No.700983

咎を受けし御使いの最後の旅~二人の御使いと二人の劉備~

ユウヤさん

さて、どんどん投稿していきまっしょい
今回は紫苑にばれる回です。
いや、もうほとんどばれてるようなものでしたが・・・
では本編どうぞ

2014-07-15 14:38:31 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:2995   閲覧ユーザー数:2335

 

 

 

 

 

 

 

 

 二人の劉備と二人の御使い~咎を受けし御使いの最後の旅

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶えぬトラブル、ハプニング

 

 

 

 

 

 

 

 桜楼村の宿の一室。壁に掛けてある外套がもこもこ動き出す。

 

 そこから顔を出したのは上海だった。

 

 寝床に居るのは鄧艾士載。上海がヘッドショットを極めて(誤字に有らず)気絶させた奴が眠っていた。

 

 for一騎side

 

 一騎「・・・上海。良いから出てこい。」

 

 俺は意識を覚醒させ、『黒炎』に隠れる上海を呼ぶ。

 

 上海「シャンハ~イ・・・(すみませんです。ご主人)」

 

 一騎「気にするな・・・急ぎなんだろう?」

 

 上海「(賊がこの村に迫ってる。規模は1000。内部は妥当劉三兄弟を掲げてる模様。)」

 

 一騎「あの三人何したんだ?」

 

 上海「(そこは不明。到着予想は二週間後。)」

 

 一騎「ふむ・・・14日間か。明日劉戯に兵力を確認してみるか。」

 

 上海「(大丈夫?いきなりそんな事話して)」

 

 一騎「別に敵が来る事を話さなくてもいいだろ。状況によっては俺一人で殲滅すりゃあいい。」

 

 上海「(無理しないで。)」

 

 一騎「無理なんかじゃないさ・・・」

 

 なでなで

 

 上海「ン~~~」

 

 俺のナデリコに気持ちよさそうに目を閉じる。

 

 一騎「ほれ、寝るぞ。」

 

 上海「(あい!)」

 

 俺はそのまま上海と一緒に眠る事にした。・・・と言っても上海は枕元にちょこんと座るように鎮座するだけなのだが?何かしら想像した奴・・・外走って頭冷やして来い。

 

 上海「(イヤラシイ想像した奴、腐り落ちろ)」

 

 上海の本が無造作に開かれてそんな文字が浮かび上がった。俺ちょっと縮こまっちゃった。

 

 

 

For紫苑side

 

 

 隣の部屋から話し声が聞こえる。

 

 一騎『・・・しゃ・・いい・・・こい』

 

 何を・・・話していらっしゃるのでしょう?

 

 一騎『・・・にす・・・んだろう?』

 

 どなたと?まさかあの時のお人形?

 

 一騎『あ・・・にん・・・にしたんだ?』

 

 聞こえ辛いですわね・・・

 

 一騎『・・・・・・・かかん・・・兵力・・・する・・・』

 

 兵力?どう言う事??

 

 一騎『別に・・・・・・・・だろ。・・・・・一人・・・・・・殲滅・・・』

 

 物騒な単語ばかり・・・一騎さん、何を・・・なさるおつもりですか?

 

 一騎『無理・・・・・・ない』

 

 ・・・

 

 一騎『・・・寝るぞ』

 

 その一言が聞こえてからどうやら本当に寝たらしく、そこから一騎さんの声は聞こえなくなった。

 

 紫苑「一騎さん・・・貴方は何をなさろうとしているのですか?」

 

 その後はその考えばかりが頭をめぐり、まともに眠る事が出来なかった。

 

 明日・・・一騎さんに聞こう。やっぱり聞きだそう。あの人を、もっと知る為に・・・

 

 

 

 

For一騎side

 

 

 一騎「・・・ん・・・ふぁぁぁ・・・」

 

 朝・・・か?ねむ・・・・

 

 一騎「・・・」

 

 上海「・・・」

 

 紫苑「・・・」

 

 寝床から体を起して目に入ったのは・・・上海を持っている紫苑の姿だった。

 

 一騎「ふむ、夢だな。お休み。」

 

 上海「!?!?」

 

 紫苑「残念ですが夢ではありませんわ。一騎さん。」

 

 一騎「そうか・・・ばれてしまったか・・・」

 

 紫苑「一騎さん・・・」

 

 一騎「俺がお人形をそばに置かないと眠れない痛い大人だと!」

 

 紫苑・上海「「・・・」」

 

 二人の白い目が俺の全身に突き刺さる。ああ・・・この視線・・・久しぶりだなぁ。

 

 一騎「少しは・・・突っ込んでくれ。」

 

 紫苑「真面目なお話ですわ。このお人形・・・動きますわよね?」

 

 一騎「糸を使ってな。」

 

 紫苑「浮きますわよね?」

 

 一騎「糸を使ってな。」

 

 紫苑「意思疎通できますわよね?」

 

 一騎「糸を使ってな。」

 

 紫苑「往生際が悪いですわ。」

 

 一騎「・・・はぁ、上海。」

 

 ふわっ

 

 紫苑「あ・・・」

 

 上海「シャンハ~イ」

 

 一騎「紫苑・・・こいつは上海人形。上海と呼んでやってくれ。」

 

 紫苑「どうやって・・・動いているのですか?」

 

 一騎「それは・・・」

 

 正直どう説明すればいいか迷う所だ。魔法によって動く、と説明できればいいが・・・此処では妖術師などは忌み嫌われる。

 

 上海「(私は自立人形。原理を考えるのは非常識。そう言う物と納得するのが上等。)」

 

 紫苑「こ、この本も・・・紙ですか?どうやって文字を??」

 

 上海「(だ、だから原理を考えるのは・・・)」

 

 上海・・・君の努力に俺も涙が出そうだよ・・・

 

 一騎「紫苑・・・これ以上は・・・頼む。」

 

 俺は頭を下げるしかできなかった。正直真名を預けあった同士で隠し事はしたくないが・・・こんな事で嫌われたくないと言う思いも有ったのだ。

 

 紫苑「・・・むぅ。」

 

 紫苑がむくれてしまった。・・・可愛いと思うのは俺の頭がある意味沸いているのだろうか?

 

 紫苑「ちゃんと・・・話して下さい。でないと・・・」

 

 一騎「でないと?」

 

 紫苑「もう、知りません。(プイ)」

 

 ・・・あれ?可愛いんですがどうしたらよろしいか?襲えばよろしいか?もうちょっと眺めればよろしいか?

 

 一騎「・・・くっ!分かった・・・話すよ。」

 

 俺は諦めて当たり障りの無い事を話した。上海は所謂妖術で動く事、彼女の持つ本は特殊な製法でできた紙である事。彼女が昨日報告に来たのは、この村に1000人規模の賊が近づいている事を伝える為だった事。

 

 さすがに外史とか、『黒炎』の事とか、そういった“ぶっ飛んだ話”はできる訳が無い。

 

 紫苑「・・・・・・・・・まあ、“今の所は”納得しておきます。」

 

 うぅ・・・やっぱり女の人ってすごい・・・まだ隠し事がある事をしっかり分かってらっしゃる。

 

 とにかく、なんとか乗り切って朝食にしようと言う話になったので、璃々ちゃんと一緒に朝食の準備に取り掛かった。

 

 ちなみに本日のメニューはハンバーグだ。挽肉?勿論北郷邸から持ってきてもらったよ。上海に。

 

 璃々ちゃんには大好評。紫苑も作り方を教えてほしいと這い寄って来たので、速攻了承して距離を取ったが・・・あの、そんな少女な反応辞めてもらえません?本当に大人な俺でも萌え死ぬことはあり得るのですよ?

 

 そんなこんなで劉戯の元へ訪ねて行ったのだが・・・劉北と劉備が半分死に体でうなだれていたんだが何かあったのだろうか?

 

 

 

 

 劉備邸。それなりに大きな家だった。劉備は農民の出だと聞いていたんだが?それなりの家だった。庭も有る事からこの村でも有数の富豪なのだろう。

 

 一騎「劉戯、これは・・・どうしたのだ?」

 

 劉戯「ん?ああ・・・こいつらな、俺に建築の仕事押し付けて子供達と遊び呆けて居やがったんだ。」

 

 一騎「・・・ああ、そりゃあ怒るわな。」

 

 劉戯「だろ?」

 

 紫苑「あらあら・・・璃々の相手をなさってくれていたのですが・・・悪い事をしてしまいましたわね。」

 

 劉戯「で?何か用なのか?」

 

 紫苑「ええ、実はこの村に来る途中不穏な噂を耳にしたんです。」

 

 劉戯「不穏な噂?」

 

 紫苑曰く、劉三兄弟に恨み持った者たちがこの村を襲う算段を付けてる事、その規模がただならぬ数であると言う事。勿論嘘八百。紫苑の提案だった。

 

 俺がいきなり賊1000人が迫ってるとか、この村の兵力はどのぐらいなのかとか聞いたりしたらかなり怪しまれるからだ。

 

 この点を踏まえると紫苑にばれたのは怪我の功名とも言える。

 

 一騎「で?どうなんだ??もしも噂が本当なら・・・」

 

 劉戯「ん~、この村は全体で500人でその内まともに警備に当たってるのは90名ほどだ。その90名も実力者で言やぁ・・・本当に片手で数えるほどだ。勿論その片手五本の内三本は俺達三兄弟だが・・・」

 

 一騎「ん?劉北も劉備も戦えるのか?」

 

 劉戯「おう、俺が鍛えてるからな。」

 

 一騎「・・・実力を知りたい。いいか?」

 

 劉戯「ん?構わねえが・・・」

 

 一騎「それなら借りてくぞ。・・・いつまで突っ伏してる気なんだ?」

 

 俺はそのまま劉北と劉備に向き合うが、二人はまだ床に額を押し付け尻が天井に向かっている。

 

 一騎「その姿・・・滑稽だな。」

 

 劉戯「俺のお仕置きはきついからな。尻が痛くてまともに立てねえんだろ。」

 

 一騎「まったく・・・せ~の!」

 

 バッチ~~~ン!!×2

 

 劉北・劉備「「い”っだい!?」」

 

 一騎「しっかりしろクソガキども。もう痛くないはずだ。」

 

 俺がしたのは治療用の操氣術。それを患部に叩きつけてやったので最初はめちゃくちゃ痛いのだ。(叩いた痛さも有るんだろうが)

 

 劉北「と、鄧艾さん酷い!」

 

 劉備「女の子のお尻を叩くとか、何考えてるんですか!?」

 

 一騎「ん?問題あったか?」

 

 劉戯「女の子?何処に?」

 

 劉備「お兄ちゃんも酷い!?」

 

 何だろう、劉戯とは仲良くやれそうな気がしてきた。

 

 一騎「お前たちの実力を見る。話ぐらい聞いてたんだろう?」

 

 紫苑「一騎さん、私は何をしたら?」

 

 一騎「立ち会いを頼む」

 

 紫苑「分かりましたわ。」

 

 こうして、来たるべき賊に向けての下準備が始まった。

 

 璃々ちゃん?子供達と遊んでるに決まっておろう。

 

 

 

 

 あとがき

 

 

 あ~、上海バラシマシタ。

 

 一刀「え?ばらばらにした?」

 

 上海「シャン!?(そこはかとなく悪意を感じます!?)」

 

 語弊があったな。ばれました。

 

 一刀「一気に行ったな。」

 

 俺ん中で紫苑は一番大人で、一番物分かりがよく、一番勘の鋭いお姉さまだと思ってる。

 

 一刀「・・・最後の方、気を使ったろ?」

 

 察せ。

 

 上海「(それよりも・・・どうするんですか?どうなるんですか?まさか村を・・・見捨てたりは?)」

 

 しないから安心しろ。

 

 一刀「と言うかしたら物語が成立しなくないか?」

 

 しないな。反感ばっかりで大変なことになる。

 

 上海「(それでは・・・ご主人無双の始まりですね!通常弾幕からのスペカ発動、ディレイスペルからの、魔砲全力ですね!)」

 

 物語終わらす気か?

 

 一刀「初っ端から飛ばし過ぎだろう。」

 

 上海「(え~、でもやるんでしょ?)」

 

 二人「「いずれな。」」

 

 上海「(息ぴったり。)」

 

 じゃ、また書き始めるから。ノシ

 

 一刀「ノシ」

 

 上海「(ノシ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一刀「なあ、上海。」

 

 上海「(絶が・・・首に当てられてました。)」

 

 一刀「・・・やばい、今俺の方見てた。」

 

 上海「(頑張ってください、ご主人)」

 

 

 

 

 


 
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