No.700104

恋姫外史終章・いつまでも一刀第31と2/3話

アキナスさん

悪夢再び・・・・・・

2014-07-12 00:10:15 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:4153   閲覧ユーザー数:3311

一刀は紫苑、璃々と一緒に食べようと鍋を作っていた。

 

「ほ~ら、蓋を取れば幸せの香り♪浅葱を薬味に♪ポン酢それとも胡麻ダレでタンゴ♪鶏団子鍋食べよう♪っと」

 

歌にあわせて鍋は完成した。

 

「鶏タンゴ・・・もとい鶏団子鍋できたぞ~~」

 

鍋掴みを使って食堂のテーブルの上に鍋を置く一刀。

 

「わぁ!美味しそう」

 

「すいません、わざわざ作ってもらって・・・・・・」

 

「いいのいいの。俺が三人で食べたくて作ったんだから」

 

鍋掴みを手から外し、席に着く一刀。

 

三人は手を合わせて、

 

「「「いただきます」」」

 

鍋を食べ始めた・・・・・・

 

 

 

 

 

 

「美味しい!」

 

「そかそか、ドンドン食べなさい」

 

「は~い」

 

一刀の言葉通り、璃々はドンドン食べていた。

 

「ところで紫苑」

 

「はい?」

 

「ぶっちゃけ、ここの人間たちは俺を主と認めてくれてるか?」

 

「ご主人様の政策に問題はないので、肯定的な人間は増えています。ただ、その件に関して否定的な人間はご主人様の能力云々ではなく、感情的な理由で否定しているので・・・・・・」

 

「例えば、誰が否定的なんだ?」

 

「そうですね、筆頭は焔耶ちゃんでしょうか」

 

「ああ、魏延か」

 

納得したとばかりにうんうん頷く一刀。

 

「そういえば俺がここの主になるとき、あからさまに食って掛かろうとしてたからな。厳顔に阻止されてたけど・・・・・・」

 

「悪い子ではないんですけど、精神面が未熟と言うか、何と言うか」

 

「精神面も、だろ?はっきり言って、武の方も将にしては未熟だと思うぞ?紫苑や厳顔は勿論だが、袁家の二枚看板にも劣るなあいつは。俺にすら勝てないだろうよ」

 

「聞き捨てならん!」

 

叫びと言ってもいいくらい大きな声が食堂に響いた。

 

声のした方に一刀が顔を向けると、そこには腕を組んだ焔耶が立っていた。

 

ちなみに紫苑は、今の大声に驚いて食べ物を喉に詰まらせた璃々にお茶を飲ませているところだ。

 

「いたのか」

 

「今来たばかりだ!それより貴様!誰の武が未熟だと!?」

 

「お前だって言ったろ?聞いてなかったのか?」

 

「聞いていた!しかも貴様より弱いだと!?取り消せ!」

 

「俺は事実を言ったまでだ。なんなら試してみるか?」

 

「望むところだ!」

 

鼻息を荒くして即答する焔耶。

 

「そうか、じゃあ飯食い終わるまで待ってくれ」

 

「・・・・・・ん?食い終わるも何も、もうほとんど残っていないじゃないか?」

 

焔耶の言うとおりで、鶏団子はもう無く、汁と僅かに野菜が残っているだけだった。

 

「ところがどっこい」

 

一刀は席を立つと、厨房の方へ歩いていく。

 

数分後、戻ってきた一刀の手には皿に盛ったうどんの姿があった。

 

「これを入れて締めるのが、正しい鍋のあり方だ」

 

チャポンとうどんを投入する一刀。

 

「という訳で、もう少し待っててくれ」

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「うおおお!」

 

ズガーン!

 

焔耶の鈍砕骨が振り下ろされ、地面が揺れる。

 

「で、ああなっておる訳か」

 

「ええ」

 

焔耶の繰り出す技による破壊音を聞きつけてきた桔梗と共に、紫苑は二人の戦いを中庭で観戦していた。

 

ちなみに、焔耶とは違い桔梗は一刀肯定派である。

 

「しかし、お館様が度々顔をしかめておられるようだが」

 

「焔耶ちゃんが食休みをくれなくて・・・・・」

 

「ああ、食べてすぐ激しい運動をしておるから、横腹が痛いと」

 

「そうみたい」

 

実際そのとおりだったが、それに加えて、

 

「う・・・・・・うどん食いすぎた」

 

腹がパンパンの一刀はコンディション最悪で、避けるのが精一杯な有様だった。

 

「貴様!やる気あるのか!?」

 

「やかましい!食休みさえもらえたらおまえなんて秒殺しとったわ!!」

 

「おのれーーーー!!」

 

怒り心頭の焔耶はむやみやたらに鈍砕骨を振り回す。

 

本来なら大振りして隙だらけの所に一撃で終わる話なのだが、まともに動けない一刀にはそれすら出来るか分からなかった。

 

「てえい!」

 

ドーン!

 

大きな音を立てて鈍砕骨が再び振り下ろされたとき、一刀はいちかばちか焔耶のこめかみめがけてパンチを放った。

 

「遅い!」

 

しかし、焔耶は鈍砕骨から手を放し、キレが無い一刀の拳を伏せて避けるとカウンターで、一刀に拳を見舞った。

 

焔耶の拳は一刀のボディーに直撃し、

 

「オ、オエエエエエェェ・・・・・・」

 

一刀は派手に嘔吐した。

 

焔耶の顔面に。

 

「う、うあああああああああ!!」

 

「「!?」」

 

 

 

バキィーーーーーン!(×3)

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~・・・・・・口の中が気持ち悪い」

 

「災難でしたな」

 

「まあな。しかし、おかげでお前らの記憶が戻ったんだから、怪我の功名かね?」

 

「まあ、脳裏に焼きつく衝撃映像でしたからな」

 

「ただ、焔耶ちゃんはまたショックで引き篭もってしまいましたけどね」

 

「・・・・・・う~ん」

 

「どうされました?」

 

「いや、蜀の面子が今ので記憶を取り戻すっていうなら、同じことを愛紗たちの前でやれば、あいつらの記憶も戻るんじゃねえか?」

 

「ふむ、そうかもしれませんな」

 

「試してみるか?」

 

「「・・・・・・」」

 

 

 

 

 

 

その後、引き篭もる焔耶に桔梗が一応話してみたが、案の定、焔耶は断固として首を縦には振らなかった。

 

一刀も、結構な賭けになるし、俺も人の前で何度もゲロを吐くのは遠慮したいと、とりあえずその方法を取るのはやめにした。

 

しかし、もしやらなければならない時が来たら

 

 

 

 

「・・・・・・桃香が頼めば、いけるか?」

 

 

 

 

などと焔耶に対しての最終兵器を使う事も検討する一刀だった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうも、アキナスです。

 

焔耶はもう、三回目があったら立ち直れなくなるかもしれませんね。

 

その日が来ないことを祈りましょう。

 

では次回に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「デッドハウリング!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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