっ、その強気がいつまで持・・・」

女性に襲い掛かっていた賊の言葉は最後まで語られなかった

俺がその首を斬りおとしたからだ

始めて人を殺した

精神修養の意味で修めていた武術で

 

~鞘華視点~

一君が呆然としている

無理もない 人を殺して平然としていられる訳がない

無防備の一君に賊が襲い掛かって行く

「はっ」

その賊を関羽が斬り倒した

私は一君のそばに行き

”パン” 横っ面にビンタを喰らわした

「しっかりしなさい

 ここは戦場なのよ 

 人を救いたいなら、敵を倒さなければならないなら、正気を以て戦いなさい!」

一君に言った言葉は自分自身への言葉でもある

『玄武』を抜いて賊と戦う

~一刀視点~

鞘姉のおかげで正気を取り戻した

此処は戦場、村の人達を賊から守りたい、ならばすべき事はこの賊を倒すのみ!

俺と鞘姉、そして関羽の三人で賊を倒していく

「なんだ、こいつら 敵うわけねえ 逃げろ~」

賊が逃げ出す が俺はそれを許さなかった

「お前達を逃がす訳にはいかない」

俺はそれを察知していたので回り込んで賊の退路に立ち塞がった

「そんな、助けてくれ」

「お前等が殺してきた人達の中に同じ事を言った人達はいなかったのか

 その人達をお前等はどうした」

賊に対して冷酷な言葉を吐いて斬り捨てた

 

俺達が村に到着してから1刻後、賊は殲滅された

「終わったね」

鞘姉が話しかけて来た時

「あの、ありがとうございます」

俺が最初に助けた女性が話しかけて来た

~鞘華視点~

一君に話しかけて来たのは私よりやや小柄だが同じ位の年の女性だった

コバルトブルーの瞳が綺麗な、可愛い顔立ちをしている

胸は私と同じ位 やっと巨乳以外の女性に会えた

 

「私の姓は徐、名は庶、字は元直、真名は静里

 命の恩人の貴方達に真名をお預けします」

徐庶元直?三国志で有名な軍師じゃないの

徐庶まで美少女とは

「鞘姉、諦めて受け入れよう」

一君も同じ考えだったようで苦笑いをしている

 

「あの、御二人は『天の御遣い』様なのですか?

 見たことも無い意匠の服を着て、見たことも無い武器を持ち、不思議な武術を修めている

 何より私を、この村を助けてくれました」

徐庶の問いに

「私は・・・」

「俺達はこの世界とは別の世界から来たのは事実だ

 この国を変える為に、この国の人達を救う為『天の御遣い』として行動する」

一君、何言ってるの?

「では、私も役に立って見せます

 この国を、この国の民を救う為に尽力させて下さい」

一君は頷いて

「俺は姓は北郷、名は一刀、字と真名は無い」

「私は姓は北郷 名は鞘華 字と真名は同じくないわ」

一君が名乗ったので私も名乗る

一君、本当に何を考えているの?

~一刀視点~

徐庶と話した後、村長に頼んで鞘姉と村長の家の一室で二人にさせて貰った

「一君、話してくれるのよね」

「ああ、この世界は三国志の時代 それも黄巾の乱の直前だろう

 そうなると、この後董卓の暴政、反董卓連合を経て群雄割拠の時代へと進む

 この流れを止められないなら乱世を少しでも早く終わらせたい

 乱世で泣く人を少しでも減らす為に

 だから『天の御遣い』を名乗ってその為の行動をとりたいんだ」

俺の考えを聞いた鞘姉は

「分かったわ

 私も協力するわよ」

そう言ってくれた

「鞘姉、それと・・・・」

鞘姉の頭を俺の胸に押し付けた

「胸位貸すから、泣いてもいいよ」

 

~鞘華視点~

一君の胸に抱きしめられて

「胸位貸すから、泣いてもいいよ」

人を斬り殺した事、『天の御遣い』として生きていく不安、それらを必死に堪えていた

だけど、そんな事言われたら甘えちゃうよ

「うわあああ~~~~~」

一君の胸で盛大に泣いた、泣き続けた

 

暫くして私が落ち着いたので外に戻る すると

「一刀さん、貴男は間違っています」

劉備が詰め寄って来た

「賊の中には貴方も言ったように食うに困って賊に落ちた人もいるでしょう

 それなのに、襲う意思を無くして逃げようとして、更に命乞いをしている人を殺すなんて

 そんな貴男に『天の御遣い』を名乗る資格があるんですか!」

”パン”

私は劉備の頬を思いっ切り張っていた

許せなかった

賊を逃がせば奴等は他の賊と合流してまた同じ事をする

だから一君は心で泣きながら賊を逃がさなかった

命乞いをした者も許さなかった

それを、自己満足の為に非難した劉備が許せなかった

「劉備、貴女は力を貸すどころか話す価値さえも無いわ

 貴女から預かった真名は返上する」

「俺も、同じく」

私達がそう言うと

「分かりました

 いつか再会した時は私の言った事が正しかったと証明して見せます」

すると関羽が

「劉備殿、私は一刀殿達と共に行きます

 あの方は人を斬る事しか出来ない私の武に真の意義を持たせてくれそうですから」

静里は

「私は一刀様達と共に行く事を既に決めています」

劉備は憤慨しながら胸を張って去って行った

胸が大きいのを自慢してるんじゃないわよね

 

その日は村長の家で泊めてもらい翌日、出立することにした

~あとがき~

 

この外史の桃香は頭の中がまだお花畑です

今後どうなるかは話の中で

 

前作で完全な悪役だった愛紗は一刀と鞘華の陣営になりました

愛紗は桃香教から離せばまともな人材なのでこうなりました

前作で悪役だったので今作では救いを出したかったと言う個人的な理由もあります

 

オリキャラの静里が登場

前作のオリキャラはこれからも出す予定です

前作で書ききれなかった部分も書けたらと思っています

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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