No.660558

遊戯王GX BATORU OF HERO DESTINY

turn1 進化する世界、シンクロ召喚!Sinパラドクス・ドラゴン

2014-02-04 22:30:11 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:4678   閲覧ユーザー数:4513

デュエルモンスターズ。

それは、四十枚から六十枚のカードの束で構成されたデッキで、相手のライフを0にする事で勝利するこの世界でもっとも流行している娯楽を越え、お見合いや告白、取り引き等にも使われるほどのカードゲームである。

そして今、新たなデュエルが人々の心を熱く燃えたぎらせる。

 

その名は『ライディングデュエル』

それは、スピードの世界で進化した決闘(デュエル)……。そこに命を懸ける者たちを、人々は、ライディングデュエリストと呼んだ……。

OPテーマ【BELIEVE IN NEXUS】

と、こんな風に宣伝なんてしてるけどライディングデュエルシーンは以外と少ない。だってこれ、GXだもの。ファイブディーズの世界はさらに未来だし…………いきなり何を言い出してんだろうな、俺。

ああ、自己紹介がまだだったな。俺の名は遊斗、暁 遊斗(あかつき ゆうと)。デュエルアカデミア筆記試験を終えて実技試験に挑んでいる絶賛受験生だぜ☆さらに言うと海馬コーポレーションの新規カードテストプレイヤーでもある。だからみんなが持ってないような新たな召喚法のカードも多数所持している。

で、個人的な諸事情で実技試験に遅れてしまった為に110番のE・HERO使いの後に試験を受けることになり、試験官と対峙しているわけだが……

 

「ワタクシはクロノス・デ・メディチ。アナタの試験は特別にこのデュエルアカデミア実技最高責任者であるワタクシが担当する~ノデス」

 

そう、よりによってさっき110番に逆転勝利されたクロノス教諭が相手なのである。どうせ俺を使って汚名返上でもしたい所なんだろうけどそうはいかない。こっちだって海馬コーポレーションの為にカードの宣伝をしなくちゃならないんだから

 

「受験番号二番。暁遊斗です。諸事情により遅れましたが、よろしくお願いします」

 

互いに言いたいことを終えるとデュエルディスクを構え、

 

「「デュエル!!」」

 

遊斗LP4000

 

クロノスLP4000

 

デュエルを開始した。

同時にディスクのランプが点滅し、先攻と後攻を決定する。結果、このデュエルはクロノス教諭からのスタートになった。

 

「ワタクシのターン、ドローニョ!」

 

ニョって……いや、ここはあまり深く関わらない方が身のためか

 

「ワタクシは古代の機械石像を召喚!」

 

古代の機械石像 ATK500

 

「さらーに、ワタクシは手札から魔《機械複製術》を発動!デッキより二体の古代の機械石像を特殊召喚!」

 

古代の機械石像×2 ATK500

 

攻撃力はたったの500……となると普通に考えてあのモンスターたちは中継モンスター、次の大型を出すための布陣って所か……

 

「見て驚くーノ!三体の古代の機械石像を生け贄に、手札から召喚条件を無視して古代の機械巨人を特殊召喚ナノーネ!」

 

古代の機械巨人×3 ATK3000

 

「先攻は攻撃が出来ないのでカードを一枚伏せてターンを終了する~ノデス」

 

クロノス

手札零枚

モンスター 古代の機械巨人×3

魔法&罠 伏せ一枚

 

おいおい……初手で攻撃力3000のモンスター三体とか受験生相手に対してとる戦法ですかい……

現にギャラリーから終わったなとか既に諦めの声が聞こえてくるんですけど……

まあ、このデッキなら突破なんて容易いものだ。でもまずはドローしてからだな。

 

「ドロー。手札から《テラ・フォーミング》発動。デッキからフィールド魔法《Sin World》を手札に加え、そのまま発動」

 

フィールドが亜空間のような気味の悪いフィールドに移り変わっていく。さあ、残虐と暴虐のショーの始まりだ。

 

「エクストラデッキの『サイバー・エンド・ドラゴン』を墓地に送り、手札からSinサイバー・エンド・ドラゴンを特殊召喚!」

 

Sinサイバー・エンド・ドラゴン ATK4000

 

黒い鎧のようなもの所々に装備したサイバー・エンド・ドラゴン、Sinサイバー・エンド・ドラゴンの登場にこの場にいた全員が騒然としている。お、バルコニーで観戦してるサイバー流の丸藤亮も驚いているな。

なにせサイバー流の継承者のみが所有できるレアカード、サイバー・エンド・ドラゴンを持っているだけでも驚きなのに自分の知らない派生モンスターが登場すればそりゃあ驚くわな。

気を取り直して……

 

「俺はさらにもう一体のサイバー・エンド・ドラゴンをエクストラデッキから墓地に送り、Sinサイバー・エンド・ドラゴンを特殊召喚。そしてエクストラデッキのスターダスト・ドラゴンを墓地に送り、Sinスターダスト・ドラゴンを特殊召喚!」

 

Sinサイバー・エンド・ドラゴン ATK4000

 

Sinスターダスト・ドラゴン ATK2500

 

「俺はこのターン、通常召喚を行っていない。よって、チューナーモンスターSinパラレルギアを召喚」

 

Sinパラレルギア ATK0

 

「チューナーモンスター?上級モンスターのラッシュが続いたのでどんなモンスターが出てくるのかと思えば、攻撃力たったの0のザコモンスターデス~カ?ワタクシがアナタに特別講義をしてあげル~ノ。攻撃力0のモンスターなどいくら並べたところで何の役にも立たない。わかりマシタカ?」

 

う~む、果たしてそれはどうなんだろうか?あの決闘王、武藤遊戯さんだってクリボーという低級モンスターをブラックマジシャンとブラックマジシャンガールの師弟の次くらいに信頼を寄せていた。

なのに低級モンスターを見くびるなんて……

別に負けフラグだから良いんだけどさ

 

「なら、俺は先生にこの攻撃力0のモンスターがデュエルモンスターズの世界をさらなる進化へと導く一枚である事を教えて差し上げましょう。俺はレベル8のSinスターダスト・ドラゴンに、レベル2のSinパラレルギアをチューニング!」

 

パラレルギアが二つの輪っかとなり、その中を八つの星となったSinスターダスト・ドラゴンが通過していく。

 

「な、何が起こってルーノ!?全くついて行けナイーノ!?」

 

「次元の裂け目より生まれし闇、時を越えた舞台に壊滅の幕を引け!シンクロ召喚、Sinパラドクス・ドラゴン」

 

Sinパラドクス・ドラゴン ATK4000

 

「シンクロ召喚!?もうわけがわからンノ~ネ!」

 

「シンクロ召喚。それは、チューナーと呼ばれるカテゴリーのモンスターと、それ以外のモンスターを使用し、素材としたモンスターのレベルの合計と等しいレベルのシンクロモンスターをエクストラデッキから特殊召喚する海馬コーポレーションが開発した新たな召喚法です」

 

「な、なるほど~ネ。よくわかったノ~ネ」

 

「では気を取り直してSinパラドクス・ドラゴンの効果発動。このカードがシンクロ召喚に成功したとき、自分の墓地に存在するシンクロモンスター一体を自分フィールド上に特殊召喚し、さらにこのカード以外の自分フィールド上に存在するシンクロモンスターの攻撃力の合計分だけ相手フィールド上のモンスター全ての攻撃力を下げる」

 

「シカーシ、アナタの墓地にシンクロモンスターは存在してなイーノネ」

 

いやいや、デュエルディスクには墓地確認機能が付いてるんだからそれ使おうよ。なんで皆使わないんだろうね。良いけどさ別に

 

「残念ですが、Sinスターダスト・ドラゴンの召喚時に送ったスターダスト・ドラゴンこそシンクロモンスターの一体なのですよ」

 

「な、なんでスート!?」

 

「墓地より飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン!」

 

スターダスト・ドラゴン ATK2500

 

ソリッドビジョンの大地を砕き、星屑の名を冠した光り輝く竜が俺の頭上に姿を現す。

ギャラリーからは『きれー』とか『か、かっけぇー』とかいろいろな台詞が聞こえ『ふつくしい……』……おい、誰だ今社長の台詞言った奴は?

兎にも角にも観客には概ね好評だ。Sinシリーズは多少怖いイメージが強いから仕方ないけど

 

「スターダスト・ドラゴンが俺のフィールドに特殊召喚されたことでパラドクス・ドラゴンの第二の効果が発動する。自分フィールド上のパラドクス・ドラゴンを除いたシンクロモンスターの攻撃力の合計分、先生のモンスターの攻撃力を下げる。スターダスト・ドラゴンの攻撃力は2500。よって古代の機械巨人の攻撃力は-2500となります」

 

古代の機械巨人×3 ATK3000→500

 

「《ナイト・ショット》発動。先生の伏せカードを破壊します」

 

破壊したのは……聖なるバリア-ミラーフォース-か……スターダストが居るからと言っても破壊してなかったらターンが伸びてたな。

 

「バトル。Sinサイバー・エンド・ドラゴンとSinパラドクス・ドラゴンで古代の機械巨人を攻撃。エターナル・エボリューション・バースト!パラダイムストリーム!」

 

「ペペロンチ~ノ~!」

 

クロノスLP4000→500→-3000

 

「ありがとうございました」

 

吹き飛ばされたクロノス先生を放置して俺はさっさとデュエルフィールドを後にした。

ん~!やっぱり後攻ワンキルはスカッとするねー。後は合格通知を待つだけか……よし、やることはもうないし、さっさと帰って寝るとしようそうしよう。

「シンクロ召喚……くー、すっげえ格好いいな!!」

 

「そう、だね……」

 

「わ、私はなんか怖かったです……」

 

海馬ドームの観客席から遊斗のデュエルを見ていた一人の少年がシンクロ召喚という融合とは別の新たな召喚法に興奮し、二人いる少女のうちの一人が眠たそうにそれに答え、最後の一人が若干涙目で声を絞り出した。

 

「暁遊斗……あー、早くデュエルしてみてぇ!な、相棒?」

 

『クリクリ~!』

 

少年、遊城十代の肩辺りから羽の生えたクリボー、ハネクリボーが元気に答えてみせる。

 

「こうしちゃいられねぇ!早く帰ってデッキ調整だ!」

 

そう言うと十代は会場の外に出て走り出す。

 

「ほらユーリ、置いてくよ」

 

「あわわ!待ってくださいよ十代!簪も~!」

 

その後を追い掛けるように走り出したのは更識簪とユーリ・エーベルヴァイン。

彼等の出会いは、果たして世界にどのような影響を及ぼしていくのだろうか……

 

「待ってろよー!暁遊斗!」

EDテーマ【Close to you】


 
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