No.683390

【獣機特警K-9ⅡG】静かなる強奪(前編)【交流】

古淵工機さん

突如起きた夜の事件。
果たして事件の真相は!?
■出演
ヴィクト:http://www.tinami.com/view/678518
アスティ:http://www.tinami.com/view/678521

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2014-05-02 23:54:23 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:719   閲覧ユーザー数:675

ここはラミナ市郊外の住宅街。

この小さな街の一角にある無人金庫で、凶悪な事件が起きようとしていた。

 

「へっへっへ、警備システムなんか役にたたねえってことを教えてやる」

と、一人の男が防犯カメラに吹き矢のようなものを放つ。覆面で顔が隠れて見えないが、おそらくはアナグマ形ファンガーだろう。

命中したのを確認すると、男は暗号通信で合図を送る。すると音もなくパワーローダーが現れ、無人金庫の建物をレーザーカッターで切り裂いていく。

そして金庫が出てきたところをわしづかみにすると、また音もなく走り去っていったのだった。

…そうした事件が頻発しているという情報はCPF本部をかねているV.A.テクノサービスにも届いていた。

「…で、今週に入って既に5回目なんだ」

と、リュディオ・ナスノがコーヒーを配りながら話す。

「すぐ犯人が行方をくらますとは…どうしたもんかしらね」

と、会長補佐のアスティ・ヒノデ。

応接間には会長のヴィクト・シバウラのほか、ラミナ警察署生活警備課のミウ・カワグチとテムナ・ツルハシの姿もあった。

 

「それで、どこ行っても神出鬼没な上に相手はパワーローダーによる犯行。しかもわざわざ誰もいない時間帯を狙っている…」

「…だけど、パワーローダーを使うなら物音に気づいて住民が起きちゃう可能性は…」

「それがなー、訊き込み捜査の結果やねんけど、誰も気づけへんかったんやて」

「うーん…音を立てずにパワーローダーを動かす…ねぇ?」

考え込むヴィクトのCPUはフル回転。彼女の瞳の奥にあるパイロットランプが点滅を始める。

するとバックヤードから渋谷ミカと斑鳩飛鳥が飛び出してきた。

「大変!すぐに何とかしないと、みんな困っちゃうよ!」

「でも相手はパワーローダーなんだよ!?ヘタに飛び出していったらミカちゃんでも壊されちゃうよ!僕が行く!」

「ダメ!そんなことしたらあーくんが壊れちゃうよ!!」

 

「じゃあどうするの!?」

「一緒に行くの!どうせ壊れるなら二人一緒じゃなきゃ!!…ホントは壊れるのはイヤだけどね…」

「僕もホントは壊れるのイヤだよ…だって痛いもん…」

「だよね…二人揃って病院行きなんてことになったらテレジア博士に怒られちゃうもんね」

「ミカちゃぁん…」

「あーくぅん…」

 

と、ひとしきり話すだけ話すと抱き合う二人。それを見ていたヴィクトの怒りは爆発!!

「だー!事件のことを真面目に考えてるときにイチャイチャすんなーーーー!!」

「「ひぃっ!?」」

あまりの剣幕に驚き、抱き合ったまま硬直するミカとアスカ。

「…ねえ、その『音を立てずにパワーローダーを動かす』方法だけど」

と、アスティがある部品を持ってきた。

「これは?」

「駆動部分に取り付ける防音装置。それと静音モーターだよ。これをつければ以下に巨大なパワーローダーでも音は出ないってワケよ」

「なるほど、確かにこれなら何をやっても住民たちは気がつきはしないわね」

と、手を叩くヴィクトだったが、そこにミウが食いつく。

 

「でもなあ。現場にはパワーローダーの足跡がないのが不自然すぎるよ」

「タイヤかなんか履いてたんとちゃうの?」

「それだったら跡が残るじゃん!現場にはそういう類のものは一切なかったのよ?」

「「「うーん…」」」

再び考え込む3人。

「とにかく、深夜に音も立てずに犯行とはイヤな予感がするわね。アスティ、今夜は徹夜して見張るわよ!」

「えー…?まぁそりゃ、あたしらロボットだし、徹夜しようと思えばできないでもないけどさ…」

「あっ、僕も見張る!」

「あーくんが行くならあたしも!!」

と、自重しないバカップルに、今度はテムナの檄が飛ぶ!

 

「やっかましいわ!子供は家でグッスリ寝とけや!!」

「ひどーい!あたしたちだってロボットなんだよー!!」

「そうだそうだー!」

それでもなお反論するミカとアスカに、ヴィクトは諭すようにいい聞かせる。

 

「あのね、確かに君たちはロボットだけど、あたしたちと違ってまだ若いんだから、夜更かししちゃいけないんだよ。そんなことしたらママたちだって心配するじゃない。わかった?」

「「はぁーい…」」

と、声をそろえて返事をするミカとアスカ。しかし、ミカは次の瞬間とんでもないことを口走った!

 

「うーん、しょうがないか…じゃあ、今日はあーくん家に泊まって一緒のお布団で寝るー!」

「あはは、もうミカちゃんったらw」

「あーくん…」

「ミカちゃん…」

「だーーーー!!!誰かこのバカップルのスイッチ切ってまえーーーー!!!!」

テムナのお怒りもごもっともである。

「じゃあ決まりね。何かあったらすぐに警察に連絡して。それと無理はしないこと。あなたたちはあくまで一般市民なのよ」

「ええ。わかったわ、ミウ」

と、ミウと握手を交わすヴィクト。

「ほなウチらは署に帰ってK-9隊にも話つけるよって、あとは頼むで!」

「ありがと。そっちこそ気をつけてね!」

 

深夜の街を襲う奇妙な強奪事件!果たして真相やいかに!?


 
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