No.731950

真恋姫無双 舞い降りし剣姫 第十五話

ZSANさん

汜水関の戦い後篇です

2014-10-22 22:53:06 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2807   閲覧ユーザー数:2551

~鞘華視点~

初日で連合軍に大損害を与えた私達は籠城(砦?)戦に移行した

だが、静里曰く

「まだ総力戦で来られたら勝ち目がありません

 機を見てまた攻勢に出なければならないでしょう」

そう、初日で大損害を受けたのは劉備軍のみ

その他の諸侯は霞の突撃を受けたとはいえ単体で受けた訳ではないので深刻な兵の損害はない

兵糧や士気低下の方が問題だろうとの静里の予測だ

「ま、一度の突撃だけで全てが終わるような数やないからな」

と霞自身も言っている

 

二日目、孫策軍が先鋒として攻めてくる

しかし、こちらは籠城して攻めて出ない

孫策が関羽のように挑発してるが無視を決め込む

さしたる戦いもなく二日目は終わった

 

三日目、同様の布陣で同様の展開

このままなら楽なんだけどそうは行かないだろうな

そのまま三日目の日が暮れた

~孫策視点~

「き~、何をやっているんですか!

 三日たっても汜水関を落とせないなんて

 孫策さん、貴方は二日間何をやっていたのです」

うるさいわねえ、関に籠ってる上に挑発にも乗ってこない相手をどうやって攻めろって言うのよ

数にものを言わせれば兎も角、うちはそんな大軍じゃないのよ

「言葉を返すようだが我らは兵の数も袁家ほど多くはない

 いっそのこと袁家で攻められてはいかがかな

 こんなところで責任を追及するよりは余程ましだと思うが」

流石、冥琳 うちで嫌味を言わせたら右に出る者はいない

(雪蓮、後で話がある)

(何で考えてることがそんなに解るのよ~)

「なにを、こそこそしゃべっているんですの!

 まあ、言ってる事は一理ありますわ

 しかし、総大将の私がこんなところで動く訳にはいきませんわ

 だから、袁家は袁家でも美羽さん 貴方が行ってください」

「なんで妾が」

「孫策さんは、貴方の所の客将

 その孫策さんが失敗したのですから主客の貴方が行くのは当然ですわ」

これは好都合と言えそうね

「それでも、どうこう言うのでしたら陶謙さん 貴方も一緒に行って下さい」

陶謙は完全にとばっちりよね 偶然目が合っただけなんだから

軍議はそれで解散となった

 

「雪蓮、明日の事だが董卓軍が打って出てきた場合

 袁術が危機に陥る可能性がある

 まだ、袁術に死んでもらう訳にはいかん

 それをするのは我々でなくては、な

 だから、袁術が危なくなったら救援に行ってもらうぞ」

「解ったわ」

「それと、軍議の最中考えていたことでたっぷりと話がある」

だからなんで考えてることがそんなに解るのよ~

~鞘華視点~

連合軍の配置が変わった

袁術と陶謙が前に出てきた

「ここで袁術の兵を削るのが上策ですね

 霞さんの部隊は陶謙に、鞘華様の部隊は袁術に向かってください

 部隊の能力は霞さんの方が上なので陶謙軍を完全に叩きのめす可能性を高めるためです

 鞘華様は袁術の軍を減らすことを念頭に深入りしないで下さい」

静里の言葉に出陣の準備に取り掛かる

 

袁術軍と陶謙軍が十分近づいた所で開門して突撃を仕掛けた

どちらの軍も練度が低いうえに打って出てくるとは思っていなかったようだ

油断しきっている

どんどん進んでいくと袁術の旗が近くにに見えた

これは、もしかして袁術を討てる?

そう思った瞬間鋭い斬撃が飛んできた

その斬撃を何とか躱す

「あ~やっぱり当たらなかったか~」

斬撃の主は孫家の王、江東の麒麟児、巨乳四連星の一人、孫策だった

「久しぶりね一姫

 単刀直入に言うけどこっちに来ない?

 あんたには借りがあるし、蓮華も会いたがっているわ どう?」

「蓮華の事は気にかかるけど断るわ

 こっちにも事情があるからね」

「じゃ、捕えて連れていくわ

 借りをここで返すことは出来ないからね」

孫策との一騎打ちになった

 

孫策の連撃に防戦一方になっていく

霞より速いんじゃないの?

いや、一撃一撃の速さは霞の方が速い

だが、武器が霞の飛龍偃月刀より小回りの利く剣の為連撃の速さが上なんだ

何とか捌くが反撃が出来ない

間を取ろうとしてもその間をすぐに詰めてくる

「間を取らせたらダメだって、私の勘が言ってるのよ」

鋭い、けど勘でリスクを負うって何考えてるの

「そら、そら、そら」

このままではまずい

そこで私は苦し紛れの斬撃を放つ

それは孫策にたやすく防がれるがそれでいい

そこへ私は後方宙返りで孫策の顎を蹴り上げにかかる

それは孫策も予測できなかったようで後ろに下がって躱す

間合いが開いた

その隙に抜刀術の構えを取る

霞同様、速い攻撃の相手には、更に速い攻撃が最も有効のはず

「勘の鋭い孫策にはこれを使うか」

私は抜刀術を放つ

孫策は初見にも関わらずその斬撃を止めた

が、その刹那の後 孫策に逆方向からの私の右上段回し蹴りが決まった

孫策はその場に倒れた

私の修行した北天一心流は剣術でありながら体術も重視する

すなわち、剣術と体術の融合 それが北天一心流

だから私の蹴りは空手の有段者に匹敵する

ちなみにスカートで上殿回し蹴りをしたら下着が見えてしまうので、ちゃんとスパッツを履いています

この辺は乙女の嗜み

孫策を倒して一息つけた

が、これがまずかった 戦場で気を抜く莫迦がどこにいる

「雪蓮様は殺らせません」

突如、斬撃が飛んできた

それを何とか躱す

この娘は確か周泰といったかしら

この娘の隠形、半端じゃないわ

周泰の斬撃を躱した私に追撃がかけられる

この娘は甘寧ね

躱しきれず日本刀『朱雀』で受け止めるが態勢を崩された

そこへ矢が飛んできた

体を捻り何とか急所を外すが、躱しきれずに矢が左腕の肘と肩の間にささる

矢に射られた腕を抑えながらふらふらと後退し

「確か黄蓋さんだったっけ?」

「ふ、祭でよい」

「なら私の真名は鞘華よ

 貴方のその隙を見逃さない眼力、矢の正確さ、尊敬に値するわ」

状況は最悪に近い

どうやって脱出するか

そこへ

「鞘華~、無事か~」

霞が来てくれた

「陶謙の奴は討取った

 汜水関に撤退するで」

騎馬で不意を突かれた孫策達の隙を見て霞に馬に乗せてもらい撤退した

汜水関に戻るとすぐに腕の治療を受けた

幸い2、3日で動かせる程度にはなるようだ

だが、回復の時間を稼ぐためにも虎牢関へ撤退するしかなくなった

今日の戦いは私の負けだ

~あとがき~

 

北天一心流の特徴を説明しました

体術との融合する武術の使い手の話はあまり見た覚えが無いので

体術も優れているって話は見ますけど

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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