No.657967

IS~蘇りし幻影[ゲシュペンスト]~第11話~悲しき別れ/決意

TEITARAKUさん

お久しぶりです。
KANNBARUです。
今年はじめの投稿です、生暖かい目で見てください。

2014-01-26 23:49:59 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2562   閲覧ユーザー数:2414

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、もう一人の主人公は織斑秋十です。

中村ではございません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園 自室

 

 

 

 

 

秋十side

 

 

 

「ふぁぁ……………眠い」

 

 

 

オルコットさんとの決闘の翌日の午前5時、ISに乗って戦った為か体が凄い疲れている。

隣のベッドを見ると箒がまだ寝ている。

彼女を見るととても申し訳ない気持ちになってくる。

 

 

 

(………箒………………)

 

 

 

俺には双子の兄がいた。

優しくて、俺の事をいつも心配してくれた。

勉強と剣道も俺より凄くて、俺の目標だった。

だけど兄は、周りからいつも姉貴と俺に比べられてきた。

周りは、いつも結果しか見ようとしなかった。

 

 

 

~どうして出来ないんだ、織斑の弟の癖に……………~

 

 

 

~千冬様の恥さらし………………~

 

 

 

~それだから弟に負けるんだよ………~

 

 

 

~なんでお前が………………~

 

 

 

兄に浴びせられる罵声、時には暴力さえあった。

普通のテストや練習だと全く勝てないのに、大事な試験や大会の時はいつも勝つ。

大人達はそれだけしか見ない、中身なんか見ようとしなかった。

 

 

 

~強くなったな、秋十…………俺は嬉しいよ…………~

 

 

 

俺は兄に聞いた、本当は手加減してくれたのかと。

 

 

 

~俺はいつも本気だ…………秋十や千冬姉にはもっと上に行ってほしいと思ってる…………秋十には越えてほしいんだ……………俺を……………~

 

 

 

今思い返してみると、兄はもう決めていたのかもしれない。

それが俺の道だと………………。

そして遂に、運命の時間がやって来た。

第二回モンド・グロッソ、俺と兄は姉貴を応援する為に会場に来ていた時だった。

 

 

 

~悪い秋十、俺喉乾いたから何か買ってくるわ…………~

 

 

 

~えっ、じゃあ俺も……………~

 

 

 

~いや、俺一人で行く……警備と人と一緒に居ろよ……………………………その方が安全だからな…………~

 

 

 

~一夏?~

 

 

 

~いや、なんでもない……………じゃあな…………~

 

 

 

それが兄との最後の会話だった。

それから暫く経っても帰ってこない兄を尻目に決勝は始まり、姉貴の連覇で大会が終わって暫くすると日本政府の人が現れてこう言った。

 

 

 

~貴女の弟さんが誘拐されました、今ドイツ軍と共同で誘拐犯のアジト内を捜索中です…………~

 

 

 

それを聞いた姉貴はISに乗って誘拐犯のアジトに向かっていった。

暫くして戻って来ると、姉貴は泣いていた。

後日、アジト内にあった大量の血痕から兄の物と確定。

そしてこう言われた。

 

 

 

~織斑一夏は存在しなかった……………~

 

 

 

消されたのだ、兄は……………織斑一夏はこの世に元から居なかったとされた。

政府の思惑はすぐにわかった、これを機に姉貴の汚点を消したかったんだろう。

ホテルに戻った姉貴は優勝して貰ったトロフィーとメダルをゴミ箱に投げ捨て、賞状を破り捨てた。

その後、誘拐事件は表出ずに揉み消され、姉貴は情報提供してくれたドイツ軍の期間限定で教官になり、俺はまた普通な暮らしを過ごした。

 

 

 

「なってみせる、兄貴が喜ぶような存在に」

 

 

 

再びそう決意し、俺は部屋を出て剣道場に向かった。

道場に向かう途中、姉貴と中村さんが言い合っている姿を見た。

中村さん帰ってきてたんだ、てことは説教でも受けているのかな?

山田先生が覗いていたがどっか行った。

中村さんには後で話を聞こう、今日は何の定食だろう、これは川崎さんに聞くか。

 

 

 

 

 

中村side

 

 

 

「これは一体どういう事ですか?」

 

 

 

「それはこちらの質問だ」

 

 

 

山田先生に呼び出され行ってみるとそこには山田先生の姿は無く、その代わりに織斑先生がいた。

振り向いて見ると山田先生が物影から心配そうに俺を見ると何処かへ行った。

見捨てられた……………唯一の救いに。

 

 

 

「貴様、今まで何処をほっつき歩いていた?」

 

 

 

「それは……その~なんと言いましょうか色々とありまして」

 

 

 

「1週間生徒をそっちのけでか?」

 

 

 

「別に俺が居なくても大丈夫でしょう?担当の教科ないですし」

 

 

 

ドゴン!!!!

 

 

 

「つがぁ~~~~覚悟してたけどやっぱり痛いっすよ」

 

 

 

「それでも学園内にいなければならないぐらいわかるだろ?」

 

 

 

「理事長には許可を取りましたよ?」

 

 

 

「どの位だ?」

 

 

 

「5日間ほど」

 

 

「ここに帰ってきたのは?」

 

 

 

「1週間後です」

 

 

 

ガンッ!!!ドスッ!!!

 

 

 

「ドゥ!!!!バラァ!!!」

 

 

 

「まぁいい、今回の事は不問にする」

 

 

 

「か、感謝します」

 

 

 

「本当、感謝しなさい」

 

 

 

「なんでお前がいるんだよ、織斑深雪先生」

 

 

 

振り向くと俺の同期の織斑深雪がいた。

織斑と言う名字で織斑先生の親戚と間違えられることが多い。

 

 

 

「もうホームルームが始まります、早くお願いします」

 

 

 

さてと、久々に行きますか。

 

 

 

 

数時間後、ホームルーム

 

 

 

 

 

 

 

秋十side

 

 

 

「と言う事で1組のクラス代表は織斑君に決定です」

 

 

 

山田先生がそう言った後周りから拍手された。

それと何故だろうか、何か熱い視線を感じるだが……………。

 

 

 

(あ、俺って勝ったんだっけ)

 

 

 

「頑張れよ、織斑!!!」

 

 

 

「あれ、中村さん?」

 

 

 

ドアから声が聞こえて見てみると、入ってきたのは姉貴と中村さんだった。

やっぱり中村さん帰ってきたんだ。

結局今日、食堂に川崎さんはいなかった。

 

 

「中村先生帰ってきたんですね」

 

 

 

「悪いねみんな、休暇を取ってたんだ、今日から復帰だからまた頼むわ」

 

 

 

「「「「「「「「はーーーーい」」」」」」」」

 

 

 

「そうだ、織斑、篠ノ之、放課後道場に来てくれないか?話があるんだが」

 

 

 

「はい、わかりました」

 

 

 

中村さんからの話って何だろう?

それに箒もって…………。

そんなことを考えながら聞いていた

授業が終わり、その後オルコットさんとは和解し事なきを得た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏宅

 

 

 

 

 

一夏side

 

 

 

「自分の髪のセッティングぐらい一人でしたらどうだ?」

 

 

 

「あら、私の髪をこんな風にするまで楽しんだのはどこのどちらかしら?」

 

 

 

「一番楽しんでいたのはアンタじゃないのか?………………シャワーを浴びているときにまた盛りやがったな」

 

 

 

「悪いかしら?」

 

 

 

「根に持っている訳ではないが此方は辛かったんだ、アンタの相手をしているときにオータムまで来るわ、やっと終わったと思ったらシャワーでまた二人まとめて第2ラウンド突入だ」

 

 

 

まぁもう終わった事だからいいんだが………………………。

今の俺はシャワーを浴びた後のスコールの髪をドライヤーで乾かし、櫛でといている。

オータムは俺の作った朝飯を美味しそうに食べている。

それにしてもスコールのサラサラした髪だ、艶がありとても滑らかだ。

 

 

 

「それにしても以外ね」

 

 

 

「何がだ?」

 

 

 

「貴方みたいな人がこんなことも出来るなんて」

 

 

 

「それは色々とあってな、俺のからしたらアンタらの方が以外だった、アンタらがまだ"初めて"だったみたいだったからな」

 

 

 

オータムは少し頬を赤くして少し俯いた。

オータムの扱いを見て同性愛者とはわかったが、まさかな。

 

 

 

「まぁこんなもんだろ、出来だぞ」

 

 

 

「ありがとう……………あら、とても良いわ」

 

 

 

「そいつはどうも……………俺は出かける」

 

 

 

スーツを着て、焼けたパンを一口で入れ、コーヒーで流し込む。

 

 

 

「どこに行くのかしら?」

 

 

 

「何処でもいいだろ?」

 

 

 

「そう、じゃあ私達は帰るわ」

 

 

 

「またな、鍵は閉めておいてくれよ」

 

 

 

スコール達と別れの挨拶を済ませ、自宅を出る。

暫く街中を歩いていると、後ろから視線が刺さるのを感じた。

 

 

 

(付けられている?…………)

 

 

 

そう思い歩くスピードを速くし、人気のない道に入ると俺の前を塞ぐようにワゴン車が止まった、後ろも同じように止まっていた。

車の中からスーツ姿に鼻から上を隠すヘルメットを被った男達が下りてきた。

数は左右に5人、合計10人、その手には刀が握り締められていた。

 

 

 

「なんだ、お前達は?」

 

 

 

「織斑一夏だな?」

 

 

 

「確かにそうだが?」

 

 

 

「お前を拘束する」

 

 

 

「嫌だと言えば?」

 

 

 

重心を少し低くして構える。

 

 

 

「この場で殺し、遺体を持ち帰る」

 

 

 

「抜刀、目標を殺害しろ」

 

 

 

男達は刀を抜き、襲い掛かろうとした時、上から男が降ってきた。

 

 

 

「一夏!!!」

 

 

 

「幸輔?!」

 

 

 

「こいつを使え!!!」

 

 

 

そう言って差し出したのは、ファントム・バレットで配備されていた超高周波ブレードだった。

ブレードを受け取り、霧生と背中を合わせる。

 

 

 

「お前の仕業じゃないだろうな?幸輔?」

 

 

 

「まさか、コイツらには一週間前に襲われたよ」

 

 

 

「なんだと?じゃあコイツらは何なんだ?」

 

 

 

俺からの質問に霧生の答えは驚愕のものだった。

 

 

 

「強化人間、日本政府のIS関連の実験や不祥事で死んだ男達の末路だ」

 

 

 

「じゃあコイツらは…………」

 

 

 

「死んだ後、人体実験で身体をいじり回されて無理矢理に蘇生させられたんだ」

 

 

 

「貴様か、昨日サーバーに侵入してきたのは、殺れ!!!」

 

 

 

霧生はブレードを構える。

それを見た男達は刀を構え直し、俺達目掛けて襲い掛かって来る。

 

 

 

「一夏、遠慮するなよ」

 

 

 

「わかっている、俺は前をやる」

 

 

 

「じゃあ俺は後ろをやる、コイツらは一度死んでいる……………もう……………楽にさせよう」

 

 

 

「…………………今度こそ…………安心して寝てくれ!!!!」

 

 

 

前の敵に目掛けて走り、5人の内の二人の間を走り過ぎる時にブレードを左右に二度振り、3人目は刀を降り下ろしてきたのをブレードで流して三度ブレードを振るい、4人目と5人目は刀を振りかぶっていたのを見て胴に目掛けてブレードを横に二度振り、俺は通り過ぎた。(約2秒)

 

 

 

「おやすみ」

 

 

 

そう言ってゆっくりブレードを納めていく。

ブレードが納まりきった時……………

 

 

 

「へ?」

 

 

 

「何?」

 

 

 

男達の身体は刀と一緒にバラバラの肉塊になり、男達の中からは赤い血ではなく、白い液体と人工物が出てきた。

おそらく男達は自分に何が起きたのか分からないまま死んだ。

霧生の方も始末し終えたようだ。

彼等にとっては幸せだっただろう。

 

 

 

「安らかに眠れ」

 

 

 

「遅かっ………たか…………」

 

 

 

その声に振り向くとそこには………………

 

 

 

「鍵本静司!?」

 

 

 

「うっ!!……………ぐぁ……」

 

 

 

鍵本は呻きながら地面に倒れた。

駆けつけて見ると、鍵本の身体はとても酷い状態だった。

頭から白い血を流し、身体はボロボロで目は写ろになっている。

 

 

 

「マズイ………今から治療を…………」

 

 

 

「無駄だ…………………もう…………助からない」

 

 

 

「だが………」

 

 

 

「いいんだ……………織斑一夏………伝えなければならない………ことがある」

 

 

 

「幸輔、彼女を呼べ早く!!!」

 

 

 

「わかった!!」

 

 

 

霧生は彼女を呼ぶために彼女の家に向かっていった。

 

 

 

「鍵本、何なんだ?伝えなければならない事って?」

 

 

 

「さっき戦った奴等を……………お前に差し向けた奴等の事だ………………」

 

 

 

「何処なんだ?」

 

 

 

「日本…………政府だ………人体実験も政府主導で…………されていた」

 

 

 

「日本政府が………どうして俺を?」

 

 

 

「それは俺の…………責任だ……昨日………お前の存在を………公にするために………俺は彼女に接触した………………ッ!!!…………ゲホッ!!!」

 

 

 

「もういい喋るな」

 

 

 

鍵本は俺の腕をとても強く掴んだ。

今の状態では考えられない程の力だった。

 

 

 

「記憶を忘れていて………………わからないだろうが…………俺は……誘拐された……………お前を救えなかった……………上の命令で………捜索さえ………させてもらえなかった……すまない……」

 

 

 

「俺は、アンタの知っている織斑一夏かもしれない、だが俺に謝る前に謝らなきゃいけない人がいるだろ?」

 

 

 

「え?」

 

 

 

「伊藤さんだ、アンタの彼女の」

 

 

 

「無事…………なのか?」

 

 

 

「無事だ、なんせ俺が助けたんだからな」

 

 

 

鍵本の顔は安堵の表情をしていた。

正直いって飛び降りるときはかなりビビったが…………。

 

 

 

「静司!!!」

 

 

 

「叶恵?」

 

 

 

女性の声に振り向くとそこには伊藤さんがいて、鍵本を見ると鍵本に抱き付いた。

 

 

 

「叶恵……………すまなかった………………お前を…………こんな目に遭わせて………」

 

 

 

「いいの………私こそごめんなさい……」

 

 

 

「泣いて………いるのか?」

 

 

 

鍵本は彼女の顔を見た。

大粒の涙を流していた彼女の右頬に手をあて、親指で涙を拭った。

 

 

 

「笑えよ………もう一度…………お前の笑顔が見たいんだ」

 

 

 

彼女は泣き顔ながら必死に笑顔を作った。

 

 

 

「やっぱり………お前の笑顔………良かったよ…………叶…………恵……………………」

 

 

 

「静司?いやぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

 

鍵本は愛する人に抱かれ死んだ。

 

 

 

「幸輔………」

 

 

 

「なんだ?」

 

 

 

「この世界にいるかもしれない仲間に連絡してくれないか?」

 

 

 

「まさかお前………………」

 

 

 

腹は括った、戻ってやるよ…………この世界でも。

 

 

 

「腐った日本政府に、戦争を吹っ掛けるぞ」

 

 

 

無慈悲の王者にな………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回からファントムバレット大集合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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