No.737803

艦隊 真・恋姫無双 5話目

いたさん

次回から……恋姫世界へと。 義輝記は……まだお待ちを! 話が浮かばなくて………。 11/18 ニイマルマルマル……若干……修正しました。

2014-11-17 19:23:53 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2331   閲覧ユーザー数:1993

【 珍○景 の件 】

 

〖 鎮守府 裏山の避難場所 にて 〗

 

加賀達の返事を聞いた于吉は……まず持ち出せる資材を、自分達の元に集めるように命令を下す! 

 

加賀「皆が持って来た燃料、弾薬を出来るだけ集めるのよ! それに……鎮守府跡にも、まだ使える物があるかもしれないわ。 気を付けて探索なさい!!」

 

赤城「妖精さん達も……持てる機械や道具とか準備して置いて下さい! 電気が通っているかですって? そんな事は分かりません! 取りあえず持って行ける物は持って行くように! きっと、于吉さんが判断してくれますよ……多分!」

 

ーーー

 

于吉「………フゥ! やはりと云うか、当然と云わざるえません! 『北郷一刀』の種馬的魅力は……世界が変わろうと本質は変わりませんね?」

 

左慈「ふんっ! 今回だけは、北郷一刀の力に感謝せねばなるまい! だが、この戦いが終われば……また敵対関係に戻るがなっ!?」

 

于吉「私は構いせんよ? 左慈に付いて行くだけですから。 ですが……鎮守府の設立場所を早急に決めないと………?」

 

左慈「そういやぁ……卑弥呼が、良き場所を知っているとほざいていたな? よしっ! 早急に俺が聞きに行ってやるっ!」

 

于吉「………では、頼みました!」

 

左慈「あぁ!」スッ!

 

于吉の前から……左慈が消える。

 

于吉「ふふっ! 相変わらず若い女の子に対して……反応が無いようで安心しますよ。 貂蝉や卑弥呼は……捨て置いて大丈夫ですね? 後は……北郷一刀。 貴方が……私の恋敵に? フッ! 左慈は……渡しませんよ……!」

 

ーーー

 

そんな于吉の様子を伺っていた加賀が……ボソッと呟く。

 

加賀「………私達の提督は……ある意味……貞操の危機を迎えているようですね? 艦載機の子達を護衛に付けておきましょう! みな、優秀な子達ですから……!!」

 

赤城「何を考えているの? 何時もの冷静さはどうしたんです? そんな事したら、燃料が直ぐに枯渇するでしょう!? 絶対に止めなさいっ!!」

 

加賀「しかし! 慢心は───!」

 

赤城「────これだけは譲れませんっ!!」

 

加賀「……………くっ!!」ガクッ

 

ーーー

 

『………………………』

 

艦娘達は、非常に珍しい……赤城から説教される加賀を拝見したそうだ……。

 

 

◆◇◆

 

【 双方の労り の件 】

 

〖 扉内の部屋 にて 〗

 

────静寂が室内を包み込む。

 

一刀は、目を瞑り黙って腕を組み、自分の考えを纏める。 

 

七人の艦娘達も……姿勢を正し身動きもせず、一刀の命令を待った。

 

二人の漢女も……一刀をジッと見つめて……反応を探る。

 

一刀は、ユックリと目を見開き発言した。 

 

自分自身を……自分を慕う艦娘達の事を……充分思案して決定した考え。

 

一刀「俺は……この任務! 快く引き受けさせて貰うよ。 理由はどうあれ、敵の狙いは俺だ! 危険が向こうから狙ってくるなら、俺の居場所は即ち『死地』! だから、俺が離れて貂蝉達に協力『私は反対~!』……た、龍田?」

 

龍田が……にこやかに笑いながら挙手を行った。

 

龍田「一刀提督は~お話聞いてる~? 相手は、世界を滅ぼす力を持つ者よね~? そんな相手に~安全だと言い切れる場所が有ると思ってる~?」

 

一刀「……………しかしっ!」

 

龍田「………それにねぇ? 私達が~提督を人身御供にしてまで~生き延びたい卑怯者に見える~? 一回、確かめてご覧なさいぃ~?」ゴゴゴゴ!

 

…………恐る恐る……全員を見渡すと………。

 

雷「一刀司令官の馬鹿ぁあ! 私がぁ! そぉんなに頼りないのぉ!! どうしてぇ……私にも背中の重みを分けないのよぉ!? 馬鹿司令官!!!」

 

電「わ、私の忠告! 『足枷』を! 覚えていないのですかぁ!? 残された者の苦しみ、悲しみを……忘れては……駄目なのです!!!」

 

金剛「提督ぅ!? I am repeating myself again, but.(何度も言うけど)…妹達との別れは済んでいマース! 何故! 私達を信じないのデスカ!?」

 

天龍「オレは……何も言わねぇ! だがなぁ! 一発、思いっきり殴らせろぉ!! その情けねぇ根性直してから……て、提督の傍に……残ってやる!!」

 

長門「……わ、私は……なぁ! 好きで此処に居るのだ! か、か、一刀提督の傍が……一番……安心できる!! だから……その………」

 

港湾棲姫「……一刀? 約束……忘レチャ……ヤダァ! ワタシヲ……次ノ世デモ守ッテクレルンデショウ!? 一人ダケ……ドッカ行ッチャダメェ!!」

 

全員に睨まれ……意気消沈する一刀。

 

一刀「お、俺も……皆と離れるのは辛いっ! あの提督室に来てくれた皆だ! 覚悟も……知っている!!」

 

龍田「それなら~どうしてなのかな~?」

 

一刀「それはな! ……みすみす大切な人達を……間近で殺されるかも知れない……俺の苦しみも分かって欲しいんだ!! 俺は、皆を守れる術など……何も無い!!! あの時の提督室とは違う! 今度は戦場なんだよっ!!!」

 

滂沱の涙を流す……一刀の姿に……今まで怒りを露わにしていた艦娘達は黙り込む。

 

貂蝉「はいはいぃ~~! 駄目よぉ? 暗い雰囲気作っても、良い考えなんて浮かばないわよぉん! それにねぇ~? ご主人様……んんっ……同じだと面倒だわねぇ……一刀ちゃんと呼ばせて貰うわね? 一刀ちゃん!!」

 

一刀「うおぉっ!! 近い近い近いっっ!!!」

 

『───────────!!』ガタッ!!

 

貂蝉の顔が……一刀の顔に急接近する! 

 

その行為に壁際まで退く一刀! 

 

それぞれが艦装を付け直し、止めに入る艦娘達!!

 

部屋の隅で体育座りで座り込みを続ける卑弥呼!

 

優雅な部屋が……阿鼻叫喚の坩堝と化したのだった。

 

 

◆◇◆

 

【 気付く空母水鬼 その1 の件 】

 

〖 元○○鎮守府 近海 にて 〗

 

 

○○鎮守府の襲撃から数ヶ月後………。

 

この世界の海域は……全て深海棲艦達が掌握していた。

 

それも……新たに現れた……空母水鬼の絶大なる力により……他の鎮守府の艦娘達を始め、大本営の艦娘さえも大破の憂き目に合わせ、制海権を奪取したからである。

 

そんな……前代未聞の制覇を成し遂げた……空母水鬼が……新たな王として君臨。 全ての深海棲艦達を支配下に入れるのは、当然の結末である。 

 

★☆☆

 

 

空母水鬼「……………………」

 

南方棲戦鬼「モ、申シ訳アリマセン!!!」

 

 

 

★ーー★ーー★ーー★ーー★

 

つい………先日の事。

 

全深海棲艦を支配下に収めて、後日に名前を確認すると『港湾棲姫』の名が抜けている!……との報告を受けた。

 

空母水鬼「……港湾棲姫……」

 

自分がまだ……ヲ級の頃。 高飛車な姫が多い中で……優しい態度で接してくれた穏健派の姫であった事を思い出す。

 

空母水鬼「何故ダ? 轟沈シタトハ……報告ヲ受ケテイナイガ?」

 

泊地棲姫「ハッ! ドウヤラ……敵ノ提督カラノ……誘イヲ受ケ入レ、○○鎮守府ニ……匿ワレタ模様。 無論……裏切リノ代償ハ……高ク付キマシタガネ?」

 

空母水鬼「何ィ!? 我々カラ……仲間ヲ引キ抜ク提督ガ……存在シタノカ? 一度……会ッテ見タカッタ………。 ソノ剛胆ナ提督ヲ……!」

 

建前では……こう応える。 しかし、本音は……あの想いに込められた『北郷一刀』の片鱗が伺えた為である。 

 

この『世界』には居ない……愛しき男の姿を……重ねるつもりだった。

 

泊地棲姫「○○鎮守府ハ……南方棲戦鬼ノ指揮デ……壊滅シテオリマス。 エェット……提督ノ名ハ……『北郷一刀』ト………」

 

─────────ガタッ!

 

空母水鬼「イ、今……ナント……言ッタ?」

 

泊地棲姫「……ハッ?」

 

空母水鬼「……聞コエナカッタカ………?」

 

空母水鬼は、全体に赤いオーラを纏わせ、全主砲を泊地棲姫に向けて、殺気混じりの言葉を言い放つ! 

 

空母水鬼「提督ノ名ヲ……復唱セヨ!! ナント呼ンダノダッ!!!!!!」

 

泊地棲姫は、選択を間違えれば……即座に轟沈される運命だと理解できた!

 

泊地棲姫「────ハ、ハイッ!!!! 『北郷一刀』デスッ!!」

 

空母水鬼「━━━━━━━━!!!!!!」

 

────空母水鬼が……この世界の『北郷一刀』を知った瞬間だった。

 

★ーー★ーー★ーー★ーー★

 

★★☆

 

南方棲戦鬼は……○○鎮守府の件で収集を掛けられた。

 

逃亡した『港湾棲姫』の粛清、その手引きを行った○○鎮守府提督への報復行為が、評価されたと思っていたのだ。

 

ーーー

 

空母水鬼「貴艦ガ……南方棲戦鬼カ?」

 

暗い海底の底で、姫や鬼の系列ばかりの艦種が、整列しながら王の通路に開けて並ぶ。 まるで……人間界の……王に対する文武百官の整列に見えるが、南方棲戦鬼に、そのような知識は無い。 否、不要である。

 

その、整列の最前列に……艦装を玉座のように座り、組んだ足を偶に変えながら……空母水鬼が……殺伐とした雰囲気を醸し出していた。

 

そんな中……南方棲戦鬼が……空母水鬼の前に自然と跪き、怯えた表情を向けたのは無理もない。 

 

南方棲戦鬼「ワ、ワタシニ……何カ…過チガ……『ギロッ!』──ヒッ!?」

 

空母水鬼は、南方棲戦鬼が喋ると……強大な覇気が流れると同時に……険しい目に睨まれた! ………生きた心地が……まるでしない。 

 

空母水鬼「貴艦ニ問オウ! ○○鎮守府ヲ壊滅状態ニシタノハ……南方棲戦鬼……貴艦デ間違イナイカ……?」

 

南方棲戦鬼「ハッ! ハイッ!! 間違イ御座イマセン……グッ!?」

 

それだけ言葉を語ると……覇気が更に強くなり……身体に纏わり付く!

 

南方棲戦鬼「ガッ! ガハッ!!」

 

空母水鬼「命ジタ者ハ……誰カ居ルノカ……? 正直ニ応エロ!!」

 

覇気が少し弱まり……南方棲戦鬼の周りが……普段と同じ状態に近付く。

 

南方棲戦鬼「イエッ! ワタシノ……独断デス!」

 

空母水鬼「……………………」

 

南方棲戦鬼「モ、申シ訳アリマセン!!!」

 

訳が分からないまま……只管(ひたすら)謝罪する南方棲戦鬼!

 

その様子を見て……空母水鬼は許す事にした。

 

 

☆ーー☆ーー☆ーー☆ーー☆

 

南方棲戦鬼の背後に、例の管理者が居て……私の目的を知っての行動であれば……この世界を破壊し、例の外史に旅立とうと考えたが……。 

 

しかし、管理者側の謀略では無く、南方棲戦鬼の独断なら仕方ない。

 

私の元へ……情報が……もっと早く入れば! いや……この奇跡を受けたのは……運命。 ならば……会えないのも運命なのだろう………。

 

それに……南方棲戦鬼の考えは正当! ならば、ここは士気高揚の為に立てて置くのが利だ。 私の恐ろしさの片鱗は……充分に味合わせた。 

 

もし、それでも反逆するのであれば………フフフフフッ!

 

☆ーー☆ーー☆ーー☆ーー☆

 

 

そう頭では……思案していた空母水鬼だった。

 

しかし……両目には……海水に混じりながら……別の水が……溢れている事に……気付いていなかった。

 

 

◆◇◆

 

【 苦難を越えて……! の件 】

 

〖 鎮守府 裏山の避難場所 にて 〗

 

左慈が卑弥呼達の向こうに行って数時間、于吉は待ち続けたが、決して暇では無く、騒ぎに忙殺されていた。

 

ーーーーー

 

于吉「………燃料、弾薬は出来るだけ用意して下さい!」

 

加賀「まだ……運搬が可能なのですか?」

 

于吉「あちらの世界では、当分の間、生産は無理ですからね? 出来るだけ持っていきましょう!!」

 

ーーー

 

于吉「この機械は……水力発電でも出来ればいいのですが……。 一応、卑弥呼達に預けましょう! いざとなれば、すぐ使えるように……点検だけお願いしますね?」

 

妖精「ワカッタヨ!!」

 

加賀達と資材、妖精さん達に工具の相談。 

 

ーーーーー

 

赤城「ボーキ! ボーキヲ……クワセロォォ!!」

 

于吉「左翼! 後方から回り込み、退路を断つのです!」

 

??「任せろぉ! 日頃の恨みぃ!!」 

 

ーーー

 

于吉「右翼! 左翼の補助を!!」

 

??「クマァ────ッ!!」

 

??「ニャ─────ッ!」

 

ーーー

 

于吉「中央の私達は、ボーキを……これ以上減らされないよう断固死守します!! ───出でよ、傀儡兵!! あの野獣を封じ込めなさい!!!」

 

傀儡兵『────────ザッ!!』

 

赤城「ボーキィィ─────ッ!!」

 

ーーー

 

??「今ですッ! ここで伏兵攻撃を開始!! 私の戦況分析に間違いなどありません!! 行きますよッ!!」

 

『おぉ────────ッ!!』

 

ーーー

 

赤城が飢えて野獣化した物を、残りの艦娘と共に食い止める『難易度S級任務』を攻略!

 

 

そんな中、于吉は………左慈を待ち続けた。

 

★☆☆

 

夜が開ける頃…………!

 

左慈「………今……戻った………ぜ!」

 

于吉「ご、ご苦労さま……! お、遅かったです………ね!?」

 

空間が曲がった瞬間……左慈が飛び降りた。

 

服はボロボロに破れ……髪や肌は煤塗れ。

 

そんな左慈も……着地した辺りを見渡せば……死屍累々と倒れる艦娘達を見て慌てる!

 

しかし、于吉より……『気絶している……だけですから』と言われ……胸を撫で下ろす。

 

左慈「……お、お前も……た、大変だったようだ……な!」

 

二人は……ゲッソリしながら……互いに肩を叩きあった。

 

ーーー

 

左慈「まず……俺からだな。 場所は……『益州内漢中』に決まった!」

 

于吉「漢中ですか? そのような山奥に建造して大丈夫でしょうか?」

 

左慈「あぁ……俺も心配して尋ねたら、大河が流れているし、黄河や長江の距離が約半分ずつで、河川を利用した運搬や移動がしやすいとの事。 それにな、卑弥呼の協力者が、あの地の出身者で顔が効くらしい!!」

 

于吉「ふむぅ……それなら問題は無いですね? 益州なら食糧も困りませんし、地下資源も豊富! 理想的な場所ですよ!」

 

左慈「よしっ! それなら……資材も充分用意できてるなっ?」

 

于吉「まあっ……少し時間は掛かりますが……大丈夫ですよ!」

 

左慈「な……何があったんだ?」

 

于吉「………妖怪『食っちゃ寝』が……飢えで魔神化しまして……つい先程、ようやく封印を施したんです。 解いて……連れて行くのが……大変なんですよ……?」

 

左慈「それなら簡単だろう? 『アイツと会えるぞ?』と一言伝えれば、直ぐに沈静化するだろうに………」

 

于吉「成る程……盲点でした! ところで、左慈の方は……」

 

左慈「俺んとこは済んだよ。 北郷が……自分を慕う艦娘達を、危険に晒したくないと……ほざいてなぁ。 逆鱗に触れて修羅場になっていた……」

 

于吉「じゃあ、先程のように説得を?」

 

左慈「そんな真似は出来ん! だから……北郷の顔を『お前が悪い!』と言って殴りつけてぶっ飛ばした。 そして、『女共を連れて外史に早く行けぇ!』と突っぱねてやったぜぇ!! 北郷も艦娘達も驚いていたがなぁ?」

 

于吉「左慈……貴方はまた……自分を悪者に仕立てましたね? その怪我は、怒った艦娘達の砲撃の跡でしょう? まったく…………クスクスクスッ!!」

 

左慈「ふっ、ふんっ! ウジウジして決断力が無い北郷が悪いんだ!! そ、それよりも早くっ!! 燃料弾薬等の資材を運び入れるぞぉ!!」

 

于吉「分かりました……。 急いで行いましょう!!

 

二人は、待っていてくれる艦娘に駆け寄った。

 

◆◇◆

 

【 気付く空母水鬼 その2 の件 】

 

〖 元○○鎮守府 近海 にて 〗

 

 

空母水鬼「貴艦ニ尋ネヨウ! ○○鎮守府ヲ壊滅状態デノ……戦闘模様ヲ報告セヨ!! ………出来ルダケ仔細ニナ!!」

 

南方棲戦鬼「────ハッ!」

 

南方棲戦鬼は、○○鎮守府ヲ壊滅状態の説明を行う。

 

 

※※※※※※※※※

 

隠密行動で艦隊を動かし、一気に壊滅するつもりが……敵の索敵能力が上回り、早々と気付かれてしまった事。

 

自分達が攻撃を起こす際、○○鎮守府の裏手が輝き、多数の灯りが動くのを見て避難民と判断。 あの中に問題の提督や港湾棲姫が居るかも知れぬと、上陸を試みるが……鎮守府側の猛反撃が凄く、上陸は断念した。

 

後に、情報収集を行えば……鎮守府で砲撃していたのは、かの提督自身であり、港湾棲姫は提督と共に……鎮守府倒壊に巻き込まれたらしい。

 

遺体は……どこにも……見つからなかった。

 

※※※※※※※※※

 

 

南方棲戦鬼は、そこまで説明すると……空母水鬼が俯いているのが見え、『自分ハ何カ……不味イ事ヲ言ッテシマタノデハ……?』と気にした。

 

しかし、空母水鬼は……それ以上問わず……俯いていたままだった。

 

空母水鬼『コノ世界ノ北郷一刀モ……自己犠牲ト仲間想イノ男ダッタカ! アノ想イノ中ニ居タ……男トソックリナノカ……。 ツクヅク惜シイ男ヲ──亡クシタ───!!!』

 

そう………落ち込む空母水鬼に……南方棲戦鬼が声を発した。

 

南方棲戦鬼「ア、アノォ………ヒトツ不可解ナ事ガ………」

 

空母水鬼「…………ンッ?」

 

南方棲戦鬼は、恐る恐る……ある出来事を語る。

 

南方棲戦鬼「実ハ……鎮守府ノ部屋ノ一角デ……謎ノ光ヲ確認シテイマス! 閃光弾ヨリ眩イ光ガ……辺リヲ照ラシ……ソノ後……建物ガ倒壊シタノデス……。 タワイノナイ話デスガ……念ノ為……御報告ヲト……?」

 

空母水鬼は、急に起き上がり──南方棲戦鬼に近付いて揺さぶりながら──確認する! 空母水鬼の険しい顔に、恐怖を覚えながら……正直に応えた!

 

空母水鬼「ソレハッ────真カァアア!?!?」

 

南方棲戦鬼「マ、間違イ……ゴ、ゴッ、御座イマセン!!!」グラグラ!

 

南方棲戦鬼が見た光……『次元跳躍』が起こった際の現象だったから。

 

空母水鬼「………『北郷一刀』ガ生キテイル! ナラバ……『港湾棲姫』モ!? 至急情報ヲ集メヨッ!! 同時ニ……例ノ外史ヘ向カウ準備ヲ整エヨ!! モシカスルト……外史ニ出現スル可能性ガァ!!」

 

空母水鬼が命令する指令は絶対! 逆らえば殺される! 

 

姫や鬼の艦種達は……慌ただしく動きだした!

 

 

 

◆◇◆

 

【 力を貸す乙女達 の件 】

 

〖 元○○鎮守府 近海 にて 〗

 

空母水鬼「……姫ヤ鬼ノ艦種ハ……ワタシガ連レテ行ク。 後ハ任セルカラ……元気デナ?」

 

ヲ級「ア……アリガトウ!」

 

レ級「デ、デモ……本当ニイイノ?」

 

元仲間だった……下級深海棲艦達は、元ヲ級だった空母水鬼を……恐々と眺めながら聞いた。 

 

空母水鬼「ダッテ……ワタシガ目指シテイタ事ダッタンダヨ? 深海棲艦ガ仲良ク暮ラス……ノハ無理ダケド……皆ガ幸セニ暮ラセルノナラ……」

 

空母水鬼は、普段と違い……にこやかに笑顔で応えていた。

 

ーーーーー

 

自分がヲ級の時より思っていた……格差。 

 

『下級の深海棲艦を救う為には、どうすれば良いか?』 

 

ヲ級の頃より考えて課題を……空母水鬼になってからも思案していた。

 

こんな時……力を発揮させたのは……あの想いに宿る乙女達。

 

三国の一国を建国した覇王様、もう一つを建国した王の友人にして有能な軍師

の才能が……力を貸した。

 

『軍を操るには……厳しい規律と厳正なる報奨! 信賞必罰が大事よ!! 騒ぐ者など……私が抑えてあげる!!』

 

『内訌の兆候が現れば……長期に目指すは組織の変換、短期であれば、外部への侵攻で国を纏めよ! 後々の事も考えて行動するんだ!!』

 

そう頭の中で……応援してくれるが……。

 

だけど、そんな真似……自分に出来る訳が無い。 

 

鬼や姫の実力は肌身に染みている! 絶対に無理だ……! 実力では……勝てない!!

 

しかし、その際も……三国の一国を建国した王、自由気ままな国王が……力を差し出す。

 

『国の基本となる……民を大事にするのは大切な事! 私に任せなさい! あぁ~んな奴ら……のさらばせておかないわよっ!? だから……自分を信じなさい!』

 

お陰で……深海棲艦を法治政治で縛り付け、徹底的に服従を覚えさせる事を実行! 信賞必罰でやる気を引き出し……組織を強化!!

 

刃向かう奴らには、圧倒的な武力行使で沈黙させた!

 

ーーーーー

 

そうして、纏め上げた深海棲艦の組織!

 

私は……この艦隊を引き連れて……更に進むのだろう!

 

空母水鬼「スマナイ……! モウ行カナクテハ! 皆! 幸セニナ!!」

 

タ級「必ズ……! 必ズ……マタ会イマショウ!?」

 

レ級「…………頑張ッテネ!!」

 

それぞれ……名残惜しげに……別れの挨拶を交わした。

 

ーーー

 

『………私は、戻って来る事は無い! だから……二度と会う事は無いと思うけど……皆が……笑顔で暮らせてくれれば……嬉しいなぁ!!』

 

そう願いながら……後にした。

 

 

ーーーーーーーー

ーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

続きを書いてみましたが……やはり……難しいなと実感してます。

 

でも、当分は続きますので……。 

 

せめて虎牢関までは、なんとかしたいと思っていますよ。

 

また、宜しくお願いします。

 


 
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