No.713416

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第233話

2014-09-03 19:59:03 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1805   閲覧ユーザー数:1689

 

その後艦内を見て回っていると放送が聞こえて来た。

 

まもなく本艦は、ノルティア州都、”ルーレ市”上空に到着します。飛行場への着陸準備および、下船の準備をしてください。

 

「もう到着か……あっという間だったな。よし、A班のみんなに声をかけて準備をするか。」

その後リィンはブリッジに向かった。

 

~カレイジャス・ブリッジ~

 

「ルーレ飛行場からの着陸許可が下りました。」

「カレイジャス、着陸。すぐに出航できるよう機関は暖めておくがよい。」

「アイ・キャプテン。」

「カレイジャス、着陸態勢に入ります。」

アルゼイド艦長の指示によってクルー達はそれぞれ端末を操作し始めた。

 

「―――今回の特別実習期間は今日を入れて3日間になるわ。ま、しっかりやって来なさい。」

「”紫電(エクレール)”の”壁”を乗り越えたお前達なら、どのような強敵が相手でも生き残れるだろう。今までの実戦技術、特別実習で得た経験を活かしてこい。」

「はい、教官。」

「全力をつくします。」

サラ教官とレーヴェの言葉にリィンとマキアスは頷き

「B班の方も……くれぐれも気を付けてね。」

「そうだね……オルディスも大変そうだし。」

「全員共に無事でまた会えることをお祈りします。」

「プリネさ―――いえ、マスター……どうかお気をつけて。」

アリサ、エリオット、セレーネ、ツーヤは心配そうな表情でB班を見つめた。

 

「あはは、何とかなるってー。」

「そうそう。エヴリーヌがいるんだしね、くふっ♪」

ミリアムとエヴリーヌは無邪気な笑顔を浮かべて答え

「心配しないで、ツーヤ。エヴリーヌお姉様もいるから大丈夫よ。」

「フン……まあ、何とかしてみせよう。」

「ふふっ……どうかそちらも気を付けて。」

プリネ、ユーシス、エマはそれぞれ心配するメンバーを安心させる事を口にし

「了解(ラジャ)。」

エマの言葉にフィーは頷いた。

 

「ま、実習が終わったら学院祭のステージの特訓だ。どっちも覚悟しとけよー。」

そして口元に笑みを浮かべて言ったクロウの言葉にリィン達は冷や汗をかいた。

「そ、そうだった……」

「それもあるのよね……」

マキアスとアリサは疲れた表情をし

(うふふ、良い事を聞いちゃった♪後でママ達にも知らせてあげようっと♪)

レンは小悪魔な笑みを浮かべた。

 

「曲に衣装、編成なんかも一通り決めておくから。」

「トリスタに帰った時にどうか楽しみにしてくれ。」

「ああ、わかった。」

「フフ、そのためにも全員無事で戻らなくてはな。」

エリオットとリィンの話を聞いたガイウスとラウラはそれぞれ頷いた。

 

「ハッハッハッ、青春だねぇ。」

「特別実習に学院祭……どちらも得難き経験だろう。」

「ま、無理しないくらいには頑張りな。」

「レンも数日間ルーレに滞在する予定があるから、何か聞きたい事があったら遠慮なくレンが泊まっているホテルに訪ねてもいいわよ?―――そこのラインフォルトのメイドさんならレンが泊まっているホテルも知っているわ。」

「女神の加護を―――くれぐれも気を付けるがよい。」

「はい……!」

そしてカレイジャスは着陸してリィン達をルーレに降ろした後離陸してルーレから去って行き、リィン達はシャロンの案内によってルーレ市街の中心部にあるRF本社ビルへ向かい始めた。

 

~空港内~

 

「な、なんか屋内をずっと歩いているような気が……」

「太陽の光が全然ないのはちょっと寂しいですね……」

通路を歩いてルーレ市に向かうエリオットとセレーネは不安そうな表情をし

「ガレリア要塞を思い出すな……」

「はは、鉄とコンクリートが多いのは少し似てるかもしれないな。」

「それにブレアード迷宮の暗さと比べたら、このくらい大した事ありませんよ。」

マキアスが呟いた言葉を聞いたリィンとツーヤは苦笑しながら答え

「街の中心は少し先だぜ。ぶっちゃけ、帝都よりも非常識な街だからなぁ。」

「失礼ね……まあ、否定はしないけど。」

クロウの言葉を聞いたアリサは顔に青筋を立てて答えた。

「ん、外に出るみたい。」

そしてリィン達はようやく外に出た。

 

~黒銀の鋼都・ルーレ~

 

「な、なにこれ……!」

「街が……上の方にも?」

「何と言うか……不思議な街ですわね……」

「ツァイスにちょっとだけ似ていますね……」

ルーレの街並みを見回したエリオットとマキアス、セレーネは驚き、ツーヤは興味ありげな表情になった。

 

「これが鉄鋼と重工業によって発展して来た巨大導力都市……”黒銀の鋼都”ルーレよ。」

「……確かに非常識かも。」

「人口20万……ちょっとした小国の首都並みだったか。」

アリサはリィン達に説明し、フィーはジト目で呟き、クロウは懐かしそうな表情で街を見回し

「前に来たときよりも大きくなっているような……えっと、RF本社ビルは確か上層の方でしたよね?」

リィンは自分の記憶のルーレと今のルーレを見比べた後シャロンに尋ねた。

 

「ええ、そちらに見えるエスカレーターを登った先です。改めまして―――”黒銀の鋼都”ルーレへようこそ。どうか皆様の特別実習が実り多きものになりますように。」

そしてリィン達はシャロンの案内によってRF(ラインフォルトグループ)本社ビルに続くエスカレーターに乗った。

 

「う、動く階段………こんなの帝都にもないよね。」

「階段が勝手に動くなんて不思議ですわ……」

「フフ、あたしも最初は驚いたよ。」

エスカレーターにエリオットとセレーネは驚き、セレーネの様子を見たツーヤは苦笑し

「ああ、確か『エスカレーター』だったか?」

マキアスはアリサに確認した。

 

「ええ、元々はリベールの工房都市が最初みたいだけど。ラインフォルトの技術者が対抗心を燃やして造ったみたいね。」

「いわゆる技術者根性か。」

「ハハ、大人げねぇな。」

「あれって……」

リィン達がエスカレーターについて話し合っている時、ふと後ろへと振り向いたフィーは一際巨大な建物に魅入った。

 

「な、なんだあれは……!?」

「ずいぶん変わった形をした建物だけど……」

「たしか……あれは建物じゃなかったよな?」

「ええ、導力ジェネレーターね。」

「導力じぇねれいたぁ?」

「一体どういうものなのですか?」

初めて聞く言葉にフィーとセレーネは首を傾げた。

 

「ルーレには大規模工場が多いため、大量の導力が必要とされています。その場合、各工場で導力を生み出すより、巨大なジェネレーターから分配した方が効率よく導力を生み出せるのですわ。」

「そ、そうなんですか……」

「技術の進歩というのはこれほどの物だったのか……」

(魔術研究所にある”魔力炉”のようなものか……)

シャロンの説明を聞いたエリオットとマキアスは驚き、ツーヤは真剣な表情で考え込んでいた。そしてエスカレーターを昇り終えたリィン達はラインフォルトグループの本社ビルに到着した。

 

~ラインフォルトグループ・本社ビル~

 

「うわぁ……」

「とても大きな建物ですわね……」

「うん………ツァイスの中央工房とも比べ物にならないよ……」

「建物自体は雑誌で見た事はあったが……」

「さすが天下のRFグループの本社だね。」

「はは……俺も前にルーレに来た時はちょっと目を疑ったかな。」

「ま、大きいのは認めるけどクロスベルにできたオルキスタワーの方が上ね。あっちは40階立ての超高層ビルだし。」

本社ビルにリィン達が驚いている中、アリサは説明を捕捉した。

 

「ああ、ガレリア要塞から見えたあの……」

「通商会議の会場となった場所か。」

「お姉様は確かそちらの建物に入ったことがあるのですよね?」

「うん。屋上からの眺めはとてもすごかったよ。」

「なんだなんだ、ずいぶん謙虚じゃねぇの。実家の事だから素直に誇っときゃいいだろ。」

「べ、別に私は……」

クロウの指摘にアリサは複雑そうな表情で言葉を濁した。

「ふふ、それでは中に入りましょうか。」

その後リィン達は本社ビルに入り、エレベーターでイリーナ会長がいる23階に向かった。

 

 


 
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