No.720409

【デジナミ】迷子二人【夏祭り】

最終日に滑り込みで…!昨日上げようとしたのですが腹痛に襲われどうにもならず…
宣言していた通りの交流ネタです!まだ絡んだ事のないコンビでお送りしました…!若干勢いで書いたのでキャラがあってるか不安です…
そして毎度表紙のない体たらく…

お借りしました!

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2014-09-21 23:21:53 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:927   閲覧ユーザー数:914

夏祭り

 

「あれ?えっと…こっち、かな?」

「うーん、分からないでありますー」

マップデータを広げて目的の場所を探すが見つからず、ルナは忙しく顔を右往左往させる。

しかし、周りに見えるのはたくさんの人混みと、高く聳え立つお店だけで、目印は全く見えてこようともしない。

「どうしよう…」

浴衣のお店に行きたいのだが、全く辿り着けずに既に泣きそうである。

フレンドリストから助けを求めようとしたが、軒並ログインしておらず助けを求めようもない。

「デジモン達に聞いたらどうでありますか?」

「あっ、そっか!そうだね!」

思い立ったら即実行、再度首を廻らせて、最初に視界に入ってきたのはパグモンの姿。

「あの子に教えて貰おう!」

「了解であります!」

近寄って話し掛けると、気さくに笑ってくれたので道を聞いたのだが、一回一回で説明が全く違う。

「ここを右に行って、左に曲がって、また右だよ!」と言ったと思えば「左から回って角をまた左、最後に右ね!」

と言い出したりと、さっぱり道が分からない。

「えっ、ええ…?結局どう行けばいいの…?」

「わっかんないかなー!理解力ないなー!」

「しっかり教えて欲しいであります!」

「しょうがないなー」

言いながらパグモンは一つ鼻息を荒く吐くと、

ロップイヤーの様に垂れた耳のような部位を差し出してにんまりと人の悪そうな顔で笑った。

「肉!ちょうだい!」

「えっ?」

「世の中ギブアンドテイク!分かりやすく丁寧に教えてあげるんだから、報酬くらいあってもいいんじゃなーい?」

目の前に「あげる、あげない」の選択肢ウィンドウが出てきて、ルナは少々戸惑う。

釈然としないまま、しかしお店にたどり着けないのも困るからとあげるの選択肢に触れようとした瞬間…

「あげなくていいよ」

背後から声がして思わず手を引っ込める。

振り替えればそこには鶯谷色の髪に翡翠色の瞳を知的そうな印象の眼鏡で覆った少年が佇んでいた。

「そいつ、トラップイベントだよ。あげるにしたら肉盗られる」

「ほ、本当でありますか!?」

「し、失敬な!そんな事しないよ!!」

「ならば何故そんなに動揺するのかのう?」

「うっ、うう…!」

まだ食い下がろうとするパグモンを今度は彼のパートナーとおぼしきブイモンが優しい顔をしつつも叱る声色で凄むと、慌てふためいて。

「なっ、なんだよなんだよ!なら道教えてやんないんだからな!ずーっと迷子になっちゃえ!!ベーッだ!」

くるりと後ろを向くと、ぴょんぴょんと跳ねて路地裏へと消え去っていく。

いつの間にか選択肢は消え去っており、呆然とパグモンが消えていった先をルナは見つめるばかりだった。

「パグモンはかなりずる賢いやつだよ。攻略サイトにも要注意デジモンで乗ってるでしょ?なんであんなのに道を聞いたの?」

「えっ?ええ…ごめんなさい、つい…」

いきなり叱られ、肩を竦めて項垂れる。

目の前の少年は呆れたように溜め息を吐いて再度口を開く。

「……まあいいよ、行きたい所はどこ?連れて行ってあげる」

「えっ、いいんですか?」

「まあ…首突っ込んだのは俺だから」

「太っ腹でありますー!」

ぶっきらぼうに呟く彼に、ルナは嬉しそうに笑って浴衣の店に行きたい旨を伝える。

少しだけ彼は目を見開いたが、直ぐ様踵を返して自分が向かっていたのとは反対方向に進んでいった。

「ヌコぉ、ひいくんもあっくんもいないよー?どこー?」

「分かるわけねえだろ」

がっくりと肩を項垂れて溜め息をついているリヴァの頭の上で、ヌコは呆れた声で尻尾を振りながら遠くを見つめている。

「マップあるのに人が多すぎて現在地分かんないよお…あ」

「どうした?」

「ねえ!あそこでなんかやってる!いってみよ!」

急に項垂れていた筈のリヴァが顔を上げ、返事を聞くより前に人混みの中に突っ込み始める。

いきなりの展開に振り落とされないようにと頭にしがみついた。

「一体なんだよ」

「よく分かんない!人だかり!」

うんしょと人を掻き分けて進んでいた所、急にふっと人波が緩くなる。

これ幸いと言わんばかりに進んでいくと、恐らく人混みの渦中にいたであろう少年の姿。

シルクハットを軽くはたいて、隣のメルキューレモンに目配せしている。

「メルキューレモン!」

「ん?」

恐らく可愛いとでも思ったのであろう彼女が声を上げると、青色の髪をした少年が振り返って人懐こい笑みを浮かべた。

「メルキューレモンかっわいい!」

その人懐こい笑顔も次のリヴァの言葉で台無しになったのだが。

「かわ…いい?」

「アナタ分かってマスネー」

「いや、感覚ズレまくってるだろ…」

「ズレてマセンー、世界はメルキューレモンの魅力で満たされるのデース」

「絶対ないから!!」

喋り口調が怪しく、尚且つ突っ込み所満載の

台詞を口走り、メルキューレモンはパートナーの少年に反論されている。

鏡に浮かんだ唇は至って無機質な筈なのに、少年に反論された事によって不服げに歪んでいるように見えた。

「シンジー、分かってないデース」

やれやれ、と言った調子でシンジと言う少年に向かい、顔を左右に降る姿は自分までイラッと来てしまった。

「おい、リヴァ…このメルキューレモンなんかウザいぞ…」

「ワタシにはメルキュンと言うキュートでキャッチーな名前がありマース。メルキューレモンで片付けないでくだサーイ」

「メルキュンって言うんだ!!私はリヴァって言うの!!よろしくね!」

「よろしくお願いしマース」

既にウザいと言おうが突っ込みを入れようがへこたれる気配すら見えないメルキュンとやらにヌコはどこか諦めにも似た何かを身に纏い始める。

話しても無駄ではないのだろうかと言う事をやっと悟り、

どこかしらずれている二人を置いてもう一人の話の通じそうなバートナーに話し掛けた。

「何か…申し訳ない」

「えっ、ああ、気にしなくていいよ。メルキュンいつもあんな感じだし」

すっかり慣れたような雰囲気を醸し出しつつ、苦笑いで溜め息一つ。相当苦労させられてるんだろうなと感じる瞬間である。

「で、ここで何やってたんだ?凄い人だかりだったが…」

「ああ、手品してたんだ。大規模なイベントだと人が集まりやすいから、自分の力量を計るのに最適だからね」

「ほお…手品か。凄いな」

「ありがとう。でも実力はまだまだだけどね」

爽やかに微笑むとぽん、と何もない所から花を出して見せた。

「不意打ちとはやるな。咄嗟に出来るなんて凄い事だよ」

驚いたヌコが賛美の言葉を贈ると、彼は少し照れ臭そうに笑った。

いつもハッカーの腹黒二人組と絡んでいるからか、目の前の少年の反応が純朴過ぎて少し眩しく見えた。

「あ、で…君達は?どうしたの?」

「ああ、フレンドを探してるんだ」

「なら、フレンドリストから場所を確認すれば…」

「そうなんだが、マップが複雑なのと人の多さで迷ってな…」

シンジが広げたマップに爪先をちょんと向け、「この辺りに行きたいんだ」と伝えると、短く頷いて、行き方を丁寧に教えてくれる。

ここからそうも離れていないようだ。

「おいリヴァ!道がわかっ…」

「退化したらハグルモンになるんだねー!ハグルモンも可愛いよー!」

「お嬢様サーン、分かってらっしゃいマース」

「おいい!!」

「えっ?あっ、どうしたのヌコ!」

すっかり二人の世界に入っていたのを無理矢理呼び戻すと、口元が緩んだままの姿の彼女がこちらを振り返る。

頭を抱えながらも道を教えて貰った旨を伝えると、ようやっとこの場を動く決意をしたのか、

地面にいた自分をひょいと抱き上げ、頭の上に置いた。

「分かったんなら急がなくちゃ!早くみんなと合流しよ!ありがとうね!メルキュンと………メルキュンのご主人さん!」

「ご主人ってなに!?」

「こんなご主人様嫌デース」

「俺だって嫌だよ!」

リヴァの発言に口論を始める二人を尻目に、教えて貰った道順を進んで行こうとしたが、

さっそく最初の時点でリヴァが道を間違え始めるので、突っ込みを入れざるを得なかった。

 

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◯月×月 ルナ

浴衣屋さんに行こうとしたら、道に迷っちゃったの!

途中にいたパグモンに聞こうとしたらちゃんと教えてくれなくて…お肉をくれたら教えるって言われて…

でも、それは罠だったみたいで…ブイモンがパートナーの男の子に助けて貰って、道案内までして貰ったの!

…でも、道中、会話が弾まなくて…名前も聞きそびれちゃった…

 

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◯月×月 リヴァ

夏だ!祭だ!っと言う事で、夏祭りイベントをやってるひいくんとあっくんに突撃しようかな!って思ったんだけど、

二人とものいる場所が分からなくなっちゃったんだよねぇ…

そしたら、ラッキー!メルキューレモンことメルキュンに出会っちゃった!超可愛いの~

あっ、でもリヴァイアモンが一番だけど!

 

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