No.737512

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第365話

2014-11-16 10:03:53 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1578   閲覧ユーザー数:1430

 

 

準備を整えたリィン達はバリアハートに向かう前にエステル達がレグラム支部を去るのでマイルズに挨拶をする事にし、ギルドを訪ねた。

 

~遊撃士協会・レグラム支部~

 

「お疲れ様、将軍たちにもお帰りいただけたみたいだね。」

「ええ、さすがの迫力で圧倒されましたが……」

「あちらは様子見のつもりだったようですが、不意を突かれてしまいましたわね。」

「わが身の未熟を思い知らされたが……ここで立ち止まるわけにはゆかぬ。今は前に進もうと決めた次第だ。」

「ああ、Ⅶ組全員が揃うまであと少し―――必ず全員で再会しよう!」

「はい!」

「うんうん、その意気だ。それでエステル達が彼らと共にいると言う事は……彼らと一緒に行くんだね?」

リィン達の様子を微笑ましそうに見守っていたマイルズはエステル達に視線を向けた。

 

「うん、ヴァリマールの”精霊の道”だっけ?リィン君達がそれを使ってユミルに戻っているそうだから、それに便乗させてもらうつもりよ。」

「ユミルにはセントアークに繋がる転移魔法陣がありますので、ユミルを経由してセントアークに向かうつもりです。」

「わかった。君達が抜けるのは正直痛いけど元々決まっていた話だから仕方ないね。ちなみにエイドスさんもこのままエステル達と一緒に彼らと行動を?」

エステルとヨシュアの答えを聞いたマイルズは残念そうな表情をした後すぐに気を取り直してエイドスに視線を向けた。

 

「ええ。私の目的を果たす為にもエステルさん達やそのセントアークという都市にいるお母様達と一緒に行動をさせてもらうつもりです。」

「エイドスさんの”目的”…………」

「少々気になりますわね。」

「そう言えばエステルさん達はどこでエイドスさんと知り合ったのか、何故エステルさん達と一緒に行動をしている理由を誰にも教えていないそうですが……」

エイドスの答えを聞いたガイウスは呆け、シャロンはエイドスを見つめ、リィンは真剣な表情でエステルとヨシュアを見つめ

「ア、アハハ……悪いけどさすがにこればっかりは言えないのよ。」

「言えない理由に関しては申し訳ないけど、”察して”くれないかな?」

エステルは苦笑し、ヨシュアは静かな表情でリィン達を見回した。

 

「ま、まあそう言う事なら仕方ないわよね?」

「え、ええ。エイドスさんにも何か深い事情があるのでしょうし。」

「フム、聞く方が野暮というものだな。」

「そうだな。こうして出会えただけでも幸運と思うべきだ。」

ヨシュアの言葉を聞いてある程度”察した”アリサとエマは冷や汗をかきながらエイドスに視線を向け、ラウラの言葉にガイウスは頷いた。

 

「そう言えばアンタとエイドスが遠い親戚らしいけど……それは本当なのかしら?」

セリーヌは真剣な表情でエステルとエイドスを見つめて尋ねた。

「「………………」」

すると二人は互いの顔を見合わせて頷いた後セリーヌを見つめて笑顔で答えを言った。

「「それに関しては”乙女の秘密”です(よ)♪」」

「……………………もういいわ。聞いたアタシが馬鹿だったわ。」

笑顔で同時に答えたエイドスとエステルの答えにセリーヌは呆れ、その場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

(な、何だか段々二人が血が繋がっている親戚って言われてもおかしくない気がしてきた……むしろ”姉妹”って言われてもおかしくないくらい、違和感がないし……)

(というか、お願いだからこれ以上私達の”空の女神”のイメージを壊さないで欲しいわ……)

(うふふ、それでヨシュア様。結局の所、真偽の方はどうなのですか?お嬢様達には秘密にしておきますので、私にだけお教えして頂けませんか♪)

(ハハ……ノーコメントで。)

リィンとアリサは疲れた表情をし、興味ありげな表情をしているシャロンに尋ねられたヨシュアは苦笑しながら答えを誤魔化した。

 

「ハハ……――そうだ。バリアハートに向かう前に君達にぴったりの仕事があってね。よかったら引き受けてくれないかな。」

その時気を取り直したマイルズがリィン達に説明し、それを聞いたリィン達は冷や汗をかいた。

「え、ええと……」

「あれ?まだ片付けていない依頼があったっけ?」

「もしかして僕達がいない間に来た新しい依頼ですか?」

リィンは困った表情で答えを濁し、エステルとヨシュアは首を傾げて不思議そうな表情で尋ねた。

 

「いや、リィン君達を指名しての依頼があるんだよ。」

「………………?とりあえず見せてもらえますか?」

マイルズから依頼書を受け取り、依頼内容を読むとリィン達を指名した依頼があった。

 

「なるほど、こういう事ですか。」

「それにこれくらいの量ならこなせそうですね。」

「受けるかどうかは君達にお任せだけど、できればお願いするよ。それじゃあ気を付けて。女神(エイドス)の加護を祈っているよ。……って、あ。別に祈らなくてもちゃんと女神の加護はあるね。ハハ…………」

リィン達に激励をしたマイルズだったがすぐにエイドスに気付いて苦笑し、その発言を聞いたエステル達を除いたリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせてエイドスを見つめた。

「何度も言っているように私は”ただの新妻”です♪い・い・で・す・ね~~~~~??」

するとその時エイドスは膨大な威圧を纏った笑顔でリィン達を見回し

「は、はいっ!」

エイドスの威圧に圧されたリィン達は思わず姿勢を正して頷き

(やっぱりエステル達の先祖だけはあるね。ああいう強引な所とか、まさに父さんやエステルそっくりじゃないか………)

ヨシュアは呆れた表情でエステルに視線を向けて小声で呟いた。

(ムッ……強引って失礼しちゃうわね!あの不良中年親父はともかくあたしがいつ、そんな事をしたのよ!?)

(自覚すらしていないんだ……もういいよ…………ハア…………)

そしてエステルの答えを聞いたヨシュアは疲れた表情で溜息を吐いた。

 


 
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