オーサカ・シティ、ミナミ地区はテンノージ。

今回、オーサカ・ミナミ警察署に出張に来ていたラミナ警察署生活警備課のミウとテムナ。

さらに本庁のタム、R-9隊のパム、トーキョー・ベイ署のマオやレポル姉妹、

それにフリーの発明家ペディたちも加わり賑やかな風景であった。

「んー、串カツ食うんもひっさしぶりやわ~♪」

「まだまだあるで!さ、食べ食べ!!」

場を仕切るのはテムナの母親にしてカンサイ支部長のシンシア。

さらにミナミ署のノリコ署長や、M-9隊のミサキ隊長、キューシュー支部長でミウやタムの母であるミーアも参加していた。

「それにしてもコレだけ集まってわいわいやるのも久しぶりよね」

「ホンマやねー…ってちょっと待って。ミーア、またムネ大きなったんとちゃう?」

「まっさかー!そうそう大きくなんかならないわよw」

「ぐ…ウソや!絶対大きなってるて…」

「まぁまぁ、ママもシンシアさんも抑えて!せっかくだからここはシンシアさんのご好意に甘えるとしましょ」

「異議なーっし!!」

 

「それじゃまずは一本もらいますね!」

マオが串カツを一本手に取り、ソースにつけてほおばる。

「おお、なかなかいい食べっぷりじゃない」

「実はまだ夕飯食べてなくて…」

シラセの言葉に赤面するマオ。

「うんうん、ここの串カツおいしいわよね。ちょっともう一口いっちゃおうかしら」

と、ペディとマオが再びソースをつけようとしたそのときである!!

「「「「待てーぃ!ソースの二度漬けはあかーん!!」」」」

「「ひいっ!?」」

シンシア、テムナ、ノリコ、ミサキの四人が同時に大声を発したため、思わず串カツを引っ込めてしまうスペア姉妹。

何が起きたのかわからずきょとんとしているマオに、ミサキとノリコはさらに続ける。

「ソースはみんなで使うモノやねんで。一度口つけた串カツをもう一度つけたあかん!」

「せや。二度漬け厳禁!オーサカの常識やで!」

「でも、このままじゃ味が…」

 

マオの言葉をさえぎるように、今度はテムナが説明する。

「あのなー…味薄かったらな、塩かけたらええねん。結構イケるで?」

「あ、ホントだ…」

またひとつオーサカの味を覚えたスペア姉妹の傍らで、サウヤが一品取り出して頬張る。

「じゃ、あたし餅いくわね」

「うーん、これ何本でもイケる…こんどルリちゃんたちにも教えてあげようかしら!」

と、既に3本食い進めているのはパム。そんな彼女が、ソースに串カツをつけようとしたその時…!

「「「「せやから、二度漬けはあかん言うてるやろ!!」」」」

「ひぃっ!?」

…数十分後。

「うーん、やっぱり串カツは美味しいんだけど、お酒がほしくなるわよね」

と、ペディはぽつりと呟くと、近くを通りかかったキツネ形ロボットの店員を呼び寄せた。

 

「すみませーん!生ビールひとつお願いしていいかしら?」

すると矢継ぎ早に注文する大人勢。

「じゃあアタシ焼酎ね!こいつが入らないとさーっ!」

「お姉ちゃんやめて、前回の惨事が繰り返されるだけだって…」

「大丈夫よシラセちゃん、いざとなったら私とシンシアで阻止するからww」

そしてこれに便乗せんとジュースを注文するマオ、パム、シラセ。その横では…。

「で、署長は?酒飲みはらへんのですか?」

「あー…うん、ウチはパスや。酒飲まれへんねん」

「えー…」

「いや、えーちゃうてミサキ。ホンマあかんねんて…あ、ウチジンジャーエールたのんますー!」

 

想い想いの飲みものが届いたところでいよいよ始まるは宴会ムード。

「でさあ、確保したはいいんだけど蹴っ飛ばされちゃって。そのまま突っ込んだ先がキウイだったわけよ」

「それは災難やなw」

「でしょ、あたしってほらネコ形ファンガーじゃん?キウイのにおいが鼻の中に入ってそのまま酔っ払っちゃってさあ…股座開いてねっころがっちゃッたらしいのね」

「ミウさんよ、アンタのそれは甘いぜ?アタシなんか日中トップレス…あれ」

裏人格になったシラセがそんなことを口走った瞬間、テムナが突然はやしたて始めた。

「そーれーはいわゆる粗相~♪」

続いてシンシア、ノリコ、ミサキまでもがつられて歌いだす。

「「「そーれーはいわゆる粗相~♪」」」

「や、やっちまったー!くそー!!」

「「「「S・O・S・O、ハイ粗相♪粗相♪粗相♪粗相♪」」」」

みんなにはやし立てられるがまま、コーラを一気飲みするシラセ。

「ぐへー、腹が…」

「炭酸一気飲みはきついってwwww」

…食べて、飲んで、どれだけの時間が過ぎただろう。

2時間食べ放題もそろそろ終わりに近づいた頃だった。

「ふー。食った食った。アタシはもう満腹さね!」

「こんなに食べたの久しぶりだよねw」

「せやねー。カチャーシー以来かな?w」

みんな腹いっぱいに串カツを平らげ、程よく酔っ払った。

「それにしても今回サウヤさん悪酔いしてないわね」

「まあ、必死でブロックしてたからねw」

「くそー、あとで覚えときなミーア…!」

みな思うところはあるだろうが、すっかり満腹、満足な食事会。

その終わりもまた、シンシアが音頭を取っていた。

 

「はい、それでは今夜はこれにて解散としますけどもー、よりいっそうの親睦を願いまして、オーサカ締めで締めたいと思いますー!!」

「よっ!待ってました支部長!!」

「ひゅーひゅー!!」

一同が両手を構えて手拍子の準備に入る。

「ではウチのあとについてきて!せーの!」

 

「「「「打~ちまひょ!!」」」」

(パン!パン!)

「「「「もひとつせぇ!!」」」」

(パン!パン!)

「「「「祝うて三度!!」」」」

(パンパンパン!)

 

「シンシア支部長、本日はごちそうさまでした!!」

「「ごちそうさまでしたー!!」」

「いやいや、かめへんよー。集まってくれてホンマおおきにー!」

…いつしか窓の外には月が浮かんでいた。

かくて、オーサカの夜は賑やかにふけていくのであった。

 


 
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