No.670992

九番目の熾天使・外伝 ~改~

竜神丸さん

リハビリ開始・甘き毒薬

2014-03-15 18:36:41 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1527   閲覧ユーザー数:794

ソラ・タカナシがロキの前に姿を現してから、数日が経った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「……」」」

 

食堂にて、ロキとディアーリーズは痩せ細ったかのような顔をしてテーブルに突っ伏していた。それを離れた席で見ているのがokaka、FalSig、そしてmiriである。

 

「…さて、状況を整理しようか」

 

「あぁ……この二人、一体何があったんだ?」

 

「あ、あぁ、うん……実は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディアーリーズの場合…

 

 

 

 

 

 

「「「「…分かってるよね?」」」」

 

「…ハイ」

 

(おぉう、これまた凄まじい縮こまり方だな…)

 

楽園(エデン)に帰還した直後、早速ディアラヴァーズの一同に取り囲まれたディアーリーズ。彼女達の放つ黒いオーラを前にディアーリーズは完全に縮こまっており、FalSigはそんな彼を見て苦笑いせざるを得なかった。

 

その時…

 

『クワガタ! カマキリ! バッタ! ガータッガタガタキリッバ・ガタキリバッ!』

 

「捕まえましたよ、ウルさん?」

 

「うげ!? ま、まさか、みゆきさん!?」

 

「そぉれ、部屋まで連行だー!」

 

「「「「おー!」」」」

 

「あ、ちょ、待って!? ご、誤解だ!! わざとやったんじゃな…ノォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!??」

 

「…頑張れ~」

 

50人のオーズ・ガタキリバコンボに捕縛されたまま、ディアラヴァーズ達と共に部屋まで連行。そのまま数日に渡って搾り取られていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロキの場合…

 

 

 

 

 

 

 

「さて。お前の傷は特に背骨が酷い状況だ、まずはリハビリから行わなければならん」

 

「いや、ちょ…待って兄さん……これ、明らか、に……距離…長過ぎ、じゃ…!!」

 

「リハビリに付き合ってやってるんだ、こんな事でいちいち文句を垂らすな」

 

「げぶぅっ!?」

 

ソラによって、わざわざ長距離を何往復もさせられたり…

 

 

 

 

 

 

「お前の事だ、どうせ傷が治るのにそれほど時間はかからんだろう……という訳で、今日からトレーニングを本格的に開始しようと思う」

 

「ちょ、俺まだ傷が治り切ってな…おがっ!? こ、腰が…!!」

 

「何だ? 腰が少し痛いくらいで、そんな音を上げるんじゃない…ぞっ!!」

 

「ギャァァァァァァァァァァァッ!!? 人殺しぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!?」

 

トレーニング中、ロキの痛めた腰をソラが容赦なく踏みつけたり…

 

 

 

 

 

 

「どれ……今のお前がどのくらい頑丈になったか、少し試させて貰おう」

 

「いやそれ、もうトレーニング関係な…ニギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!??」

 

ソラによって、ストレス解消の為のサンドバック代わりにされたりと、ロキもロキで非常に散々な目に遭わされるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、今の状況に至る訳である。

 

 

 

 

 

 

「…どっちも、色々と苦労してたって事か」

 

「「アハハハハ~…」」

 

ロキとディアーリーズの壮絶な戦い(?)の事情を聞かされ、miri達はもはや乾いた笑い声を上げる事しか出来ないのだった。

 

そんな彼等のいる席から離れた席では…

 

「「……」」

 

「~♪」

 

無言のままコーヒーを飲んでいるデルタとガルム、そして鼻歌を歌いながらタブレットを操作している竜神丸がいた。デルタとガルムは互いに顔を見合わせる。

 

(…クライシスがあんな事をしていたとは、流石の私も想定外でしたね)

 

(何だかもう、色々と話がデカ過ぎて付いて行けねぇよな…)

 

二人は小声で話しつつ、タブレットを操作している竜神丸に視線を向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日前…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――以上だ。これで話の内容は理解出来たな?」

 

「「…ッ!!」」

 

クライシスから聞かされた、旅団誕生の経緯。それらを全て聞かされたデルタとガルムは、完全に開いた口が塞がらない状態になっていた。

 

「どうですか? この旅団における最高機密情報を、最初から最後まで聞けた感想は」

 

「感想ねぇ……竜神丸、お前も最初から知ってたんだな?」

 

「えぇ♪ 裏仕事なんて重要な任務を引き受けていれば、自然と“アレ”にも選ばれますよ」

 

「…初めて、お前の事が怖く思えた気がするぜ」

 

竜神丸が笑顔を見せた瞬間、ガルムは彼に対する若干の恐怖を感じていた。

 

「…とにかく、私達はこの情報を隠蔽する必要がある。そういう訳なんですね? クライシス」

 

「そういう事だ。万が一、この情報を外部に漏らそうものなら…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「デルタ、親友のお前だろうと容赦はしない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ッ!?」

 

クライシスの杖で顎を持ち上げられ、デルタは何十年ぶりに死の恐怖を感じ取った。クライシスの見せている目が、本気である事を告げているからだ。

 

「…もちろん、秘密にしてさえくれれば文句は無い」

 

「ッ……はぁ、はぁ…」

 

クライシスの杖が離れ、デルタはすかさず深呼吸を繰り返す。

 

「ガルムさんもお願いしますよ。あなただって、今の日常をわざわざ壊したくはないでしょう?」

 

「…相変わらず痛い所を突きやがるよな、お前って奴は」

 

「どうですか? 秘密にしてくれますよね?」

 

「「…言われずとも」」

 

「…決まりだな」

 

クライシスはデルタとガルムに対して振り向き、小さく笑みを浮かべる。

 

「No.3、デルタ……No.10、ガルム……私はお前達を歓迎しよう、盛大にな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「…ふぅ」」

 

そして現在に至る。デルタとガルムは聞かされた話の内容を思い出しつつ、コーヒーを最後まで飲み干す。

 

「…なぁ、竜神丸」

 

「はい、何でしょう?」

 

ガルムは竜神丸にある事を問いかける。

 

「本当に排除して良いのか? その…………黒騎士は」

 

「!」

 

「…構いませんよ。団長さんが勅命として下したんですから」

 

「「……」」

 

竜神丸の返答に、デルタとガルムは何も言えないまま顔を見合わせる事しか出来ないのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、某次元世界…

 

 

 

 

 

 

 

「アハハハハハハハ…ハーッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!」

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

町外れの、とある廃工場。

 

げんぶの変身した可変型MS“ガンダムキュリオス”のビーム連射を受け、一人の不正転生者が撃墜されて地面に落下していた。そこへキュリオスは追い討ちとして、左腕のGNシールドをクローのように展開し、不正転生者を地面に押さえつける。

 

「ハッハァ……なぁ、どうだい? 何の抵抗も出来ないまま、ただひたすら嬲り殺しにされていく気分はよぉ?」

 

「ぐ、この……俺が…テメェ、みたいな…モブなんぞにぃぃぃぃ…!!」

 

「はん、他人をモブと決めつけりゃそれで満足ってか。良い感じに腐った性根をしてんじゃねぇかテメェも……そんでもって俺も、変な奴がいきなり現れるわ、仲間が重傷を負っちまうわ、任務は失敗しちまうわと、何日も前から色々ストレスが溜まっちまってんだよ……だからさぁ」

 

 

 

-ジャキンッ-

 

 

 

「ひっ!?」

 

「…楽には殺さねぇぞっ!!!」

 

「な…アガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!?」

 

キュリオスが展開したGNシールド内部から、隠し武装のGNシールドニードルが出現。そのまま不正転生者の腹部に突き刺さり、内部から人体を焼き始める。

 

「ひぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

「どうよ? 一方的な暴力で、為す術も無く命を磨り減らしていく気分はよぉ…!!」

 

「あがぁぁぁぁぁぁぁ!!? いだい!! いだい!! やめで!! やめでぐでぇっ!!! 俺ばまだじにだぐな…あぐぁぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

「おぉ、こいつは命乞いって奴だなぁ!? 思い出してんのは何だ、えぇ? ママか、恋人か? 走馬灯の中で、子供の頃からやり直してる真っ最中かぁ?」

 

「あぎゃぁぁぁぁばぁぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!??」

 

「ほらほら、どうしたぁ? 助けて欲しいのか、どうなんだ? あぁん?」

 

「だ、だずげでぐれ!! だのむ!! だのむがらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

「チッ…しょうがねぇなぁ? そこまで言われたんじゃあ俺も気が引けるし、今回はこの辺で許してやっても良いかぁ…………なぁんて」

 

GNシールドニードルが、更に深く突き刺さる。

 

「あぎゃあっ!?」

 

「楽しいよなぁ…楽しいよなぁっ!!! アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!」

 

「だ、だずげ…あぐぁがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!???」

 

数時間に渡り、キュリオスの残虐な拷問は続いていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お~お~、シグマみたいにド派手にやってら…」

 

廃工場から離れた森の中にて。支配人の変身するオーガは呆れた様子で、キュリオスの笑い声がする廃工場を眺めていた。その足下では、女性の不正転生者が力ずくで踏みつけられていた。

 

「ぐぅ…アンタ達、一体何なのよ…!!」

 

「俺達が一体何なのか……さぁな。悪いけど説明が面倒だ、自分で考えてくれ」

 

「ふざけんじゃないわよ!! アンタが変身してるのだって、仮面ライダーでしょ!? 向こうのはガンダムになってるし、どう考えたって転生者でしょ!!」

 

「残念だが、それも少し違うな。転生者なのは向こうのアイツだけだ、俺は転生者じゃない」

 

「ッ!? な、なら何でアンタは仮面ライダーに…」

 

「説明は面倒だって、二度も言わせんなよ」

 

「ぐっ!?」

 

オーガは面倒臭そうな雰囲気を見せつつ、踏みつけていた女性の不正転生者を首絞めながら高く持ち上げる。

 

「不正転生者、エリーザ・クルウェンス……OTAKU旅団の名において、ここで始末させて貰う」

 

「ぐ……OTAKU、旅団…!?」

 

「ちなみに、俺が変身するこのオーガはな。色々と改造を加えてんだ」

 

≪Exceed Charge≫

 

「こんな風に…なっ!!」

 

「が…!?」

 

オーガフォンのエンターキーを押した後、オーガはエリーザの首を手放すと同時に彼女の腹部を右足で蹴りつけ、金色のポインターで動きを拘束する。

 

「でぇぇぇぇぇぇぇぇやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「ぐ…がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

そこにオーガの飛び蹴りが放たれ、そのままポインターごとエリーザの人体を貫いた。オーガは地面に着地し、エリーザの身体に『Ω』の紋章が刻まれる。

 

「あ、ぁ……嫌…消えたく、な…い…」

 

「…ちゃんとした転生で、普通の生き方をするべきだったな」

 

エリーザは助けを求めるかのように、オーガに向かって手を伸ばす。しかしその手がオーガの身体に触れる事は無く、彼女は灰となってその場で消滅するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、山の麓では…

 

 

 

 

 

 

「フンッ!!」

 

「くそ…ぐわぁっ!?」

 

「ごぶぅ!?」

 

二百式によって、二人の不正転生者が圧倒されていた。不正転生者達は既に全身がボロボロになっているのに対し、二百式は掠り傷一つ付いていない。

 

「チィィィィィ……おいモブ!! テメェさっきから足引っ張ってんじゃねぇぞ!!」

 

「あぁん!? モブはテメェだろうが、雑魚が!! お前の所為で調子出ねぇんだよ!!」

 

「やんのかコラァッ!?」

 

「上等だ、テメェか潰しても良いんだぞ!!」

 

「「ぶっ殺す!!!」」

 

(…何だこれ)

 

戦闘中、不正転生者達は二百式を放置したまま勝手に仲間割れをし始めた。自分こそが最強だと思い込んでいる以上、どうしても自分のプライドを優先したいのだろう。

 

しかし…

 

「「…あ?」」

 

「せやぁっ!!」

 

「「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」」

 

その仲間割れを、二百式の前で行ったのが運の尽きである。二百式の振るったチェーンマインで不正転生者達は纏めて縛りつけられ、そのまま容赦なく起爆されてしまった。

 

「…不正転生者にはアホしかいないのか」

 

「ぐ…このモブが…!!」

 

「この、俺に…楯突きやがって…!!」

 

「うるさい黙れ」

 

「「ぬがぁっ!?」」

 

二百式の太刀で斬り刻まれ、不正転生者達の身体から血飛沫が舞う。

 

「ぐ……このモブがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

一人の不正転生者が二百式に挑みかかるも、二百式は不正転生者の攻撃を軽々と回避していく。

 

「動きが素人だな」

 

「オリ主である俺に、モブ如きが指図すんじゃねぇっ!!」

 

「なら、そのモブによって良い様に扱われてるお前は一体何だろうな?」

 

「ッ…死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

二百式に挑発された事で逆ギレしたのか、不正転生者は周囲に無数の矢尻型の魔力弾を出現させ、それらを二百式に向かって放出する。しかしそれを見た二百式は、太刀を一旦鞘に納め…

 

 

 

 

 

 

-シュピィィィィィィィィン…-

 

 

 

 

 

 

「―――あ?」

 

「失せろ、耳障りだ」

 

一瞬の内に、魔力弾が全て掻き消された。それと同時に不正転生者の身体も真っ二つになり、そのまま絶命して地面にグシャリと倒れる。

 

「む?」

 

太刀の血を払う二百式は、ここである事に気付く。

 

「…一人逃げたか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぜぇ、ぜぇ、はぁ、はぁ…!!」

 

逃げたもう一人の不正転生者は現在、山から離れて街中まで大きく移動していた。地下駐車場に逃げ込んだ彼は、石柱に寄り添う形で息を整える。

 

「くそ、あのモブが……次に会ったら絶対にぶっ潰してやる…!!」

 

石柱に拳を叩きつけてから、不正転生者が立ち上がったその時…

 

「…ん?」

 

不正転生者の近くを、サングラスの女性が通りかかる。

 

白い肌の綺麗な容姿、出る所は出て引っ込む所はしっかり引っ込んだグラマラスな体型、身に纏っている黒いタンクトップに青いジーンズ、そして首に吊り下げているペンダント。

 

不正転生者にとって、自分が好みなタイプと完全に一致していた。

 

「はぁい、そこの綺麗なお嬢さん♪」

 

そこで早速、彼はサングラスの女性にナンパを開始する。

 

「…?」

 

「可愛いねぇ~♪ どうだい、俺と一緒にデートでもどう?」

 

「……」

 

不正転生者が笑顔で絡んで来た事で、サングラスの女性は鬱陶しそうな表情をしながら無言でその場を立ち去って行こうとする。しかしそれで逃がすような不正転生者でもなく、彼女の肩にわざとらしく手を回す。

 

「もう、連れないなぁ♪ 恥ずかしがり屋なのかい?」

 

「…一つ、良いか」

 

「ん、何だい? 何でも言って御覧♪」

 

サングラスの女性が口を開き、肩に回されていた不正転生者の手を掴む。

 

「…しつこい人間は、嫌われやすくなるぞ」

 

サングラスの下から青い瞳でギロリと睨みつけてから、彼女は不正転生者の手を離してから立ち去ろうとする。

 

「んもう、君もツンデレだなぁ。本当は俺に惚れちゃってる癖にさ♪」

 

自分が忌々しく思われている事にも気付かないまま、不正転生者が再びサングラスの女性に絡もうとしたその時…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-ドクン…-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ッ!?」

 

突如、不正転生者の身体に異変が起こった。

 

「な……あ、がぁ…何、だ…ッ!?」

 

不正転生者は気付いた。自身の右手に、紫色の禍々しい紋様が浮かび上がり始めていた事に。

 

「な……か、は…ッ!? い、息、が…出来、な…!!」

 

すると今度は右手だけでなく、左手や顔などにも紫色の紋様が浮かび上がり始めた。それによって不正転生者は苦しみ出し、その場に倒れ伏せる。そんな彼が苦しんでいる様を、サングラスの女性は無表情のまま静かに見下ろしている。

 

「が、ぁ……助、け…」

 

サングラスの女性に助けを求めようと、彼女のジーンズを右手で掴んだ直後。不正転生者は一瞬で白目を向いて絶命し、彼女の足を掴んでいた右手も地に落ちた。

 

「……」

 

不正転生者が死亡したのを確認し、サングラスの女性はその場を立ち去ろうとしたその時…

 

「…ッ!? ぅ、く…!!」

 

サングラスの女性は腹部を押さえ、突然その場に膝を突いた。彼女が自身の纏っているタンクトップを捲って見ると、その臍周りにも紫色の紋様がほんの僅かに浮かび上がっていた。

 

(ッ…しばらく、能力の使用は控えるべきか…!!)

 

サングラスの女性はすぐに腹部を隠し、どうにかその場から立ち上がろうとする。

 

(まだ、死ねない……アルに、もう一度会う、まで……は…)

 

しかし相当無理をしていたのか、サングラスの女性はとうとう倒れ伏して意識を失ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その数分後…

 

 

 

 

 

 

「…!?」

 

不正転生者の後を追って来た二百式も、地下駐車場に到着した。しかし不正転生者が既に絶命しているのとサングラスの女性が倒れているのを見て、状況把握がすぐに出来なかった。

 

「どういう状況だ? それにこの紋様は…」

 

不正転生者の身体中に紫色の紋様が浮かび上がっているのを確認し、今度はうつ伏せの状態で倒れているサングラスの女性の方へと駆け寄る。

 

(この女が殺したのか? しかしどうやって…ッ!?)

 

二百式は彼女を仰向けの状態にしてから、そのタンクトップを捲って臍周りの紋様に気付く。

 

「…やはり、毒による症状か」

 

「二百式!」

 

そこへ支配人とげんぶも駆けつけて来た。

 

「ん? 二百式、その人は…」

 

「分からん。俺が駆けつけた頃には、既にこんな状況だった」

 

「!? この不正転生者、毒に侵されて死んだのか」

 

「そのようだ。恐らくこの女による仕業なんだろうが…」

 

「その女性が? しかしどうやって…」

 

「知らんと言ってるだろう。とにかく話を聞くには、一度目覚めて貰うしかあるまい……ん?」

 

二百式はサングラスの女性が首にかけているペンダントに気付き、それを手に取る。

 

「おいおい、二百式。そういうのはプライバシーの侵害ってもんだぜ」

 

「情報を得る為だ、仕方ないだろう」

 

二百式はペンダントの蓋を開き、その中身を確認する。

 

「子供……姉弟か」

 

ペンダントには、サングラスの女性の幼少期らしき少女と、その少女より背が低い金髪の少年が写っていた。そして二百式は、蓋の裏側に書かれている二つの文字にも目を向ける。

 

(文字……名前か? 英語で書かれてるが…ッ!?)

 

書かれている二つの名前を読んで、二百式は目を見開いた。

 

「どうしたんだ? 二百式」

 

「…これ、見てみろ」

 

「ん、ペンダントか? あ、名前も書かれて…ッ!?」

 

「な…!?」

 

支配人とげんぶも、驚きの表情を見せる。

 

「二百式、まさかこの人って…!!」

 

「あぁ、間違いない……アイツの関係者だ」

 

ペンダントの蓋の裏側には…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-キーラ・リバインズ-

 

-アルファ・リバインズ-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真に写っている姉弟の名前が、英語で刻み込まれていた。

 


 
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