No.709208

外史を駆ける鬼・戦国†恋姫編 第004話

どうも。

しばらく諸事情で書く事が出来なくなってしまうので、投稿です。
それでは。

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2014-08-16 17:55:42 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:1119   閲覧ユーザー数:1039

外史を駆ける鬼・戦国†恋姫編 第004話「木葉列伝」

「……うっ…あぁ、ふぅ……あぁん」

部屋に女性の艶めかしい声が聞こえ、襖ごしに見えるシルエットの影では、女性の女体と判る影が映っており、その影の女性は、女性の証たらんとするある部分を揉まれているのが見える。

「うっ………あぁあああっ、ダメっ!!イクッ「わけないだろバカモンが!!」」

その影はいきなり女性の象徴を揉むのを止めて、影に拳骨を食らわせた。

重昌が北条家の客将となり1ヶ月が過ぎた頃、霧翼の足の骨折は徐々に緩和されていったのだが、胸の方が彼の恐れていた通り化膿が始まっていたのだ。

だが予測できた故に、重昌の治療も早かった。

この時代では集中治療室で体を開けることなど出来ない。

まず彼は霧翼の胸から可能な限り菌を抜き消毒を行う作業を繰り返し、後は彼女の体に宿る治癒能力を待つしかなかった。

彼女の化膿は収まったが、今度はシコリの様に固まった胸をどうにかしなければならない。

固まった胸はどうすれば良いのか。

簡単なことだ。

揉み下せばいい。

しかしただ闇雲に揉んでしまえば、僅かに残った菌が胸に周り他の部分を腐食でもしかねないので、治療により重昌が揉みくだすことになった。

長年の女性との付き合いや、閨での経験により、彼にとって女性の性感帯を見つけることは容易であり、だがそれは裏を返せば”最も感じにくい場所を見つけることも容易”っということである。

彼はなるべく霧翼を感じさせずに治療を行っているので、彼女が絶頂を迎えることはありえないのである。

治療が終わり、彼が治療にて使用したタオルを桶で洗っていると、調子に乗っている霧翼は大胆な行動に出た

「……はぁはぁ……重昌さん、今日もほんと、はぁ、うに、はぁ、よ、かっ……たわ――」

「そうか、なら死んでもらおうか」

(わざとらしく)乱れた衣服を直す霧翼に、彼は満面の笑みで、しかし目は笑ってはおらず、スラリと床に置いていた刀を鞘から抜き去った。

「ちょ、待ってください。そんな物刺されれば死んでしまいます」

「安心しろ。痛いのは最初だけだから」

「いやいや、そんな台詞は閨だけで十分ですから」

彼女は急いで衣服を直し、必死に重昌に助命を懇願する。

「毎回、お前とのこんなやり取りのせいで、私は城の者に白い目で見られているんだ。ただでさえそんな噂に拍車をかける奴がいるのに」

彼の言う拍車をかける者とは、木葉のことである。

重昌の治療にて、霧翼が艶めかしい声を出したことにより、木葉は城中にて彼のあることないこと(主に後者)を吹き込んでいるのだ。

「大丈夫ですよ、重昌さん。嫁が貰えなくなったら私を貰えば」

「……もっと物静かな方が好みなのだが――」

小声でそう呟きながら、重昌は部屋を出て行った。

「主様!何かお手伝い出来ることありますか?」

そう言いながら、一人の少女が天井より降ってきた。

少女の名前は風魔風間(かざま)裂花小太郎。

相模を拠点に置く、風魔忍者第5代目棟梁であり、北条家お抱えの忍びである。

今は紅映が重昌の助けにと思い、彼女は彼の元に召喚されたのだが、それは仮の命であり、本命は重昌の動向を探ることであり、その命を指示したのが木葉である。

「いや、悪いが無い」

その言葉を聞き、裂花は絵に書いた様に落ち込んだ。

彼女は毎回こんな忍びらしい登場で現れるのだが、結局のところ重昌は自分がやることは全てしてしまうので、また紅映に任されている内政の一部も、忍びの裂花にとってはなんのことであるかサッパリ判らず、結局裂花が重昌の傍付きとして付いてから行った仕事らしい仕事は、彼が内政の案件を処理中の間、ひたすら切れた墨を作り続けることぐらいであった。

自分の監視役とは言え、純粋に自らを補佐してくれる裂花に悪い気もしながら、重昌はある案を思いつく。

「そうだ……裂花、お前、手先は器用か?」

「……?」

翌日、重昌は紅映に遠足の許可を貰い、一人とある場所に足を運ばせようと山道を歩いていたのだが、その途中足を止め「別につけなくとも、私の隣を歩けばいいじゃないか」っと言った。

そう呟いてから彼はしばらく立ち止まったままでピクリとも動かず、やがて話しかけられた側は観念したのか、木の影に体を隠していた者が出てきた。

木葉であった。

どうやら彼の後をずっとつけていたらしい。

「あらら、蛆昌(うじまさ)さん。私に気付いていたということは、その腹わたをえぐり出してもいいということですか?」

その美貌に全く似合わない言葉を重昌に吐き捨てながら、木葉は彼に近寄った。

ちなみに訂正しておくが、彼女は別に男嫌いというわけではない。

ましてや女好きというわけでもない。

その美貌に加え、口から出る罵詈雑言。

絵に書いたような腹黒そうな人物。

彼女は生きとし生ける者全てが嫌いなのだ。

木葉は幼少の頃より父氏時に徹底した英才教育を受けた。

(うた)、内政学、兵法・軍事学。

ありとあらゆる学問を教え込まれ、木葉自身もそういった勉強が嫌いだったわけではなく、寧ろ父親に教育されなくとも、自ら書庫に入り書物を読みあさっていたと言う。

しかし知れば知るほど、彼女の中に『人間の愚かさ』などという考えが浮かんで来た。

飛鳥時代から見て現鎌倉幕府の時代。

人は何時も戦いの歴史を歩んできた。

一度動乱の時代が終わろうとも、また再び人々は同じことを繰り返す。

そんな歴史の流れに嫌気が差し、彼女は元服の儀を迎え長綱と名を改めると、間を置かず直ぐに出家して幻庵と名乗って山を上り寺に篭った。

彼女には軍略や詩歌としての才能があったらしく、将来を有望されていた娘がいきなり出家を決め込んだこと聞いた氏時も、流石に何が起こったか判らず、怒る間もなかったとのこと。

それから数年した後、父氏時が病に倒れたと聞き、彼女は山を降りた。

北条家二代目当主、氏綱の片腕として力を奮っていた父氏時。

皆が涙に昏れている時、彼女からは涙が溢れなかったのだ。

【人は死ぬもの。それが自然の摂理】そんなことを考えると、不思議と悲しみの感情は浮かばなかったのだ。

父の火葬の際も、木葉は僧侶としてただ淡々と経を読むだけであって、その顔には感情も何も浮かんでいなかった。

全てが終わった後の夕餉の際、誰かがこんな事を口にした。

「実の父親が亡くなって悲しいと思わないのか?」っと。

その一言により、周りからは節々に木葉に対する陰口が広がっていった。

彼女自身、少しでも悲しんでいる”フリ”でのしてればよかったのではないかと思っており、直ぐにでもこの用事という名の”作業”を終わらせ、再び寺に戻って、何もない日々を送りたかった。

そんなことを考えているとき、誰かが自分の背中を小さく叩く気配がした。

振り返ってみると、そこにいたのは北条家二代目当主氏綱の娘であり、時期北条家三代目当主となる北条氏康であった。

しかしまだこの頃は7つになったばかりであり、まだ伊豆千代丸という幼名であった。

「これはこれは伊豆千代丸様、私に何か御用ですか?」

木葉は満面の作り笑顔をして、7つの紅映と向き合い、紅映は手に握っていたおはぎを木葉に渡した。

「……疲れた時には……甘いものが良いって聞いたから」

少し控えめな声でそういう少女は、木葉の感性から測定しても【可愛い】と思えた。

またもう一つ思い出したことがあった。

父である氏時の好物はおはぎであり、彼が遠足に向かった際は、よくその土地のおはぎを買ってきて、自分に食べさせてくれていた。

そんなことを思いながら彼女はそのおはぎをかじり、その甘味をじっくりと味わっていると、突然幼き氏康は鼻かみ様の和紙を木葉に渡した。

「……ん?伊豆千代丸様どうなさいました?」

「………だって、木葉、泣いているから――」

少女に言われて彼女は気づき、木葉は自分の頬を触れてみると、一粒二粒と涙が溢れていた。

「………これはお見苦しいところをお見せしました」

彼女は少女より和紙を受け取ると、その頬にまで流れていた涙を拭き取り、和紙を着物の袖にしまった。

「木葉、大丈夫?」

そう問いかける少女に、彼女は気づかされた。

【あぁ、自分はまだ涙を流せれるのだな】っと。

人という生き物全てに対して絶望を感じ出家したものの、たった7つの少女に自身もまた人間であることを気づかされ、彼女は少女に優しく微笑した。

「伊豆千代丸様、ありがとうございます」

「……?どういたしまして?」

木葉がどんな思いを込めて少女にお礼を言ったのかは判らないが、きっとそれは誰にも想像も及ばない言葉にならない思いが込められているのだろう。

すると突然、大広間の扉が開いて、周囲にいる北条家臣を含め、木葉自らも平服した。

入ってきた人物は、北条家二代目当主であり、氏康の父親である北条氏綱であった。

「皆の者、今日は我が弟の為に集まってくれて、大儀であった。皆が弟の為にここまでしてくれるのは、ただ一人の兄として嬉しく思う……ありがとう」

そう言って氏綱は一つ頭を下げると、周りの家臣は皆恐縮し、氏綱に頭を上げてもらうように説得した。

木葉から見ても、この氏綱なる叔父は変わりものであった。

本来当主たるもの、家臣の前で、ましてや街中でもたとえ自分に比があっても、絶対に謝ってはいけないものだ。

何故なら、それを行うことによって、下の者が付け上がりやすくなるからだ。

しかしそんな素直な心意気を持つ氏綱に皆どこか惹かれており、相模において氏綱を支持しないものなどいない程であった。

その氏綱が木葉に近寄り、彼女の前に座った。

「お前の父上には、常日頃世話になっていた。実の娘であるお前が経を読んだのだ。きっと新九郎(氏時の幼名)も無事天に帰ったことであろう」

「はっ、ありがたきお言葉にございます。氏綱様」

「よせ。お前が父の跡を継がずに出家した時から、我らの関係は主従ではない。だから叔父と呼んでくれ」

そう言いながら彼は木葉の頭を撫でると、また氏綱の口が開いた。

「北条三郎幻庵、面を上げい」

言われるままに彼女は顔を上げると、目の前には自分の眼をジッと見つめる氏綱の顔があり、彼はニヤリと笑うと何かがわかったように頷き出した。

「幻庵よ、父に代わり、我が右腕とならんか?そして、願わくば私の養子となれ」

その一言で辺りはざわめきだした。

「お前は我が父早雲、つまり『じじ様』を彷彿とさせる。その才知で私を助けてくれないか?」

氏綱の言う右腕とは、彼が何かをなす時、その決定権を木葉にも分け与えるということであった。

周りからは反論の声が出そうとなったが、ここにいるのは氏綱を知っている北条温故の家臣たち。

彼は一度決めたことは絶対に曲げない性格であるから、何を言っても無駄と感じたのだろう。

だが不安は残れど、皆木葉の実力は知っていたので、能力的な意味では皆納得していた。

その突然の提案に皆木葉は困り果てしばらく考え込むと思っていたが、その答えは案外簡単に出た。

「御屋形様のご提案、痛み入ります。この北条三郎木葉幻庵。これからは叔父上を父君とすることを誓いますが、申し訳ございませぬが家臣の件はお受けできませぬ」

まさかの答えに一同は唖然とし、何人かは「失礼だ!!」とかで罵倒するが、それは氏綱に一掃され、彼は間を置かず質問した。

「何故断るのだ。もしかすると、既に忠誠を誓った者がおると言うのか?」

「誠にその通りでございます」

仁王立ちの氏綱に対し、下から彼を見上げる木葉。

彼女の包み隠さずの反応に、氏綱は少し戸惑いながらも木葉は話を続け、彼女の後ろに居た幼き氏康を隣に連れて、再び氏綱に平服した。

「ワタクシの主君は、後にも先にも伊豆千代丸様ただ一人と自身に誓いをたてました」

既に忘れ、枯れたと思っていた『涙』。

それを思い出させてくれた幼き少女のそばに居たい。

そう思うようになったのである。

氏綱もどこか納得した様に頷き、快くそれを了承し、以降、木葉は氏綱の養子となり、紅映の教育係として迎えられ、氏綱により軍略の指導を徹底的に受け、紅映が元服し氏綱が隠居したことを期に、彼女は正式に北条家お抱え軍師となった。

こういった経緯により、彼女が認めている者は感情を思い出させてくれた紅映、その彼女と共にいる機会を与えてくれた氏綱、そして氏綱の教育の下で一緒に過ごさされた腐れ縁の夢刃のみである。

先日より木葉の目の前にいる男は風魔忍者を使って、しきりに畿内の情報、特に尾張から駿河にかけての情報を集めていた。

何故木葉がそんな話を知っているかは、愚問であろう。

影村に内政をさせれば自分や紅映が思いつきもないことを実行したちどころに問題を解決し、また領内の要所を見せれば、直ぐに商人は通りやすく賊が入りにくい策を用意して見せた。

紅映は助かると言うが、木葉は未だに影村を信用していない。

そんな折である。

同盟国である駿河の今川氏が京に上洛すべく軍を発した。

尾張の織田氏は先代の信秀が死去して以来、『うつけ者』と言われる信長なる者が統治していると聞く。

義元が率いる20,000余りの大軍に対し、織田氏はどれだけ見積もっても5,000弱。

籠城を決行しようとも、落とされるのは時間の問題であり、天地でもひっくり返らない限り、織田氏に勝ち目などない。

そんな状況下の中で影村は尾張に出向くなどと言い出したのだ。

影を消して木葉はそんな影村を付けているとこうしてあっさり見つかり、今に至る。

「……ちょうどいい、木葉さん、貴女も一緒に尾張に向かいますか?」

彼が何しに行くのかは、おおよその検討はついていたのだが、彼女は一応のつもりでその質問をした。

「尾張までいったい何をしに行くというの?」

「勿論、義元と信長の合戦を見物に」

木葉は内心鼻で笑った。

【結果が判りきっている答えをどうして見に行く必要がある?】そう思いながら彼女は思ったことをそのまま口にし、重昌を罵倒した。

だが彼も言った。

「先代の信秀が死去し、名声・権力・富、その全てを上回っている義元公に万が一にも負けなどはないであろう」っと言い、彼女も「ならば何故?」っと問いかけた。

すると重昌は懐に差していた鉄扇を抜き取って言った。

「その”万が一”を見物する」っと。

重昌は知っている。

この世界の信長が自分のよく知ってる信長であれば、必ずやこの状況を覆すことを。

それに外史と言うものは不変的なものであり、もしかするとこの世界の信長は本当にうつけなのかもしれない。

それに自分自身今は北条家の臣。

上手く行けば間近で歴史上あの有名な『桶狭間』を見れるわけだ。

そんなことを思っているなど木葉は露も想像出来ず、彼女は彼が何かを企んでいることだけは判った。

こうして木葉も『影村の監視』っという名目で尾張まで向かうのであった。

一方その頃小田原城では……

「いやぁあああぁ、助けてぇぇっ!!」

城内に霧翼の絶叫が響き、その絶叫の主を裂花が追いかけており、忍び同士の追いかけっこであるので、普通の人ではなかなか目視出来ずにいる。

何故裂花が霧翼を追いかけているのかと言うと、彼女は重昌が駿河へと旅立つ前に、霧翼の治療を任されたのだ。

無論霧翼も”治療”だけであればこんな風に取り乱さないのだが、裂花は同じ忍びである霧翼の自分に無いアル部分に大変興味津々であり、それを必要以上に弄るので治療以前の問題なのだ。

「さぁ霧翼様、観念して私の愛撫……いや、治療を受けてください!!」

「きゃあぁぁぁぁぁっ!!」

結局負傷者の霧翼が体調万全の裂花から逃げ切れるわけなく、最終的に彼女の胸は裂花によって揉みくだされた。

 


 
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