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真・恋姫†無双 外史 ~天の御遣い伝説(side呂布軍)~ 第三十九回 第三章A:臥竜鳳雛捜索編③・遭遇!はわわ軍師

stsさん


みなさんどうもお久しぶりです!初めましてな方はどうも初めまして!

今回ははわわ軍師との遭遇です!ネタバレぇ・・・

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2014-05-11 00:01:14 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:5663   閲覧ユーザー数:4556

 

張遼「ハァ~~~~~~~~~~~~・・・・・・」

 

 

 

張遼は城下の酒場で、酒を片手に大きなため息をついた。

 

 

 

厳顔「まぁ、そう何度も気を落とすな。遠征が1日2日増えたぐらいでは何も変わらぬだろうに」

 

 

 

北郷が三顧の礼のフラグに気づいてから、また2,3日の遠征延長が確定したため、

 

高順から再びその旨の連絡が成都に伝えられたのであった。

 

北郷が三顧の礼のフラグに気づいたその日の夜、張遼の晩酌の相手はやはり厳顔である。

 

 

 

張遼「せやけどやで!もう今日で6日目、いくらもーすぐ見つかりそーやからって、場所分かったんやったらいっぺん帰って来い

 

っちゅー話や!っちゅーか代われアホ!!」

 

 

 

張遼は建前から本音をダダ漏れさせつつ、グイっと一気に盃を空にすると、

 

自ら手酌で注ぎ直し、本日3本目となる酒瓶を空にし、4本目を注文した。

 

 

 

張遼「もーいっそのこと今からウチも襄陽に行ったろか!最近はついにねねもイライラし始めてるやろ!?まぁ、あれは自業自得

 

やけど・・・いやそんなんは別にえーねん!せやからねねを何とか言いくるめて、ウチの襄陽行きを許してもろて、一刀を連れて

 

帰ろー思ってんねん!どやろか!?」

 

 

 

別に無断で行けばいいだけの話のような気もするが、そこは一応自身の立場を理解し、筋を通そうとする張遼なのであった。

 

 

 

厳顔「・・・それで、わしに良い案はないか、と言いたいのか?」

 

張遼「せや!ウチそーゆーの考えんの苦手やさかい、桔梗はんの知恵を借りたいっちゅーことや!」

 

 

 

そういうと、張遼は厳顔の盃になみなみと酒を注いでいく。

 

 

 

厳顔「まぁ、霞よ。お主の言いたいことは分からんでもないが、しかし―――」

 

 

 

と、厳顔が張遼の少々悪酔いした勢いを上手くいなし、やんわりと張遼の頼みを断ろうとしたその時、

 

 

 

兵士「厳顔様、張遼様、お食事中失礼します!陳宮様より、火急の話があるため、すぐに執務室まで来てほしいとのこと!」

 

 

 

どこで厳顔たちの居場所を突き詰めたのだろうかは分からないが、兵士が血相を変えて店の中に駆け込んできた。

 

 

 

厳顔「ねねだと?いったいこんな時分に何事だ?」

 

張遼「何や!?まさかねねの方から動いてくれるんかいな!?」

 

 

 

まさかの陳宮からのアプローチに張遼のテンションがマックスになりかけたその時、

 

しかし、兵士から発せられた話は、思いもよらぬ内容であった。

 

 

 

兵士「どうやら、国境付近で大規模な南蛮族の動きを確認!国境の警備兵が援軍を求めている模様です!」

 

厳顔「何だと!?」

張遼「何やて!?」

 

 

 

あまりの予想外な展開に、張遼の酔いが一気に吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

 

【荊州、陵中】

 

 

庵の中から出てきたのはやはり女の子であった。

 

パタパタと急ぎ足で北郷たちを出迎えてくれたのは、十代前半かと思われる少女である。

 

背丈は高順と同じくらいの小柄で、そのクリクリとした鮮やかな赤い瞳がより一層この少女を幼く見せている。

 

ブロンドのショートヘアにエメラルドグリーンの大きなリボンが付いた殷紅色の帽子をかぶっており、

 

白のチュニックに帽子と同色の上着を羽織り、首元には一対の鈴を身に着けている。

 

腰には帽子についているものと同じ大きなリボンを巻き、青色のスカートをはいており、足は白のニーソックスに包まれていた。

 

 

 

??「あのー、何か御用ですか?」

 

 

 

見慣れぬ、しかも得体のしれない服装の男の来訪に、その少女は恐る恐るといった感じで尋ねてきた。

 

 

 

北郷「すいません、ちょっと人を探してるんですけど、こちらに諸葛亮さんがいると伺ったのですが、ご存じありませんか?」

 

諸葛亮「はわわ、諸葛亮とは私のことですが・・・」

 

 

 

ようやくのビンゴに、北郷は高ぶる心を何とか沈め、体を震わせ、無言で小さく、かつ、力強くガッツポーズした。

 

目にはうっすらと涙を浮かべている。

 

内心は当然、いい意味で穏やかでいられるはずはない。

 

 

 

北郷(キタキタキタキタついにキタァアアアーーーーーーッッッ!!!もうこの際また女の子だとかしかもロリっ娘だとかそんな

 

些細なツッコミは無しにしよう!ついに見つけたぞ諸葛孔明!!この感動は恐らくどの言語でも表現しきれないぜ・・・!!)

 

 

 

一方、魏延と高順はというと、ようやく見つけられて安心してはいるものの、

 

北郷ほど、更に言えば赤髪少女に諸葛亮の存在を聞かされた時と比べると、それほど嬉しそうにはしていなかった。

 

 

 

高順「(この子が噂の臥龍・諸葛孔明ですか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さな女の子ですね・・・)」

 

魏延「(お館、本当にこんな小さい娘が凄腕の才の持ち主なのか?)」

 

 

 

二人のつぶやきには、やや棘が含まれているようであったが、例によって北郷は全く気付いている気配はない。

 

 

 

北郷「(いや、彼は・・・じゃない、彼女はオレの知る限り最も優秀な軍師の一人。この世界でもその可能性は十分高いはずだよ)」

 

諸葛亮「あの、立ち話も何ですから、お茶でも飲みながらお話ししますか?」

 

 

 

何やら北郷たちから訳有りな雰囲気を感じ取った諸葛亮は、そのまま北郷たちを庵の中へと招いた。

 

 

 

 

 

 

【荊州、陵中、諸葛亮の庵】

 

 

北郷たちは庵の中の居間のような小さな部屋に案内された。

 

 

 

諸葛亮「そうですか、昨日もわざわざ・・・すいませんでした。家を留守にしていまして」

 

 

 

諸葛亮はお茶とお茶菓子を差し出しながら申し訳なさそうに謝罪した。

 

 

 

北郷「いえ。でもよかったんですか?見たところ諸葛亮さんはここで一人暮らししてるみたいですし、か弱い女性が見ず知らずの

 

オレらを家の中に上げちゃって・・・」

 

 

諸葛亮「はい、ここにたどり着いた方々なら、少なくとも悪い方ではありませんから」

 

 

 

にっこりとした笑顔で答えた諸葛亮のその言葉は、しかし言っている意味が全く理解できなかった。

 

 

 

魏延「んん??・・・いったいどういうことだ?」

 

諸葛亮「ふふ♪あなた方は、刃物をお手玉にして遊んでいる赤毛の女の子にここを教えてもらったのでしょう?」

 

高順「どうしてそれを!?」

 

 

 

少なくとも、北郷たちが赤毛少女に諸葛亮の所在を尋ねているところを目撃されてはいないはずである。

 

そのため、知り得るはずのない情報を持っていた諸葛亮に、高順はすぐに湧き出た疑問をぶつけた。

 

 

 

諸葛亮「そもそも、この場所は道術による特別な結界に守られていて、ここにたどり着くには、というより、この場所を認識する

 

には、この結界を張ってくれているあの子に、結界の中に入ることができるようになる道術をかけてもらわないといけないんです。

 

ここ陵中は小さな村なのに、誰一人として私のことを知らないのは、不思議ではありませんでしたか?」

 

 

 

確かに、普通小さな村であれば、村人全員が村人の情報を共有しているものである。

 

まして、諸葛亮のように外からやって来た人となると、なお有名になるはずなのである。

 

 

 

北郷「結界・・・ですか・・・何だか穏やかじゃないですね」

 

 

 

なんだかとんでもない単語がでてきたなぁけど陰陽道とかの起源は道教だっていうしあながち本当にあるものなのだろうか、

 

などと考え、北郷は何とか非現実的な現状を飲み込もうとする。

 

 

 

諸葛亮「水鏡先生の門下生というだけで有名になってしまいますから、特に私みたいに女の一人暮らしだと何かと物騒ですし」

 

高順「ですが、あの子から術のようなものは受けていませんが・・・」

 

 

魏延「確かに、アイツはそんなそぶりは見せてないし、そもそもワタシたちは触れられてすらいないんだぞ?まさか、張魯のヤツ

 

みたいにまがいものじゃないだろうな?」

 

 

 

ちなみに張魯の場合、霧を発生させたり空中浮遊したりというのは明らかにハッタリであるが、

 

一応五斗米道の気功術によってお米を美味しく仕上げることが可能なため、完全にまがいものというわけでもない。

 

 

 

諸葛亮「まぁ、気づかなくても無理はありませんが、とにかく、あの子の人を見る目は誰よりも信頼できます。ですから、あの子

 

がここに来ることを許した方々なので、安心して中に案内できるという訳なんです」

 

 

 

そこまで言われたら、今度は気になるのはあの赤毛少女の正体である。

 

 

 

北郷「あの子はいったい何者なんですか?」

 

諸葛亮「あの子の名は徐庶、字は元直。私と同じ、水鏡先生の門下生で、私の友達です」

 

 

 

諸葛亮の口から出た人物の名は、これまた三国志の中でも有名な人物であった。

 

 

 

北郷(徐庶、か・・・これまた大物だなぁ・・・)

 

 

 

高順「結界の類を扱えるということは、彼女は本物の道術師なのですか?」

 

 

 

かつて、陽平関で張魯軍と対峙していた際、陳宮は道術師などの類はまやかしであると断言していたが、

 

一方、高順はその多くは偽物でも、ほんの一握りは本物であろうという認識を持っていた。

 

 

 

諸葛亮「いえ、あの子は別に道術師という訳ではなくて、確か興味があって少しかじったって言ってましたよ」

 

 

 

興味があったから少しかじってそれでできるなんて、なんてハイレベルな人なんだ、と、

 

北郷は内心度肝を抜かれながらも、なんとか平静を保って話についていこうとしていた。

 

 

 

 

 

 

北郷「へぇ、これって諸葛亮さんの手作りなんですか?」

 

 

 

北郷たちが諸葛亮の庵に入ってからやや時間がたっていたが、

 

話はなかなか本題に入らず、今は出されたお茶菓子について話が移っていた。

 

お茶菓子は桃のような形をした饅頭、つまり桃マンである。

 

 

 

諸葛亮「はい♪こっちは私が作ったもので、こっちは元直ちゃんが作ったものです。前は他に雛里ちゃんっていう子と三人でよく

 

お菓子作りをしてたんですよ♪」

 

 

 

そんな話を聞くと、本当に普通の女の子と変わらないのになぁ、と北郷は思いつつ、そして何気に女の子の手作りお菓子という、

 

人生初体験を早く実現させるべく、神妙な面持ちで諸葛亮が作った方の桃マンを食した。

 

そして、一瞬の間の後、北郷の目がカッと見開かれた。

 

 

 

北郷「むむっ!?このふわっふわの皮は口当たりがよく!さらに甘さをやや抑えたアンが、甘いものを苦手とした人でも問題なく

 

食べられるよう一工夫されているこの心意気!そして、何と言ってもこの一口サイズという大きさが!お茶しながら、話しながら

 

手軽につまめるという憎い演出を施している!そう、さながらこれは、どこぞの止められない止まらないで有名なあの某スナック

 

菓子のように、いくらでも食べられちゃいますね!」

 

 

諸葛亮「はわわ~、しょんにゃに褒めりゃれちゃうと照れてしまいましゅ~」

 

 

 

諸葛亮は北郷の相変わらずの謎のグルメリポートによる褒め言葉に、両頬に手を当て、やや噛み気味に、赤面して喜んでいた。

 

 

 

魏延「・・・お館はいったいどこへ向かっているんだ?」

 

 

 

一方魏延はというと、まさかそんな感じで諸葛亮を口説き落とすつもりじゃないだろうな、

 

と内心心穏やかでないものの、なんとか表に出ないよう注意を払い、もう一つの心配事である、

 

北郷が実は料理記者でも目指しているんじゃないかという危惧の方を口にした。

 

一方、高順はというと・・・。

 

 

 

高順「・・・モフッモフッ・・・モグモグ・・・モフッモフッ・・・」

 

 

 

北郷の発言に気を留めることなく、無心に徐庶が作ったという桃マンを食べていた。

 

こちらは甘いもの好きには嬉しい通常のサイズよりやや大きいボリューミーな桃マンであり、

 

高順の今まで見たことないような、今にもとろけてしまいそうな極上の幸せ顔を見るに、

 

どうやら高順は甘いものに目がないようである。

 

 

 

 

 

 

その後、少しの間雑談をしたのち、忘れていたといわんばかりに北郷がようやく自己紹介を始めた。

 

 

 

北郷「申し遅れました。改めまして、オレの名前は北郷一刀、益州牧と成都領主をやっています。こちらは仲間の魏延と、同じく

 

仲間の高順です」

 

 

 

北郷に紹介されるままに、魏延と高順も挨拶をしていく。

 

普通名乗りの挨拶は初めにするものであり、北郷の行動は無礼極まりないのだが、諸葛亮は特に気にしていないようである。

 

それよりも、北郷の正体に何か思い当たることでもあるのか、反応を見せた。

 

 

 

諸葛亮「はわわ、もしかして、2年くらい前に、悪政を行っていた劉璋さんや張魯さんを倒して、疲弊していた益州の街々の立て

 

直しを御図りになったという、あの噂の天の御遣い様ですか?」

 

 

北郷「正確には倒したっていう訳じゃないんですけど・・・はい、天の御遣いっていうのはオレのことです。正直、あまり実感

 

ないんですけどね」

 

 

 

どうやら、世間的には天の御遣いが劉璋や張魯を退けたということになっているらしかった。

 

しかし、ここで詳しく説明する必要もないため、北郷は、ははは、と力なく笑い、頬をかきながらスルーすることにした。

 

 

 

諸葛亮「ですが、天の御遣い様が私のようなものに用とはいったい・・・」

 

北郷「実は諸葛亮さんに折り入って頼みたいことがありまして」

 

諸葛亮「はわわ、なんでしょうか?」

 

 

 

北郷の真剣な表情に、諸葛亮も背筋を伸ばして聞く態勢に入った。

 

話の流れとはいえ、ここにきてようやく北郷は本題を切り出した。

 

 

 

北郷「諸葛亮さんに是非オレたちの仲間になってほしいんです」

 

諸葛亮「はわわ!?」

 

 

 

北郷の誘いに、諸葛亮はかなり驚いているようであった。

 

 

 

北郷「この乱世を終わらせるためには、諸葛亮さんの知恵が必要なんです!どうか、どうか!オレたちの所に来ていただけないで

 

しょうか!」

 

 

 

北郷は最初、諸葛亮を口説き落とすにはどんな言葉がいいか、などと道中考えていたものだったが、

 

いざその時になると、それらの考えていた言葉などすっかりどこかへ行ってしまい、

 

結果、何の飾り気もない、素直な気持ちをそのまま諸葛亮にぶつけることになった。

 

北郷は深々と頭を下げ、魏延と高順も北郷に倣って頭を下げている。

 

 

 

諸葛亮「はわわはわわ、まましゃかみちゅかいしゃまから、しょしょのようなことを言っていちゃぢゃけりゅにゃんて、夢のよう

 

べふぃっ!?」

 

 

 

諸葛亮は気が動転しているのか、先ほど以上に噛みまくって真っ赤になっていた。

 

飾り気のないまっすぐな気持ちほど、相手に届くものである。

 

 

 

―――しかし・・・

 

 

 

諸葛亮「ですが、申し訳ありません。御使い様のお仲間になりたいのは山々なのですが、1,2か月ほど前に劉備様という方から

 

同じようにお誘いを受けまして、引き受けてしまいました」

 

 

 

一度大きく深呼吸し、落ち着いてから口を開いた諸葛亮の返事は、北郷たちの希望に沿わないものであった。

 

諸葛亮は目を閉じ、その時の情景を思い出していた。

 

 

 

 

 

 

<お願いします諸葛亮さん、皆が笑顔でいられる世界を作っていくために、どうか私たちと一緒に来てもらえませんか?>

 

 

<はわわ、わざわざ三回も主君自ら足を運んでくださったそのお気持ち、答えないわけにはいきません。お役にたてるかどうかは

 

分かりませんが、この諸葛孔明、劉備様のためにこの才の全てをお捧げ致します>

 

 

 

 

 

 

<はわわ!?どうされたのですか桃香様!?以前申し上げましたように、私は水鏡先生に出された問題を解けるまではここを出る

 

ことはできません。ですから今しばらくお待ちくだ―――>

 

 

<お願い朱里ちゃん!!愛紗ちゃんを・・・かけがえのない仲間を助け出すために、どうか私たちに知恵を貸してほしいの!!>

 

 

 

 

 

 

諸葛亮「今は個人的な理由で劉備様の元には行っていませんが、いずれは向かうつもりです。ですから、御遣い様のお仲間になる

 

事は出来ません。本当に申し訳ありません」

 

 

 

諸葛亮はすでに劉備から三顧の礼を受けて、劉備軍入りを決めていたようであった。

 

 

 

北郷(りゅ、劉備ェ・・・いや、元々諸葛亮は劉備軍に入るんだから別に文句はないけど、けど、早すぎるだろぉ~時期がぁ~。

 

まだ官渡の戦い始まってないよぉ~ぐぬゥ・・・)

 

 

 

とは思ったものの、ここから諸葛亮を引き抜くに足る理由や言葉を北郷は持ち合わせておらず、

 

それとなく目配せをして魏延と高順の反応を見るに、二人とも無理だろうというサインを返してきたため、

 

北郷はふぅ、と小さくため息をつくと、潔く諦めた。

 

 

 

北郷「そう、ですか・・・それなら仕方ないですね・・・」

 

諸葛亮「はわわはわわ、本当に申し訳ありましぇん」

 

 

 

諸葛亮は本当に申し訳なさそうに深々と、それはもう机におでこが付きそうなほど深々と頭を下げて謝った。

 

 

 

北郷「いえ、劉備さんにはまだ会ったことはありませんが、乱世を終わらせたいという志を持った、徳の高い人だと聞いています。

 

諸葛亮さんの力も、劉備さんの元で、乱世を終わらせるために発揮されると思います」

 

 

 

北郷はかつて劉備軍と同盟を組んでいた呂布たちから聞かされて抱いた感想を率直に述べた。

 

(当然、「けっこう抜けている」だとか、「主君としての威厳にかける」などという悪口的な情報は一切口にしないが)。

 

しかし、北郷はいい感じのことを言って締めようとはしているが、これで北郷たちはまた振出しに戻ってしまったのである。

 

 

 

高順「一刀様、いかがいたしますか?もうこれ以上捜索を延長するわけにはいきませんし・・・」

 

魏延「だが、このままだと国の文官不足は解消されないぞ?」

 

北郷「ちなみに、徐庶さんも仕官先が決まってたりするんですか?」

 

 

 

北郷は、どうせ決まっているだろうなぁとは思いつつも、少しの可能性を信じて尋ねてみた。

 

 

 

諸葛亮「はい、元直ちゃんも私より少し早くに劉備様に仕官しています。今は私一人をここに残すのは心配だからと、一緒にいて

 

くれているんです」

 

 

 

りゅ、劉備ェ・・・と心の中で恨んでも始まらない。

 

なぜなら徐庶も元々三国志でも初期の頃は劉備軍に仕えた軍師だからである。

 

 

 

北郷「・・・なら諸葛亮さん、最後に一つだけお尋ねしてもいいですか?」

 

諸葛亮「もちろんです。私のお答えできることなら何でも聞いてください」

 

 

 

北郷は最後の最後に悪あがきをした。

 

そう、今回の襄陽遠征のもう一つの目的である鳳雛、つまり鳳統の所在を尋ねたのである。

 

諸葛亮と鳳統は同門の友として三国志でも有名であるため、知っている可能性は十分高かった。

 

 

 

北郷「この襄陽付近に鳳統という人がいるか知りませんか?」

 

 

諸葛亮「もちろん知っています。鳳統は私の親友です。ですか、ついこの間までは襄陽にいたのですが、数週間前に旅立ちました。

 

どうやら仕官したい方がいるとか、誰のところかは教えてもらえなかったのですが・・・」

 

 

 

もちろん知っています、と聞いた瞬間、北郷サイドは身を乗り出すほどの反応を示し、

 

喜ぼうとしたのもつかの間、再びどん底に叩き落されてしまった。

 

 

 

北郷「劉備さんのところじゃないんですか?」

 

 

諸葛亮「いえ、それもわかりません。内緒にしていて劉備様のところで驚かせようってことはなくはないですが・・・お役に立て

 

なくて申し訳ありません」

 

 

北郷「いえいえ!鳳統さんが実在していると聞けただけでも十分です!突然訪問してお騒がせしました。ありがとうございました」

 

 

 

再び諸葛亮がものすごい勢いで謝罪しようとしたのを何とか制し、北郷はお辞儀をし、魏延・高順も北郷に続いて礼を述べた。

 

 

 

諸葛亮「はわわ、こちらこそ御遣い様にお会いできて光栄でした。また、ご縁がありましたらお会いしましょう」

 

 

 

一方、諸葛亮も慌てた様子でお辞儀を返した。

 

そのまま、北郷たちは諸葛亮の庵をあとにし、空も若干暗くなりかけていたため、

 

今夜は襄陽の宿で一晩過ごすべく、襄陽へと移動を開始した。

 

 

 

【第三十九回 第三章A:臥竜鳳雛捜索編③・遭遇!はわわ軍師 終】

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

第三十九回終了しましたが、いかがだったでしょうか?

 

フラグが成立してないのに朱里ちゃんに会えたということは、つまりはそういうことでして、

 

結局、朱里ちゃんには会えたけど、すでに桃香さんのものでしたというお話でした。ぐぬぬ、、、

 

そして赤毛少女の正体は、なんとなく想像通りだったかなとは思いますが、徐庶でした。

 

なんかごちゃごちゃした子なので軽くキャラ紹介をば、、、

 

 

徐庶:ジョショ。字は元直。見た目十代前半。小柄。淡いブルーの瞳。赤毛のストレートヘアをふくらはぎ辺りまで伸ばしている。大きな薄桃色のリボンとえんじ色のミニシルクハット、白のチュニックに帽子と同色の上着、首元には一対の陰陽魚のアクセサリー、腰には帽子に付いたリボンと同様の大きなリボン、若竹色のスカート、裾からは黒のスパッツがチラリと見えている。赤面症。「わわわ」「えーと」が口癖。水鏡先生の門下生で、朱里ちゃん・雛里ちゃんとは同期で親友。趣味はお手玉とお菓子作りと人物評。よく包丁をお手玉にして遊んでいるが、これら刃物を投擲物として戦うこともできる文武両道の子。また、道術も少しかじっており、陰陽魚のアクセサリーを媒介に、結界を張ることができる。その結界は陰陽魚のアクセサリーを一定のリズムで打ち鳴らした音を聞くと認識でき侵入できるようになる。桃香さん配下となったが、朱里ちゃんを護衛するため隆中に留まっている。

 

 

服装はだいたい朱里ちゃんや雛里ちゃんの色違いといったイメージです。

 

なんだか全部盛りましたという設定過多な子になってしまいましたが、

 

結界!?というシュールな設定がありますが、こちらは似非妖術師張魯のようなやつでなく、

 

本物の術者がこの恋姫世界では存在するよというのを示したかったためです。

 

(あとは個人的に諸葛亮が見つからないのは超常的な力が働いているからだと思っているから)

 

現状、次の登場機会はかなり先(次々次章くらい?)になってしまうと思いますので、

 

もし次登場したら、あーそーいえばこんなのいたなーと思っていただければ幸いです。

 

 

さて、成都ではやや動きがあわただしくなっておりますが、果たしてどうなることやら、、、

 

 

ところで、最近知ったのですが公式様がたくさん新キャラを発表なさっていますね。

 

そこでどうしたものかと思っているのが、本作で反映させるかどうかということです。

 

すでに本作で既出の徐晃ちゃんや孫堅さん、あとネタバレですが第三章で登場するシギーはいいとして、

 

これまたネタバレですが第四章の素案で男のオリキャラとして登場予定の馬兄弟をどうしましょうか悩んでます。

 

そこで、せっかくなので皆様のご意見をお聞きしたいのですが、どうでしょう、、、

 

1.折角公式様が新キャラを作ったのだから反映させたらいいんじゃないの?

2.まだキャラのこと理解してないんだから気にせずオリキャラでいったら?

3.オリキャラをこれ以上増やすなよ・・・

4.もう男のオリキャラはいいよ・・・せめて女の子にしてよ・・・

5.どっちでもいいからはよ話作れ

 

アンケートなんて初の試みですが、是非コメントしていただければ幸いです。

 

 

では、また次回お会いしましょう!

 

 

 

公式様の徐晃ちゃんヤバイ・・・

 


 
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