No.718483

IS 2体の魔神皇帝 IFストーリー

HIBIKIさん

今回から多重クロスになってます。

2014-09-17 13:10:09 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1078   閲覧ユーザー数:1053

三春が来た翌日、海道は授業をサボった。彗と静香が探したが何処にも彼の姿はなかった。

ただ部屋に『頭冷やしてくる』との置手紙があっただけだ。

 

「まさか学園の外に行ったのか?」

 

「海のことだからありえるね」

 

「三春さんと一緒の場所にいるのがそんなに嫌なのかあいつは・・・」

 

「三春さん・・・自分のした事のせいだって言ってたけどやっぱり可哀そうだよ」

 

彗と静香は本土の方を見ながら海道の行方を考える。

後一週間で学園祭となるので彼が居ないと仕入れや機材の準備ができない。

彼が車で買い付けを行なったり、機材準備をすることになっているからだ。

無論手伝う者達も居るが・・・。

 

「静香!どう?海道君の行方分った?」

 

「まだ東京都の下町当りにいる事だけは分ってる。けど細かい場所まではまだ分ってないの」

 

清香が海道の行方を心配し、静香に聴いてくる。

彼女は海道と彗の居場所なら何時も感じ取れるのでこういう時に彼等二人を探す時に役に立つ。

 

「時間が掛かるけど分るの?」

 

「もう少しで大体の位置は分ると思うよ。分ったらその付近に行って探す事になるかな」

 

「海道君・・・お母さんと何であんな風に・・・一夏のお母さんでもあるんだよね?」

 

「うん。清香が織斑君とくっ付いたら義母になるね」

 

「あう・・・」←真っ赤っか

 

「一体何をしているのやら・・・」

 

今海道が居るのは東京都米花町にある米花駅前・・・

列車を乗り継ぎ暇つぶし(授業をサボっているので偉い事はいえない)

にぶらりと降りてみたのだが東京のどの辺りに今時分が居るのか見当が付かない状態だ。

 

「こんな地名あったか?」

 

彼は自分の世界の地図を取り出して何回も確認するが米花という地名は何処にも載っていない。

 

「隣が亀有だから常磐線沿線でもある。けどそもそも環状線走ってたか?」

 

自分の乗り込んだ列車が環状線だったのでこんな下町の方まで来るとは全く考えていなかった海道。

仕方ないのでコンビニでこの世界の日本の全国の道路地図、関東周辺の地図、都心近辺の地図等

数種類の地図を買い、今自分が何処に居るのか確認した。

 

「この街呪われてんのか?事件の発生件数多すぎだろ」

 

ネットでこの町のことを調べてこの町で発生している事件件数の多さを見て呪われているのでは?と

思ってしまった海道。

この付近の町の犯罪発生の割合が1だとするとこの街は4~6位発生している程だ。

しかも特定人物の周りではかなり高確率で発生している。

 

「暫く歩くか・・・しかしどうなってんだ?最近までこんな町名こっちの世界の地図でも見なかったぞ?

 まさか多次元融合が起きてんのか・・・?それとも・・・」

 

その後、地図を見ながら土地と照らし合わせて歩いているうちに曳船橋親水公園までやってきていた。

彼は気が付けば線路沿いを亀有駅近くまで歩いてきていたのだ。

 

「もう亀有か・・・って何だあの白バイ!?」

 

彼が歩いていると信号無視の車をサイレンを鳴らしながら猛スピードで追いかけて行く白バイがいた。

白バイのスピードは140Kmは出ており、隊員の目つきはまるで暴走族だった。

隊員は「オラオラ待ちやがれ!!」と怒鳴りながらあっという間に姿が見えなくなった。

 

「アレ元暴走族の長だな・・・スゲェテクニック」

 

遠ざかって行った白バイ隊員の後からもう一人新人らしい白バイ隊員が数人と指導員らしい

女性隊員が通り過ぎた。

遠ざかる白バイの無線を聴力を強化して聞いてみるとどうやら覚醒剤常習者で前科30犯の大物らしい。

 

「何でシャブ(覚醒剤)なんてやるんだ?」

 

生み出された時、薬物の強化を受けていて副作用に苦しんだ事のある海道だが再び薬に手を出す

思考が全くわからない彼は、嘆かわしいと深く溜め息をつくのだった。

 

「貴方覚醒剤をやっているの?」

 

すると後ろから彼の声が聞こえたのか覆面パトカーがやって来て職務質問なのだろうか

恐らく刑事なのだろうか、二人の警察官が下りてきて質問してきた。

一人は気の強そうな女性刑事でもう一人はその後輩に見える男性刑事だ。

 

「するかそんなもん。調べたっていいぞ」

 

「えぇ。そうさせてもらうわ」

 

(うわっ。眼帯つけてる・・・)

 

女性刑事は海道の所持品検査をするが怪しい物は一切出てこなかった。(当たり前だが)

その刑事からは疑って悪かったと謝罪があり、彼自身も自分の柄が悪いのは自覚があるので

大して気にしていないと言う。

 

「でもその右目どうしたの?」

 

「昔色々あって射抜かれた」

 

「「ブッ!!」」

 

大して隠しもせずに暴露する彼の言葉に驚く刑事二人。

 

「ご、ごめんなさいね。悪い事聞いちゃって・・・」

 

「射抜かれたとは言ったが目がなくなったとは言ってない筈なんだが・・・」

 

「へ?」

 

「ほら」

 

眼帯を取り外して右目を露にする海道。女性刑事は驚いた様子で若干震えている。

一方もう一人は少し驚いただけで普通に右目があるじゃないかと言った感じだ。

 

「あんたは怖がらないんだな」

 

「あんたって・・・あ、名乗ってなかったね」

 

男性刑事の名前は高木というらしい。女性刑事の方は佐藤と紹介を受けた。

 

「そういえばさっきなんで覚醒剤なんていってたんだい?」

 

「無線の声が聞こえたんだよ。覚醒剤常習者の大物が逃げてるってな」

 

「え?!」

 

「ねぇ!それマジ!?」

 

彼の聴力のよさに驚くのと同時にかなりの大物が逃げている事をはじめて知ったようだ。

 

「こっちに逃げてきてるみたいだ。同じ車のエンジン音が近付いてる」

 

彼の言葉に驚いて刑事二人は無線に耳を傾ける。

 

「そんな無線入ってないわよ!?」

 

「その無線調子悪いだろ。配線不良起こしているみたいだし」

 

無線の計器を見て海道はそう判断したようだ。

 

「ど、どうします佐藤さん・・・」

 

「修理してみようか?1、2分もあれば出来る」

 

海道はそういうと無線の機器を弄りだし、外枠を外して内部機器を少し弄る。

そしてそれを終えると元の通りに戻すと無線が入り始めた。

 

「追うわよ高木君!」

 

「は、はい!」

 

逃走車を追って飛び出していく覆面パトカーを見送ると亀有駅に向って歩き出す。

すると彼の携帯電話が鳴る。

 

「もしもし?」

 

『おぉ、一夏か?ワシじゃ』

 

「ジ、ジジィ!?」

 

相手はなんと十蔵だった。何故元の世界に居るはずの彼が自分に連絡できたのかが

わからない海道。

 

『驚いておるようじゃがワシらもそうなんじゃよ。どうも多次元融合を起こしているようなんじゃ』

 

まさか多次元融合が本当に起きていたとは思っても居なかった海道。

幾つもの世界が融合していてその世界の人物達はそんな事が起きている等知らずに居る。

この世界の法律等の事を十蔵に聞いてみると光子力研究所関連の事は全く変わらないらしい。

しかし研究所にいる自分たちの世界のIS学園生徒は困惑しているようで

この先、学園のある島に移動するかそのまま光子力研究所で過ごすのか決めかねているらしい。

 

『で、箒達はおるか?』

 

「今は彗と静香って名乗ってるぜ」

 

『そうか。で、おるのか?』

 

海道には連絡が着いたので一安心しているが彗と静香に連絡が着いていないので

その安否を心配しているようで彼に近くにいるか問いかける。

 

「俺は今授業をフケて学園の外にいるから居ない」

 

『何でじゃ?お前にしちゃ珍しい。何かあったのか?』

 

十蔵は彼を心配して理由を問う。

 

「お袋の野郎が居た」

 

『なんと・・・』

 

三春の事を話すと十蔵は電話の向こうで言葉を失ったように驚いていた。

しかも海道が話す言葉にはかなりの怒気が含まれている。その怒気にも十蔵は圧倒されたようだ。

その後、十蔵から思い出したように早乙女博士の子、早乙女ミチルの居る早乙女研究所までお使いを頼まれた海道は

スカルカイザーを展開して上空に飛び上がった後、大気圏内でのフルスピードで飛び去った。

 

IS学園では海道が居ないまま授業が行なわれていた。

そんな中、静香が海道が高速で移動するのを察知していた。

 

「移動した・・・?」

 

《どうしたんだ?》

 

彗がフォトンリンクコネクションで話しかけてきた。静香は事の次第を話し、世界自体にも違和感がある事を伝えた。

 

《確かに妙な感じがするな。今朝は何とも無かったのだが半刻程前から違和感が沸いてきた》

 

《でしょう?それに海が浅間山方向に移動しているの》

 

《浅間山?・・・・・・早乙女研究所か・・・?》

 

《確か結構前に言っていた早乙女博士が居た所だよね?私達が生まれる前に亡くなったって海が言ってたけど》

 

彼女達はまだ十蔵達とコンタクトが取れていないのでこの世界が自分達や他の世界と多次元融合したのを知らない。

だが世界の変化の様な物を自然と感じ取っていた。

 

《何が起こったんだ・・・?三春さんの事もあるし原因は心当たりがるのだが確証が無い》

 

《私も。何でか解らないけどグレートマジンガーにマジンガーZ、ウイングルにグレンダイザーの気配を

 感じるから。それにお婆ちゃん(静香の遠い先祖)の気配がつきから感じ取れるし》

 

《多次元融合が起こったのか・・・?》

 

《十中八九そうだと思う。けど確証が欲しいね・・・あれ?》

 

窓の外を見た静香が何かに気が付いた。学園の庭の一部が完全に焼け焦げているのだ。

彗もそれに気が付き思わず立ち上がった。視力を強化して見てみると見覚えがるものだった。

思わず授業中なのに外に飛び出していく。彗もそれに続き、千冬や束、三春にクラスの皆まで

彼女達について行く。

 

「おい!いったい何があったんだ!?」

 

「ちーちゃん之・・・こんな焼け焦げた後、少し前まで無かったよ」

 

「確かに・・・いったい何が・・・」

 

混乱する一同をよそに彗はコートからガイバーカウンターを取り出して焼け焦げた地面に向ける。

その放射線数値は記憶に残っている数値だった。

 

「皆もう少し下がれ。放射線が結構出ている。放射能物質がまだ残っていたのか・・・」

 

「彗ちゃん達は大丈夫なの!?被爆しない?」

 

束が心配して聞いてくる。しかし、彼女達は放射線など全く平気だ。

害が出る前に魔神パワー『吸収』でエネルギーとして体に吸収されてしまうからだ。

 

「大丈夫、私達ならこの程度平気です(魔神パワーに助けられたな)」

 

「これドラコノサウルスとの戦闘の時のだよ。原油と恐らくだけどドラコノサウルスの骨の一部が確認できた。

 この辺りの地面はまだ放射能除去装置で放射能除去していなかった場所だね」

 

「うむ。そう考えれば合点がいく。海も別の場所に居たとしてもこの事は感づいているはず」

 

イレイザーヘッドを彼女達の世界のセシリアが使用し、爆発エネルギーなどは99,99%宇宙に飛ばされた。

そのときの名残のものだ。之によりいっそうの確信が彼女たちには浮かんだ。

 

「しかし汚染された私達の世界の元学園の一部が此処にあると言う事は・・・はやり」

 

「・・・やっぱり多次元融合したみたいだね、彗ちゃんに静ちゃん?」

 

三春が彼女たちの会話を聞いていたようで結論を先に言った。

静香は複雑な表情で頷いた。彗もここには余り居たくない様なので二人と状況の把握が

ある程度出来ている三春に話を聞こうと千冬と束は多目的室に向った。

授業は山田先生に任せた後、他のメンバーは授業を再開した。

多目的室に到着すると同時に彗のカイザーに通信が入る。相手は十蔵だった。

 

『おぉ、二人とも揃っておったか』

 

「ぬおぉ!?」

 

「お爺様!」

 

「十蔵さん!」

 

(この人が別の世界の私のおじいちゃん・・・)

 

千冬は十蔵の顔を見て驚き、彗と静香はとても嬉しそうだ。束は真剣な表情で十蔵を見る。

十蔵からはこの世界と自分達の世界、またその他の幾つかの世界と多次元融合を起こした事が告げられた。

彗と静香は予想が当ったので厄介な事になったと思った。Drヘルの一味やそれに味方するある勢力が居るからだ。

 

「よりにもよってこんな時期に・・・」

 

『日付はお前達が飛ばされた世界が基準になっておるな。しかし学園祭の直前とはいやはや・・・』

 

『父さん、それより学園の事に関してを言わなければ・・・』

 

「剣造伯父さん。科学要塞研究所に居たのではなかったのですか?」

 

『あぁ。だがこのような事態になったので急いでやって来たんだ。さて、そちらの千冬よ』

 

「あ・・・はい・・・」

 

剣造の鋭い視線に驚いて若干の怯えを見せながら千冬が対応を始めた。

彼が念の為に理事長にも話しが通るようにしてくれと言うと直ぐに理事長を連れて来た。

 

「では、はじめて下さい」

 

『解りました。まずIS学園を此処、光子力研究所に移していただきたい。学園のある場所は

 海上なので私達の戦っている敵の進行を防ぐのは困難を極めます』

 

「海道君が一度私を訪ねてきて資料をくれました。もしもの時の備えだと。確かにそのようですね』

 

『はい。直ぐにとは言いません。学園祭が終って落ち着いた辺りにでも良いのでそうして頂けると

 此方の世界の学園生徒達と一緒に護りやすいです』

 

「IS学園の生徒だから護ると?」

 

剣造の言い方に少しムッとしながら理事長が質問をした。

 

『襲われやすい場所にある学校などは私達が資金援助し、子供達を比較的安全な場所で教育できるようにしています。

 私達の世界ではある事件以来光子力研究所が研究所兼IS学園になっているのでいっそ纏めてしまうのが良いと

 思いましてね』

 

その後も専門的な話やいつ学園の移設等を行なうのかの話し合いが行なわれた。

 

「確かこの辺り・・・あそこだ」

 

海道はその頃、早乙女研究所の近くまで来ていた。

 

「あら、お父さん。彼が来たわ。アレを使いこなしてくれそうなうってつけの子が」

 

研究所で外を見ていた一人の女性が老人の優しく笑っている写真に向って話しかけていた。


 
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