No.677582

リリカルなのは~翡翠の戦士と七つの才牙~

第三十五話一対一二、才牙祭、止めはあの技、通り名

2014-04-09 20:14:54 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2774   閲覧ユーザー数:2629

数日後、模擬戦の日のアースラ内…

 

「剣也、負けないよ!」

 

「勝てるわけないだろうが」

 

「まさか剣也の口からそんな言葉が出てくるとはな…」

 

皆様シグナムに同意見と言わんばかりに首を縦に振る

 

「シグナム、フェイトをはじめとして一対一なら倒す事は出来ても、この戦闘を勝利で終わらせれるとなれば話は別だ‥勝利は少し難しいとしか言えん」

 

剣也の言葉に名を上げられたバトルマニアお二人の闘志は燃え上がる

 

しかし、剣也の一言に疑問を抱いたのが一人いた

 

クロノだ

 

「(少し?)」

 

「今この場で一番の脅威はアイ、なのは、ユーノ、 クロノにザフィーラだ。あぁ、あとはやても正直危険だな」

 

「私!?」

 

「防御力があるからかな?」

 

「半分正解‥まぁ戦るならさっさと戦るぞ」

 

棍になったウィルを背中から抜き構えをとる

 

各々もバラバラに‥ではなく念話で陣形を話し合っていたのか、接近戦が得意とするシグナムとヴィータを始めとしアルフ、ザフィーラ、アイ、アリサが剣也を囲む

 

中距離はフェイトにクロノ、後方からの遠距離になのはとはやてを。そしてサポート役にユー ノにシャマルというシンプルなものとなっていた

 

模擬戦の始まりの合図は無かった。もしあるとすれば緊張感が最高潮に達した時が一応合図と もとれるであろう

 

「はぁ!!」

 

「ふっ!」

 

シグナムが前に出てレヴァンティンを袈裟に振り下ろす

 

剣也もシグナムへと一直線に進んでいき、フェイトはスピードを生かして剣也の真後ろへまわり、 ヴィータは上空に飛び追尾機能付きの鉄球をグ ラーフアイゼンで打ち放つ

 

剣也は他を見向きもせずウィルでレヴァンティ ンを受け止め‥‥

 

「っ‥何!?」

 

ずに更に踏み込みシグナムを通り過ぎる

 

シグナムはまさか打ち合いもせずに通過されるとは思ってもいなかったか一瞬動きを止めた

 

その間も剣也は高速で真っ直ぐに駆ける。その先に居るのは‥なのは

 

「私!?っ上空へ‥って間に合わない!」

 

「なのはぁーっ!!」

 

上空へ飛ぼうとするがそれよりも速く剣也が近付いてくる。防御力が高いなのはが一番厄介と言われているので、相手の意表を突いて一番始めに落とそうとしている‥かのように見えたが実際は違った

 

なのはがシールドを張る前にユーノが先になのはの前方へと結界を出そうとする

 

剣也はそのユーノの行動を狙っていた

 

「″剃″!!」

 

「え‥‥?カハッ!?」

 

なのはにシールドが張られた瞬間、剣也はなのはの横数mほどに居たユーノへと駆ける方向を変え、″剃″で間合いを縮める

 

ユーノは全然反応も出来ずシールドなど張れない内に脳天を殴られ気を失い崩れ落ちる

 

ユーノが倒れるのを視ずに動きを止めない剣也は動いている間にチャージしていた砲撃魔法をはやての方に放つ

 

「ブリザードレイ!!」

 

「危なっ!?」

 

多少の距離がある故はやては上空へと飛び、 はやてがいた場所を螺旋を描きながら飛ぶ砲撃が通過する

 

「アルフさん!!」

 

「!!」

 

アイがアルフに叫び、アルフはそれに気づき、横にとんだと同時に砲撃が通りすぎた

 

「なら……!」

 

「甘い!飛竜……一閃!!」

 

「プラズマスマッシャー!!」

 

「天撃の水流!!」

 

剣也が才牙を出そうと胸に手を当てたにところに連結刃と雷の砲撃、大きな水流が襲い来る…

 

が、剣也はそれを読んでいた

 

「かかった!ウィル!!」

 

「ガンフォーム、モードリボルバー、DLCロード」

 

「バインドバレット、ファイア!!」ドドドンッ!!

 

それを横に跳んでかわすとウィルをリボルバー式銃にかえ、疑似リンカーコアをセット、バインドを付与した魔法弾を発射した

 

「なっ!?」

 

「えっ!?」

 

「!?華炎!!」

 

「プロテクション」ガキン!!

 

「バースト!!」ドカン!!

 

「「がっ!!?」」

 

不意を疲れたので避けることは出来ず、シグナムとフェイトはバインドにかかり、アリサは華炎に守ってもらいなんともなかったが、二人は、バインドが爆発し、ダメージを受けた

 

二人はバランスを整え、着地したがダメージが多かったのか腹部を片手で押さえていた

 

「くっ‥やはり強い」

 

「始めっから簡単に倒せる相手とは思ってもいない‥ましてはあの特殊騎士隊副隊長…経験は守護騎士と同じと考えて良いかもしれない」

 

クロノの言葉に「もしくは上かね~」とアルフがぼやくとクロノが言わないでくれ‥と考えたくないと表情で告げていた

 

二人はこう会話を交わしているが、剣也は今シグナムとフェイト、ヴィータ、アイの四人を相手に孤軍奮闘している

 

実際はなのはとはやて、アリサが魔力球や魔力刃、天撃を無数に展開し発射しているが、剣也はまったく意に介していない

 

つまり僅かな隙間をかい潜り斬撃打撃を防ぎたまに反撃を繰り出している

 

「魔法無しであの速さ‥捕らえようにも捕らえきれん」

 

ザフィーラが言うようになのはを含めた五人は隙あらばバインドや″天撃の影縛″で捕らえようとしているが、如何せんシグナム達を巻き込まないように気を配り、更に高速で動く剣也の次の一手を読みながらバインドを仕掛けるなどかなりの微調整が必要だ

 

それを得意とするクロノが設置型バインドを仕掛けるも

 

「‥!はっ!!」

 

「うわっ!?ぐ‥バインド解けーーっ!!てか邪魔すんじゃねぇっ!!」

 

戦闘で得た勘と見聞色の覇気、念能力の″円″、そして僅かな魔力の流れを感知し誰かをそのバインドを仕掛けられた空間に投げたり蹴ったり誘ったりして身代わりにしているので寧ろ仲間の邪魔でしかない

 

「ブラッディダガー!!」

 

「はぁあぁーっ!!」

 

血の色の刃と鉄球で剣也をほんの僅かに足止めをする

 

そこになのはとフェイトが砲撃を放つ

 

「ディバイーンバスターーッ!!」

 

「プラズマスマッシャー!!」

 

砲撃が中心点で×で交差するように放ち、その上空にアリサが砲撃を避けた剣也を狙うため に待機をしていた

 

「フン‥この程度の砲撃、防げないとでも?」

 

剣也は防御魔法、″デルタシールド″を展開、砲撃を防ぎながら胸に手を翳す

 

胸から砂を伴う光球を出し、それらを集めてある形を作る

 

二メートル程の長さの茶色の棒に両端に翡翠色の宝玉が付いたものに(形のイメージは仮面ライダークウガのドラゴンロッド)

 

「天地棍(グランロッド)!!」

 

「あかん、才牙出された!!《アイちゃん、あれどんな才牙かわかる!?》」

 

「《天地棍(グランロッド)…土の才牙で威力よりも凡庸性を重視した才牙…その特性は二つ…一つは重力操作、そして二つ目は……》」

 

「鎌!!」

 

剣也が地面を突くと同時にグランロッドに土がつき始め、死神が持つ鎌の形に変化した

 

「《……周りの塵や砂、果ては空気といった自分の周りのものをくっ付けて様々な武器に変化すること……》」

 

念話でアイの説明を聞いた皆は心を一つにして思った……

 

『チートじゃない?』と……

 

「(さて、そろそろ……)」

 

「ソードフォーム、モードダガー、セット」

 

黒く恐ろしい狂戦士の笑みを浮かべながら短剣になったウィルをしまう剣也に、クロノ含めた皆がアレにマジ勝てるわけ?いやそれ以前にちょっと戦り合いたくないんですけどと心の声をさらにハモらせていた

 

「殺るか……」ジャララ!!……ガキッ!!、グイッ!!

 

「へ?」

 

「トリック」

 

固まるクロノをチェーンバインドで引き寄せながら鎌になった天地棍(グランロッド)の刃が翡翠色の光に包まれて巨大化する

 

剣也は刃を横向きにし、居合いのように構える

 

「八又……」

 

「くっ!!」

 

「!?クロノ、駄目!!」

 

「避けて!!」

 

防御魔法を張るクロノにアリサとアイが叫ぶ

 

「一閃!!」

 

横一閃に振るう

 

巨大化した刃は防御魔法に当たり……そして

 

「んな……」

 

8つの切れ目が走り、あっさりと裂け、そのままクロノに突き刺さり、 戦闘不能へと追い込んだ

 

「……アリサ、何?…今の…?」

 

フェイトの質問にアリサが答えた

 

「今の魔法……八又一閃は接触時に魔力刃を急速に広げ、表 面に米字に切れ込みを入れてそのまま切り裂く魔法……少しでもめり込めばバラバラになるから文字通り一撃必殺の魔法よ……」

 

「覇気も加えたらどんな防御魔法でも防げないんだよね……あれ」

 

『なんつー出鱈目な魔法……』

 

アリサとアイの説明に全員が顔を青くした

 

「お前らってすげぇな……チームワークが抜群だ…… 」

 

剣也の今の言葉に皆が頭に?を浮かべた

 

「なのはの魔法も、フェイトの速さもすげぇ」

 

この言葉に二人は顔を赤くした

 

「シグナムとアリサの剣技も、ヴィータの一撃も含めた、他のやつらもすげぇ」

 

その言葉に他の皆も少し照れる

 

「だからこそ……」

 

『?』

 

剣也は言葉を繋げる

 

ある決意を秘め……

 

「負けるなんて……勿体無いよなぁ……ガーディアンウィル」

 

「!?……はい!!」

 

ーやってやるさ……俺の全身全霊で

 

ー闘ってやるさ……俺の全力全開で

 

ー魔法や天撃はウィルがサポートしてくれる

 

ー俺はただ、力の限り……相手に答えるのみ

 

「行くぞ」

 

「はい」

 

剣也は天地棍(グランロッド)をもとの形に戻し、構えながら体は正面に、腰を落とす

 

「行くぞ!」

 

「はい!」

 

口は笑みを作り、目は相手を見据え、足に力を込める

 

「行くぞぉ!!」

 

「はい!!」

 

ああ、これだ……この感じだ

 

テンションはMAX、やる気は臨界点突破、負けるつもりなんか全くない。 あるのは……勝利への執着のみ!!

 

「「最っっっっっ高にハイって奴だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」

 

 

地が砕けるほどの跳躍

 

剣也が向かっているのはア……ザフィーラだ

 

「むっ!?」

 

ザフィーラは驚いたものの、しっかりと構える

 

「鎚!!……おらぁ!!」

 

「…ふっ!!!」

 

ーガキン!!!

 

鎚になった天地棍(グランロッド)を脳天に向かって叩きつけるが、ザフィーラの防御に阻まれる

 

「隙あり!!」

 

剣也は叫びながら天風弩(ストームボウガン)を展開、片手と口を使い、アルフに向けて放つ

 

「がっ!?」

 

アルフはいきなりのことのため防御出来ず、戦闘不能になる

 

「《シグナム!出来るだけ接近戦は抑えてな?戦る時は絶対一人はダメやで!》」

 

「《了解しました!》」

 

「《フェイトちゃんもだよ?》」

 

「《うん!》」

 

はやてはシャマルにフェイトとシグナムの補佐をしてもらうように頼む

 

「アクセルシューター、シュートっ!!」

 

幾つもの桜色の魔力球が出現し剣也へと襲い掛かる

 

シャマルはフェイトとシグナムを結ぶ中心点に待機し、いつでもサポート出来るように警戒をする

 

「悪いなテスタロッサ、先に行かせて戴く。シャマル、サポートを頼む!」

 

「はい!」

 

フェイトのあ、ズルいという声をあとにし、交える為に剣也へと接近戦をしに翔る

 

先ほどはやてに注意されたというに‥本当にこのバトルマニアっぷりはなんともまぁ‥

 

やれやれである

 

剣也へと宙から加速と重力を乗せた一撃を放つが

 

「このような攻撃‥祖父の一撃に比べれば雑作もない!」

 

武器を使わず右腕だけでレヴァンティンを払いのける

 

それで若干体勢を崩されたところへと直ぐに展開した天氷掌(アイスハンズ)をつけた左手の平をシグナムの腹部にあてようとするが‥前にシャマルがシールドを張り難を逃れ……

 

「……ニヤリ」(ズズッ)

 

『…へ?』

 

るかと思いきや、剣也の左手の平はシャマルのシールドをすりねけて(・・・・・)、腹に当てた

 

「■■■■」

 

剣也が何かをいった途端に剣也を中心にクレーターが起こり、シグナムとシャマルが倒れ、戦闘不能になった

 

「鎌鼬…&瞬雷!!」シュバッ!!

 

「「ガハッ!?」」

 

剣也は固まっていたザフィーラとアイを″剃″+″嵐脚″の技、″鎌鼬″と天雷爪(ボルトクロー)の放電技ですれ違い様に倒した

 

「バーニングセイバー!!」

 

「甘い…業火剣乱!!」

 

アリサは才牙を出し、応戦するも経験の差で剣也の天火双剣(ファイアダブル)の剣舞に敗れ、戦闘不能に

 

「フィールド形成!発動準備完了ッ!お待たせしました、おっきいのいきますっ!」

 

高濃度の魔力がピリピリ肌に刺さる。まさに全力全開である

 

「(……いくら非殺傷でも普通なら下手すれば死ぬぞ?というか三人は俺を殺したいのか?)」

 

剣也はそう思いながら天光鎖(シャイニーチェーン)を出す

 

「N&F中距離殲滅コンビネーショ ン、空間攻撃ブラストカラミティッ!!」

 

「響け終焉の笛!ラグナロク!!」

 

高濃度の魔力が凝縮させ発射体勢をとり狙いを定める

 

「「全力全開疾風迅雷!ブラスト シューー……!!?」」

 

はやて「ブレイ……!!?」

 

三人の強力な高位魔法を放つ前に三人は天光鎖(シャイニーチェーン)に巻き付かれ、動けなくなった

 

「止めだ……」

 

そういいながら剣也は胸から黒い霧の様なものを伴った光球を出し、ある形を作る

 

 

黒い翼の形をした大剣に(形のイメージはエクセリオンブレードの黒版)

 

「天闇大剣(ダークネスブレード)……」

 

そういいながら剣也は右手で持ち、右肩に担ぎ、左手の人差し指、中指、親指を立たせてなのは達三人に向ける構えをとる

 

「(なんかあれは……)」

 

「(今までで一番……)」

 

「(まずい!!!)」

 

なのは達は本能的に悟り、ほどこうとするがぎっちり縛られており、なかなかほどけず、更に破壊しようにも元々頑丈なのに加え、武装色の覇気で強化してるので壊すことはほぼ不可能

 

剣也は剣也で構えながらある魔法と同じことをしていた……

 

「(魔力集束……70%突破……)」

 

あの技は自分の天力を込めて放つが、剣也は更に周りの魔力を才牙に込めている

 

「集束……完了……」

 

そういうと同時に飛び上がり、降り下ろす構えをとる

 

「真・ゼノン……」

 

「「「に、にやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!??」」」

 

「ウィン、ザードーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

ズバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

とてつもない斬撃音がアースラ内に響き、地震の様に揺らした

 

「……殲滅確認」

 

「ふぅ……」

 

ウィルの言葉と同時に剣也は息を吐き出したのだった……

 

剣也対なのは達

 

剣也の圧勝で終わる

 

 

 

余談だが、後にこの戦いを見た監理局の人々はこう語る……

 

ー翡翠の戦士が現れた……と

 

この日を境に剣也は翡翠の戦士と呼ばれるのだった……


 
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