No.676302

【獣機特警K-9ⅡG】花粉の季節【交流】

古淵工機さん

花粉で悩んでるのはテラナーやファンガーだけじゃない。
テラナーやファンガーは当然、花粉症で悩まされることになるんですが
ロボットの場合はまた、別の意味で花粉に悩まされたりします。

■元になった設定

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2014-04-05 00:19:56 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1204   閲覧ユーザー数:1127

ラミナ市内・バー『Silhouette』…。

 

「はっくしょんっ!あー…ずるるっ」

そのテーブルで勢いよくくしゃみをしているのはラミナ稲荷神社の巫女である北條 愛。

「アイちゃん、大丈夫?」

隣に座っていた今川美歩が、アイの背中を撫でる。

反対隣に座っていた男子大学生の武田洋兵が声をかける。

「あー…確かにこの時期は花粉の季節だからな…へ、へっくしょぃ!」

「もう、ヨウ君まで花粉症?」

「じ、実はそうなんだミホ姉さん…ふえっくしょいっ!!」

 

その様子を見ていたオーナーのエリシア・バイオレットが、三人に声をかけた。

「まあ、この時期花粉症の人は特につらいわよね…」

「そうなんですよエリシアさん…神社の仕事もしないといけないのにコレじゃ…へ、へっくしょんっ!!」

相変わらずくしゃみし通しのアイ。

そんな中、入り口のドアが開き、新たな客が入ってきた。

 

「こんばんはエリシアさん。スクリュードライバー頼めるかな?」

「あらクオンさん、いらっしゃい」

やってきたのはK-9隊隊長の久遠・ココノエだった。

 

アイはクオンを見るなり、思わずこう呟いた。

「はぁ…私もロボットに生まれてくれば、花粉症に悩むこともなかったんだろうなあ…」

「え、アイさん花粉症なの?」

「実はね…ずびび…」

と、持っていたティッシュで鼻をかむアイを見ていたクオンは、頭をかきむしりながら答える。

 

「や、でもさ…この時期って僕らロボットも結構ツラかったりするんだよね。実を言っちゃうと」

「え、クオンさんロボットなのに花粉症になるんですか?」

と、目を丸くするヨウヘイ。

「いや、花粉症にはならないけど、ロボットであるが故の別な問題があって…ちょっといったん席外すよ」

そう言ってクオンは立ち上がり、入り口の扉を開けたところで立ち止まると、鼻の頭に指をかける。

その次の瞬間、アイ、ミホ、ヨウヘイが見た光景とは…。

 

クオンの鼻の先端部分…三角形の黒い部分が数ミリ前にせり出したのである。

その根元を指で掴みゆっくり引っ張ると、鼻の内部にあるフィルターが引き出され始めた。

フィルターの表面には花粉や埃が付着していた。

「…あー、結構詰まってるなぁ…息苦しいわけだよまったく」

クオンはそう呟くと、エプロンから小型ブラシを取り出しフィルターの掃除を始める。

「え、えーっと…クオンさん?」

ミホが心配そうに声をかけると、クオンはこう答えた。

 

「ほら、鼻の中がフィルターになってるから花粉とか吸い込んで詰まっちゃうんだよね。そのまま放っておくとオーバーヒートの原因になったりするから結構困ってるんだ…」

「そ、そうなんだ…」

「なんだかんだでロボットもツラいのね…」

「うん、ホントこの季節はロボットの僕でもイヤになるよ…」

 

春、それは花粉の季節。

みなさんも花粉症にはお気をつけて。


 
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