No.722550

真・恋姫†無双 巡る外史と仮面の魔神 六十話

XXXさん

三巡編

いりゅーじょんにゃ

2014-09-26 20:42:06 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1203   閲覧ユーザー数:1132

とある世界…紅葉が見えるアパートで、自分の部屋に籠っている少年。

リトは、ぼぉ…と紅葉を見ていた。

 

「きゅっ!きゅー!」

「……………」

「ピチュッ…。ピチュピー!」

「ん…ああ、ごめん。なんだったっけ?」

 

頬を引っ張られてやっと気付くリト。

そんなリトを心配してか、コンとミミは心配そうな顔をしていた。

 

…リトがあの外史から帰ってきて三ヶ月が経った。

現在リトは受験勉強真っ盛りの時期。

それで勉強していたのだが…心ここにあらず、といった状態だ。

 

「リトの奴、帰ってきてからどうしちまったんだ?」

「さぁ?でもたぶん、この前の世界で何かあったんじゃないの?」

「この前…。アカン、口んなか甘く…」

「すき焼き食べるの大変だったもんね」

「あー、アイツがぐちぐちしてるとイラつく!」

「侑斗、カルシウムカルシウム…」

「ふむ…では、私が行って慰めの歌を…」

「「「図が高い!」」」

 

ドアの隙間から除く七人がいた。

上から順にモモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロス、侑斗、デネブ、ジーク、最後はジーク以外の全員でそう言う。

実際、リトが帰ってきてからああなのだ、心配しない訳がない。

そんな時、問答無用にドアを開けて入る女性…覆黄 祭がリトの元に茶を持ってきた。

 

「ほれ、茶じゃ。少しは休憩せんかい」

「…ども」

「どうしたんじゃ、平沢?何か悩みか?ん?」

「…何でもないっすよ、管理人さん」

「ほれ、それじゃ。前は名前で呼んどったのに…」

「別に、何でも…」

 

目を合わせたくなかった、姿を見ようとはしなかった。

そんなことをしたら、思い出してしまう。

あの外史の事を…未練があるあの外史の事を。

変な奴だな、と思いつつも彼女は部屋を出た。

そんな様子を見つつも、リトのポケモン達は口々に話す。

 

「ガウ…(マスター、何かあったのか…)」

「フォォ(今はそっとしといてやれ。辛いときは一人になった方がいい)」

『乗り越えなければならない事は、自分自身でしなければならないことになるだろうからな…放っておこう』

「メッタ?(良いこと言ってるけど納豆混ぜてるのはどうかと思うよ?)」

 

 

prrr…prrr…

リトの電話がなっている。

誰からだろう…リトはケータロスを確認すると…そこには自分の知らない番号があった。

 

「…ん?こんな番号、あったっけ?」

 

間違い電話かもしれない…そう思ってリトは電話にでる。

そして聞こえたのは、三ヶ月前に聞いたきりの声。

 

「もしも…」

『やほー、おひさー!元気ー?』

 

変にテンションが高い声…これは白い魔法使いの声だ。

リトはその事に目を丸くし、思わず椅子から立つ。

コンとミミはその事に驚いた。

 

「きゅっ!?(ふぇっ!?)」

「ぴ、ピチュピー?(ま、マスター?)」

「お前、何で!?」

『あー、そうだった。話あるんだった。実はさ、あの外史がさー、ヤバイんだよね、世界滅亡的に』

「な、何で…!?」

 

白い魔法使いから有り得ない…聞きたくない事を言われた。

あの外史とは分かっている…では滅亡とは何だ…?

確かにリトは再創造した、それは自分が一番分かっている。

だが、何故その外史が滅亡しようとしているのか。

 

『こっちが知りたいよ。専門は君だと思うし。じゃ、早く来てねー』

「……くっ!」

 

ツー、ツー、と電話が切れた音がする。

リトは少し戸惑ったものの、急いで着替えた。

いつもの黒いスーツ…それにマントを。

そして次元のオーロラを発生させた時…

 

「また別の世界に行くのか?」

 

背後から声をかけられた。

その正体は、帽子とスーツを着た赤ん坊…リボーン。

見ると机に立っており、窓から入ってきたことが分かる。

 

「チャオっす、リト」

「リボーン!?お前、どうして…」

「ちょっとバカども(タロウズ)に用があってな。…急いでんのか?」

「ああ。悪いけど、もう…」

「じゃあこれ持ってけ」

 

リボーンはポケットに手を入れ何かをリトに向かって放り投げる。

それは小さく、そして少し細い物。

リトはそれを見て意外そうな顔をした。

 

「これは…」

「必要になるぜ。俺の勘がそう言ってる」

「…ありがと」

 

そう言い、リトはオーロラを潜り抜けた。

 

 

 

 

「…来たな」

「お久しぶり…と言っても、私達にとってはあまり関係ないのですが」

 

管理者の部屋…ここには左慈、于吉、卑弥呼、司馬懿、白い魔法使いがいた。

何故貂蝉はいないのか…疑問に思うがまずリトは質問する。

 

「それで、何が起こったんだ」

「うむ。あれを見よ」

 

卑弥呼がそう言い指を指すと、そこに映像が現れた。

そこに写っていたのは…有り得ない光景。

…怪人が、町で暴れているのだ。

 

「怪人…!?なんで…」

「私達もそれを調べている所なのよ」

『あの外史で先生やってる貂蝉も頑張ってるけどね』

 

白い魔法使いの言うとおり、貂蝉は再創造した外史の監視の為、聖フランチェスカにいる。

だが当の本人は怪人の対応で精一杯らしい。

そう聞くと、リトはうつむき拳を握る。

 

「あの外史は再び俺達を拒絶した。…行けるのはお前だけだろうな」

「ああ…俺が時を越える。怪人が最初に出てきた時間に、俺が行く」

「ですがそれは貴方に負担が!」

「だから?…俺が原因でああなったんだ。だから、俺が止める!」  

『Hyper Clock Up』

 

 

ついたのは飛行機の中だった。

ハイパークロックアップをし、体力を消耗しているリトは周りを見て少し様子を伺う。

ただ周りの客と乗組員は驚いているが。

 

「ここは…飛行機?」

「あの、お客様…何処から?」

 

キャビンアテンダントに話し掛けられるリト。

だがしかし、それと同時に機内の屋根から何者かが屋根を抉じ開けてきた。

それは…正気のない目をした荒ワシ師団長だった。

 

「ケェエエエエエエエエッッ!!」

「荒ワシ師団長!?……変身!」

 

とっさに蹴りで屋根の外へ押し返したリトは外に出てそのまま変身。

このまま戦うつもりだったのだろう…しかし、彼が変身したのは最弱のクウガ・グローイングフォームだった。

 

(グローイング!?何で…)

「ケェアアア!!」

「ぐああああああ!!」

 

動揺する最中に荒ワシ師団長に攻撃されるクウガGF。

飛行機の上と言うこともあってか、クウガGFはそのまま空に放り出される。

だが変身解除し、飛んだリトは仮面を腕に纏わせ光子力を腕に集めた。

 

「はぁああああ…!!ビックバンパンチ!!!!!!」

「グケェエエエエエ!!」

 

ビックバンパンチはゼウスの腕の幻影と共に荒ワシ師団長に当たり、遠くまで吹き飛ぶ。

そしてそのまま爆発…屋根の部分が損傷し、恐らく不時着するだろう。

何の心配もいらない…一安心したリトだったが、まだ終らない。

なんと、こじ開けられた屋根から水着を着た少女が飛び出して来たのだ。

それは間違いなくリトの知る少女…桃香だ。

 

「きゃあああああ!!」

「!?…桃香…!」

 

リトは急いで桃香の元へ飛ぶ。

やはり最初のダメージがあるのかなかなかスピードが出ない。

しかし、そんな事を気にするほどリトに余裕はなかった。

 

「ぉおおおおおおおお!!」

 

叫び、力を込めながら桃香に接近。

そして、下の海面に到着する前にリトは桃香を抱きしめた。

まるで水切りのように何度か跳ねると、リト達はどこかの島の沖についていた。

全身が痛むが、リトは桃香の肩を揺らす。

 

「おい、桃香!…桃香!」

「う……」

 

どうやら気絶しているようだ。

外傷もなく、どこにも異常は見られない。

リトは桃香をどこに運ぼうか考えていると、そこに南蛮族…いや、この島ではニャンバン族が森からやって来た。

 

「にゃー♪にゃー♪にゃー♪きょーも、いっぱい魚をとーるのにゃー♪」

「にゃ?だいおー、あそこに誰かいるのにゃ!」

「よそ者にゃ!?」

「にゃ~?」

 

こっちを見られ、存在を確認された。

リトはそれを見て、声をかけようとするが…黙る。

正直、関わる事はしたくない。

リトはそう思い、再びハイパークロックアップした。

 

『Hyper Clock Up』

「にゃー!?消えたのにゃ!?」

「あれだにゃ!いりゅーじょんにゃ!」

「でもあそこの奴は消えてないじょ?」

「パイパイにゃ~」

 

「っはぁ…!はぁ…」

 

どこかの路地裏だろう、日がまともに射さない場所で、リトは息を荒くしていた。

二回ハイパークロックアップしただけでここまでの消耗…果たしてどれだけ行けるのか…いや、そんなことを考える暇はない。

リトは無意識に…仮面を着けて、時を越える。

 

『…次だ』

『Hyper Clock Up』

 

聖フランチェスカのプール…ここでは生徒会長を決める対決が終わっていた。

勝者は袁紹軍…敗者の愛紗達は悔しがるどころか、姉妹の絆を再確認していた所だ。

そして幕は閉じる…筈だった。

一体の異形…イカデビルが現れるまでは。

 

「イカァアアアアア!!」

「な、何だ!?」

「化け物…!?」

 

突撃現れたイカデビルを前に、袁紹達は一目散に逃げ出す。

その次に周りの観覧者が悲鳴を上げながら逃げ出した。

愛紗達も逃げ出そうとするが、空腹で力が出ない鈴々は途中で足を滑らしてしまう。

 

「あうっ!」

「鈴々!」

 

愛紗がそれに気付き、手を伸ばしたがもう遅い。

イカデビルの鞭が愛紗の手より先に鈴々へと降り下ろされる。

威力は十分…鈴々を粉々にするものだ。

実況席の貂蝉は慌てて急ごうとする…が、その前に鞭を斬る者が現れる。

 

『HyperClock Over』

「イカアアアアア!?」

「え…?」

『っ…早く行け!』

 

刄金を持った人物…リトは疲れで膝を付きそうになるが、なんとか持ちこたえる。

鈴々に逃げるように言うと、リトはイカデビルへと走った。

そして斬りかかるが、力のこもっていない一撃はすぐに弾かれ、逆に蹴りを入れられた。

 

「イカァ!」

『ぐっ…!』

「イカァアアアー!」

 

倒れるリトにイカデビルは追い討ちをかけようとするが、足を捕まれプールの中へ引きずり込まれる。

イカデビルは水中特化の改造人間だ…リトに不利なのは分かっている。

だがリトはイカデビルをそのまま逃げられないように羽交い締めにすると、捨て身の一撃を放つ。

 

「イカッ!?」

『…光子力ビーム!』

 

瞬間…プールの水が一気に弾けとんだ。

あまりの威力の光子力ビームはプールの底にも深い跡を残す。

ただリトも無事な訳ではなく、胸当たりが少し焼き焦げていた。

幸いにもそれだけしか被害がない…リトは息を切らしてプールから出る。

 

『うっ…ぐ…!』

「あ…大丈夫ですか!?」

『…!』

『Hyper Clock Up』

 

それと同時に朱里を筆頭に多くの人がやって来た。

どれも見たことのある顔…リトは逃げるようにそこから消える。

そして、次へと跳んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

XXX「作者と!」

一刀「一刀の!」

X一「「後書きコーナー!」」

 

XXX「私は帰ってきたー!」

一刀「それもそうだな。俺もだけど」

 

XXX「前回再創造したリトは住んでるアパートに居るんだな、うん」

一刀「てか前作前々作のキャラ出てるぞ」

XXX「そこはまぁ、仕方ない」

一刀「そういやリトの世界にも祭さんいるんだったな」

XXX「まぁね。でも顔見れないしあんま話したくないんじゃない?思い出すから」

一刀「それとリボーンが渡したのは?」

XXX「後のお楽しみ」

一刀「…所で何でまた怪人が出てるんだよ?怪人出さないために再創造したんじゃないのかよ」

XXX「んー、再創造は世界を安定させるのが主なんだけど…怪人の方はまた後でね」

一刀「グローイングにしか変身できないのは?」

XXX「戦う事に迷いがあるんじゃない?戦わなきゃ誰か死ぬけどその姿見せたら桃香達思い出すかも知れないって感じ?ま、思い出さないけど」

一刀「てかビックバンパンチと光子力ビームって…」

XXX「出さないと存在忘れそうで…」

 

一刀「じゃあ次回予告やる?」

XXX「モチコース。とりあえず一刀よろしく」

一刀「次回、六十一話は」

XXX「三巡編 “お帰りなさい”。…このセリフは初登場のキャラです」

一刀「この時期に?」

XXX「まぁ…ね」

 

Ο△Οノシ再見

 

 


 
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