No.704568

蒼天に浮かぶ星雲達 8話

白蓮さん

劉備こと桃香が助けた人物は、死んだはずの岳だった

2014-07-28 20:44:32 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1552   閲覧ユーザー数:1508

岳「う、ううん・・・ここは」

 

天井・・・俺は生きてるのか・・・何とかなったみたいだな

 

岳「目覚めは最悪だけどね。ここ数日寝ていたようだな」

 

桃香「う~ん・・・むにゃむにゃ・・・zzz」

 

いきなり寝床から声が聞こえたので、横に振り返ると桃色の髪をした、可愛い女の子がいた

 

岳「この子が助けてくれたのか・・・」ナデナデ

 

桃香「う~ん・・・えへへ・・・」

 

どんな夢を見ているのかは分からないが、幸せそうなので気にしないで置いた

 

劉母「あら、起きたのですね。元気そうで何よりです」

 

岳「あ、どうも。ご迷惑をかけてしまって・・・」

 

劉母「いえ、気にしないでください。お体の調子は?」

 

岳「いつも通りとまではいきませんが、大丈夫です」

 

桃香「う、ううん・・・はれ?」

 

彼女の母親らしい人としゃべっていたら、起こしてしまった

 

桃香「あ!起きたんですね!良かった~!」

 

劉母「こら桃香!怪我人の耳元で騒ぐのではない!」

 

岳「お、俺は大丈夫ですので・・・一つ聞いていいですか?」

 

劉母「なんですか?」

 

岳「俺が寝ている間に起きた出来事を聞いておきたいのです」

 

俺が死んだことになっているのなら、それはそれで、これからが動きやすい

 

劉母「そうだね・・・一番大きい噂でしたら、神童とその最強の祖父が死んだって事ですかね。最強の祖父・藤英は埋められて発見され、神童・藤代は崖から落ちて転落死したと、兵士が伝えたという話です」

 

やっぱりか・・・自分たちの被害が及ばない方法で、俺達を殺したんだ

 

岳「ありがとうございます。これも何かの縁、よろしければ、僕をここに於いてもらえませんか?」

 

劉母「えっ?」

 

岳「なんでもします。洗濯も料理も風呂も全部やります。お願いします」

 

桃香「・・・・・」

 

俺はいずれここを発つ、それまでに、修行を重ねて旅をしながら、また鍛える。そして、月達の下に帰る

 

劉母「・・・いいだろう!ただし、やることはやってもらうよ!」

 

岳「はい!俺の名前はふじ・・・白(はく)といいます。お願いします」

 

劉母「真名だけでいいかしらね、私の真名は晴香よ」

 

桃香「私は劉備!真名は桃香!よろしくね!白さん!」

 

俺の手を握って、上下にブンブン振る桃香。にしても、この子が劉備か・・・これも何かの縁か

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が桃香の家に住んでから、一年が過ぎた。ここでの生活にも慣れ、俺は今年で八歳になった

 

岳「(そろそろ、ここを出た方がいいな、官軍が来てもおかしくない)」

 

出来るだけ、朝廷の軍とは会いたくない。俺の顔を知っている奴もいるかもしれない

 

岳「(此処での修行も一段落したし、氣の鎧もマスターした。後は経験を積むだけ)」

 

桃香「白さん!遊びに行きましょう!」

 

岳「勉強はいいのか?白蓮と一緒に、勉強するんだろ?」

 

桃香「うっ!・・・だって、難しいんだもん!」

 

言い訳になってないよそれ、分からなくないけどさ・・・

 

岳「・・・・・桃香、よく聞いてね」

 

桃香「うん?・・・うん!」

 

何と勘違いしたのか、嬉しそうな顔をしてこっちを見てきた

 

岳「俺さ・・・そろそろ、此処の村を出ようと思う」

 

桃香「えっ?・・・もう、会えないって事?」

 

岳「ううん、それは違うよ桃香。俺は最初からここを出るつもりだった。でも、もう二度と会えない訳じゃない。いつかどこかで、また会えるよ」

 

桃香「うん、そうだよね。白さんが決めたことに口は出さないよ。また、会いに来てくれる?」

 

岳「その時が来ればな・・・・・最後に聞かせてくれないか?桃香はこの世の中をどう思う?」

 

桃香「いやだな~って、みんなが笑っていられる国であればいいのにって、そう思うよ」

 

岳「そうか・・・(根本はやっぱり、劉備なんだな)俺は一刻後、この村を出ていくよ、お母さんには伝えてある」

 

桃香「うん・・・・・また、会えるよね」

 

岳「君の運命が、俺の道と重なるなら」

 

桃香「?????」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

岳「それにしても、一年間大変だったな。川に投げられるとは思わなかった」

 

俺と桃香は、何か大変なことをするとお母さんに川に投げられるという、悪夢をされてきた

 

岳「今度は・・・・・どこに行くかな」

 

行き先がないわけでもない。けど、どこに行くかによって俺のことを知っている奴に出会ってしまったら、元も子もない。対策として、劉母に白い狐の仮面をもらったけど

 

岳「今のうちに付けておくか・・・」

 

俺の白髪に、白い仮面がマッチしていた。よし、これでいこう

 

岳「さて、涼州にはいけないし、陳留にでも行くか」

 

一番会いたくないのは、華琳だな、あいつ鋭いからな

 

岳「歩こ~♪歩こ~♪私は元気~♪歩くの大好き~♪・・・ドンドン行こう~♪」

 

こうして俺の経験と新たな大切な物を探す旅が、始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十常侍A「しかし、奴の死体が発見されたと聞いたときは、嬉しくて歓喜がわきましたよ」

 

張譲「フフフフッ、神童と言われた糞ガキも消せたことだしな」

 

十常侍B「しかし、我れらにはまだやらねばならぬことがある」

 

十常侍C「皇帝の排除・・・ですな」

 

張譲「そんなこと簡単だ。奴の食い物に毒を盛ればよかろう」

 

十常侍「しかし張譲殿、今それをすれば、我々に被害が及びます」

 

張譲「ふむ、ならわし等が動くのは約9年後あたりか・・・」

 

十常侍D「はっ!儂らも天に行く日が待ち遠しいわ」

 

十常侍「全くだ!はっはっはっはっ!」

 

この時奴らは知らなかった、その作戦が殺したはずの人間によって、潰されることを・・・

 

岳「へっくしょん!!・・・ズズ~、風邪かな?」

 

それはまだ先の話・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回「9年後、黄巾の乱」

 

岳「いろいろな場所を回って、知識も付けた。そろそろ表舞台に戻るか」

 

 


 
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