No.682345

これも1つの可能性 プロローグ

これは1つの可能性の物語である。
もし彼、彼女達が『転生者でなかったら』という無限の中に存在する1つの可能性、IFのストーリー…。
そんな彼、彼女達が原作に関わる時、物語はどの様な展開を迎えるのか?
原作に存在しない者達が表舞台に立つ事で紡がれる原作と似て非なる展開……その過程と結果をとくとご覧あれ。

2014-04-28 22:59:19 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:14937   閲覧ユーザー数:13168

 ~~???視点~~

 

 「フフ、こうして会うのは初めてですね。長谷川泰造さん」

 

 「…ふん。ワシとしては貴様に会う気など生きている間は決して無かったわ」

 

 とある場所に建つ屋敷に住む人物にワシは呼び出された。

 

 「ふむ…初対面だというのに嫌われているみたいですな」

 

 「貴様が発案し、進めておる計画(・・・・・・・・・・・・・・)とやらをワシが知らんと思っておるのか?」

 

 「ほう…」

 

 ワシは自分の知る限りのこやつの進めている計画について語ってやる。

 語り終えた時、目の前の男は感心した様な表情を浮かべる。

 

 「これは驚いた。まさか一個人でそこまでの情報を集める事が出来ていたとは。感服致しましたよ」

 

 「ふん…。で、どうする?ワシを殺すか?」

 

 「まさか……『衝撃の泰造』とも言われる貴方を殺す事など私には出来ませんよ。裏世界でも屈指の実力者である貴方を殺す事など、ね」

 

 流石にそこら辺は理解しておるか。目の前の男如きに殺される程、ワシはヤワではない。

 仮にいま拳銃を抜こうとしてもワシが衝撃波を放つ方が遥かに早いし、衝撃波を使わずとも簡単に接近し、一殴りするだけで屠る事も出来る。

 ……もっとも、ワシがこやつを殺す事が出来れば(・・・・・・・・)の話だが。

 現に目の前の男からは自分の身を守る様子など全く感じられない。にも関わらず余裕の表情を決して崩そうとしない。まるで『自分が死ぬ事など絶対に有り得ない』と言うかの様にな。

 

 「……まあ良いわ。それよりワシを呼んだ用件は何だ?」

 

 今、ワシは不機嫌極まりない状態である。

 目の前の男に会う事になったという現状もだが、それ以前にワシの妻『秋奈』が2日前に子を出産したばかりなのだ。ワシと秋奈の子を。

 出産の現場に立ち会い、新たな家族が増えた事に喜びを隠せなかったワシなのだが目の前の男のせいで、ロクに赤子と触れ合う間もなくこの場に呼ばれたのだからな。

 

 「実は貴方に折り入ってお願いがあるのですよ」

 

 「お願いだと?」

 

 「ええ、少々お待ちを」

 

 男は一旦部屋を退出し、すぐに戻って来た。ただ、出て行く前には何も持っていなかった両手には今、何かが抱かれている。

 

 「この子を貴方の手で育ててくれませんか?」

 

 抱かれていたのは布に包まれた赤子だった。

 赤子は安らかな寝息を立て眠っておる。

 

 「この男の子が生まれたのは一昨日なのですが、この子を産んだ母親が事故で亡くなってしまいまして引き取り手がいないんですよ」

 

 一昨日…ワシの子が産まれたのと同じ日か。

 その母親の詳細を聞かされたが、ワシとは何の接点も無い一般人だった。

 

 「何故ワシが何の関係も無い者の子を身請けなければならぬ?そもそも父親はどうした?」

 

 「父親は私ですが?」

 

 こやつの子供だと?つまりは…

 

 「貴様の計画の一端を担うという事か?」

 

 「その通りですよ。この子が成長した暁には私の手駒の1つとなるのです」

 

 「自分の子を手駒…だと?」

 

 その言い様にますますワシの機嫌が悪くなる。子を持った親として今の発言は許し難いものだ。

 

 「貴様は余程ワシの神経を逆撫でしたいようだな。それにこの赤子が将来貴様の手駒になるだと?まるで未来は既に確定しておるかの様な言い草だな」

 

 「確定してますよ。私の子である以上、運命からは逃れられない」

 

 「…ならワシは引き受ける気にならんな」

 

 「そうですか。では仕方ないですね」

 

 ワシが拒否すると男はあっさりと諦めおった。

 

 「意外だな?もっと粘るかと思っておったが」

 

 「別に拒否されても問題は無いですよ。貴方以外に育ててくれる人物を探しても良いし、何なら適当な施設に預けても、その辺の道端に捨てても良い」

 

 「貴様…本当にそれが親として許される発言だと思っておるのか!」

 

 「子供なんて時間があればいくらでも作れるでしょう?」

 

 ドゴンッ!!

 

 その発言を聞いた時、ワシは目の前の男……から少しズレた場所に向かって衝撃波を放っていた。奴の両手には赤子が抱かれているため、直接ぶつけたら赤子も痛めつけてしまうからな。

 衝撃波がぶつかった壁は粉々になり、パラパラと音を立てて崩れ落ちる。

 

 「ふむ…」

 

 それと同時にバンッと荒々しい音を上げて扉が開かれ、複数の男が入ってきたと思いきや、銃を取り出して銃口をワシに向ける。

 

 「…無駄な事は止めい。ワシをそんな玩具で殺せると思うてか」

 

 ワシは少しばかり殺気をぶつけてやると、男達は顔に脂汗を浮かべ始める。

 ワシに向けている銃口は震えて照準が上手く定まっていない。ワシに殺気を当てられて恐怖を感じておるのだろう。

 

 「これが長谷川泰造の衝撃波…ですか。何とも凄まじい…」

 

 「貴様がその赤子を手放せばすぐにでもその身に味わわせてやるぞ」

 

 「……先程の言葉は撤回させていただきましょう。済みませんでした」

 

 「上辺だけの謝罪など聞きたくも無いわ」

 

 声色から全く謝罪する気など無いのが分かる。

 

 「……それで、このままお帰りになりますか?もう一度だけお聞きしますがこの子の父親になる気は?」

 

 「……………………」

 

 先程のこやつの台詞を思い出す。

 おそらくワシがここで拒み、帰ったとなると目の前の赤子は間違い無くワシ以外の他人か施設、もしくは道端に捨てられるであろう。

 引き取られた先の親が良心的かどうかは分からんし、施設も良い所かどうかは疑問である。

 捨てられても同じだ。赤子を拾った者がどの様な人物かによってこの子の人生は大きく左右されてしまうし、拾われなければただ死ぬしかない。

 

 「………ふん」

 

 少しの間思案してからワシはひったくる様にその赤子を奪い取る。

 その行動を見た男は嬉しそうな表情を浮かべていた。

 

 「引き受けて頂けるのですね?」

 

 「ロクでも無い人間に引き取られるかもしれん可能性を考慮したらワシが引き取った方がこの赤子にまともな人生を歩ませられるからな」

 

 「まともな人生……それはどうでしょう?先程も申しましたが…」

 

 「『運命は確定しておる』というのだろう?馬鹿馬鹿しい。ならばワシは貴様の言う運命なぞ軽々と覆せる様な子に育て上げてみせるわ」

 

 「ふっ……は、ははははは!!!私の示す運命を覆す、ですか?それは面白い!実に面白いですよ!!」

 

 心底楽しみだと言わんかの様に奴は笑う。

 

 「用件はこれだけであろう?ならもうワシは帰るぞ。正直、貴様の存在そのものを視界に入れたくないのでな」

 

 「ええ、本日はご足労様でした」

 

 こうしてワシは赤子を抱いたままこの場を後にする。

 布に包まれた赤子はただ静かに寝息を上げているだけだった………。

 

 

 

 男との対面を終え、ワシはとある病院に来ていた。

 ここにはワシの妻が入院しておるからだ。

 ワシは寄り道などせず、最短で妻のいる病室へ向かう。

 そして軽く病室の扉をノックし、中からの返事を確認してからワシは室内に足を踏み入れる。

 室内は個室でベッドの他には小さめの机や椅子がある程度。

 

 「やぁ泰造さん」

 

 そのベッドの上で上半身を起こし、コチラを向いてニコリと微笑む女性こそワシの妻『長谷川秋奈』である。

 

 「気分はどうだ?秋奈」

 

 「ふふ…心配はいらないよ」

 

 ふむ…無理はしておらぬ様だな。

 

 「そうか。だが無理はするな。ゆっくりと身体を休めておけ」

 

 「分かってるよ」

 

 「で、ワシの子達は?」

 

 「先程までは元気良く泣いていたんだけどね。今は疲れて眠っているよ」

 

 微笑みながら秋奈が抱き抱えている赤子は2人(・・)

 そう…生まれたのは双子だったのだ。

 両方とも性別は『女』であり、ワシと秋奈は産まれた赤子に『椿姫』『澪』と名付けた。

 2人共、出産直後は元気良く泣いておったわ。

 

 「それで泰造さん。その手に抱いているのは?」

 

 「うむ、実はな…」

 

 ワシは先程の一連の会話と出来事を隠す事無く話した。 

 

 「……という訳なんじゃ」

 

 「……成る程。で、泰造さんはその子をどうする気だい?」

 

 「無論ワシは自分の子としてこの赤子を育てたいと思っておる。奴めが言う下らぬ運命などに屈せぬ様にしっかりとワシ自身が鍛えてやるつもりじゃ。本来ならばこの子には裏の世界の事など知らず、1人の人間として平和に暮らして貰いたいのじゃが奴の血を引く子供である上に、奴の計画の一端を担う以上、それを良しとせぬ者共に命を狙われるのは必然。それにワシが常に傍にいるとも限らぬしな」

 

 最低限、自分の身を守れるぐらいにはしてやりたい。

 もっとも、この子を家族として迎えるには秋奈の意見も尊重するつもりじゃ。もし秋奈が『否』というのであれば、ワシの伝手で信頼のおける者に引き取ってもらうのもやぶさかではない。

 

 「泰造さん…顔に出ているぞ。『私がその子を受け入れるかどうかで、その子をどうするか決める』とね」

 

 「む…」

 

 「だけど私は反対しないよ。例え血の繋がりが無くとも私はその子を『家族』として受け入れる」

 

 ふ……やはりそう言うと思っておったぞ。

 

 「それに…だね」

 

 「それに?」

 

 「私は正直、男の子の子供も欲しいと思っていたんだ」

 

 クスリと笑って答える秋奈。ワシもそれにつられて笑みを浮かべる。

 

 「なら問題は無いか」

 

 「そうだね。その子も今日からは私達の『家族』だ」

 

 ワシは抱いておる赤子に視線を落とし、その顔を眺める。

 その後、ワシと秋奈でこの男の赤子の名を『勇紀』と名付け、正式に長谷川家の子供として引き取ることを決めた。

 この子はワシの手で強い子に育ててみせる!!必ずな………。

 

 

 

 ~~???視点終了~~

 

 ~~あとがき~~

 

 ……という事で書いてみました『原作介入』リメイク版のプロローグ。

 ぶっちゃけ『原作介入』と比べ、設定が超変わっていたりします。

 特にこの

 

 

 

 ①『神様転生』の設定を止めた(勇紀達『原作介入』での転生者は純粋なオリキャラに変更。したがって『王の財宝』『完成』『イデオンガン』みたいな神様に与えて貰った能力、武器はコチラの作品では披露せず)

 ②『椿姫』『澪』が双子の姉妹で長谷川家の実子。『勇紀』は長谷川家の実子では無い(義理の兄妹ならナニをしようとも法的には問題無い(笑))

 ③『椿姫』『澪』の性格の変更(最初から綺麗な性格に。勇紀で遊んだり勇紀を罵倒したりしない)

 ④『理』が新たなオリキャラに変更(神様転生が無くなったため、神様と転生者を繋ぐ中継地点的な役割が必要無くなった。新キャラは女性で勇紀のハーレム入りするかも)

 ⑤地球で起きるイベント(『PT事件』『闇の書事件』)については原作ブレイクするが、ブレイクの内容を変更(プレシア、アリシア生存とリインフォースの復活の過程が『原作介入』と若干異なる)

 ⑥地球以外で起きるイベントは原作通りの結末(『ティーダ殉職』『ゼスト隊壊滅』等)

 ⑦スカリエッティとナンバーズ、ルーテシアも原作通りの立ち位置(Sts編での敵確定)

 ⑧他作品の原作イベントも存在し『原作介入』みたいに関わる予定(登場作品も『原作介入』と同じ作品や新たに加わる作品あり)

 

 

 

 上記の8つはコチラの小説で確定してる設定ですかね。

 特に①番。純粋なオリキャラとして生きる勇紀達も良いかなと思ったんで。

 ちなみにコチラ側の作品では『無印』『A’S』の原作にも関わるつもりです。せっかくのリメイクだし『無印』から物語を始めるのも悪くは無い。

 ただ、上記以外の構想は特に練っておらず、書くかどうかは自分の気分次第であり、ひょっとしたらこのプロローグだけの投稿で終わってしまうかもという感じで完全な見切り発車です。

 そもそもリメイク版読みたい人いるのかどうかも疑問ですけど…。

 いるとしたら椿姫、澪のハーレム入りを許容出来る方か『無印』編、『A’S』編を読みたいと思う方ぐらいですかねぇ。

 とりあえず、コッチの作品の連載についてはあまり期待しないで下さい。

 


 
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