No.715318

恋姫✝夢想 ━━一人乙女━━  《八》

Hankさん

【前回の反省。】

× 恋=「こい」

○ 恋=「れん」

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2014-09-10 20:59:07 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1134   閲覧ユーザー数:1069

霞 「んふふふ~~~♪早くこーへんかな~~~♪り~~~んと~~~♪」

 

前回・・・リントとの対決を望んだ霞・・・、 愛武器の飛龍偃月刀を肩に担ぎ鼻歌混じりで今か今かと待ち焦がれていた。

 

菖蒲 「華雄さん、霞さんは勝てるのでしょうか?」

華雄 「―――無理だな。」

 

そう、あっさりと返事が帰ってきた。

 

菖蒲 「それほどまでに・・・」

華雄 「ああ、燐兎・・・奴は強い。 私が手加減されて滅多打ちに倒されたからな・・・」

 

華雄の実力は、そこそこ良いものであり、武人としては申し分なしの力量は持っていた。

戦いでも、怪我はすることはあっても死ぬ事はこれまでなかったのだから・・・

 

???「あれ、皆さん何をしておられるのですか?」

???「こんな所に集まってどう―――・・・」

 

そこに二人組みの男が華雄と菖蒲の後ろにやってきた―ー―――のが、いけなかった・・・。

 

菖蒲「きゃ―――――ッ!!!」

 

『ドカッ!!!』 思いっきり人を殴りつけ、骨まで響いた音が鳴った。

 

???「ぐべがっ!?」

 

菖蒲が後ろに立った男を振り向きざまに吹っ飛ばしたのだ。

 

華雄「徐栄!? じ、徐晃!! お前また!?」

菖蒲「きゃ――――ッ!! やぁ――――・・・、・・・あっ! す、すみません! 大丈夫ですか!? お怪我の方は!?」

 

ブンブンと自分の武器である鬼斬を振り回していた菖蒲、華雄の声を聞いて、ハッと我に返ると自分が吹っ飛ばしてしまった男の方へと駆け寄る。

 

徐栄「い゛・・・いえ、徐晃様の性格を知っていたのに関わらず後ろに立ってしまった自分が悪いのです・・・お気になさらずに・・・」

 

・・・菖蒲は子供の頃、男の子に虐められた経験がある。

一度ではなく、何度も虐められた為に、いつの間にか男性恐怖症になっていた

本人も何とか恐怖症を克服しようと武芸を習って気を晴らそうとした・・・が、どうしても肝心なところで恐怖症が打ち勝ってしまう

そして、恐怖症に支配された菖蒲は、徐栄のように無意識のうちに容赦ない攻撃を振るう・・・。

 

華雄「ん? おぉ! 張済もいたのか、これからちょっとした試合があるんだが、見ていくか?」

張済「張遼様が試合をなさるんですか!?」

徐栄「げほっ! あ゛ー・・・他のやつらも呼んできていいですか?」

華雄「・・・まぁいいだろう、他のやつらにもいい刺激になる・・・呼んできてくれ」

張済「はっ!」

徐栄「はい!」

 

そう返事をして二人は他の人達を呼びに行った

 

霞「―――・・・にしても菖蒲、まだ男嫌いな治っとらんのかいな?」

華雄「そうだな、除晃が我等の陣営に来て結構経っているというのに」

菖蒲「駄目です~! こればっかりは一朝一夕では治りませんよ~!」

 

そういう菖蒲に対し、二人は心の中でため息を尽くしなかった。

・・・それから約十分後、中庭には噂を聞きつけて、多くの武官や文官達のギャラリーが出来上がっていた

そこにリントがこういう対人の場面の際になるコスチューム・・・”魔盗賊”でやってきて、ギャラリーがざわめく。

 

張済「華雄様、あの者が董卓様を助けたという・・・」

華雄「ああ、最近噂になっている一夜狩りの燐兎だ」

徐栄「あの人が・・・」

華雄(やはり・・・リント、お前は張遼相手でも手を抜くのだな・・・)

 

張済と徐栄は、直感でリントがかなり強いということを肌で感じ取った。

 

リント(なーんで、こんなにギャラリーで賑わってんだろうかなぁ・・・)

 

ある程度は予測は出来ていたが、改めて自分が見物にされるのは些かよろしくないと思うリントだった・・・

そして・・・。

 

霞「ほわぁ~・・・、華雄から予め聞いたけど・・・あんたのその姿、手加減した姿やってな?」

リント「さすがに殺ったら不味い奴を相手するんだ、これでも大分手を抜いてるんだけど?」

霞「へぇ~・・・」

 

そういうリントだが、張遼・・・霞は感じ取っていた、リントの底知れぬ実力を、自分がまだ見ぬ領域が今目の前に存在してる事を・・・

 

リント「・・・んで? いつになったら始めるつもり? さっさとやって飯にしたいんだけど・・・」

霞「ナメられたもんやなぁ~・・・っと、言いたいんやけど・・・あんた、間違いなく強いな、手加減してるっつーのが嘘言うてるみたいに伝わってくるで、あんたの覇気。 呂布みたいや」

リント「そりゃどうも。 ・・・で? その恋みたいに覇気を出しまくってる俺に勝とうと? 介錯ということでなら手向けの花として本気出してやってもいいけど?」

 

霞はぶるぶると震えだした、武者震いだ。

 

霞(ええわ、ほんまにええわ♪ こんな相手と戦えるなんて滅多にありゃへんで!)

リント「そういえばさ、俺って賊狩りで有名になってるらしいけど、実際どんぐらいなの? 知名度」

霞「せやな、あんたの事を知らない奴はリントが行ったことのない州の人間くらいやと思うで? リントが、この州の賊を完全に狩りとってくれたおかげでウチも仕事が楽やさかい」

リント「・・・そいつはどうも、じゃあ・・・そろそろ?」

 

リントは、メイスを軽く振るって構えた。

ヘマタイト(赤鉄鉱)のように黒く光をまったく通さない漆黒のメイスをギュッと握り締めた。

 

霞「ええで~・・・でも、そげな棒で大丈夫かいな? 何度か交じり合ったらベッキリいきそうやわ」

リント「心配される筋合いはない、さっさと来い」

霞「せやな、武器を交じり合いながらゆっくり語り合おうか! ほな、だれか開始の合図出してや!」

張済「では僭越ながら私が・・・」

 

二人の脇に張済が立つ

霞は飛龍偃月刀を下段に構え、リントも下段に構えた。

 

張済「では・・・始めィッ!!!」

霞「うおりゃああああああああ!!!」

 

霞は自慢の神速でリントに斬り込んだ

 

『ガギィ―――ンッ!!!』

 

リントは、こちらに来る飛龍偃月刀の刃を軽々と跳ね除けた

そして、そこから互いの武器がぶつかり合い、火花を散らしていく・・・

そこから十数回ほど打ち合い、霞は後退した。

 

霞「くぅぅ~・・・! ほんっま、凄いな! リント! 試合でこんなに嬉しゅう思うのは久しぶりや!」

 

そう笑いながら言う霞に返事も返さず、リントは懐に接近してメイスを振るう。

銃弾のように素早い攻撃を霞は上手く武器で防ぐ・・・が、そこから反撃を繰り出すことが出来ずにいた。

霞の手は、たった数回の武器のぶつかり合いだけだというのに震え始めていた。

 

リント(いちいち一つのことにうるせぇなぁ・・・)

霞「でやぁっ!!」

リント(なんか相手するのが馬鹿馬鹿しくなってきた・・・、・・・やめた、本気で倒す・・・こいつならこの姿の本気でも大丈夫だろ・・・)

 

振り下ろされる飛龍偃月刀を強く弾き退け、肘を使って霞の腹部を強く打った。

 

霞「ごほっ!?」

リント「風よ、鋭い刃と為せ、彼の者を切り刻め・・・」

 

その間に、リントは小さな声で早い口調で詠唱した。

それと同時にメイスに風が集まり、小さな竜巻が出来ていた。

 

霞「ッ! な、なんや!?」

 

はっきりと聞こえる風の音を聞き、音がする方を見た霞・・・だが、気づくのには遅すぎた。

 

リント「風刃列覇 (シャイド)!!!」

 

次の瞬間、カマイタチが発生し、霞の肌を切り刻む。

 

霞「ぐっ・・・!(な・・・なんや、今の攻撃!? あの棒から見えもせん刃が飛んできよったで・・・!)」

リント「天より神の裁きを、汝に降り注がれん・・・」

 

畳み掛けるように詠唱を詠い、メイスから電流が流れ始め、上空に向かってメイスを振り上げる。

 

リント「電紫雷光(メガボルト)!!!」

霞「うおっ!?」

 

唱え終えた後、メイスを通じて霞の頭上から雷が落ちる

だが・・・わざとなのか、雷は近くに落ちてその衝撃で吹き飛ぶだけで直撃は免れた

それでも落雷の衝撃は凄く、全身に電流が一気に走り、軽く麻痺状態になる。

 

霞「なん・・・や・・・今の・・・!」

リント「本気が欲しいって言ったろ? だから、その希望に答えて・・・」

 

 

 

――――――「こっからは、本気で相手してやる」

 

 

 

月「凄い・・・」

詠「何よ・・・今の・・・」

華雄「なんと・・・! (まさか、ここに来てリントの本気が見れるのか?!)」

恋「・・・・・・・・・・・・・・・」

音々音「これほどまでとは・・・!?」

 

周りの者達は目の前の試合を見て、今、自分達が見ているのは夢幻なのか・・・自分の目を疑ってしまっていた

この世界では、妖術などで炎を出したり幻を出したりと魔術に関しては、やや見慣れている傾向はあるが・・・リントがやってのけた物は、それらを遥かに超す物だった・・・

 

霞(やばい・・・! あの目ぇ・・・ウチが見た中でも・・・一番やばいもんや・・・! あの目は―――)

 

――――――人を殺す目や・・・!

 

霞は底知れぬ恐怖に押されしまうかのように必要以上に後退りしてしまう

リントはそれを見逃さなかった。

 

リント「凍てつく氷の槍よ、貫け・・・」

 

メイスが青白く光った途端、闘技場の空気が一気に冷たくなる。

 

リント「氷槍(アイスランス)!!!」

 

幾数の氷の槍が青白く輝くオーラを纏うメイスから飛び出し、霞を切り刻むように通り過ぎ、すぐ後ろの地面にぶち当たり白い煙と共に消滅する。

 

霞「げほっ! ごほっ! (不味い・・・! 煙で前が・・・)」

 

なんとか前を見ようと煙で閉じかけた目をしっかり開くと・・・、そこにはこちらに目掛け、電流の流れたメイス片手に一気に迫り来るリントの姿が見えた。

 

霞「あ・・・」

リント「―――雷火(ライ)」

 

『バチィッ!!』

その音と共に、試合が終わった・・・

決め手は、リントが最後に放った低級の電撃魔法による攻撃で、霞はそれをまともに食らい、気絶してしまった。

目の前の光景に張済は、冷や汗を流しながら呆然としていた。

 

リント「おい審判、勝敗の結果は?」

張済「し、勝者、燐兎!」

 

その言葉で『ハッ!』と気がつき、片手をリントが立っている側に上げて試合終了の合図を叫んだ。

その合図と共に中庭の観客は、大歓声を上げた。

 

月「凄いです! 圧勝です!!」

詠「どうやら本物みたいね・・・(なに今の・・・あんなのデタラメって程度じゃ済まないわよ!?)」

華雄「どうだ徐晃、勝てるか?」

菖蒲「・・・無理です・・・(あれが一夜狩り・・・燐兎の実力・・・)」

雫「凄い・・・」

恋「・・・・・・・・・・・・」

音々音「な、なかなかやるのです・・・(待て待て・・・いや、ちょっと待つです!? 何なんですか、あの馬鹿げた力!?)」

 

それからしばらく中庭の興奮は収まらなかった

・・・数分後、意識を取り戻した霞は起き上がり、少し悔しそうに笑った。

 

霞「いんや~~呆気なくやられてもうたなぁ~~♪ こりゃ神速の名は返上せえへんといかんやろか?」

リント「そんな下駄なんか履いてるから速度が鈍るんだよ、普通の靴履くか裸足で戦え裸足で」

霞「なっはっはっは~~♪ ・・・それよりリント、その姿での本気って言うたけど、それ以外の姿やとどんなのや? あれ以上ってーとなると、いまいち想像が付かんわ」

リント「まずお前なら一発で死ぬ」

霞「嘘ッ!?」

 

二人が和気藹々としていると・・・

 

恋「次・・・恋とやる・・・」

 

恋が自分の武器方天画戟を持って立ち上がる

その言葉にまるで中庭の人間が一瞬で消えたように一気に静寂に包まれる

黄巾党3万を単身で止めた飛将軍呂布奉先の強さを知らない者は、董卓軍の中にはいない、そんな恋がリントに勝負を挑んできたのだ

リントはどんな反応を見せるのか・・・一同はリントの顔を見る。

 

リント「いいぜ、この際だし、”ついで”だ。 相手してやるよ」

 

―――『ついで』・・・?

三国志最強、天下無双の飛将軍・・・呂布・・・そんな世にも恐ろしい相手を「ついで」扱いにした・・・

そんな静寂な空気の中、両者は向かい合う

恋は方天画戟を肩に担ぎ、左足を半歩踏み出して構え、リントは・・・自分の身を白い霧で覆いつくした。

 

リント「恋が相手だ、お前相手なら・・・」

 

霧が晴れ、姿を見せたリントの姿は、黒いローブにベルトをグルグル巻きにした服装、そして肩に担ぐ箒に跨いでいる一匹の黒猫・・・『ぬこ』・・・

リントがなったのは、マジコメイジのコスチュームだった。

 

リント「この姿でも十分持つだろう」

 

そんなやり取りをしている二人を見る月達・・・

 

月「どっちが勝つと思う? 詠ちゃん?」

詠「正直分らないわね・・・”さっきの事”もあるし・・・」

霞「こりゃ見逃したら一生後悔するかも知れへんな!」

華雄「ああ、一瞬たりとも目が離せない」

菖蒲「そうですね・・・」

雫「予測が付かない・・・乾坤一擲《けんこんいってき》の勝負ですね・・・」

音々音「なーにを言うです! 恋殿が負けるわけないのです~!」

 

周りの者達もどちらが勝つか賭けていたり『呂布様だろう』やら『彼女も捨て難いぞ』といった声が聞こえてくる

そして試合が始まる。

 

張済「では・・・始めッ!」

 

合図と共に手榴弾並みの爆発が恋に襲い掛かる。

リントが無詠唱で爆発魔法・・・『暴発(エクスプロージョン)』を唱えたからだ。

 

恋「くっ・・・、ふっ!」

 

それには月たちも驚いた。

 

華雄「なっ・・・!?」

霞「ウチの時より術、放つの早いで!!?」

音々音「恋殿ォッ!!」

 

爆発を上手く回避したが、それでも爆風などでのダメージが入っているが、それでも恋は方天画戟を振るった。

しかし、既にそこにはリントは居らず、恋の背後から少し離れた場所に立ち、再び魔法を無詠唱で唱える。

霞にも放ったアイスランスが恋に降り掛かる。

恋は方天画戟を素早く且つ豪快に振るい、氷の槍を全て砕いた。

 

恋「・・・速いけど・・・軽い」

リント「いや、まだだ」

 

動こうとした恋の足が急に動かなくなった。

足元を見ていると、両足に氷が張り付いており、それのせいで身動きが取れなかった

その時になって初めて、先ほどの氷の槍は囮であり、自分の動きを封じるのが目的だったと悟る。

 

リント「天より轟く雷よ、一条の光となりて、眩い閃光と共に振り下ろさん・・・」

 

そう詠唱を始めると同時に辺りの空気に電流が流れ始める。

恋には理解していた、今リントが放とうとしてる術は途轍もなくやばい物だと・・・。

何とか氷を引き剥がそうと急いで方天画戟で砕こうとした、だが・・・

 

リント「雷極光陣(ライトニングボルト)!!!」

 

閃光と共に落ちた雷が恋・・・の近くに落ちた。

放たれた殺意の無い攻撃、だがそれでも恋を地に倒すには的確な攻撃だった。

雷の衝撃で足に付いていた氷は砕け、それと同時に恋の体は人形を放り投げたように吹き飛んだ。

 

音々音「そんな・・・恋殿ぉ・・・」

詠「嘘でしょ・・・何よ、今のは・・・」

霞「分からん・・・今、何が起きたんや・・・?」

華雄「・・・(信じられない、あの・・・あの呂布を倒した・・・!? しかも・・・無傷で・・・!)」

 

一同が目の前の光景に唖然とし、息を飲んだ。

審判である張済が手を上げようとした・・・その時だった。

・・・吹き飛んだ恋が立ち上がった。

 

リント「・・・堅いな・・・あれを防御しやがるとは・・・」

恋「・・・・・・・・・・・・」

 

二人は構える・・・

そして数秒足らずで両者が一気に距離を詰める。

リントの箒と恋の方天画戟・・・両者の武器が一つの火花を散らし、合わさり止る。

 

恋「・・・やっぱり、それ・・・ただの箒じゃない・・・」

リント「一応・・・特殊な樹木で作られた箒でね・・・!」

 

双方、睨み合う。

殺気ではなく、闘気を乗せての睨み合い・・・互いに負けを認めぬが故のぶつかり合い。

次の瞬間、リントの背後に複数の炎の矢が形成され、一気に恋に向かって曲線を描きながら飛ぶ

爆風と共にリントは後退し、尽かさず同じく炎の矢を形成し、解き放つ

だが、恋は飛んでくる炎の矢の間を掻い潜り、リントの懐に飛び込んできた

しかし、リントは驚きもせず、冷静に片手を恋の顔面に向け、無詠唱魔法を唱えた

デカイ術が来ると思った恋は、すかさず防御に回るが・・・『ボッ』と小さな音を立てて火が出た程度・・・囮だ・・・

恋は、どの方面でも来るか分からない為、自分の周り、全方向に向かって方天画戟を素早く振り舞わした

・・・だが、その読みは見事に外れる。

次に何も起きない・・・仕留めたという気配も無い・・・それどころか・・・、・・・リントの気配が消えた

周囲を砂煙が支配し、目の前の視界がさいぎられてしまう・・・

またもや、リントの策略に嵌ってしまった

炎の矢を飛ばし、地面に当たることで発生する砂煙を辺りに充満させ、そこからの闇討ち・・・という戦法だろう・・・

だが、恋に二度は通用しない。

 

恋「・・・・・・・・・・・・」

 

神経を研ぎ澄まし、煙の先を見る・・・

フッ・・・と、人影が写る。

 

恋「そこ!」

 

方天画戟を振るった。

 

――――――次に恋が見た方天画戟は・・・真っ二つに斬られた姿だった。

 

恋「えっ・・・?」

 

 

 

一閃。

 

 

 

『チンッ・・・』

そう、小さな金属音が聞こえた後、恋の意識は一気に遠退き、最後に自分の目に映ったのは地面に向かって倒れる光景だった。

煙の中、リントが倒れている恋に近寄り、顔を見る・・・、・・・恋は眠っていた。

 

リント「あんだけの攻撃食らって尚、元気にお休みになられますか、と・・・」

音々音「恋殿ぉぉぉぉぉぉ―――――ッ!!!」

 

心配になり、駆けつけた音々音が見たのは・・・恋をお姫様だっこして闘技場から降りようとしていたリントの姿だった。

 

音々音「ちんきゅうキーーーーーーーーーーーーーーーク!!!」

リント「おっ」

 

少し驚いたリントだが、冷静にライ○ーキック張りの飛び蹴りで飛んできた音々音の足をアッサリと掴んだ

片足を掴まれてしまい、ブラブラと振り子のようにぶら下がってしまう音々音・・・。

 

リント「何やってんだよ、お前・・・」

音々音「それはこっちの台詞なのです、この野郎!! 恋殿に何をしていやがるのですか!?」

リント「普通に恋の部屋に運ぼうとしただけだ、・・・つーか・・・お前、女である俺がナニできるわけねぇだろ・・・」

音々音「うっ・・・わ、分かったです・・・、・・・でも! お前が恋殿に変なことをしないように見張っているのですからな!」

リント「へーへー・・・それより恋の部屋って何処だ?」

音々音「この先を曲がって・・・って、いい加減下ろしやがるです! なんか気持ち悪くなってきたです!!」

 

傍から見たら「お前ら実は仲いいだろ」とツッコミたくなるような光景だ。

 

リント「てか、お前運動してる? 恋より重いぞ」

音々音「なっ・・・! よ、余計なお世話です!! 引っ叩きますぞ!?」

 

・・・そうでもないか?

月「わぁ~~・・・夢でも見てるみたいだったぁ・・・」

詠「・・・・・・(あ・の・馬鹿ァッ!! 何処の国にこんな闘技場を粉砕する奴が居るんだ何処に!?)」

 

詠が頭抱えて眺める先には、次に使うことが不可能な程に地面はパックリ割れ、砕けた土なり岩なりが散乱し、文字通りズタボロに粉砕された闘技場が映る・・・

 

霞「いや~~~・・・、物凄い試合やったなっ!!」

華雄「私は生涯、この戦いを忘れまい・・・」

菖蒲「わたしも感動しました・・・」

雫「凄かったです・・・」

 

先刻の戦いを見終えた月たちは衝撃が強すぎたのか、感動を覚えていた・・・

但し、詠は崩壊した闘技場に頭を抱え、徐栄・張済に至っては開いた口が閉じずにいた・・・。

 

――――――それから少しして・・・

 

恋を寝台に寝かせて台所で炒飯を作って食らっていると、そこにドスドスと足音を立ててながら詠がやってきた。

 

詠「くぉらぁっ!! リント!!!」

リント「んだよ・・・今飯時だから後にしてくんない? 知ってるか? 『モノを食べる時は誰にも邪魔されず、自由に、救われてなきゃあ駄目』だってよ」

詠「知らないわよ!! それより、あんた! あの状況どうしてくれるのよ!!?」

リント「あの状況~? 闘技場の事?」

詠「そう! それ! あんなに粉砕してくれちゃってぇ~! 今回で一番あんたが暴れたんだからあんたが直しなさ・・・」

リント「んなもん、とっくの昔に直してるよ・・・」

詠「・・・は?」

 

詠は、大急ぎで闘技場に駆け戻ると・・・そこには、戦いが始まる前の闘技場の姿に直っており、詠はさらに開いた口が塞がらなくなってしまった。

 

詠(リント・・・あんた、本当一体何者なのよ・・・!?)

 

・・・というワケで、董卓陣営に暫く厄介になる事に決定したリント、それにどんな狙いがあるのか・・・幾つかの謎を含め、時代は嵐の前の静けさを刻んでいく―――。

 

 

●【リント変身図鑑】

 

●魔盗賊

 

 

《小話》

盗賊のような感じですが、実際は盗賊なんてしません。

主に魔法薬などの作成などで、魔法は使えるけども無詠唱ではなく、普通の詠唱魔法を使用しています。

武器は主にツインダガー・メイス、そして攻撃系統の魔法を扱います。

 

●【今回のバトルBGM】

 

(本日のお相手:霞・恋)

 

「歩く姿は百合の花」:『アンダーナイト・インヴァース』 ユズリハのテーマ

(霞戦、初戦に使用)

 

「Battle Theme I」:『アンリミテッド・サガ』 通常戦闘曲1

(霞戦、リントが本気になっての二戦目時に使用)

 

「Jecht Battle」:『ファイナルファンタジーⅩ』 ジェクトのテーマ

(恋戦に使用)

 

《プチ話》

霞にUNIのユズリハの曲を合わせたかったので入れてみました、・・・が、すぐに展開が変わってアンサガの戦闘曲に・・・(=ω=;)

アンサガは現在もソフトがあります。(どうあがいても買い取ってもらえないので)

クソゲーだのなんだの言われてるゲームですが、これはこれでやってみると楽しいかと・・・(やりすぎて感覚麻痺を起こしてる)

曲は全面的に良曲揃いです、爽快感あるBGMに戦闘後のファンファーレは素晴らしいです。

でも、やっぱりシステムの分かりにくさと戦闘の運ゲー感が・・・

・・・さて、恋戦のBGMですが・・・

 

これは合ってるでしょ!www

 

本当は無双シリーズの方の呂布のテーマにしようか悩みましたが、恋の圧倒的チート級ゴリ押しっぷりにこちらに変更。

・・・その内、恋が「泣くぞ、すぐ泣くぞ、絶対泣くぞ、ほら泣くぞ」・・・と言うかもしれんなぁ・・・(音々音さん辺りに怒られそうなのでしないけど・・・)

 

●【魔法呪文詠唱紹介】(※こちらではリントが唱えた魔法呪文の詠唱文を紹介していくコーナーです)

 

※霞戦に使用した魔法※

 

《風刃列覇》(シャイド)

詠唱文:風よ、鋭い刃と為せ、彼の者を切り刻め

効果・難易度:風属系の初歩的な魔法、かまいたちを発生させて相手を斬る。 術を唱える最の難易度は初歩的なので低ランク。

使用場面:手加減するのが馬鹿馬鹿しくなった際に放つ。

 

《電紫雷光》(メガボルト)

詠唱文:天より神の裁きを、汝に降り注がれん

効果・難易度:天より目標の頭上に高威力の雷を落とす、モロに直撃すれば普通の人間なら黒こげになり即死する危険性の高い雷属系魔法。 難易度は殺傷能力の危険性も含めて中ランク。

使用場面:自分の力を見せ付ける為に放つ。

 

《氷槍》(アイスランス)

詠唱文:凍てつく氷の槍よ、貫け

効果・難易度:対象に向かって幾数の氷の槍を放って貫く氷属系の魔法。ホーミングとまではいかないが曲線を描いての攻撃は可能。 難易度は多少テクニックも必要なので中ランク。

使用場面:攻撃と目くらましを目的に放つ。

 

《雷火》(ライ)

詠唱文:雷よ、一条の光となれ、彼の者を目指せ

効果・難易度:目標にスタンガン並みの威力のある電撃を食らわして気絶させる雷属系の非殺傷魔法。 だが、時稀に心臓麻痺を起こして死亡する事例がある。 難易度は危険性が低いこともあり低ランク。

使用場面:気絶させる為に放つ。

 

 

※恋戦に使用した魔法※

 

《暴発》(エクスプロージョン)

詠唱文:空気と交わりて、破裂せよ

効果・難易度:初級レベルの爆発系魔法だが、難易度は低だが爆発属系の魔法を唱えるのに少しだけコツが必要。 手榴弾ぐらいの爆発を起こすことが出来るが下手を打つと爆発で自分にもダメージが及ぶ。

使用場面:恋戦初っ端にぶっ放した。

 

《雷極光陣》(ライトニングボルト)

詠唱文:天より轟く雷よ、一条の光となりて、眩い閃光と共に振り下ろさん

効果・難易度:雷属系の全体攻撃魔法。 対象に絞って放つことも可能であり、そちらの方は全体よりも高威力。 光と雷の合成魔法であり、膨大な魔力を消費するので難易度は高。

使用場面:アイスランスで恋の足を止めてから遠慮なしに放つ。

 

《炎射矢》(ヴァンアロー)

詠唱文:炎の精霊よ、我が手に炎よ、集い来たれ、敵を貫け

効果・難易度:術者の後方に炎の矢を成型して、標的に向かって放つ火炎魔法。 術を唱える際の難易度は低ランク。

使用場面:恋と睨み合った後に砂煙を起こす目的で放つ。

 

《照炎》(ヴァレスト)

詠唱文:闇夜を照らす猛る炎よ、出でよ

効果・難易度:火炎属系の魔法の中で一番難易度が低い魔法。 ランタン程度の火を起こす程度だが、いざという時に便利。

使用場面:恋の注意をわざと研ぎ澄まさせて混乱状態にさせる為に放つ。

 

《短けェ話》

今回から定期的にですがお教えする、この魔法呪文詠唱紹介。

上記の魔法と詠唱は、とあるサイトからお借りしました。 (※URLは貼れませんが、「魔法呪文詠唱紹介」でググると出ます)

リントの衣装の中で、魔法が扱える「撲殺盗賊」・「マジコメイジ」・「ノウ・モア・ヒーロー」で扱う魔法などを紹介していきます。

その回に登場する魔法などを紹介し、魔法使用の場面などを詳しく載せていこうと思います。

あと、「なんでいきなりファンタジー要素を出した!?言え!!」という疑問に対しての答えですが、三國無双シリーズで平気に魔法つーか妖術扱う人居たからです。

ちなみに無双OROCHI(無印)をプレイして、武将全コンプしてます。 ・・・武器とかはコンプしてないけど・・・

最近は、PS2版のガンダムSEEDゲームをこっそりプレイしてたりしてます・・・(ザクを極めし者に我は成る!)

 

●【あとがき】

 

どうもです、僕です。

長らくお待たせしてしまい、まことに申し訳ないです!

あれから色々と忙しい日々が続き、手が付けれませんでしが、休みの時間などを利用して書いてました。

そして、色々と書いてる内に「今までのやり方でスローペースだと豪い時間が掛かってしまう!」・・・と思い、結果的にこういう書き方になりました。

多少読みづらいかもしれませんし、ボリュームも少ない感じがありますが・・・不足した分を色々と表現などをねじ込んでカバーしてます。

あと、最近になり過去のリントの衣装を見て「・・・女らしさが欠けてんなぁ・・・」と思い、思い切って衣装リメイクをしました。

撲殺盗賊とかの他にもリメイクしている衣装があり、まだ後悔していない衣装なども多少変えてたりします。

あと、投稿済みの各回も色々と合わせるために書き直そうかと思ってます。

今回遅くなったのもそれらの編集に手間取ったからというのもあります・・・(それでも完成しておらず、現在に至る)

次回は、いよいよ黒幕の一派が動き出したり動かなかったり・・・

・・・本当に色々と設定を合わせないと駄目な気がしてしょうがない・・・(=ω=;)<てか、この顔文字なんか気に入った。

それでは、次回がいつ頃になるか分かりませんが・・・次回もよろしくお願いします~(^皿^)ノシ

 


 
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