No.713418

真・恋姫無双 三人の天の御遣い 第二章『三爸爸†無双』 其の五十九

雷起さん

得票数32の小蓮②のお話です。
おまけ壱 『北郷二刃奮闘記』其の二十四 リクエスト:紫苑と月、璃々たちによる夜の勉強会 10票
おまけ弐 『聖刀くんの日常』其の二十二 リクエスト:昴    9票
おまけ参 リクエスト:紫苑、璃々、音々+子供によるキノコ狩り 14票
となります。

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2014-09-03 20:09:20 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:2992   閲覧ユーザー数:2330

第二章  『三爸爸†無双』 其の五十九

 

 

本城 医務室               (時報:桂花七女 柊 生後一ヶ月と十日)

【小蓮turn】

 

「ええっ!?懐妊してるのっ!?ホントにっ!?」

 

 私は本気で自分の耳を疑った。

 目の前では薄桃色の看護師服を着た凪が優しく微笑んでいる。

 

「ええ、間違いありません♪おめでとうございます、小蓮さま♪」

 

 今日の検診は駕医と二刃が街の病院に行っているから凪が担当してくれたんだけど……。

 いや!それはいいのよ!

 これまでだって何度も凪に胎児恵光をしてもらってたんだから!

 

「「おめでとう、シャオ♪」」

「おめでとうございます、小蓮様♪」

 

 一緒に医務室に来た雪蓮お姉ちゃんと蓮華お姉ちゃん、そして冥琳が笑顔で私の手を握ってくれたのに、私は上手く笑顔が返せなかった。

 

「あ、ありがとう………」

 

「どうしたの、シャオ?凪に胎児恵光してもらう前に『今日は自信あるんだ~♪』とか言ってたクセに~♪」

 

 雪蓮お姉ちゃんがニヤニヤして私の顔を覗き込んで来る。

 さっきまではまさか懐妊してるなんて思って無かったから、いつもみたいに陽気に振舞って、終わった後で『今日もダメだった~♪』とか言って笑うつもりでいた。

 それを見透かしてるから、雪蓮お姉ちゃんはニヤニヤしてるんだけど………。

 

「いや!『もしかしたら』っていう予想はしたのよ!」

 

 予想はしてたけど、蕾蓮(らいれん)を身篭るまでの間に『懐妊していない』って言われても動揺しない様にする癖を着けちゃったんだからしょうがないじゃない。

 まあ………これは私に限った事じゃないだろうけど…………。

 

「だって、雪蓮お姉ちゃんを皮切りにひと月で五人も懐妊してるのよっ!」

 

 私を入れてこれで六人目だけど………。

 

「何だかわたしが先陣切ったみたいな言われ方ねぇ♪でも、華琳と桂花が一緒に懐妊した頃から一刀たちの子種が復活して来たって感じじゃない?」

 

「姉様、言いたい事は分かりますが、その言い方はどうかと………」

 

 蓮華お姉ちゃんは半ば言っても無駄だとは思ってるみたい。

 それに否定してないって事は華琳と桃香ともそんな話をしてるって事よね。

 

「ねえ、冥琳。丞相室ではどうなの?こんなに次々と懐妊してるんだから話題になってるよね?」

 

「そうは勿論……これから起こりうる国家的な問題を議論していますよ。」

 

「国家的な問題?……………ああ、蜀みたいに防衛に支障が出るかもって事ね。」

 

「尤も表面上の話ですが。」

 

「は?」

 

「みんな内心では自分が懐妊する策を練っているのが見え見えです♪」

 

 抜け目無いなぁ…………この事態がいつまで続くか分からないもんね。

 

「それじゃあ、冥琳も何か策を練ってるの?」

 

「それなりには♪」

 

 冥琳の笑顔の下に何か寒気を感じるわね…………。

 

「ですが私の……いえ、私と穏と亞莎の練っているのは蓮華様に懐妊して頂く策ですけどね♪」

「ちょっと冥琳っ!!」

 

 蓮華お姉ちゃんが慌ててるって事は、お姉ちゃんから冥琳に頼んだのね。

 

「そこで小蓮様にお願いが有るのですが、今回はどの様にいたして懐妊されましたか?」

 

「……………冥琳…………昔と比べて性格変わったよね……………」

 

「それはお互い様ですよ♪昔の小蓮様は一刀たちとどう過ごしたと嬉しそうに話していらっしゃったじゃないですか。」

 

「私だってもう背伸びをする子供じゃないんだから変わるわよっ!」

 

 あの頃はおっぱいの大きさで焦ってたのも有ったし………今にして思えば取り越し苦労だったわね。

 おっぱいが大きくなって心に余裕が出来たから周りを気にする様にもなった……………あ!

 今の私、蓮華お姉ちゃんの気持ちを汲み取れて無かった…………雪蓮お姉ちゃんに続いて私が懐妊して、焦らない訳無いじゃない!

 冥琳はそこまで考えて私に訊いてきたに違いない。

 はぁ…………大人になったと思ってたけどまだまだだなぁ…………。

 

「で、でも、私も今回の何が良かったのか分かれば、次に活かせるよね!」

 

 この言い方なら私らしくて、蓮華お姉ちゃんも聞きやすい筈。

 

 

「しゃ、小蓮様!その話、私も聞かせてもらって宜しいでしょうかっ!?」

 

 

「「「「凪っ!?」」」」

 

 うわあ………スゴイ真剣な表情してる…………さっきまでニコニコしてたのに………。

 

「な、凪の役にも立つなら…………」

 

「ありがとうございますっ♪♪♪」

 

 私の懐妊を告げた時より、笑顔が輝いてない?

 そんな凪に雪蓮お姉ちゃんが何かを思い出したみたいで問い掛けた。

 

「あ、そう言えば、流琉から聞いたんだけど、曹魏館もみんながソワソワして大変らしいじゃない。」

 

「え?……あはは、自分もそうなんで恥ずかしいんですが、沙和と真桜が特に♪昨日も桂花様に下着と枕を持って行こうとか、吉祥さんに占ってもらおうとか持ちかけられましたよ♪」

 

「あら、それでなのかしら?」

 

 雪蓮お姉ちゃんは納得いった顔をしてる。

 

「わたしが後宮に移ってから、あの子達が警邏の報告に来る度に拝んで行くのよねぇ♪」

 

「………も、申し訳ありません………後で殴っておきます………」

 

「別にいいわよ♪でもどうせ拝むならわたしじゃなく蓮華を拝めばいいのに♪」

 

「またその話ですかっ!?別に私を拝んだからといって安産になる訳では無いでしょう!」

 

「いえ、蓮華様。街の母親達から『蓮華様にお声を頂いたおかげで無事出産できました』と良く話を聞きますよ。」

「丞相室にも似た内容の手紙が毎日の様に届いていますね。」

 

 凪と冥琳の言う通り、巷では『尻神様』が完全に定着してる。

 未だに蓮華お姉ちゃんの出産時間最短記録を破る人が現れないんだからしょうがないよね。

 

「え、ええと……………だ、第一、沙和と真桜は懐妊してないのだから気が早過ぎるわよっ!!」

 

 雪蓮お姉ちゃんがその程度の反論で開放してくれる訳無いじゃない。

 

「それはほら、日頃の信心が大事って言うじゃない…………わたしも拝んでおこうかしら?」

 

 ほらね。

 

「何をバカな事を……………いえ、それでお姉さまが安心出来るならどうぞ。シャオも今から拝んでおく?」

 

「ねえ、お姉ちゃん…………そうやって私と雪蓮お姉ちゃんに自分の記録を塗り替えさせるつもりでしょ。」

 

「え!?な、何の事かしら!私は別に~……………」

 

 目が泳いでる…………。

 

「あの、蓮華様。雪蓮と小蓮様がそれで記録を塗り替えても、庶人の『尻神様』への信仰心も一緒に上がると思いますけど?」

 

「ええっ!?そ、そんな事無いわよ!そ、そうよ!私の半分の時間で産めば間違い無く新旧交代と言われる筈よっ!!だから二人共頑張ってっ!!」

 

「ちょっと、落ち着いて、お姉ちゃん!それって陣痛が始まってから一刻以内に産むって事よ!」

 

 お姉ちゃんが蓮紅を産んだ時が一刻半。雪蓮お姉ちゃんが二刻強で私が二刻弱。

 記録を更新する気は有るけど、一刻でなんて考えられないよ。

 

 

「あっと、いけない!興味は尽きないけど、そろそろそんな先の事よりも、今する事をしに行かないと。」

 

 

 雪蓮お姉ちゃんが私の肩を掴んで出口に向けた。

 

「シャオは一刀たちに報告をしたら、三人を連れて後宮に来て頂戴。蓮華は桃香にシャオの懐妊を教えて後宮に連れて来て。冥琳は丞相室をお願い。丞相室の全員も後宮に。わたしは学園に行って蓮紅、冰蓮、冥龍を連れてくるわ。凪は一足先に後宮に伝えておいて頂戴。あ、華琳に『例の話し合いをする』って言っておいてね♪」

 

 華琳と事前に打合せでもしてたのね。

 こうやって雪蓮お姉ちゃんが指示を出すと、昔の孫呉の王だった頃を見てるみたい。

 でも今は私達姉妹の長女としてだと蓮華お姉ちゃんも冥琳も分かってるから、その事は気にしていないけど。

 

 さてと、一刀たちはどんな顔をしてくれるかな♪

 

 

 

 

本城 皇帝執務室

【赤一刀turn】

 

( ゚Д゚)ポカーン( ゚Д゚)ポカーン( ゚Д゚)ポカーン

 

「ちょっと、一刀っ!!なんなのよ、その反応はっ!!」

 

「「「い、いや、ごめん、シャオ…………ここまで立て続けに懐妊の報告が来るとは予想して無かったから…………」」」

 

 ホント、去年の華琳から月イチペースが戻ってきて、まだ枯れてないと安心していたのに、先月の雪蓮以降加速して旬イチペースだ。

 十日前に恋、ねね、音々さんの三人が懐妊したから暫くは間が開くかと思いきや、こうしてシャオが報告に来たのだ。

 これって二刃の存在がこの外史に影響を及ぼしているんじゃないだろうか?

 いや、それよりもシャオに労いと感謝をしないと。

 

「「「シャオ、二人目の懐妊、ありがとうな♪また、大変だと思うけど頑張って元気な赤ちゃんを産んでくれ。」」」

 

 俺たちがシャオの手を握って言うと、ムスっとした顔を緩めてくれた。

 

「もう、しょうがないなぁ……………そうだ、ひとつだけ我儘を聞いてくれたら許してあげる。」

 

「「「え~と……………何でしょう?」」」

 

 シャオの我儘か……………………嫌な予感しかしないな…………………。

 

 

「私が予定通り赤壁に参加するコト♪」

 

 

「「「やっぱり…………………」」」

 

 シャオは胸の前で腕を組んで仁王立ちをしている。

 これは絶対に回避不可能だ。

 

「「「判った。それで手を打つよ。」」」

 

「やったあ♪」

 

 流石、弓腰姫。ガッツポーズで満面の笑みですよ。

 

「「「但し!」」」

「え?」

 

「「「つわりで気分が悪くなったり、駕医が出場を認めなかったりした場合は参加しないと約束してくれ。」」」

 

「………それは………判ったわ。約束する!」

 

 真面目な表情で真剣に答えてくれたから、これでこっちも本当に納得した。

 

「ねえ、一刀。実を言うと私も凪に懐妊してるって言われて、最初信じられなかったんだよね♪立て続けの懐妊も今までこんなに早いの初めてだし。」

 

「「「なんだよ、シャオ自身が俺たちと同じだったのか♪やっぱりそう思うよな♪」」」

 

「一刀たちに言われるのはショックなの!」

 

「「「本当にごめんなさい…………」」」

 

 俺たちは腰を90°に曲げて謝罪した。

 

「「「でも、一体何が起こってるんだろうな?前に外史研究会から『懐妊は外史の意思と呼べる物が影響を与えている可能性が有る』って報告が来た事も有ったからなぁ。」」」

 

「あ!それでなのかしら?」

 

「「「ん?シャオも何か教えて貰ってるの?」」」

 

「そうじゃ無いんだけど、雪蓮お姉ちゃんが一刀たちと丞相室のみんな、それに桃香と蓮華お姉ちゃんも後宮に集まる様に指示を出したの。」

 

 雪蓮が?

 …………待てよ?雪蓮は今回の後宮暮らしで、華琳と話している時間が増えたと言ってたな。

 華琳ならこの短期間に懐妊者が続出してる事で何かに思い至っていてもおかしくない。

 いや、思い至らない筈がない!

 きっと次に懐妊者が出たら、その事を本格的に話し合う事を雪蓮にも言ってあったんだ。

 

「と、いう訳で、一刀たち。一緒に後宮に来てもらうわよ♪」

 

 シャオに手を引かれて、俺たちは執務室を後にする。

 冥琳が反対しなかったんだから、今日の書類仕事は終わりにして良いって事だよな?

 

 

 

 

本城 後宮談話室

【赤一刀turn】

 

「「「小蓮媽媽!おめでとうございます♪」」」

 

 蓮紅、冰蓮、冥龍が笑顔でお祝いの言葉を言ってお辞儀をした。 

 

「おめれとうこあいまっ♪」

 

 蓮紅と手を握っていた一歳半の蕾蓮もお姉ちゃん達を真似てお辞儀をする。

 

「「「らいれ~~ん♪よく言えました~~♪いい子いい子~~♪」」」

 

 俺たちは堪らずしゃがみ込んで蕾蓮の頭を撫でてしまった。

 親バカと言われ様が構うもんか!カワイイものはカワイイのだっ!!

 

「爸爸!冰蓮達はっ!?」

 

 おっと!冰蓮だけじゃなく、蓮紅と冥龍も口を尖らせてる!

 

「「「お前たちも偉いぞ♪ヨシヨシ♪」」」

 

 三人の頭を撫でてあげると途端に笑顔になる。

 うんうん♪やっぱり子供の笑顔は最高だ♪

 

「さ、おわったから聖刀ちゃんの所に行こう♪」

「うん♪」

「蕾蓮は蓮紅お姉ちゃんが抱っこしてあげる♪」

「ぅわ~~~♪」

 

 

「「「…………………行ってしまった……………」」」

 

 

 俺たちの手はさっきまで子供達の頭を撫でていた場所に置き去り……………うう、寂しい…………。

 

「そんな事で落ち込まない!子供の切り替えの早さは充分知ってるでしょ!」

 

「「「そうだね…………昔のシャオも」」」

「私の事はいいのっ!!」

 

「そろそろ私達も小蓮にお祝いを述べたいのだけど、いいかしら?」

 

 華琳の声に振り返れば、華琳は勿論、集まったみんなの笑顔が有った。

 シャオを祝福する笑顔と云うよりも、明らかに今の俺たちに対して笑っている…………。

 

 うわ~~ん!父親虐待反対!!

 

 

 

 

【小蓮turn】

 

 みんなからお祝いの言葉を貰って、次はいよいよ現状についての話し合い。

 子供達は命佐やメイド隊の子達が見てくれてるから大丈夫でしょ。

 聖刀ちゃんがお腹を空かせて目を覚ましたら話し合いは中断だろうけど。

 

「ねえ、華琳はこの状況をどう見てるの?」

 

 私が訊くと華琳は集まったみんなの顔を見てから話し始めた。

 

「そうね……みんなも知っている通り、音々が音肆を身篭った頃は懐妊する者が中々現れなかった。私と桂花が身篭った時から毎月ひとり懐妊する様になったわね。そして先月の雪蓮からほぼ十日毎、つまり一旬毎に懐妊者が出ている。この前は恋、音々音、音々の三人同時だったからこの規則性に少し疑問を感じたのだけど、今日の小蓮の懐妊で確信したわ。今は間違いなく懐妊しやすくなっている。今後は一旬毎どころか一度に何人も懐妊者が現れる可能性が高いと思うわ。」

 

 華琳の話を聞いていたみんなの目が輝きを増してる。

 というか、明らかに一刀たちを狙う目になってるわね…………私も懐妊してなかったら同じ目で一刀たちを見てただろうな。

 あ、ひとりだけ引きつった顔をしてるのが………………桂花……もしかして………。

 

「そして、こうなった要因にも推測を立ててみたわ。多分、二刃の影響なのでしょう。ね、吉祥♪」

 

 全員の視線が吉祥に集まった。

 

「もう、私からは教えられないんだから質問はダメよ。正解か不正解かは答えてあげるけど。」

 

「それで充分よ。二刃が影響してるのは正解?」

 

「ええ、正解♪」

 

「要因は二刃だけでは無い。これはどう?」

 

「それも正解。」

 

 二刃だけが要因じゃ無いんだ。それじゃあ他の要因は何だろう?

 

「まさかとは思っていたのだけれど…………聖刀も要因のひとつである。」

 

「正解♪さすが華琳ちゃん♪」

 

 聖刀ちゃんが!?あの子ってそんなに強い星の下に生まれてたんだ………確かに見てるだけで癒されるもんなぁ。

 

「大小様々な要因が絡み合った結果が今の状況である。」

 

「正解。だからひとつひとつ上げて行ったらキリが無いわよ。これは誰かが書簡にまとめて一度に確認した方がいいんじゃない?」

 

 吉祥の提案に冥琳が手を挙げた。

 

「そえは我ら外史研究会がやろう。最後にこれだけは確認させてくれ。」

 

 冥琳がいつも以上に真剣な顔で吉祥を見ている。

 

「このひと月の懐妊者の続出。これは二刃と駕医の営みと同調」

「め、めめ、冥琳っ!!何を言い出すのっ!!?」

 

 蓮華お姉ちゃん、そこで遮るなんて空気読めてないなあ。

 

「それよりも今後の防衛力維持や執政官の人材確保をどうするか話し合うべきでは無い!?」

 

「あら、いいの、蓮華?赤ちゃんを授かるのに一番有力な情報だと思うけど♪」

 

「姉様!本人達が居ない所では陰口みたいではないですか!」

 

「蓮華お姉ちゃん………こんな話、二刃と駕医の前でする方が酷いと思うけど………」

 

「駕医と二刃にこの件は伏せておく様に。二刃がこの世界に来てくれたから子供が増え始めたと、冗談として言っておけばあの子も気にしないでしょ♪」

 

 今の二刃になら充分通用するわね。

 二刃を見てると昔の一刀たちとの蜜月を思い出しちゃう♪

 

「ねえねえ、一刀たち♪明日のデートは昔みたいに甘えちゃうから♪」

 

「「「ああ、それは構わないんだけど……………」」」

 

「何よ、返事に身が入ってないわよ!」

 

「「「いや、さっきの冥琳の言いかけた話……………吉祥は肯定も否定もしてないのに、真実として話が進んでない?」」」

 

「う~~ん……………一刀たちは真実を知りたい?」

 

「「「……………出来れば耳には入れたくない情報だった…………」」」

 

「それじゃあ、忘れる為にも明日は私と蕾蓮と一緒にハシャギましょ♪」

 

「「「そうだな…………そう言えば蕾蓮を身篭った時のデートは冰蓮がついて来ちゃって大変だったよな♪」」」

 

「今回はそうならない様に学園から連れて来たのよ。取り越し苦労だったみたいだけどね。」

 

「「「う…………弟を可愛がるお姉ちゃんになってくれるのは嬉しいが………爸爸としてはやっぱり寂しい………」」」

 

「だから、その分も含めて、私と蕾蓮が甘えて、あ・げ・る♪」

 

 みんなが話し合いを続ける中で、私と一刀たちは手を握って笑い合った。

 

 

 

 

翌日

房都 スパリゾート

【赤一刀turn】

 

 夏のデートでプールというのは当然の選択肢だろう。

 元居た世界じゃした事無いけどな。

 大抵は野郎と一緒か、二刃を連れて行ってあげたくらいのモンだ。

 まさかこの世界で建設から携わって、沢山の思い出を作る事になろうとは。

 そして今、俺たちは幼児用のプールで新たな思い出を作っている。

 

 赤いビキニを着たシャオと、赤いワンピースを着た蕾蓮が水と戯れる姿は実に平和で心が和む♪

 

「ぱーぱ。ぱーぱも~」

 

 水面を両手でパシャパシャしながら、蕾蓮が俺たちを呼んでいる。

 くるぶしの少し上までしか深さのないプールの中を移動して、俺たちは蕾蓮を囲む様に座った。

 その俺たちに向かって蕾蓮が水を掛け始める。

 

「キャハハハ♪えい♪えい♪」

 

 この笑顔だけで萌え死にそう♪

 時々バランスを崩して倒れそうになるけど、背後に居るのが支えてあげる。

 シャオが支えた時の二つの大きなクッションがお気に召したらしく、水遊びを忘れてポヨポヨし始めた。

 これはこれで絶景である♪

 

「ら、蕾蓮。あんまりすると水着が………」

 

 おおっと!他にもお客さんが居るのにポロリはイカン!!

 俺は慌てて蕾蓮をシャオから受け取り抱っこした。

 シャオの水着は辛うじてポロリを免れ、シャオは慌てて水着を直した。

 

 周りから水に飛び込む音が連続したかと思うと、次に女の子の怒りを含んだ声が聞こえ始めた。

 

 どうやらカップルに要らぬ争いの種をばら撒いてしまった様だ。

 

「ヤッホー♪シャオ、楽しんでる?」

 

「え!?雪蓮お姉ちゃん!?」

 

 俺も慌てて振り返れば、そこにはシャオと同じ赤いビキニを着た雪蓮。そして蓮華!

 更に冥琳に祭さん、思春、穏、明命、亞莎。

 子供達も蓮紅、烈夏、冰蓮、冥龍、宴、茜、藍華、毬と孫呉全員が揃っていた。

 

「今日の儂らは護衛じゃ♪水場で儂ら以上の護衛はおるまいよ♪」

 

 それは確かにそうだけど、シャオの反応は……………。

 

「もう、しょうがないなぁ♪思春なんかそんな大きなお腹してるんだから、むしろ守ってあげるのは私なんじゃないの♪」

 

「いざという時は頼りにさせて頂きます、小蓮様。ですが、この甘興覇。赤壁でも暴れさせて頂くつもりですのでご安心ください♪」

 

「この周幼平もおります♪お任せ下さい♪」

 

 武将達が息巻く中、亞莎はひとり頭を下げていた。

 

「雪蓮様をお止めする事が出来ませんでした…………申し訳ございません………」

 

「いいわよ、亞莎♪さっきまで蕾蓮と遊んでいて気が付いたの。蕾蓮にみんなと一緒に居る思い出を作ってあげた方が、私達孫呉らしいって♪だから来てくれて嬉しいわ♪」

 

 シャオの言葉に亞莎は感動して、笑顔に涙を浮かべている。

 でも、それ以上に感動しているのが穏だった。

 

「ううぅ~………小蓮様からそんなお言葉が聞ける様になるなんて………感無量ですぅ~~~!」

 

 昔はシャオに散々振り回された穏だからなぁ。

 シャオの成長は一入(ひとしお)だろう。

 斯く言う俺もそうなんだけど。

 

「さあっ!蓮紅!烈夏!冰蓮!冥龍!宴!あなた達は雪蓮媽媽が鍛えてあげるわよっ!孫呉の人間が泳ぎで他の子に負けるなんて許さないからねっ!!」

 

「「「「「はいっ!」」」」」

 

 今年から子供達も赤壁に参加するので、気合が入ってるな。

 まだ小さい子達は蕾蓮の遊び相手をする為に母親と一緒にプールに入ってくる。

 

「亞莎と穏様は子供達を見てあげて下さい。私は周囲を警戒しますから。」

 

「お願いします、明命。ほら、茜、藍華。あなた達はお姉ちゃんなのだから蕾蓮さまと毬ちゃんの面倒を見ないとダメですよ。」

「そんなのいつもしてるからダイジョウブだよ。ねぇ、藍華♪」

「はい♪」

 

 四歳の茜と藍華がお姉ちゃんぶってるのが微笑ましい♪

 毬はもう直ぐ三歳だけど母親譲りでのんびりしてるから、蕾蓮相手では普段から遊ばれている様にしか見えないんだよな。

 亞莎は子供に優しく、時に厳しく、躾が上手いので安心して任せられる。

 明命はそんなに警戒しなくてもいいんじゃないかって言うくらい周囲に気を配ってて、初めて会った頃の城壁の上での姿を思い出すな。

 警戒と言えば要注意人物がひとり居るが、北郷親衛隊はスパの周囲警戒任務に着いているので心配無いだろう。

 あ、北郷親衛隊の中でひとりだけスパの中に配置したのが居るんだけど………。

 

「あなた!蓮華様を見て鼻の下を伸ばしましたねっ!!」

「ご、誤解だ!真珠!って、棍なんてどこから持ってきたのっ!?」

 

 尻好きに家族サービスの機会をあげたつもりだったんだけど…………裏目に出たな。

 

「真珠ちゃんは相変わらずヤキモチ妬きですねぇ~♪雷火様が来るまで、宋憲さんが保ちますかねぇ?」

 

「「「え?穏、雷火さん房都に来るの?」」」

 

 雷火さんとは尻好きの奥さんの母親、張昭さんの事だ。

 

「そうですよ~♪昨日話に出た執政官の増強策です~♪」

 

 そんな方向に話が進んでいたのか。

 尻好きは増々肩身が狭くなりそうだ……………頑張れよ、尻好き!

 

「小蓮様、わたし達が蕾蓮様を見ていますから、椅子でお休みになっては如何ですか?」

 

「ありがとう、穏。でも大丈夫よ♪今はこうしてみんなと思い出が作れるのが楽しいの♪」

 

 シャオの笑顔に穏はまた感激している様だ。

 

 俺たちもそんなシャオと穏の姿を、奥さん達と子供達の姿を。

 

 楽しい思い出として大事に心に刻みつけよう。

 

 

 

 

 

おまけ壱

『北郷二刃奮闘記』其の二十四

リクエスト:紫苑と月、璃々たちによる夜の勉強会 9票

 

本城 後宮談話室             (時報:桂花七女 柊 生後一ヶ月と十日)

【二刃turn】

 

「あ~あ………あたしも早く赤ちゃんが欲しいなぁ♪」

 

 小蓮さんの懐妊祝いがお開きになった後、あたしはひとりで椅子に座り、お茶を飲んでボーっとしていた。

 お義姉さん達は子供達を寝かしつけにぞれぞれの自室に戻っている。

 駕医さんは兄さんたちと話が有ると言って一緒に執務室へ行ってしまった。

 ひとりで家に戻っても寂しくなるので、ここで駕医さんを待ちながらちょっと一息。

 ふぅ…………今日は夜風が心地いいな。

 ふと人の気配を感じて振り向くと、月さんがお茶を載せたお盆を持ってあたしの所へ歩いてくる。

 

「二刃ちゃんはお家に戻らなくていいんですか?」

 

 月さんはいつもの様に優しく声を掛けてくれた。

 それだけで少し癒された気持ちになり、あたしは自然と笑顔になる。

 

「駕医さんが兄さんたちと仕事の話が有るって……ここで戻って来るのを待ってるんです♪」

 

「そうだったんですか…………せっかくだから少しお話をしませんか?」

 

 月さんはニッコリ笑い、テーブルを挟んで私の正面に座った。

 椅子に座るだけでも仕草が優雅で見とれてしまう。

 

「あたしは嬉しいですけど、月さんのお仕事の迷惑に………」

 

「お片付けはメイド隊の子達が揃ってから始めるので、まだ時間が有るんです♪」

 

「そういう事なら♪」

 

 月さんも余裕が有るなら、お互いの時間つぶしに丁度いいな♪

 お茶も最初からそのつもりで用意してたのね。

 

「二刃ちゃんも早く赤ちゃんが欲しい?」

 

 月さんの言葉に身体が固まった。

 

「………………………あの………あたしの独り言聞こえました?」

 

「え?………ふふ♪独り言で呟いちゃうくらいなんだ♪」

 

 うわああ!墓穴掘った!!

 

「さっきも小蓮ちゃんを羨ましそうに見てたものね♪」

 

「それを見られてましたか…………」

 

「白状すると私もなの。春姫(るな)ちゃんももう五歳になったからそろそろ二人目が欲しいなあって♪」

 

 頬を染めて少し照れながら言う月さんがスゴク可愛い♪

 

「春姫ちゃんはしっかり者ですもんね。さっきも树莓(しゅうめい)ちゃんに食べ物を取ってあげてて微笑ましかったです♪」

 

「あれでも私やご主人さまと居る時は甘えん坊なんですよ♪それこそ、ついさっき寝る前に『媽媽にはいつ赤ちゃんが来てくれるの?』って、なかなか放してくれなかったんです♪」

 

 あたしは湯呑に口をつけて月さんの気持ちを考えた。

 例え実の娘とは言え、そうやって急かされるのはプレッシャーだろうなぁ。

 駕医さんは焦らないで気長に待とうって言ってくれるけど、あたしは駕医さんのご両親の墓前には早く報告がしたいと思ってる。

 それにあたしのお母さんならきっと『まだなの?まだなの?』って言ってくる。絶対にっ!

 

 

「二刃ちゃんは駕医さんにどんなご奉仕をしているの?」

 

 

「ぶっ!げふっ!!ごほっ!げほっ!」

 

 

「きゃあ!だ、大丈夫!?二刃ちゃんっ!?」

 

 あ~~~、口に含んだお茶が変な所に……………。

 

「だ、だいじょうぶ…………そ、それよりも…いまなんて…………」

 

「え?そ、その………駕医さんへのご奉仕?」

「月さんから聞くとスゴイ破壊力がありますね…………」

 

 月さんみたいな可憐な人でも…………そりゃ当然なんだろうけど…………。

 

「あ、私の場合はたまにご主人さまを膝枕して差し上げるの♪そうしたらご主人さまがそのまま寝てしまわれて♪」

 

「え?ご奉仕ってそういうのですか?あたしはてっきり…」

 

 最近のあたし、浮かれまくってたもんなぁ…………璃々にも『色ボケ』とか言われたし。

 

「起きたご主人さまがとても元気になられてて、それをお口で」

「やっぱりそっちなんですね!」

 

 今はリアルに想像しちゃうから、話題を変えなきゃ!

 

「二刃と月お姉ちゃんが何か楽しそうな話してるわね♪」

「わたくし達も加わってよろしいですか♪」

 

「璃々!それに紫苑さんもいつの間に!?」

 

 テーブルの傍に璃々と紫苑さんが立って居て、興味津々な顔をしてる!

 これは話題を変えるどころか………。

 

「へうぅ、聞かれちゃいました………」

 

 月さん………赤くなった顔を両手で隠してるけど、目が嬉しそうですよ………。

 

「それで二刃ちゃんは駕医さんにご奉仕してるのかしら?」

 

 紫苑さん……………実は結構前から聞いてましたね…………。

 

「二刃には結婚前から色々と教えてあげてたから大丈夫よね♪」

 

「う……………それは……………まあ…………その………………」

 

「んんっ?これは言うのが恥ずかしいって態度じゃないわね……………二刃、もしかして………」

 

「しょ、しょうがないじゃないっ!あの頃は知識が無かったから想像が追いつかなかったし!頭が沸騰して言葉が頭に入ってこなかったのよっ!!」

 

 そ、それでも、覚えてた事は何とか……………。

 

「これはまた一から教え直しね。」

「ふふ♪そういう事ならわたくしがお手本を見せてあげましょう♪」

「紫苑さん、お手本を見せるって、まさか駕医さんに………」

 

「だ、だめえっ!が、駕医さんはあたしの旦那さまだから………」

 

 あ……………咄嗟に大声で…………。

 三人とも唖然としてる…………。

 

「プッ♪だ、大丈夫だよ♪二刃の大事な駕医さんにそんな事しないって♪」

「うふふ♪わたくしも浮気をする気は無いですよ♪」

「ご、ごめんなさい!私も早とちりしてしまって…………」

 

 うぅ…………あたしおもちゃにされてる?

 

「ほらほら、泣かない泣かない♪きっともう直ぐご主人さまたちが戻ってくるからお手本はこの三人でご主人さまのを」

「それも見たくないって前に言ったよねっ!!」

 

 璃々だったら本当にやりかねない!

 

「そうだわ♪吉祥さんの所に行って子宝飴を貰って来るわね♪」

 

 紫苑さんが立ち上がったと思ったら、早足で談話室を出て行ってしまった。

 

「あの飴って、確か兄さんの………」

 

「あれを舐めるのに抵抗が有るなら見て覚えるだけでもいいじゃない♪」

 

「私も璃々ちゃんもご主人さまのしか知らないし………その…紫苑さんの方が知識お有りだから………」

 

 あの飴の素性を知ってしまっているから見るのも抵抗が有るんだけど………………でも、正直に言うと駕医さんに気持ちよくなってもらいたいとは思う……………。

 いやいや!流されかかってるぞ、あたし!

 駕医さんが戻って来てくれれば、家に逃げてしまう事も出来るのに………。

 そう思って廊下側の出入り口を見たら、詠さんがやって来た!

 そうだ!さっき月さんがメイド隊の人達が片付けに来るって言ってたっけ!

 メイド隊の居る前では、流石に紫苑さんもしないよね♪

 

「月、メイド隊の子達は少し遅くなるわ。」

 

 ………………一秒で希望が絶たれた。

 

「何か有ったの、詠ちゃん?」

 

「曹魏館で霞と春蘭が酔った勢いで暴れたのよ。あの子達には向こうの片付けを優先してもらってるわ。」

 

 詠さんの説明に、璃々が納得のいった顔をした。

 

「さっき聞こえてたあの音はそういう事だったんだ。」

 

 え?璃々には何か聞こえてたの?

 う~ん、仮面無しでももう少し周囲の状況が分かる様に修行しないとダメね。

 

「そう言えば二人共、暫くは呑めなくなるからって桔梗さんと祭さんに呑み比べを挑んでいたもんね。」

「ちょっと、璃々!しーっ!しーっ!」

 

「呑めなくなるって………霞さんと春蘭さん…………」

 

「ええっとね、二刃!そ、それは………」

 

「二人共懐妊に向けてお酒断ちの願掛けをするのかな?」

 

 医者の立場からすると大歓迎だな♪

 

「「「ふうぅ~~~」」」

 

「どうしたの、璃々?」

 

「いや…………なんでもない………あ、そうだ♪詠お姉ちゃんも二刃にご奉仕の仕方を教えてあげてよ♪」

 

「は?ご奉仕の仕方?…………掃除の仕方を教えるの?」

 

 むしろあたしはそれでもいいです。

 

「いや、そっちじゃなくて、ご主人さまへのシモのご奉仕の話♪」

 

「ちょっ!な、なんでボクが!?そ、そもそもボクはあいつらにご奉仕なんてしないしっ!!」

 

「二刃ちゃん。詠ちゃんはあんな事言ってるけど、さっき教えた話の後で詠ちゃんったら拗ねちゃって♪結局ご主人さまに♪」

「ゆ、月っ!そんな昔の事を二刃に教えないで!」

 

「え~、でも二刃ちゃんだって恥ずかしいのを我慢してお勉強してるんだよ。詠ちゃんだったらその気持ちが一番良く分かるよね?」

 

「う、そ、それは……………もう!二刃には特別に教えてあげるわ!ボ、ボクだって恥ずかしいんだからねっ!!」

 

「これが9:1の黄金比ツンデレなのね…………」

「相変わらず見事だわ、詠お姉ちゃん…………」

 

「感心するトコ、そこなの!?」

 

 ここで紫苑さんが戻って来た。

 

「子宝飴をいっぱい頂いたわよ♪」

「ついでに私もついて来ちゃいました♪」

 

 吉祥さんを連れて……………。

 

「紫苑…………その飴ってもしかして……………」

 

 詠さんが引つってる。

 

「ええ♪これで二刃ちゃんにご奉仕の仕方を教えてあげようと思って♪」

 

「今から詠お姉ちゃんのご奉仕体験の話を聞く所だったの。お母さん、丁度いいから一本詠お姉ちゃんにあげて♪」

 

「あら、そうなの?はい、詠ちゃん♪」

 

「あ、ありがとう……………………じゃなあああああああああい!!」

 

 詠さん………ソレをあんまり振り上げないでほしいんですけど……………。

 

「そういう勉強ならあの本が有るでしょう!」

 

 詠さんが戸棚に向かって走って行き、中から一冊の本を取り出して、また走って戻って来た。

 

「はあっはあっ……………こ、これを読んで勉強しなさい!」

 

 差し出された本の題名は…………………『性技指南書』………………。

 

「うわぁ♪懐かしいね、詠ちゃん♪」

 

「こ、これは朱里と雛里が手に入れて、みんなが借りて読んだ本よ!ボ、ボクの物じゃ無いからねっ!!」

 

 その本が何故、この部屋の戸棚に入っていて、そして他にもたくさん有った様に見えたのは触れないでおこう。

 

「それじゃあ二刃ちゃん。せっかくだから、この本の基礎編の部分をこの飴を使って説明してあげるわね♪」

 

「なんだ、結局お母さんがするの?」

「私もやろうかな………何事も基本は大事だし………」

「月ぇ、その理屈は何か間違ってるわよ………」

 

「う~~~ん………成程、飴とこの本をセットにすれば売上が伸びるかも…………」

 

 吉祥さん…………商売気が出てます。

 あ、廊下から複数の足音と声が聞こえて来る。

 これは………。

 

「もう、あの子達には本当に困った物ね。」

「「「いやあ、華琳。助かったよ。あの状態の春蘭を止められるのは華琳だけだからな♪」」」

「剣を振り回してあれだけ物が壊れたのに、打ち身の人間が数人だけだったのは幸いだな♪」

「華琳さま!春蘭と霞にはもっと罰を与えるべきです!例えば後宮への出入りを禁止するとか!」

「「「どうしたんだ、桂花?ご機嫌斜めだな。」」」

「あんたたちの所為よっ!!」

 

 この声は華琳さんと桂花さん。それに兄さんたちと駕医さん!

 

「あら、貴女達だけ?他の者は…………あの騒ぎが聞こえて子供達が寝付けないのかしら………」

 

「雪蓮と星が出てくると騒ぎが大きくなるので、今日はある意味子供達に助けられましたね、華琳さま。」

 

「「「悪いけど、俺たちにもお茶を貰えるかな?ちょっと一息つきたい気分なんだ。」」」

 

 兄さんたちと華琳さん、桂花さんは椅子に座って寛いだ。

 だけど、駕医さんはあたしを見て微笑んでいる。

 

「二刃は話が弾んでいたみたいだな。邪魔するのも悪いから俺は先に戻るとするよ♪」

 

「だ、大丈夫!あたしも一緒に戻る!そ、それじゃあみなさん、おやすみなさいっ!」

 

 このタイミングを逃したらいつ戻れるか分からないもんね!

 あたしは駕医さんの腕を取って引っ張る様に庭側の出入り口から談話室を後にした。

 

 テクニックを教えてもらうのは嬉しいんだけど、お義姉さん達の相手が兄さんたちだから…………やっぱり肉親のそんな姿を想像するのは抵抗があるよねぇ…………。

 

 

 

【緑一刀turn】

 

「「「なあ、二刃の様子が結婚前の態度に戻ってた気がするけど、何の話をしてたんだ?」」」

 

「べ、別に何でもないわよっ!」

 

 詠が顔を赤くしてこのツン台詞って事は、エッチ関係の話か。

 桂花に続いて詠からもツン攻撃をされるとは、これはご褒美だろうか?

 

「貴女達、その手に持ってるの……」

 

 華琳の言葉に俺たちも気が付いた…………その飴を持って二刃と話をしていたという事は…………。

 

「なに?あなた達、昼の話を実践しようとしてた訳?」

 

 桂花が呆れた顔で紫苑と吉祥を見た。

 

「すいません!私が最初に二刃ちゃんへ、その手の話を振ってしまったんです。」

 

 月が!?

 

「月ちゃんは小蓮ちゃんを羨ましそうに見ていた二刃ちゃんを慰めようとしてたんですよ。そちらに誘導したのはわたくしです♪」

 

 紫苑…………ニッコリ笑って言う内容じゃ無いから…………。

 

「誘導はしましたけど、昼の話の実験をするつもりは有りませんよ。そんな事をしたら小蓮ちゃんに恨まれてしまいますもの♪」

 

 俺たちも最低限の礼儀として、懐妊デートの前の晩くらいは我慢する様にしている。

 

「今日はどう誘導出来るかを試したといった所ですね♪」

 

 二刃…………お前は義姉達の手の平の上で転がされてるぞ…………。

 

「「「でも、恥ずかしがり屋の詠が二刃にその手の話をするとは、意外だな♪」」」

 

「ボ、ボクは本を使って勉強する様に勧めただけで、別にそんな話をしてないし…………あれ?」

 

 詠がテーブルの上、下、周囲を見回している。

 

「あの本が無いんだけど…………」

 

「『性技指南書』なら、二刃が持って行ったよ。多分、ご主人さまたちが来た時に慌てて後ろ手に隠したから、うっかりだと思うけど♪」

 

「…………結局、ボクが最後のひと押しをした形に…………」

 

 落ち込んでガックリと項垂れてる詠以外の俺たちの奥さんは、二刃と駕医の家の有る方を向いて暖かい眼差しで微笑んでいた。

 って!何であの本がここに有るんだ!?

 

「ねえ、桂花。私達も二人で二刃に色々と教えてあげましょうか♪」

「か、華琳さま!それは…………」

 

「「「華琳っ!二刃に一体何を教えるつもりだっ!!」」」

 

 

 

 

 

おまけ弐

『聖刀くんの日常』其の二十三

リクエスト:昴    9票

 

61)北郷聖刀 真名:輝琳  六歳

 

インテリ⇒寇封(劉封) 嫁⇒孟達 真名:太白(たいはく)息子⇒孟興 真名:昴(こう)三歳

 

本城 前庭東屋

【聖刀turn】

 

 今日は学園がお休みなので、ぼくは祉狼と昂ちゃんを連れてお城の中で遊んでいる。

 二人共お父さんとお母さんが仕事で忙しいから、誰かが面倒を見なければいけない。

 ぼくから進んで遊び相手になると言ったら太白さんに恐縮されちゃったけど、男の子だけで遊ぶというのがぼく自身とても楽しみだったし、朱里媽媽と雛里媽媽も強く賛成して弁護してくれたので実現出来た。

 

「祉狼、昂ちゃん、なにして遊びたい?」

 

 東屋のベンチに三人で座って訊いてみると、赤いスカートを履いた昂ちゃんが元気いっぱいに返事をする。

 

「おにいちゃん♪こうはおいしゃさんごっこがいい~~♪」

 

「にいたん!しろーもおいしゃさんごっこしたい!」

 

 祉狼が昂ちゃんに負けじと手を振り回して賛成した。

 

「よし!それじゃあ先ずはぼくが先生をするね♪」

 

「「うん♪」」

 

 二人は期待に満ちた目でぼくを見上げていた。

 ぼくはベンチから立ち上がって、東屋の外に出る。

 辺りを見回して危険が無いのを確認してから、一度深呼吸。

 よしっ!

 

「はあああああああああああぁぁぁぁああああああっ!!

 我が身、我が鍼と一つとなり!

 一鍼胴体!全力全快!必殺必治癒!病魔覆滅!!

 

 げ・ん・き・に・なれええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえっ!!!」

 

 ぼくは手に鍼を持っているつもりで右手を天に突き上げた!

 どうだろう?上手く真似出来てたかな?

 

「にいたん、ぱぱにそっくり~~♪」

「おにいちゃん、カッコイイー♪」

 

 二人が手を叩いて喜んでくれたので一安心♪

 この『お医者さんごっこ』は都の子供達の間で人気の遊びのひとつだ。

 他にも『華蝶連者ごっこ』と『見捨てない人ごっこ』というのが有る。

 そう言えば『アルジオンごっこ』をしてる子って見た事ないな?

 

「次は祉狼の番だよ♪」

 

 祉狼は実の息子だからこのセリフをしっかり覚えている。

 

「いくよ~♪は~~~~~!わがみ、わがはりとひとつとなり!

いっしんどうたい!ぜんりょくぜんかい!ひっさつひっちゅう!びょうまふくめつ!

げんきになれ~~~~~!」

 

 ポーズを取る祉狼に、ぼくと昂ちゃんは拍手を贈った。

 

「上手だったよ、祉狼♪」

「しろーちゃんすごいな~!ぜんぶいえるんだ~。こうはいえないよ♪」

 

「昂ちゃんにはぼくが教えてあげるから、一緒にやろうか♪」

 

「うん♪」

 

 ぼくは昂ちゃんを立たせて、背中から支えてあげる。

 

「我が身。」

「あがみ。」

 

「我が鍼と。」

「わざありと。」

 

「ひとつとなり。」

「ひとつ、となり。」

 

「一鍼胴体!」

「いっしんどーてい!」

 

「全力全快!」

「ぜんりょくえんかい!」

 

「必殺必治癒!」

「ひっさついっちゅー!」

 

「病魔覆滅!!」

「びょーまふくめっ!!」

 

「げ・ん・き・に・なれええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえっ!!!」

「「げんきになれ~~~~~!」」

 

 最後は祉狼も一緒になってポーズを決めた。

 昂ちゃんは噛んだり舌が回ってなかったりしてたけど、楽しく笑ってるからそこは気にしない♪

 

 あの一言を口にしなければ問題無いんだ。

 

「そうだ♪祉狼、昂ちゃん。お城の人達を元気にしてあげよう♪」

 

 ぼくらが五斗米道(ゴットヴェイドー)を使える訳じゃないけど、祉狼と昂ちゃんに『元気になれ』って言われたら本当に元気が出てきそう♪

 きっとみんなが笑顔になると思う♪

 

「「うん♪」」

 

 こうしてぼく達は前庭の東屋から意気揚々と出発した。

 目的地を後宮に決めて、途中出会うメイド隊のお姉さんや文官さん、衛兵さんに『げんきになれえええ』を見てもらった。

 みんな『とても元気が出ました♪ありがとうございます♪』と言って笑ってくれた。

 

「あ♪しゅんらんままだ♪」

 

 廊下を歩いていると偶然、春蘭媽媽を見つけた。

 

「春蘭媽媽、ご苦「輝琳さまっ!お声を掛けて頂きありがとうございますっっっ!!」労さま♪」

 

 一瞬でぼくの目の前にやって来た春蘭媽媽。

 相変わらず春蘭媽媽の動きは機敏だな。ぼくも見習わなくちゃ!

 

「ねえ、今ちょっとだけ時間有る?」

「輝琳さまのご命令ならばこの夏侯元譲、一刀たちに頼まれた仕事など無視しますのでご安心下さい♪」

 

「ええと………仕事はしてね………それから、今は『夏侯惇将軍』じゃなく、『春蘭媽媽』でいて欲しいんだけど、いい?」

 

「は?…………はあ…………」

 

 口で説明するより見てもらった方が早いか。

 

「祉狼、昂ちゃん。」

 

「「うん♪は~~~~~!わがみ、わがはりとひとつとなり!

いっしんどうたい!ぜんりょくぜんかい!ひっさつひっちゅう!びょうまふくめつ!

げんきになれ~~~~~!」」

「お♪駕医の真似か♪太白の娘もなかなかだが、祉狼は駕医と二刃の子だけあって様になっているぞ♪流石、五斗米道(ごとべいどう)継承者だな♪」

 

 あ、春蘭媽媽、その発音は!それに昂ちゃんは男の子だよ!

 

「ちがうよっ!ゴットヴェイドーだよ、しゅんらんままっ!」

 

「え?…………………そ、そうだな……………ご、ごっとべ…………」

 

 あぁ~………春蘭媽媽が困ってる。

 助けてあげなきゃ。

 

「ええとね、春蘭媽媽。ぼくの口の動きをよく見てね。」

 

 春蘭媽媽に見やすいようにしゃがんで貰って、瞳の前でやって見せる。

 

「ゴットヴェイドー…………どう?」

 

「ごっとう゛ぇいどぉ?」

 

「うん、かなりいいよ♪下唇を上の歯で触れる感じで………」

 

 分かりやすい様に春蘭媽媽の頬と唇に指で触れて教えてあげた。

 あれ?春蘭媽媽の顔が真っ赤に………。

 

「きゅう………………♡♡♡♡♡」

 

「うわあっ!春蘭媽媽が気絶しちゃったっ!!しっかりして!げ、元気になれええええええええっ!!」

 

 

 

【紫一刀turn】

 

 廊下が騒がしいので何事かと出てみれば、倒れた春蘭を聖刀が抱えて、祉狼と昂ちゃんがその横でオロオロしていた。

 春蘭の目が♡型になってるから、きっと聖刀に入れ込み過ぎてのぼせたんだろう。

 聖刀が赤ん坊の頃に何度も見ていて、稟の鼻血と同じくらい日常レベルの光景だ。

 俺たちはメイド隊を呼んで春蘭を医務室に運んでもらった所で、聖刀から話を聞く事にした。

 

「あ~~、ビックリした。」

「「びっくりした~~」」

 

 聖刀が物心付いた頃には治まってたから、この子達は本当に驚いた事だろうな。

 

「「「それで、春蘭は何をしていて倒れたんだ、聖刀。」」」

 

「ぼく達とお医者さんごっこをしていて「「「ちょっと待ちなさい!」」」ゴット、え?」

 

 春蘭……………おまえまさか…………。

 

「かずとおじさんもみて♪」

 

 お、おい!祉狼!何を見せる気だっ!?

 

「「は~~~~~!わがみ、わがはりとひとつとなり!

いっしんどうたい!ぜんりょくぜんかい!ひっさつひっちゅう!びょうまふくめつ!

げんきになれ~~~~~!」」

 

 

「「「……………………………………………………うん、お医者さんごっこだな…………」」」

 

 

 お医者さんごっことヒーローごっこがイコールになるのって、駕医が居る世界じゃなきゃ成立しないだろうな。

 

「「………げんきにならない?」」

 

 おっと、祉狼と昂ちゃんが悲しそうにっ!

 

「「「いや!元気になったぞ♪ありがとうな、祉狼、昂ちゃん♪」」」

 

 笑って頭を撫でてあげると、二人も笑ってくれた。

 しかし、『子供のお医者さんごっこを見て元気になる俺たち』って、字面だけ見るとかなりヤバイぞ!

 

「「「春蘭が聖刀達とお医者さんごっこをしたと聞いた時は、本気で春蘭の今後を華琳と相談する必要が有ると思ったけど、これなら春蘭が倒れるまでにはならないんじゃないか?」」」

 

「説明がまだ途中だよ………春蘭媽媽に五斗米道(ゴットヴェイドー)の発音の仕方を教えていたら倒れたんだよ。」

 

 成程、春蘭は発音出来なくて駕医の前で言うのを諦めてたもんな。

 苦手意識が有るのに聖刀が教えてくれるからと、必死に集中し過ぎたんだな。

 

「「「春蘭の事だから直ぐに元に戻るだろう。それで三人はどうしてここで遊んでたんだ?」」」

 

 

 聖刀から話を聞いて、ちょっと胸が熱くなった。

 城内のみんなを元気にしてあげたいだなんて、優しい子に育っていてお父さんは嬉しいぞ♪

 

「「「よし!俺たちも一緒について行こう!」」」

 

「え?父上たち、お仕事はいいの?」

 

「「「急ぎの仕事は終わらせてある。残りは明日でも問題無いさ♪」」」

 

「かずとおじさんたちもきてくれるの♪」

「わぁあい♪みかどさまありがと~♪」

 

 祉狼と昂ちゃんがどんな子供に成長しているかを直接見れるチャンスだ。

 それに春蘭みたいに熱暴走しそうなのが何人か居るから、何か起きる前の予防策としてついて行くべきだろう。

 

「祉狼、昂ちゃん、次は丞相室に行くよ!」

「「うん♪」」

 

「「「ええっ!?丞相室!?」」」

 

 聖刀!お前は自ら地雷原に突撃すると言うのか!?

 

「朱里媽媽と雛里媽媽から遊びに来てもいいって言われてたから…………やっぱりダメかな?」

 

 祉狼と昂ちゃんがまた悲しそうな顔に…………今はこの子達のみんなを元気にしたいという気持ちを大事にするべきだ。

 

「「「いや、媽媽達が待っているなら行かないとな♪」」」

 

「ありがとうございます、父上♪」

「「わ~~い♪」」

 

 意気揚々と歩き出した三人の後ろに俺たちはついて行く。

 

 ここは俺たちが体を張ってこの子達を守らなければ!

 

 

 

 

 

おまけ参

リクエスト:紫苑、璃々、音々+子供によるキノコ狩り 14票

 

序幕                       (時報:桂花八人目 妊娠二ヶ月)

【紫苑turn】

 

 夏の終わりに紅葉(もみじ)を産んで一ヶ月が過ぎました。

 産後の体調は順調に回復し、最近は現場復帰に向けての体力回復の為の運動を始めた所です。

 単純に運動するだけでは無く、近くの山に上りこの子の真名と同じ紅葉の中を歩いてみたい。

 一年前にも、似た事を考えたのを思い出し、居ても立ってもいられなくなりました。

 そこでご主人さまたちにお許しをお願いしたのですが、困った顔をされてしまいました。

 心配されるのは嬉しいですが、わたくしも武将。

 ここで引き下がる訳には参りません。

 条件を出し合って妥協点を探し、何とか承諾を頂きました♪

 

 その条件は武将が三人以上居る事。

 緊急事態に備え騎兵一個中隊を同行させる事。

 ご主人さまが最低でもひとりは同行する事。

 

 以上の三点です。

 そこで今日はわたくしと紅葉、崔莉と露柴、璃々と牡丹のわたくし達一家と。

 音々さんと音肆ちゃん、音々音ちゃんと音音ちゃん、恋ちゃんと恋々ちゃんです。

 武将はわたくしと璃々、そして恋ちゃんの三人ですが、恋ちゃんひとりで武将三人分以上の武力ですから条件は満たしています。

 恋々ちゃんと崔莉と露柴も赤壁に参加していますが、まだ武将とは認めてもらえませんでした。

 騎兵一個中隊は、わたくしの部隊に女の子だけで構成した部隊を最近編成したので、その子達に任せます。

 ちょっとした調練になるので丁度良いでしょう♪

 後、メイド隊の子も数人、馬車で同行してもらいます。

 子供達が一緒なので何かと手伝ってもらう事が多いと気が付いたので。

 

 そして今回は緑のご主人さまが同行してくれる事になりました。

 

 出来れば三人ご一緒にと思っていたのですが、こちらで独占してしまってはみんなに恨まれてしまいますものね♪

 

 

 

房都城壁 正門前

【紫苑turn】

 

「それでは出発しますよ!」

 

 整列した騎兵一個中隊に向け、わたくしは高らかに告げます!

 

『お…………応………』

 

「なんですか!そんな小さな声でっ!調練だからと言って気を緩めるんじゃありませんっ!!」

 

 みんないつもはいい子達なのに、今日はどうしたのかしら…………。

 

「なあ、紫苑…………この状況じゃしょうがないと思うぞ…………」

 

「あら?何故ですか、ご主人さま?」

 

「紫苑達将が徒歩で兵が馬に乗ってるんだ。あの子達が動揺するのは当たり前だろ。俺だって赤ん坊を背負った奥さんや子供達を歩かせて、自分は大雪に乗っているなんてとても居た堪れないんだけど。」

 

「調練の目的がそれぞれ違うのですからこれで良いのです。わたくし達は体を鍛える為に山へ向かうので馬に乗っては意味が有りません。あの子達は隊列を崩さず、斥候、伝令、周囲の警戒などを行う、馬での行軍訓練。ご主人さまは帝という立場なのですから乗っていて頂かなければ困ります。」

 

「俺には乗ることを勧めるのに、自分にはその理屈を適用しないのは矛盾してるだろ。」

 

 もう、ご主人さまったら。心配して下さるのは嬉しいですけど………。

 わたくしは馬車に乗っている音々さんに視線を送り、援軍を頼みました。

 音々さんは笑顔で頷き、ご主人さまにお声をかけます。

 

「一刀さまは武将の体力を良くご存知でしょう。この程度の事で心配は要りませんよ♪とは言っても一刀さまも兵も納得しないでしょうから、斥候と伝令以外は馬から降りて出発しましょう。」

 

 音々さんが何を考えているのか察して、わたくしは頷きます。

 

「分かりましたわ。ご主人さまがどうしてもと仰言るのなら従います。」

 

「良かった♪紫苑が納得してくれて♪」

 

 ご主人さまと騎兵の子達は安堵の表情で馬から降りました。

 そのお気持ちは本当に嬉しいのですけど…………。

 

「恋ちゃん、恋々ちゃん、璃々、崔莉、露柴。“予定通り”に出発しましょう♪」

 

 

 

 

「「おかあさ~~ん!お父さん達やっと見えてきたよ~~!」」

 

 崔莉と露柴が今来た道を眺めて教えてくれました。

 

「お母さんも音々さんも意地が悪いなあ♪」

 

「璃々だって何も言わずに笑ってたじゃない♪」

 

 恋ちゃんと恋々ちゃんは周りに広がる収穫の終わった田んぼを眺めておにぎりを食べています。

 空が高くてとても気持ちをいい♪

 

 

 

「ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ……………ごめんなさい………なっとくしました………」

 

 ご主人さまと走ってきた子達は全員が肩で息をしています。

 てっきり途中で馬に乗るかと思っていたのですが、全員が全力疾走してくるなんて………。

 

「だから言ったでしょう、一刀さま♪心配要らないと♪」

「お前は戦乱の頃の事を覚えて無いのですか?平和ボケにも程があるのですよ。でも、これで兵達も一軍の将がどれ程の物か身に染みたでしょう。」

 

 馬車の上から音々さんとねねちゃんが涼しい顔でご主人さまに声を掛けています。

 

「騎兵は総員騎乗!まだ三分の一しか来てないのですから急ぎますよ!」

 

『応っ!!』

 

 今度は素直で良い声が返ってきました♪

 

「目的地に到着したら、交代で自由時間をあげますから、頑張りなさい♪」

 

『はいっ♪』

 

 若い子達ったら本当に現金なんだから♪

 

 

 

 

房都近郊 山中

【緑一刀turn】

 

 目的地の山に到着し、全員で一休みをしてから兵の半数に周囲の警戒をさせ、残りは自由行動とした。

 紫苑が言った通り、その警備も途中で交代させてあげる様に指示を出した。

 

「やっぱり山は紅葉が進んでるな♪凄く綺麗だ♪」

 

 頭上を覆う真っ赤に色付いた楓を見上げると、溜息が出る程見事だった。

 

「こうして『紅葉(もみじ)』を抱いて紅葉(こうよう)の下をご主人さまと歩きたかったのです♪叶って良かったですわ♪」

 

 紫苑はとても嬉しそうに俺を見上げていた。

 璃々は牡丹を、ねねは音音をおんぶしながら。

 そして恋もこの時ばかりは食い気を忘れて紅葉を見上げて目を細めている。

 

 音肆を抱っこして紅葉の屋根を見上げていた音々さんの口から、独特な口調の声が聞こえてきた。

 

「遠上寒山石径斜

 白雲生処有人家

 停車坐愛楓林晩

 霜葉紅於二月花」

 

 漢詩だ。

 華琳や朱里が詩うのをたまに聞くけど、俺には難しくて意味がまるで解らない。

 

「素敵な詩ですね♪音々さん♪ですけど、なぜ楓林晩なのでしょう?まだそこまででは無いと思いますけど……」

 

 流石、紫苑には解るのか。

 

「これは昔、友人が詠った詩なのです。この紅葉を見て思い出しました♪」

 

「あのぅ………出来れば解説をお願いします……」

 

 俺が言うと、音々さんはクスリと笑って答えてくれた。

 

「遠く寒山に上れば石径斜めなり

白雲生ずる処人家有り

車を(とど)めて(そぞろ)に愛す楓林の晩

霜葉は二月の花より紅なり

 

遥々と晩秋の山まで来て登ってみると石の多い小道がうねうねと続いている。

遠望の白雲が掛かっている辺りに人家が見える。

わたくしは車を停めて、晩秋の楓林の風情をのんびりと楽しむ。

霜にうたれて紅葉した葉は、二月の桃の花よりずっと赤々としている。

 

こんな意味です♪」

 

 成程、今の情景にピッタリだな♪思わず口に出るのも判る静かな詩だ。

 前に華琳から聞いた『短歌行』は酒呑み達に絶賛されてたけど。

 

 

「あっちに栗の木が有るらしいわよっ!」

「ホント!?早く行きましょう♪」

 

 突然、声と一緒に兵の女の子が二人、森の中から飛び出して来た。

 

「あっ!こ、黄忠将軍っ!!」

「も、申し訳ありませんっ!!」

 

 二人は即座に直立不動の態勢を取ったけれど、両腕に抱えた果物を離さない所は実に女の子らしかった。

 

「ふふ♪気にしなくてもいいのよ。けれど栗を採るなら怪我には気を付けなさい♪」

 

「「は、はい!ありがとうございますっ♪」」

 

 紫苑の慈愛に満ちた笑顔を見た二人が、緊張から信頼へ変わるのが手に取る様に判った。

 

「………栗……」

「「お母さん、わたしたちも栗拾いしたい♪」」

 

 恋々と崔莉と露柴はやっぱり芸術の秋よりも食欲の秋か♪

 

「うん、いいよ♪行ってきなさい、恋々♪」

 

 恋が微笑むと恋々は嬉しそうに二人の女子兵の所にてててと歩み寄った。

 

「ごめんなさい。突然だけどこの子達と一緒に栗拾いをしてもらえるかしら?」

 

 女子兵の二人は紫苑に頼まれて驚いている。

 

「わ、私達でいいのですか!?」

「こ、光栄ですっ♪」

 

「妹達の事、よろしくね♪今度お礼にお昼奢るから♪」

 

 璃々がフランクに話し掛けると、二人の態度も更に柔らかくなった。

 

「はい♪璃々さま♪」

「あ、ご飯よりも甘味の方でお願いしますね♪」

 

 へぇ、璃々とは真名を交換するくらいの仲なんだ。

 

「崔莉、露柴、このお姉ちゃん達の言う事をちゃんと聞くのよ!」

 

「「うん、璃々お姉ちゃん♪」」

 

 双子も喜んで女子兵二人の所に駆け寄った。

 五人が森の中へ入って行くのを見送ると、紫苑が手を軽く叩いて提案してきた。

 

「ご主人さま。せっかくですから、わたくし達も秋の味覚を探しに行きませんか?」

 

「そうだね♪綺麗な紅葉で心が満たされたから、今度はお腹も満たすか♪」

 

 栗はあの子達が行ったから、それ以外でか。

 この山では何が採れるんだろう?

 

「実はこの山に赤松の林も有るんですよ♪」

 

「赤松っ!?と言う事はもしかして……………」

 

「はい♪松茸が採れるんです♪ご主人さま、お好きですわよね♪たくさん採ってお土産に致しましょう♪」

 

「松茸?お前たちはあの茸が好きなのですか?」

 

 うっ!この時代じゃ松茸も他の茸と同レベルなんだよな………。

 

「ねね。俺たちの居た世界では赤松林が虫にやられて激減してな、松茸も採れる量が激減した為に値段が高騰してるんだ。」

 

「なるほど、需要と供給の天秤ですな。こちらでは椎茸の方に需要が有るので高い値が付いてますが。」

 

「椎茸は栽培法が確立してて、松茸は栽培が出来ないんだ!松茸は椎茸の千倍近い値段になってて『茸の王様』とまで呼ばれて居るんだぞっ!」

 

「「「「千倍っ!?」」」」

「……………???」

 

 恋は良く分かって無いって顔してるけど、ねね、音々さん、紫苑、璃々は予想の範疇を遥かに越えた額だった様だ。

 

「それではご主人さまの為に本気で松茸を採りますわ!璃々も本気を出しなさい!」

「音々音!音肆と音音は一時メイド隊の子達にお願いするのです!」

 

 紫苑と音々さんの勢いに璃々とねねはたじろぎながらも頷いた。

 

「松茸は採るのが難しいぞ!竹の子と同じで地上に少しだけ頭を出した物を掘り出さなきゃダメなんだ。」

 

「それは何故なのです?」

 

「大きくなり過ぎると一番大事な香りが無くなってしまうからだ。」

 

「う~ん………それなら恋お姉ちゃんが居るから大丈夫じゃないかな?」

 

 恋が居るから大丈夫?

 

「………………ん?」

 

 俺が恋を見ると小首を傾げていて、まだ分かっていない感じだった。

 

 

 

 結果から言うと、あっと言う間に松茸は山ほど採れました。

 どうやって探したかと言うと…………『トリュフの採取法』と言えば分かって貰えるだろうか?

 これ以上の説明は恋が可哀想だし、ねねにバレると蹴り殺されるので割愛させて貰う。

 

「これだけ集まればみんなにも行き渡るな♪二刃なんかこれを見たら腰を抜かすぞ♪」

 

 松茸を詰め込んだ麻袋が米俵みたいになっている♪

 先ずは松茸ご飯だろ♪お吸い物に土瓶蒸しに♪炭火で炙っててのも出来るな♪

 

「紫苑、璃々、恋、音々さん、ねね♪本当にありがとうな♪」

 

「ご主人さま♪ここにまだ一本、松茸が隠れていますよ♡」

 

「え?し、紫苑?」

 

 それは俺のおいなり………いやいや!

 

「そうですね♪そこまで褒めていただけるのであれば、褒美をおねだりしてもよろしいですよね、一刀さま♡」

 

「お、音々さんまで!?……で、でも、帰る時間も」

「まだ、警備の子達の交代時間にもなってないよ♪今、警備をしてる子達も自由時間を楽しみにしてるんだから、ここで帰ったら恨まれちゃうよ♪」

「璃々!言いながら手で、はうっ!!」

 

「………松茸見てたら、ご主人さまのを思い出した♡」

「じ、実はねねも…………なのです…………」

 

「恋にねねもっ!?松茸の他に催淫効果の有るマジックマッシュルームでも混じってたのかっ!!??」

 

「ご主人さまにはアケビをご馳走してあげるから♪」

 

「璃々!それは完全にオヤジギャグだから、ふぁっああああああああ!」

 

 

 

 

 

【恋々turn】

 

「媽媽~~♪栗たくさん拾えた♪」

 

 フクロにいっぱい♪帰ったらみんなと一緒に食べるの♪

 美羽媽媽と優羽ちゃんも食べてくれるかな♪

 

「よかったね、恋々♪」

 

 媽媽もニコニコ♪きっと爸爸と一緒にいられたからウレシイんだ♪

 

「………あれ?媽媽から栗のお花のニオイがする~?」

 

「んふふ♪ナイショ♡」

 

「……………???」

 

「恋々………そんなにたくさん……くりをひろったのか…………えらいぞ……………♪」

 

「うん、爸爸♪……………………爸爸、カサカサだよ?ダイジョウブ?」

 

「ああ………こうして恋々が……いっしょに…いてくれれば…………よくなる………とおもう…………」

 

 恋々の手を握る爸爸のお顔…………………あ!お寺にかざってあるお人形と同じお顔だ♪

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

マジキュー4コマ二十巻のサオトメタキ先生が描かれた英雄譚ネタに爆笑しました。

 

 

『本編』

やっと凪のナース服姿を出すことが出来ましたw

 

小蓮①の時にも書きましたが、小蓮の一人称が『私』になっているのは仕様です。

 

孫三姉妹、そして孫呉の絆を念頭に置いて書いてみました。

 

 

『北郷二刃奮闘記』

月と詠の体験談は萌将伝でご確認くださいw

 

性技指南書は現在二十五巻まで存在が確認されておりますw

 

 

『聖刀くんの日常』

「ヒーローごっこでアブナイ事をしてはダメだぞ!アルジオンとの約束だ!」

 

祉狼のセリフの「あ!しゅんらんままだ♪」を推敲の時に「あしゅらまんだ」と読み間違えました。

春蘭は悪魔超人……………………あれ?あまり違和感が無い?

 

 

『おまけ参:紫苑、璃々、音々+子供によるキノコ狩り』

音々さんが詠んだ漢詩は杜牧の『山行』です。

漢文の教科書で見た事が有る人もいると思います。

唐の時代の漢詩ですが、敢えて時代無視で使ってしまいました。

 

曹操の『短歌行』の現代語訳はこうです。

「酒を前にしたらとことん歌うべきだ。

 人生がどれほどのものだというのか。

 まるで朝露のように儚いものだ。

 毎日はどんどん過ぎ去っていく。

 思いが高ぶり、

 いやが上にも憤り嘆く声は大きくなっていく。

 だが沈んだ思いは忘れることができない。

 どうやって憂いを消そうか。

 

 ただ酒を呑むしかないではないか!」

 

一刀の言った意味が分かって頂けると思いますw

 

少し『天の国講座:松茸篇』が入っています。

戦国†恋姫に出て来たエピソードを『外史がリンクしている』雰囲気を出す為に入れました。

 

前回本編で恋と恋々の母娘の会話を書けなかったので最後に持って来ました。

恋に母親らしい所を出したかったのですが、むしろ『女』の顔が出ちゃいましたw

 

 

《次回のお話》

 

次回は

☆ニャン蛮②32票

 

【北郷二刃奮闘記】

真桜のからくり話其の二 10票

【聖刀くんの日常】

聖刀さま♥親衛隊 9票

【おまけ参】

天の国講座 其の四 9票

を、お送りいたします。

 

《現在の得票数》

秋蘭②  27票

蓮華②  23票

月②&詠②23票

桃香②  19票

季衣②&流琉②

  19票

冥琳②  17票

璃々③  16票

桂花③  15票

鈴々③  12票

紫苑③  11票

二喬②  10票

真桜②&凪②&沙和②(三羽烏)

     9票

炙叉②  6票

風②   5票

華琳④  5票

音々音③ 2票

音々③  2票

麗羽②&斗詩②&猪々子②(三バカ)

     2票

思春③  1票

華雄   1票

祭    1票

小蓮③  1票

 

【北郷二刃奮闘記】

いい大人になるための漢女☆講座~女の子編~ 6票

華蝶連者 2票

ニャン蛮族 1票

二刃の妊娠騒動 1票

 

【聖刀くんの日常】

いい大人になるための漢女☆講座~男の子編~ 7票

炙叉   6票

新入生と 6票

聖刀と祉狼の昆虫採集 5票

聖刀・祉狼・昴の探検隊 3票

四胡とオマケ 2票

黄乱② 1票

 

【おまけ参】

騎乗訓練その後 14票

超英雄大戦(華蝶連者×サン・アルジオン×見捨てない人)14票

親子鍛錬(五虎将編)11票

眞琳と蓮紅と香斗の街で「はじめてのおつかい」 9票

恋姫麻雀大会 8票

「女装喫茶」へようこそ 7票

いい大人になるための漢女☆講座~ご主人様編~ 7票

恋姫†酒場放浪記 5票

眞琳の金桂達いじり 4票

 

リクエスト参戦順番→冥琳② 風② 凪② ニャン蛮族② 月② 詠② 沙和② 秋蘭② 桃香② 蓮華② 季衣② 炙叉② 桂花③ 真桜② 二喬② 紫苑③ 鈴々③ 璃々③ 華琳④ 思春③ 音々音③ 音々③ 三バカ② 華雄② 祭② 小蓮③

 

おまけ壱リクエスト参戦順番→真桜のからくり話其の二 いい大人になるための漢女☆講座~女の子編~ 紫苑と月、璃々たちによる夜の勉強会 華蝶連者 ニャン蛮族 二刃の妊娠騒動

 

おまけ弐リクエスト参戦順番→いい大人になるための漢女☆講座~男の子編~ 炙叉  昴 聖刀さま♥親衛隊 新入生 聖刀と祉狼の昆虫採集 黄乱② 聖刀・祉狼・昴の探検隊 四胡とオマケ

 

おまけ参リクエスト参戦順番→天の国講座 騎乗訓練その後 親子鍛錬(五虎将編) 超英雄大戦 紫苑、璃々、音々+子供によるキノコ狩り いい大人になるための漢女☆講座~ご主人様編~ 眞琳と蓮紅と香斗の街で「はじめてのおつかい」「女装喫茶」へようこそ 恋姫麻雀大会 眞琳の金桂達いじり 恋姫†酒場放浪記

 

 

【子供達一覧】

1)華琳の長女 曹沖(そうちゅう) 眞琳(まりん)

2)桃香の長女 劉禅(りゅうぜん) 香斗(かと)

3)蓮華の長女 孫登(そんとう) 蓮紅(れんほん)

4)思春の長女 甘述(かんじゅつ) 烈夏(れっか)

5)愛紗の長女 関平(かんぺい) 愛羅(あいら)

6)風の長女 程武(ていぶ) 嵐(らん)

7)桂花の長女 荀惲(じゅんうん)金桂(きんけい)

8)雪蓮の長女 孫紹(そんしょう) 冰蓮(ぴんれん)

9)冥琳の長女 周循(しゅうじゅん) 冥龍(めいろん)

10)祭の長女 黄柄(こうへい) 宴(えん)

11)恋の長女 呂刃(りょじん) 恋々(れんれん)

12)紫苑の次女 黃仁(こうじん) 露柴(ろぜ)

13)紫苑の三女 黃信(こうしん) 崔莉(ちぇり)

14)蒲公英の長女 馬援(ばえん) 向日葵(ひまわり)

15)翠の長女 馬秋(ばしゅう) 疾(しつ)

16)麗羽の長女 袁譚(えんたん) 揚羽(あげは)

17)桔梗の長女 厳逹(げんたつ) 竜胆(りんどう)

18)凪の長女 楽綝(がくりん) 濤(なみ)

19)七乃の長女 張路(ちょうろ) 八倻(やや)

20)天和の長女 張甲(ちょうこう) 九蓮(ちゅうれん)

21)地和の長女 張大(ちょうだい) 四喜(すーしー)

22)人和の長女 張吉(ちょうきつ) 一色(いーそー)

23)炙叉の長女 迷当(めいとう) 直(なお)

24)白蓮の長女 公孫続(こうそんしょく) 白煌(ぱいふぁん)

25)秋蘭の長女 夏侯衡(かこうこう) 鈴蘭(すずらん)

26)月の長女 董擢(とうてき) 春姫(るな)

27)美以の長女 孟節(もうせつ) 花鬘(かまん)

28)トラの長女 ベンガル

29)ミケの長女 マンクス

30)シャムの長女 ペルシャ

31)桂花の次女 荀俁(じゅんぐ) 銀桂(ぎんけい)

32)朱里の長女 諸葛瞻(しょかつせん)龍里(るり)

33)雛里の長女 龐宏(ほうこう)藍里(あいり)

34)詠の長女 賈穆(かぼく) 訓(くん) 

35)焔耶の長女 魏覚(ぎがく) 焔香(えんか)

36)春蘭の長女 夏侯充(かこうじゅう) 光琳(こうりん)

37)星の長女 趙統(ちょうとう) 螢(けい)

38)大喬の長女 喬櫂(きょうかい) 愛(あい)

39)小喬の長女 喬順(きょうじゅん) 華(か)

40)亞莎の長女 呂琮(りょそう) 茜(ちぇん)

41)明命の長女 周邵(しゅうしょう) 藍華(らんふぁ)

42)華雄(阿猫)の長女 華剛(かごう) 树莓(しゅうめい)

43)桂花の三女 荀詵(じゅんしん) 丹桂(たんけい)

44)霞の長女 張虎(ちょうこ) 雰(ふぇん)

45)沙和の長女 于圭(うけい) 紗那(さな)

46)斗詩の長女 顔教(がんきょう) 升謌(しょうか)

47)真桜の長女 李禎(りてい) 真梫(ましん)

48)桂花の四女 荀顗(じゅんぎ) 連翹(れんぎょう)

49)猪々子の長女 文獬(ぶんかい) 虎々(ふーふー)

50)稟の長女  郭奕(かくえき) 貞(てい)

51)穏の長女  陸延(りくえん) 毬(ちう)

52)鈴々の長女 張苞(ちょうほう) 爛々(らんらん)

53)流琉の長女 典満(てんまん) 枦炉(ろろ)

54)桂花の五女 荀粲(じゅんさん) 黄梅(おうめい)

55)小蓮の長女 孫仁(そんじん) 蕾蓮(らいれん)

56)音々音の長女 陳守(ちんじゅ) 音音(ねおん)

57)季衣の長女 許儀(きょぎ) 華衣(かい)

58)美羽の長女 袁燿(えんよう) 優羽(ゆう)

59)桂花の六女 荀淑(じゅんしゅく) 來羅(らいら)

60)音々の次女 陳修(ちんしゅう) 音肆(おとよ)

61)華琳の長男 北郷聖刀(まさと) 輝琳(きりん)

62)桂花の七女 荀倹(じゅんけん) 柊(しゅう)

63)璃々の長女 黄慮(こうりょ) 牡丹(ぼたん)

64)思春の次女 甘瓌(かんかい) 燃秋(ぜんしゅう)

65)紫苑の四女 黄薛(こうせつ) 紅葉(もみじ)

66)管輅の長女 管辰(かんしん) 辯天(べんてん)

67)鈴々の次女 張紹(ちょうしょう) 龍々(ろんろん)

68)星の次女  趙広(ちょうこう) 迦具夜(かぐや)

69)愛紗の次女 関興(かんこう) 愛絽(あいろ)

70)雪蓮の次女 孫静(そんせい) 水蓮(しゅいれん)

71)翠の次女  馬承(ばしょう)

72)恋の次女

73)音々音の次女

74)音々の三女

75)小蓮の次女

A)桂花の八女 荀靖(じゅんせい) 茉莉花(まりふぁ)

B)桂花の九女 荀燾(じゅんとう) 寿丹(じゅたん)

C)桂花の十女 荀爽(じゅんそう) 秦翹(しんぎょう)

D)桂花の十一女 荀粛(じゅんしゅく) 金鐘(きんしょう)

E)桂花の十二女 荀旉(じゅんふ) 橄欖(かんらん)

 

【その他のオリジナル設定】

華佗 真名:駕医(がい) 息子⇒華旉(かふ) 真名:祉狼(しろう)

陳越(音々音の母) 真名:音々

インテリ⇒寇封(劉封) 嫁⇒孟達 真名:太白(たいはく)息子⇒孟興 真名:昴(こう) 

追っかけ⇒波才 嫁⇒楊阜 真名:門風(メンフォン)娘⇒楊豹 真名:和了(ほうら)

尻好き⇒宋謙 嫁⇒張承 真名:真珠(しんじゅ)娘⇒張休 真名:珊瑚(さんご) 

董の兄ぃ⇒牛輔 嫁⇒申耽 真名:菫花(きんふぁ) 娘⇒申儀 真名:朔(さく) 

兄者⇒呂曠 嫁⇒徐晃 真名:雲雀(ひばり)娘⇒徐蓋 真名:朱雀(すざく) 

弟者⇒呂翔 嫁⇒張郃 真名:豹牙(ひょうが)娘⇒張雄 真名:白虎(びゃっこ)

黄乱 真名:明兎(みんと)

馬良 真名:鷲羽(わしゅう)

馬謖 真名:耶麻(やま)

荀攸 真名:素英(そえい)

魯粛 真名:命佐(めいさ)

董雅(月の父) 董陽(月の母) 真名:日(りい)

曹嵩(華琳の父) 曹静(華琳の母) 真名:蝶琳(ちょうりん)

喬玄(大喬と小喬の母)

劉玄(桃香の母)

 

匈奴:呼廚泉(こちゅうせん)

鮮卑:軻比能(がびのう)

氐:千万(せんまん)

羯:石周(せきしゅう)

烏丸:阿羅槃(あらばん)

 

華雄 真名:阿猫(あまお)

 

引き続き、皆様からのリクエストを募集しております。

1・メインヒロインとなるキャラをご応募下さい。

2・『北郷二刃奮闘記』で二刃と絡むキャラを募集しています。

 例:「二刃視点で貧乳党」  という感じでお願いします。

3・『聖刀くんの日常』で聖刀と絡むキャラを募集しています。

 例:「聖刀視点で三羽烏」  という感じでお願いします。

4・おまけ参でのメインとなる子供達を募集しています。

 シチュエーションのリクエストも大歓迎です。

以上の四点にリクエストの集計(TINAMI、Pixiv双方の合計)を振り分けますので、

よろしくお願いいたします。

今まで通り、リクエストに制限は決めてありません。

何回でも、一度に何人でもご応募いただいて大丈夫です。

 

ここで絵師の皆様へ

この小説『三人の天の御遣い』の挿絵に皆様のイラストを是非お願い致します!

新たに描かれた作品、過去に描かれた作品を問いません。

TINAMI上で挿絵として使用しても良いという方はショートメールにてご連絡下さい。

また、こちらから使用許諾のお願いをさせて頂く事も有ると思いますので、その時はよろしくお願い致します。

お願いしたいイラストは恋姫達は勿論ですが

成長したちびっ子組やオリキャラ達

立ち絵、シーンイラストを問いません。

重ねてお願い致しますm(_ _)m

 

 

ご意見、ご感想、ご指摘などもご座いましたら是非コメントをお寄せ下さい。

誤字脱字は雷起の反省を促す為、修正後も抜粋して晒しますw

 

今回のマヌケ晒し

 

 詠が顔を赤くしてこのツン台詞って事は、エッチ関係の話か。

 桂花に続いて詠からもツン攻撃をされるとは、これはご褒美だろうか?

 

「貴女達、その手【の】持ってるの……」

 

 華琳の言葉に俺たちも気が付いた…………その飴を持って二刃と話をしていたという事は…………。

 

 

 

※牛乳魔人さん、ありがとうございました。

 

 

 

 

 


 
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