No.669752

【獣機特警K-9ⅡG】恐怖の女、サウヤ署長【交流】

古淵工機さん

2014-03-10 23:57:23 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:907   閲覧ユーザー数:842

「さ!今日はじゃんじゃん飲みましょ!上がって上がって!!」

トーキョー・オータ地区はデンエンチョーフ。ここにトーキョー・ベイ署署長サウヤ・レポルの住んでいる家があった。

上がってきたのは、ちょうど昨日の署長会議に来ていたマツモト警察署のカグヤ・反町とオーサカ・ミナミ署の柴島規子、

そしてフクオカ警察署の築城ともの三名であった。

無事に会議も終了したし、せっかくだから一緒に飲もうとサウヤが誘ってきたのである。

 

「かんぱーい!」

ビールジョッキを手に、乾杯する四名。

「いやぁ、こうして四人揃うっちゅうんもひっさびさやな!」

と、ノリコが軽く一杯あおる。

「確かに私たち、ニホン地域といえどもあまり顔をあわせる機会はありませんでしたからね」

「あ、サウヤさんこれ信州マツモトの地酒なんですけど、いかがですか?」

和気藹々とした風景。普通であればこのまま大人四名の夜は過ぎ去っていくはずである。

しかし、カグヤら三人はこの後とんでもない事態に遭遇することとなる…!

…飲み始めてから数時間後。

「…ひっく、でさぁー、またまた遭難者が出ちゃって。見つかった場所がさァ!ねえねえどこだと思う!?」

タダでさえテンションが上がりやすいカグヤだったが、酔っ払ってさらに勢いがついているようだ。

「え、どこで見つかったんですか?」

と、ともが頬を赤らめながらニコニコした顔で問いかける。

「…マツモト駅前なのよ!駅前よ駅前!!駅前で遭難っておまえwwwwうはwwwww」

カグヤの笑い声につられてともも笑いを浮かべる。

 

「ぐぅぅぅぅぅうぅ…アカン、ウチ気分悪ぅなってきたっ…」

苦しそうにしているのはノリコだ。

「あー!ノリコさんたらロボットなのに酔いつぶれてるwwwロボのくせにwww」

「やーかましっ、ロボかて酔うことぐらいあるっちゅうねん…うっぷ…なぁサウヤさん…」

と、ノリコがサウヤに声をかけてみたが、どうもサウヤの様子がおかしい。

見ると、大ジョッキのビールをひたすら飲み干しているではないか!

「あ、あのー、サウヤさーん?どないしはったん?」

「ふっふっふっふっふ…かぁーっ!テンション上がってきたー!!!」

サウヤの裏人格が発動。流石に先ほどまで笑っていたカグヤとともも一転して青ざめていた。

その理由は無論…サウヤの足元に転がっているビンの数である。

 

「ちょ、ちょっとサウヤさん!いくらなんでも飲みすぎですよ?」

「そ、そうそうそうそう!あんまり飲んだら体に悪いって!!」

必死でサウヤを止めようとするカグヤとともだったが、サウヤは二人をにらみつける。

「あーん…?なぁんだってぇ?」

「いや、だから飲みすぎ…」

「アンタらさぁ、アタシを誰だと思ってるの?トーキョー一の酒豪サウヤ・レポル様よ?」

その様子を見ていたノリコは、思わず心の中で叫んでいた。

(あかん…こら悪い酒や…えらいこっちゃぁ…!!)

 

「ほらとも!アンタ酒買っておいで!メガマサムネ3本だ!!カグヤはつまみ買ってきな!!カネなら出す!!」

「「ひ、ひえ~~~~~!!!???」」

先ほどまでの笑顔はどこへやら。恐怖のあまり酔いが覚めてしまったカグヤとともであった。

「…あ、す、すんませんウチもうそろそろお先しますわ、ほな…」

と言って立ち去ろうとするノリコに、サウヤの追い討ちが炸裂する。

「むぐ!?」

「ノ~~~リ~~~コ~~~~…アタシの酒が飲めないってのかぁ!?あぁん!?」

「むぐごぼごぼっ!!??」

ノリコの瞳が警告を意味する黄色に点滅し始める…。

アルコールを大量に取り込んだせいで機体が過熱しているのだ!

「ぷは…あふぅ…ぅ、ぁぁ…」

やっとの思いで一升瓶から口を離すノリコは、オーバーヒートでそのまま床に倒れこんだ。

「…はぁ、はぁ…ふあぁ、なーんか眠くなっちまったなぁ、一眠りすっか…ぐかぁー…」

ノリコが倒れた直後、サウヤも大きく欠伸をすると、そのまま倒れこみ大の字になって寝てしまった…。

 

数分後、帰ってきたカグヤとともはあまりの惨状に言葉も出ず、

オーバーヒートしたノリコを近所のロボット診療所に預けた後、それぞれ始発の新幹線に乗り込んで帰って行ったそうだ。

…翌朝。

「…姉ちゃん、お姉ちゃんってば」

「…んー…し、シラセ…?」

たまたま昨日、オーサカ・ミナミ警察署に研修に行っていたシラセ・レポルが帰ってきていたのだった。

「…いったたた、もう、頭痛いし…誰よこんなに散らかして…」

「知らないよ。わたしが帰ってきたときにはもう散らかってたもん」

「…あ、そうだ!ともちゃんたちは!?」

「たぶん帰ってると思う…ていうかすッごい疲れた顔して家から出てくところ見たけど?」

「あー…何にも覚えてない、飲みに誘って乾杯したってところまではわかるんだけど……」

アレだけ暴れて覚えていないとは、なんとも都合のいい姉だとシラセが思っていた矢先、サウヤの様子が急変した!

「…う、うぐっ…!?」

「…え、ちょ、お姉ちゃん!?」

「く、苦しい…ちょっとトイレ…」

 

……恐るべし女サウヤ・レポル。

彼女の真の恐怖とは、その酒癖の悪さなのかもしれない…。


 
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