No.657059

少年少女達の幻想物語 第六話 少年少女の目標の為の一歩

四姉妹さん

今回は長めに書きました

2014-01-23 23:14:01 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:634   閲覧ユーザー数:634

リーナが寺子屋から出発して数時間後のこと。彼女は完全に道に迷っていた。

 

 

リーナ「どこ〜? ここ〜?」

 

 

リーナは、歩いても、周りを見渡しても木、木、木。

あまりに何も見つからないため、木にもたれて休むことにした。数時間歩き続けていたため、疲れていたのだろう。そのまま眠ってしまった。

 

 

 

 

その頃、博麗神社にて

 

 

 

魔理沙「なぁ、霊夢」

 

霊夢「何よ」

 

魔理沙「私の見間違いじゃなければ、紫のスキマから身体が半分だけでて気絶してる女がいるんだが」

 

霊夢「見間違いじゃないわよ」

 

 

二人が話しているとスキマから紫が出てきた。

 

 

紫「ごきげんよう」

 

霊夢「あいさつしてる場合じゃないでしょ。誰よその子」

 

紫「この子は、リーナ・サエリズム。私が新しく連れてきた子よ」

 

魔理沙「なんで連れてきたんだぜ?」

 

紫「理由は、幻想郷の人間の数が少し減っているから人数調整がてらに・・・もとい、なんとなくよ」

 

霊夢「あんたねぇ、なんとなくで外の世界から連れてくるんじゃないわよ」

 

魔理沙「霊夢は面倒なことが起きるとおもってるだけだろ?」

 

霊夢「あたりまえじゃない」

 

 

そんなことを三人が話していると、リーナが話し声で目を覚ました。目を開けた先には、さっきまでいた森の中ではなく神社らしき場所、そして巫女服をきた人とその隣で饅頭を食べている人がいた。

 

 

紫「目は覚めたかしら?」

 

 

声が聞こえた方をみると、口元に扇をあてた女の人がいた。

 

 

リーナ「えーと・・・」

 

 

リーナが困惑していると扇を持っている人が説明し始めた。

 

 

紫「ここは博麗神社。巫女服を着ているのが博麗 霊夢、この神社の主よ。彼女の隣にいるのが霧雨 魔理沙。そして、私がこの世界の管理人である八雲 紫よ」

 

 

とりあえず、この場所とここにいる人はわかったけど。

 

 

リーナ「なんで私はここにいるんですか? 森の中で寝てたと思んですけど」

 

霊夢「ここにいるのは紫のせいよ。いま、あんたが入っているスキマを使ったのよ」

 

リーナ「入っている?」

 

 

入っている、という単語を聞いて不思議に思ったリーナは自分の下を見た。

すると、

 

 

リーナ「うわ!?」

 

 

変な空間の中に多数の目があった。その目は自分や他の色々な場所を見ている。それを見たリーナは、慌ててスキマから飛び出た。

 

 

紫「気にいってもらえなかったようね。悲しいわ」

 

 

そう言う紫は全く悲しむ表情を見せず、むしろリーナが慌てている姿を見てニヤニヤしていた。

 

 

霊夢「あたりまえよ。その中を気に入ってるのはあんたぐらいよ」

 

魔理沙「ところでさ〜。なんでここに連れてきたんだぜ?」

 

饅頭を食べ終わった魔理沙が聞いてきた。

 

 

紫「この子が道に迷ってたからよ。それに弾幕も何も出来ないし、迷っていた場所が場所だったから危なかったの」

 

霊夢「だからって何で私の神社なのよ」

 

紫「一番近かったから」

 

霊夢「あんたねぇ・・・はぁ、もういいわ」

 

 

さらっ、と答える紫に対して諦めたようにため息をつく霊夢。とそこで、リーナは少し思ったことを聞いてみた。

 

 

リーナ「人数調整で連れてこられたのって、私だけなんですか?」

 

魔理沙「確かに、私も気になるぜ」

 

紫「いいえ。すでにもう一人連れて来ているわ。名前は鴉間 黒人。リーナは知っているでしょう」

 

リーナ「黒人くんが来てるんですか?」

 

紫「えぇ。会いたいなら探してみるといいわ」

 

 

そこで霊夢が口をはさむように言い出した。

 

 

霊夢「探すはいいけど、リーナは幻想郷を全く知らないでしょ?」

 

リーナ「はい」

 

紫「それに関しては、稗田家に行くといいわ」

 

魔理沙「ま、聞きに行くにしても、探すにしても弾幕とスペカについて教えといた方がいいんじゃないか?」

 

この時霊夢は面倒くさいなぁ、という表情をしていた。

 

 

紫「それもそうね。ってことで魔理沙はリーナの送り届け、霊夢は弾幕、お願いね」

 

霊夢「はぁ。どうせ私が教えるんだろうなぁ、と思ってたわよ」

 

魔理沙「それくらいならいいぜ」

 

 

面倒くさそうだが一応引き受けてくれるようだ。

ちなみに、リーナは弾幕を知らず、頭に?を浮かべていた。

 

紫「それじゃ。後はおねがいね〜。私は帰るから」

 

霊夢「ちょっ!?紫、まちな・・・」

 

 

霊夢が呼び止めるのも気にせず紫はスキマに入っていった。

 

 

魔理沙「それじゃ、私も帰るぜ」

 

霊夢「はいはい、またね」

 

そして魔理沙も帰って行った。

 

 

霊夢「それじゃあリーナ。さっそく始めるわよ」

 

リーナ「はい。よろしくおねがいします」

 

 

こうしてこの世界を知るための準備が始まった。

 

 

 

霊夢「ところで、あんたの能力は?」

 

リーナ「はい?」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

黒人side

 

 

守谷神社に着いた次の日。

 

椛から話を聞いた射命丸 文は守谷神社に来ていた。

 

 

文「私に何か用ですか?」

 

早苗「少し黒人さんの事でお願いがあります」

 

 

と、早苗さんが隣の男性を指しながら言いました。

ん〜、見たことない男性ですねぇ。新しく幻想入りした人でしょうか。だったら今すぐ取材したいところですねぇ。

文がそう思っていると男性が挨拶してきた。

 

 

黒人「鴉間 黒人だ。よろしく。」

 

文「文々。新聞を書いている射命丸 文です。いきなりですが、黒人さんを取材してもかまいませんか?」

 

黒人「別に構わないが」

 

 

 

そのあと、こちらの用事もあったので30分程で取材が終わった。

 

 

文「ありがとうございました。いや〜、驚きましたよ。まさか黒人さんが天狗だったなんて。外の世界には他にも天狗はいるんですか?」

 

黒人「まあ、ほとんど衰退してるけどな。外の世界にいた生き残りは俺だけだ」

 

文「ふむ。なるほど。ところで、用事ってなんですか?」

 

 

文がメモを取りながら聞いてきた。それに対して早苗が

 

 

早苗「天狗でる黒人さんを天狗の里に連れて行ってもらえませんか?」

 

 

それを聞いて文が考え始めた。

いくら天狗とはいえ、幻想郷の天狗ではない天狗を里に入れれるかどうか。

 

 

文「いくら天狗でもよそ者ですからね〜。天狗の里に入れる可能性は低いと思いますよ」

 

早苗「う〜ん、そうですか」

 

文「ところで、黒人さんは空は飛べますか?」

 

黒人「飛べないよ。俺の羽は飾り同然だからな」

 

 

突然話が黒人のほうに向いてきたが、驚きもせずに答えた。

 

 

文「なら、とりあえず飛ぶ練習をしましょう。天狗なのに飛べなかったら話になりませんから」

 

黒人「わかった」

 

 

こうして黒人の空を飛ぶ練習が始まった。

正直空なんか飛べるのか?俺。

 

 

今は昼時なので、夕飯時まで練習することになった。ちなみにおおよそ6時間程である。

 

 

文に教えてもらいながら黒人が練習をしている中、草むらの方から少女が現れた。

 

 

にとり「へ〜、珍しいこうけいだね〜」

 

早苗「にとりさん。来ていたんですか」

 

 

彼女は河城 にとり。カッパの妖怪である。普段は妖怪の山付近の小屋で生活している。言うまでもなくキュウリが大好物である。

 

 

にとり「あの文が、始めて合う人に何かを教えるなんてね〜」

 

早苗「確かに、ああやって文さんが、誰かに何かを教えているのを見るのは初めてかもしれません。

ところで、にとりさんは何をしにきたんですか?」

 

にとり「今日は、諏訪子に頼まれてた時計の修理が終わったから届けにきたのさ」

 

早苗「そうでしたか。じゃあ諏訪子様を呼んできますね」

 

 

と言って早苗は神社に入って行った。そして、すぐ諏訪子を連れて戻ってきた。

 

 

諏訪子「時計が直ったんだってね。ご苦労様」

 

にとり「お代はあとで持ってきておくれよ」

 

諏訪子「はいはい」

 

 

にとりは用事がすむとすぐに帰って行った。

にとりが帰ってから数時間後。

 

 

文「大体感覚は掴めましたか?」

 

黒人「おかげさまで」

 

 

黒人はほんのわずかだが、飛べるようになっていた。

すると神社から早苗が出てきた。

 

 

早苗「御夕飯ができたので今日は終わりにしたらどうですか?」

 

 

周りを見ると辺りはもう薄暗くなっていた。

 

 

文「あやや、もうそんな時間ですか。それじゃ、私は帰りますね」

 

早苗「何だったらご飯食べて行ってはどうですか?」

 

文「いえいえ。仕事がありますから私はこれで。黒人さん、また後日きますので」

 

黒人「すまない。ありがとう」

 

文「それでは」

 

 

黒人がそう返すと文は帰って行った。

文・・・か。結構可愛かったな。

 

 

早苗「黒人さん、ご飯食べましょう。それと、住む家を見つけるまでここにいてもいいですよ」

 

黒人「え、いいのか?」

 

早苗「はい。住む場所が無かったら困るでしょうし。さっき言ったように住む家を見つけるまでですけど」

 

黒人「それは助かるよ。ありがとう」

 

 

こうして黒人は再び守谷神社でお世話になることになった。

そしてその日の夜。

黒人は早く飛べるようになるために、一人で練習をしていた。するとそこへ

 

 

紫「結構頑張ってるじゃない?」

 

 

暗闇から女性の声が聞こえた。

 

 

黒人「誰だ?」

 

 

相手に質問すると、女性は姿を見せながら質問に答えた。

 

 

紫「私は八雲 紫。ここ幻想郷の管理者よ」

 

黒人「あんた、あの変な空間にいた・・・」

 

紫「あら、覚えていてくれたのね。嬉しいわ」

 

 

紫は少し嬉しそうな顔をしながら扇を口に当てている。

 

 

紫「ところで、今日一日で何か違和感を感じなかったかしら?」

 

黒人「違和感?」

 

紫「そう。たとえば、初対面なのにやけに周りが受け入れてくれたりとか」

 

 

そう言われた黒人はそこで始めて違和感を感じた。

 

 

黒人「確かに、今思うとやけに優しくしてくれたな・・・。あんた、何か知ってるのか?」

 

紫「えぇ、知ってるわよ。それは貴方の能力によるものよ」

 

 

黒人はそこで始めて能力の存在を知った。

 

 

黒人「能力?」

 

紫「そう、能力。幻想郷の人里の人以外は皆、何かしらの能力を持っているわ」

 

 

そうだったのか。だったら早苗や文も能力を持っているのか。

 

 

紫「ちなみに、早苗は『奇跡を起こす程度の能力』、文は『風を起こす程度の能力』よ。そして私は『境界を操る程度の能力』よ。あとこの世界では能力に〜程度とつけるわ」

 

紫「そして貴方の能力は『すぐに馴染める程度の能力』よ」

 

 

それを聞いて黒人は思った。何それスッゲェ微妙。

 

黒人「微妙だな・・・」

 

紫「いいんじゃない? 私は好きよ。あぁ、それと一つ質問よ。貴方、天狗の里に入りたいのよね?」

 

黒人「ああ、そうだが」

 

 

なぜそんな質問を?と思うと紫が

 

 

紫「なら里に入れるように、少し手助けをしましょう」

 

 

と言ってきた。

 

 

黒人「そんなこと出来るのか?」

 

紫「まあね。それに私が貴方を連れてきたんだし、少し手助けさせてもらうわ」

 

黒人「そうか。ありがとう」

 

紫「それじゃあ、伝えることは伝えたから、これで失礼するわ」

 

 

そう言うと紫はまた暗闇に戻って行った。

 

 

結局その日はほとんど練習はできずに、眠ることにした。


 
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