No.691589

欠陥異端者 by.IS 第十四話(ファイト)

rzthooさん

臨海学校編終結まであと少し。
無駄に多いバトル描写をご堪能あれぇ!

2014-06-04 21:07:00 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:735   閲覧ユーザー数:725

【投稿者SIDE】

 

海上200mに銀の福音が破損した部位を薄緑の球体の中で直している。だが、そこに一発の砲弾が直撃し、爆発が起きる。

 

ラウラ「初弾命中! 再度、攻撃を開始!」

 

ラウラのIS、シュヴァルツェア・レーゲンの両肩に設置されたレールカノンが福音を襲う。そのシュヴァルツェア・レーゲンの姿は前の姿とは違い、レールカノンが左右に一つ。正面と左右には4枚の物理シールドをつけられている。これが、シュヴァルツェア・レーゲンの砲戦パッケージ『パンツァー・カノニーア』である。

 

ラウラ(敵機接近が予想よりも早い! なんなんだ、この加速は・・・?)

 

初撃を与えた途端にレールカノンを避けながら、ラウラに接近。そして、福音がラウラを捉え右手を伸ばす。今のシュヴァルツェア・レーゲンは機動性には欠け、この攻撃は避けられない。だが、ラウラの口元が釣りあがり、次の瞬間には垂直に高速で降りてきたブルー・ティアーズによって福音は弾かれる。

ブルー・ティアーズもシュヴァルツェア・レーゲン同様、強襲用高起動パッケージ『ストライク・ガンナー』を装備している。六機のビットはスカート状に腹部に接続され、銃口が塞がれているため、スラスターとして活用。頭部には時速500キロを超える速度下でも反応を補うためにバイザー状の超高感度ハイパーセンサー『ブリリアント・クリアランス』。手に持つBTレーザーライフルは2メートルほどある『スターダスト・シューター』。

福音『敵機Bを確認。排除行動に移す』

 

シャルロット「遅いよ!」

 

翼を開き、銀の鐘を使う瞬間にステルス機能で福音の後ろを取ったシャルロットの攻撃。散弾型のショットガン二丁での至近距離射撃。だが、それも決まったのは一回きりで二回目以降の攻撃は全て避けられる。そこから福音が銀の鐘で反撃するものの、リヴァイブ専用防御パッケージ『ガーデン・ガーデン』の物理シールド二枚とエネルギーシールド二枚で防ぐ。

 

福音『優先順位を変更。現空域からの離脱を最優先に』

 

福音が3人から距離を置くため、反対方向に加速。だが、そこに箒こと紅椿。そして紅椿が背に乗っている鈴音こと攻撃特化パッケージ『崩山(ほうざん)』を装備した甲龍。

 

鈴音「逃がさないわよっ!」

 

その瞬間、海が爆ぜ、水しぶきが上がる。パッケージをつけたため衝撃砲が4つに増え、弾は前とは違い、赤い炎を纏ったような弾、熱殻拡散衝撃砲を福音に向けて、撃ち続ける。

 

箒「はぁああぁっ!」

 

甲龍の背から離れ、福音に突撃し、刀を振り下ろすものの上空に避けられてします。

 

福音『銀の鐘 最大稼動・・・開始』

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

両腕を左右に広げ、翼自身も外側に向ける。ぐるっと一回転すると、光弾の一斉射撃が行われた。

 

 

【零SIDE】

 

夢を見ていた・・・。いや、夢という確証はないのだが、私自身が夢だと思いたい。

私が、普通の両親から生まれ、普通に両親育てられ、弟・妹が出来て、学校で馬鹿をやりつつも楽しく走り回っていた。さらに少年期の私に、眼帯はつけられていない。

 

零(これが・・・私?)

 

今と違ってとても活発な少年。もし、これがもう一人の私ならば、一体どこでこんなにも差が生まれたのだろう。

 

少年「あっ、そこのお兄さん!」

 

呆然としていると、子供の姿をした私に話しかけてきた。どうやら、サッカーボールを取ってほしいとの事。

足元を見れば、いつの間にボールが転がっていて、私はそれを蹴り渡す。

だが、蹴ったボールは霧となって消え、今まで居た公園の風景が歪む・・・まるで、私がボールに触れるだけで迷惑だと伝えようとしているみたいだ。拒絶されているのか?

 

少年「ねぇ、何で眼帯なんかつけてるの?」

 

乗り物酔いが酷いならば、数秒でグロッキーになるであろう空間には、私と少年期の私だけがいた。

少年の私は、好奇心旺盛な瞳で一歩一歩近づいてきた・・・私は一歩近づかれたら、少年の私との距離を縮めたくない一心で一歩下がる。

 

少年「何で、下がるの?」

 

しかし、少年の私は笑みを浮かべながら、楽しそうに足を速める。ついには走って追いかけてきた。

 

少年「ねぇ!? 何で逃げるの? 待ってよー!!」

 

零「はぁっはぁっはぁっはぁっ!」

 

私も全力で走って逃げる・・・だが、すぐに動悸がキツクなって足取りが重くなる───だが、少年の私は元気よく走っており、遅くなった私の服装を掴んだ。

 

 [グイッ!]

零「!?────[ドテッ]いっつつ・・・ひっ!?」

 

子供の力とは思えないほど、後ろに引っ張られた私は、少年の私の顔を見て絶句した。

さっきまで顔は確かに昔の私のものだった・・・だけど、今は顔面が黒く、両目と口は真っ赤に色塗られていて、悪魔と例えてもいいだろう。

 

零「ば、化け物・・・!」

 

少年「化け物? ひどいよ・・・君だって、そんな目してるのに」

 

悪魔に言われ、私の左目に眼帯がつけられていない事に気付いた・・・。

 

少年「同じ化け物同士・・・遊ぼうよ」

 

遊ぼうよ遊ぼうよ遊ぼうよ遊ぼうよ遊ぼうよ遊ぼうよ遊ぼうよ遊ぼうよ遊ぼうよあそぼうよあそぼうよあそぼうよあそぼうよあそぼうよあそぼうよあそぼうよあそぼうよあそぼうよアソボウヨアソボウヨアソボウヨアソボウヨアソボウヨアソボウヨアソボウヨアソボウヨアソボウヨ

 

 

 

零「ッ!?」

 

何とか悪夢から逃げ這って来れて、ガバッと起き上がる事が出来た。場所は先ほどと同じ場所・・・どうやら、私はあのまま寝てしまったようだ・・・。

起き上がった方向は旅館の庭側で、月明かりが私と室内を照らしていた。

 

本音「あ、あの~・・・」

 

零[バッ!]

 「布仏、さん・・・? 何でこんな所に?」

 

上半身を起こして座る私の背後に、布仏さんが行儀よく正座をしていた・・・あれ、もしかして膝枕されていたのか?

 

本音「わ、私が来た時、物凄くうなされてて~・・・海での事もあったから心配になって・・・ご、ごめんね」

 

何で、私が謝られるのか・・・とこの時は分からなかったが、どうやら私の顔つきが怖かったらしく、とりあえず謝ったとの事。まぁ、背中の月明かりが顔を暗くさせたというのも、原因の一つだろう。

 

零「・・・"海での事"とというのは?」

 

本音「れいちんと話している時、嫌な事、忘れようとしていたように見えたからぁ・・・気になってて」

 

無駄に長い袖で包まれている両手をもじもじさせて、言葉重く話す布仏さん・・・いつもの間延びがなく、一層、態度に真面目さが惨めでている。

しかし、あの時の布仏さんも楽しいそうに談笑していたのに、心の中では鋭い視点で観察されていたとは・・・。

 

本音「もうだいじょうぶ~?」

 

まだ頭痛は残っていたが「はい」と肯定しておく。

その肯定で布仏さんは安心したようににんまりと笑った。その笑みは、月光も合わさって一層に輝いて見える。

 

本音「・・・れいちん」

 

だが、その輝きは徐々に薄れ始め、伏目がちになった布仏さん。月光が余計にその暗さをアピールさせた。

 

本音「最近のれいちん、凄く接しやすくなった」

 

零「・・・そうなのかな」

 

本音「そうだよぉ・・・あの参考書の山、かんちゃんのためなんでしょ?」

 

上目遣いで聞いてくるその声色は、予想だとか直感という曖昧なものを伝える探り探りでなく、絶対的自信を滲みださせるものだった。

それを感じ取った零は、ただただ黙り込む。

確かに、寝泊まりしているアパートに置いてある本は、既に読み込まれたISの製作やソフトウェアに関する本。零は、IS学園以前にISの参考書を読み耽っていた・・・簪が専用機の製作が、『白式』によって止められた事実に、確証が無い時期からだ。

 

本音「かんちゃんね、それを教えた時ね・・・泣いたの。嬉しそうに」

 

零「はあ?」

 

零がその事実を隠していたのは、簪から迷惑がられるという単純な理由だった。だからこそ、「嬉しそうに泣いた」という発言に対し、素っ頓狂な感動詞を口にした。

 

本音「あんなかんちゃん、子供の頃以来で久々に見たんだぁ。かんちゃんが笑うと私も嬉しくて・・・でも、それをさせたのがれいちんで・・・それが悔しくて・・・だからぁ!」

 

正座から上体を零に寄せた本音の手が、ギュッと畳についていた零の片手を握りしめた。

 

本音「これからも・・・かんちゃんの事、大事に、してあげてね」

 

涙目を浮かべる本音の表情から零は悟る。

本当は、零ではなく、専属の従者であり・・・何より親友の本音自身が、冷えた簪の心を暖めてやらなければなかった・・・その努力をしなければならなかった。

悔しい・・・だけど、嬉しい。零に対する感謝・・・嫉妬。本音は、この対照的な感情が揺れに揺れていた。

 

零「・・・」

 

零は何も返す事が出来なかった・・・何故なら、さっきまでの自分は、自分の身を案じ恐怖に負け、自分の殻に引き篭もるため屁理屈を並べていたのだ。

そんな自分を恥じて、ようやく覚悟が決める零の瞳は、鋭さが無くなったが意志の固さを表す力強さが宿っていた。

 

真耶「誰かいるんですかー?」

 

本音「ま、まやまやだぁ・・・早く戻ろう~」

 

握った片手を今度は引っ張るように立ち上がった本音。だが、零は座ったまま動かない。

 

零「先に、行ってください・・・僕は違う所から戻りますから」

 

本音「え、うん・・・」

 

零の雰囲気が変わった事に本音は気付いたのだろう。その違和感に疑問符を浮かべる本音は、少しオドオドしていた。

 

本音「じゃあ・・・気を付けてね」

 

零「はい」

 

そう言い残して本音は静かに襖を開け、さささ~と去って行った。

あの「気を付けてね」が、先生に見つからないようにね、の言葉だったのか、それとも─────

 

零「・・・」

 

一夏「・・・零」

 

零「ええ・・・行きましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

  [ガラガラッ]

真耶「────あれ? 確かにここから話し声が聞こえ────お、織斑先生っ! 織斑君が────」

 

 

箒「くそっ・・・何ていう火力と機動性だ」

 

場所は戦場へと戻り、シャルロットの背に乗って飛行する箒がぼやく。

『紅椿』は、『白式』の零落白夜と同じ仕様を全身の装甲に使われているため、飛行するだけでエネルギー消耗が激しい。

その温存方法として、攻撃を仕掛ける前はこうやって味方のISに乗る作戦になっている。

 

シャルロット「あそこまでの性能なのに、エネルギーの消耗を感じられない・・・軍用ISにしては、圧倒的すぎる」

 

ISの世界的位置づけは、核兵器みたいなものだ。戦争には使用しないが、脅しの道具となりうる。

ならば、『銀の福音』とは一体、何の目的のために存在するのか・・・それを思索するシャルロットだが、『銀の鐘』の広域射撃が襲ってきて、その思索を断ち切りスピードを上げた。

 

セシリア「ラウラさん!」

 

ラウラ「了解!」

 

みなまで言わないでも、お互いの考えていることが分かるように、セシリアのライフルとラウラのレールカノンの射撃が、同時に発砲された。

福音の軌道上全てを押さえた狙撃。二人の予想通り、福音が避けた場所にライフルのレーザーが直撃し、またそこにカノン砲が命中する。

 

鈴音「はあぁ!」

 

動きが静止した福音に斬りこむ鈴音。しかし、するりっと避けられてしまう────それも計画の内だ。

 

鈴音「後ろ、取ったぁ!!」

 

斬りこみの勢いに任せた『甲龍』は福音の背後に回り、至近距離で衝撃砲をぶつけた。

そのパワーによって、『銀の鐘』の片翼が破壊され、付け根から折れて海に落ちていった。

 

福音『ダメージレベルB。即時、対応』

 

鈴音「箒!────ぐふっ!」

 

衝撃砲をもろともせず、ブースト付きの回し蹴りを鈴音に決めると、『甲龍』は力無くして暗黒の海へと落ちていく。

 

箒「このっ、よくも鈴を!」

 

シャルロット「突っ込むよ!」

 

現在の『カスタムⅡ』には防御パッケージ『ガーデン・カーテン』を装備しており、実体シールド・エネルギーシールドをそれぞれ二枚を正面に展開して、『銀の鐘』の弾幕を防ぐ。

距離が50メートルを切った時、全てのシールドが半壊されたが、『紅椿』が斬りかかる距離にしては十分すぎる距離だった。

 

箒「ハァッ!」

 

両手に持つ刀を平行に振り下ろす・・・狙うわ、頭部から翼のように生える『銀の鐘』。

だが、その刃は目標を斬るどころか、福音の手によって受け止められた。

箒が驚愕している間にも、福音の手の装甲が熱をもって溶け始める。しかし、このままで終わる福音ではない。

 

ラウラ「箒! 武器を捨てて離脱しろ!」

 

ぐぐぐっと両手に持つ刀が外側に押し上げられ、箒の胴体が無防備になる。そこを狙う『銀の鐘』・・・そんな危機的状況であっても、箒の瞳には闘志が燃えたぎっていた。

 

箒(ここで引くわけにはいかない・・・『紅椿』!)

 

心の叫びが届いたのか、つま先の装甲が変形しエネルギー刃が出現。箒は刀から手を離し、その場を頭から一回転して刃のかかと落としが残る片翼を叩き斬った。

重要な推進力を破壊された福音は、空を飛び続ける力を失い、海へと落ちていった・・・。

 

箒「はぁはぁ・・・やったか?」

 

福音が手から零した『雨月』『空裂』を取り戻した箒は、息を荒げながら他の仲間に尋ねた。

 

セシリア「ええ、私達の勝ちですわ─────」

 

長かった戦いを、雲から覗く月明かりが祝福している・・・ように誰もが勘違いした。

 

「「「「「っ!?!?」」」」」

 

ようやく緩められた緊張の糸が、再度、ピンと張り詰める。

それは、各ISに映し出される『WARNING』というウィンドウ・・・そして、福音の落下箇所から眩く光る玉によって膨れ上がるのを、目視で確認した事によって起きる天国から地獄・・・。

海面からゆっくりと上昇する光玉の中には、やはり福音がいた。

 

福音『キアアアアアアアアアア・・・!!』

 

獣の咆哮が己を包んでいた光玉を吹き飛ばす。

そして、ゆっくりと・・・ゆっくりと、まるでサナギが蝶へと変態するかのように、切断された頭部から"エネルギー体の翼"が生えた。

その異常現象に、いち早く原因に気付いたラウラが叫ぶ。

 

ラウラ「マズイっ! 第二形態移行(セカンド・シフト)だ! 全員、早く退k─────がっ!?」

 

福音の翼がバサッと羽ばたくと、先ほどよりも向上した機動性でラウラの首を絞める。

 

シャルロット「ッ! ラウラを離せぇっ!」

 

ラウラ「よせ、逃げろ! コイツは────」

 

すぐさまシャルロットが近接ブレードを展開させて、福音に斬りかかるが、惜しくも空いた片手によってシャルロットも捕えられてしまう。

そうしている間にも、ラウラと『シュヴァルツェア・レーゲン』は福音の翼に包まれ、中ではゼロ距離弾雨を味わられた。

翼から解放された時には、ぐったりとしたラウラが福音の手から離れ、海へと落ちていく・・・。

 

シャルロット「ラウラぁ!!─────よくもっ!!」

 

目の前で友人がやられた事に逆上したシャルロットは、冷静さを失って、得意の『高速切替(ラピットスイッチ)』でブレードからショットガンに切り替え─────

 

[ドンッ!]

 

シャルロット「ぇ────」

 

銃声ではない・・・。福音のあらゆる装甲から小型のエネルギー翼が生え、シャルロットもまた、ラウラと同じ目に合わされ、海へと投げ出されたのだ。

全身から放出されるエネルギーが『カスタムⅡ』を徹底的に打ちのめした後、次の狙いはセシリアだ。

 

セシリア「この性能・・・軍用とはいえ、あまりにも異常な────くっ!」

 

中遠距離を得意とする機体は、接近されると弱い。さらに言えば、銃身が長い武器だけの武装を持つ『ブルー・ティアーズ』にとっては、距離を詰められればそれで一撃で沈められる。

結局、何とか距離を取ろうとしたセシリアの努力は実らず、他二名と同じように海へと沈められた・・・。

 

箒「許さない・・・必ず、私が墜とす!」

 

たった十数秒で仲間がやられた恨みを、振るう刀に流し込んで福音に向けて斬りこんでいく。

箒に対してもゼロ距離射撃を決めようとする福音だが、その伸びた手をアクロバティックな動きで回避され、徐々に押され始めた。

 

箒「うおおおおおおっ!!」

 (いける! これならっ───)

 

容赦のない攻撃が確実に福音のダメージとして蓄積されている。

そこに、最後の一撃として『雨月』の打突が突かれたが────

 

[キュイィィン・・・]

箒「なっ!? またエネルギー切れだとっ!?─────ぐあっ!」

 

刀の切っ先だけが装甲に刺さったが、エネルギー切れの影響で思った攻撃は出来ず、その隙に箒は福音の右手に捕らわれてしまった。

もう少しだというのに、と後悔だけを宿した瞳が、福音の無機質なハイパーセンサーと睨みあう。

 

箒「ぐっ・・・うっ・・・!」

 

右手に加わる力がどんどん強くなり、圧迫された喉から苦しげな声が漏れる。しかし睨みを止める事はない。

少しずつエネルギー体となった『銀の鐘』が、『紅椿』を包み込もうとする・・・その敗北までのカウントダウンに恐怖すら感じた箒は、うっすらと瞳に涙を浮かべた。

 

箒(────会いたい)

 

ゼロ距離弾雨秒読みの中、箒の頭にただ一つの事だけを思い浮かべていた。

 

箒(一夏に、会いたい────すぐに会いたい、今会いたい)

 「いち、か・・・」

 

知らず知らず、その口からは一夏の名前を呼ぶ声が出ていた。

覚悟を決めた箒は静かに瞼を閉じ、瞼の隙間から漏れた雫が頬を伝う─────

 

箒「一夏・・・」

 

[ィィィィンッ!!]

福音『!?』

 

箒「え・・・?」

 

突然、福音は箒から手を離す。

いきなりの出来事に混乱している箒が、瞼を開けて見たのは、強力な荷電粒子砲によって吹き飛ぶ福音の姿だった。

 

箒(な、何が起きて────ッ!)

 

福音が狙撃された方角から、戦闘空域に急速で飛んでくる二機のIS反応・・・それは────

 

 

零「絶対に、救ってみせる・・・!」

 

一夏「もう俺の仲間を、誰一人としてやらさねぇ!!」


 
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