No.664920

真・恋姫無双~Re:道~

ツナまんさん

もっと御遣い(♂)には受難があってもいいと思うんだ…。
だから、今回はシリアスをブッ飛ばす!!

『Re:道』と書いて『リロード』ということで

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2014-02-21 03:32:32 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1170   閲覧ユーザー数:1059

   第三章‐参話 『 嵐来る~和輝の受難~ 』

「賈詡様、洛陽からの返信が届きました」

「貸して」

朝一で届いた洛陽からの返信、それを兵から受け取ると即座に目を通していく。その内容は半分は宴会で和輝が語ったように迎えとして使者が来るというものだった。だが、違うのは使者は皇甫嵩と何進の二人、さらには帝を助け出したことへの恩賞を与えるために洛陽に出向くようにというものだった。

「ふん、アテが外れたな」

「!!! ちょっ、あんたいつの間に!」

いつの間にか後ろで返信の内容を盗み見していた和輝に驚いて距離を取る。

最近知ったのだが和輝と楓は一刀と違ってある程度の読み書きができるらしい。理由をきいたら『ちょっとマフィアと繋がりがあったからその時に覚えた』という、よく分からない理由だった。

「で、どうするつもり?」

「出向かねぇ訳にはいかねぇだろ。断れば不自然だ」

「…そうね。そうした上でそうするの?」

しかし、直ぐに答えは返っては来ず、和輝は腕を組んで思考に耽っていた。

(張譲は柊の話を聞いた限りではここまでするようには思えなかった。だが、現にこうして御嬢を洛陽に招いている。考えろ。俺が奴ならそこに何のメリットが有る?御嬢を味方に付ける?違う。もし奴が外道の思考をしているなら…)

「…詰みだな」

「は?」

一体こいつには何が見えているのだろうか。

「とりあえず全員集めて話した方がいいな」

歴史はどうあっても董卓を悪者にしたいらしい。そのことに和輝は舌打ちをした。

 

広間は人がいるにも関わらず静寂に…いや、この場合は重苦しい沈黙というべきだろう洛陽からの返信の内容と和輝の見解に皆驚き、何も言えずにいる。

「ほんまにそうなるんか?」

口を開いたのは霞だった。その言葉は今の話が間違いではないのかとそんな思いも感じ取れる。

「多分な。もし手紙の内容が言葉通りならそれでいいが、欲深い人間がそんなことはしねぇだろ。」

「なら、どうするんや?」

「その前にだ。御嬢に聞いときたいことがある」

「なんでしょう?」

「国と仲間とどっちを取る?」

和輝の問いかけに周りがざわめき出す。

「どうなんだ?」

だが、和輝はそれを意にも介さず月に回答を促す。

「私は…」

月が口を開きざわめきも収まる。

「私にとっては、どちらも大切です。でも、民は信に足る人になら任せることもできます。でもここにいる皆さんのことを私は家族のように思っています。酷い言い方かもしれませんが、国や民を…今有る地位を投げ打ってでも家族を見捨てるなんて私にはできません」

「そうか…」

静かに、力強く答えた月に和輝は短く答える。その顔は何処と無く満足そうにも見える。

「なら、早めに手を打つ。一刀と楓と流琉には後で話がある。とりあえず暫くは流されるか」

バァーーン!!

「お姉様!!いらっしゃいますかー!?」

重苦しい空気を物ともせず勢いよく扉を開け放ち一人の少女が大声を上げる。波打つ銀髪を後ろで束ね、動きやすそうな服装だが、白い肌に澄んだ声音は誰かに似ている。

それを肯定するように月や詠を初め元々の家臣などは驚きを隠せずにいる。

「ひ、向日葵(ひまわり)ちゃん!?」

「はい!向日葵はお姉様の元へ返ってきましたわー!」

その状況に付いていけていないのは御遣いと賊達の云わば新参組である。

「なあ、御嬢。一体誰だ?」

「えぇと、私の従姉妹の董白です…」

御嬢の答えに納得がいった。髪型や服装を除けば確かに似ているのだが、血縁だというのなら当然だろう。だが、董白は孫だった様な気もするが…そういうところが『外史』ということなんだろうと無理やり納得することにした。

で、当の本人は俺を見るなり御嬢に駆け寄っていった。

「向日葵ちゃんどうして此処に?」

「お姉様のお手伝いをしたくて…。それよりお姉様」

と話もそこそこに向日葵は月の耳元に顔を近づける。

「(あちらの殿方は一体どなたですか?)」

その質問にすこし驚き向日葵の方を見ると心なしか赤くなっているようにも見える。

「あちらが北郷一刀さんでその右側にいるのが橘楓さんでその反対側にいるのが楓さんのお兄さんの橘和輝さんです」

そう紹介されてから董白は俺の前まで来てモジモジし始める。というか、

「楓と星はなんでニヤついてんだよ」

「べっつに~」

「そうですぞ。別にニヤついてなどおりません」

なんか嫌な予感がする。さっきまでの重苦しい空気はどこいったんだ?

「あの…」

そうこうする内に董白が口を開く。

(わたくし)は真名を向日葵と言います。それで、その…」

いきなり真名を教えたことに周りは驚いている(楓と星はニヤついたままだが)が、本当に驚くのはその後だった。

(わたくし)と前提をお付き合いに結婚してください!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

「「「「「「「はああああああ!!!???」」」」」」」

 

一瞬の静寂の後、約二名を除き全員が驚き声を上げる。月は顔に手をあてイヤンイヤンと首を振り、楓と星は一層ニヤニヤと笑い、他はほとんど口を開けて固まっている。

そして一刀は和輝の肩を掴むと、

「お前も、俺の気持ちを味わってみろよ」

と、楓を指差しながら言ってきたので、とりあえず頭突きを喰らわしておいた。

 

 

 

<その頃の帝達>

「のう柊よ、何かあったのかや?」

「いえ、どうでしょう。今頃は今後について話し合っているはずですが」

「ふむならよいか。牛角よもっと早くはしってたもれ~」

「おうさ!」

四つん這いで背中に劉協を乗せた牛角は中庭を走り回る。

(――本当に此処の賊って一体…)

その様子を柊は困惑しながらながめていた。

あとがき

 

真面目やシリアスだけでは生きていけないツナまんです。

今回は新キャラ董白さんの登場でした。本当は董卓の孫娘ですが、まぁ関平とか出ている作品もあるようなので大丈夫かなと。

なんで出したかと聞かれれば、

1和輝に受難を

2月の為

です。

向日葵の真名は月に合わせてその逆の太陽、ということで月に比べ活発且つ行動派になっています。まっ容姿は月とそんなに変わらないことになってますがね。

でも今後は暫くシリアスに進める予定です。

 

では、また次回!!


 
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