No.663313

探究部の探究 バレンタイン特別編

BLACKさん

http://www.tinami.com/view/560567 の特別編となります。
今日突然思いついたものでかなり短い内容です。

2014-02-14 23:03:16 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:873   閲覧ユーザー数:859

 

 

 

 

今回のバレンタインは年齢とか一切関係なしの特別編です。

(ただしキャラの名前の呼び方が変わっていたりと話と言いますか、人間関係が進んでいたりします)

 

 

 

 

探究部の部室で……。

 

「もうすぐバレンタインか……」

 

健がカレンダーを見てつぶやく。

 

「なんですの? チョコレートが欲しいのですか?」

「そりゃあそうだよ。男としては欲しいよな? なあ? 仙司、肥土」

「まあ男のロマンだよな」

「そうか? 俺は別に……」

「夢がないぜ、肥土」

「そうそう。男のロマン、男の夢……」

「そうなんだ……」

「……ってよく考えたら肥土は待たなくてももらえるよな」

「そうそう」

 

肥土以外のメンバーが玲衣の方を見る。

 

「玲衣は肥土君にあげるのよね?」

「それが彼氏と彼女の関係なんですわね」

「それは……」

 

玲衣は顔を赤らめるも答えをはぐらかす。

 

「でも肥土はチョコが欲しいわけじゃないんだろ?」

「ああ」

「どうするの? 玲衣?」

「…………」

 

玲衣は悩んでしまう。

そして……。

 

「……決めた、作るわチョコレート」

「マジで?」

「肥土君だけじゃないわ、二人にもあげる」

「やったぜ!」

「嬉しいな」

「でも義理になりますわよ、肥土君がいますから……」

「それでも嬉しいぜ」

「ああ」

 

仙司と健は涙を流すように喜ぶ。

 

「嬉しそうね」

「でしたら私たちも作りますか?」

「そうね」

 

絵梨と釉もチョコレートを作ることにした。

 

「あ、待てよ。確か14日って雪が降るんだよな」

「そうみたいですわね、天気予報でも言ってましたし……」

「だったらさ、雪の中でチョコをあげるシチュエーションっていいんじゃない?」

「けど寒いだろ?」

「いいシチュだと思うんだけどな……」

「……いや、いいかもしれないな」

 

肥土が先ほどと反対の意見を言った。

 

「どうしたんだ? 急に意見変えて……」

「俺達探究部だろ? どのシチュでチョコをもらった方が嬉しいかって言う探究をさ」

「いいなそれ」

「次の探究部の活動はバレンタインチョコをもらうシチュの検証だ!」

「と言うわけでチョコよろしくね。最悪、買ったものでいいから」

「ダメよ」

「せっかくなんだから手作りじゃないと……」

「そうですわ。私達が腕にのりをかけて作って差し上げますわよ!」

 

男子も女子も盛り上がる。

 

 

それから数日の間、男子と女子はそれぞれ行動していた。

 

「こう雪が降ってて、学校帰りの所を呼び止められる時とかさ……」

「いや、学校行く前の方がいいかも……」

「チョコをもらうなら帰りの方がいいんじゃないのか? 行く前だともらったことが他の人にバレテ問題あるだろ」

 

肥土、仙司、健でチョコをもらう予行練習中。

 

「これを入れた方がいいのでは?」

「ううん、ここはオードソックス……シンプルに作った方がいいわ」

「気持ちが一番だって言うしね」

 

玲衣、絵梨、釉は男子達のためのおいしく喜んでもらえるチョコを作る。

そしてバレンタイン当日。

 

「すごい雪……」

 

この辺りでは勢いのある雪が降っていた。

 

「雪がすごくて学校がお休みになるかもね……」

「せっかく作ったのに……」

 

玲衣が落ち込む。

 

「……学校が休みでも芹沢君たちに会いに行ったらいいじゃない」

「いいの? お母さん」

「ただし、当たり前のことだけど注意しなさいよ」

 

それから学校の連絡網で学校は休校と言うことになったが、玲衣は肥土達と連絡を取り、集まることにした。

全員の家から比較的近い公園に集まる。

 

「それでどんな感じにするの?」

「学校帰りってのは出来なくなったけど、せっかく集まったから『呼び出してごめん。でも大事な話があるの』みたいな感じで」

「それほとんど本命チョコを渡すってことじゃない」

「肥土と川嶋ならそれでいいだろ」

「ううーん……」

「…………」

「じゃあまず誰から渡す?」

「じゃあ私から……」

 

手を上げたのは釉だった。

 

「誰に渡すの?」

「小川君」

「俺か」

「それじゃあ俺達は……」

「あそこのベンチで待ってよ。屋根あるし」

 

釉と健以外は屋根のあるベンチで待つことにした。

 

「あの……」

「どうしたの?」

 

釉はもじもじする。

 

「これ……」

 

そして釉は包み紙に巻かれたチョコを手渡す。

 

「俺に?」

「うん」

「ありがとう!」

 

健は普通に受け取る。

 

「やっぱり嬉しいな~」

「喜んでくれてありがとう。後で沢木君と芹沢君にもあげるね」

「ああ」

「それじゃあ次は私ですわね。沢木さん、お願いします」

「OK」

 

次は仙司と絵梨が出て行く。

 

「それで話って何?」

「これですわ」

 

絵梨が包み紙に包まれたチョコを出す。

 

「私の気持ちですわ、どうぞ受け取ってください」

「そんな恐れ多い……」

「いいえ、受け取ってください! 私の気持ちです!」

 

絵梨はチョコを力強く前に出す。

 

「ありがたく受け取ります」

 

仙司は絵梨のチョコを受け取る。

 

「なんか、すごく緊張した」

「私もですわ」

「最後は川嶋と肥土だな」

 

肥土と玲衣が出て行く。

 

「肥土君」

「……」

「これ」

 

玲衣は肥土にチョコを渡そうとする。

 

「俺にか?」

「うん♪」

「ありがとう」

 

肥土は普通に受け取った。

 

「なんか地味だな」

「俺も普通に受け取ったけど、俺以上だぞ」

「でもそれがあの二人らしいですわね」

「そう思う」

「とりあえず帰ろうか」

「寒いしな」

 

一同は帰った。

そして健が玲衣や絵梨からもらったチョコを開けると何もないが釉からもらったチョコを開けると……。

 

『本命だよ』

「マジでか?」

 

同じころ仙司も玲衣と釉からもらったチョコには特になかったが、絵梨からもらったチョコを開けると……。

 

『本命としてこれからもよろしくお願いしますわ』

「俺本命だったの?」

 

肥土が玲衣からもらったチョコを開けてみると……。

 

『好きだよ、肥土君』

「ありがとう」

 

肥土は一人でつぶやいた。

 

 

 

 

ひとまずおわり


 
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