No.656449

機動戦士ガンダム異聞〜旭日の旗の下に〜前史

最近pixivで投稿を始めたガンダムSSを此方でも投稿することにしました。リンクは後日ここに貼ります。
追記リンク貼りました。
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3195250

2014-01-21 13:23:23 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1565   閲覧ユーザー数:1549

人類が、増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に半世紀が過ぎていた。地球の周りには巨大なスペースコロニーが無数に浮かべられていた。人類はその円筒の大地を第二の故郷とした。人々はそこで子を産み、育て、そして、死んでいった。

 

ジョージ・グレンの告白が世界を震撼させていた頃、当時のブルーコスモス盟主であったジオン・ズム・ダイクンは、コーディネイターの存在に対し懸念を示した。新たな種、即ち人工的に造られた種の存在は、新たな差別を生むと考えていたのである。事実、コーディネイターは徐々にナチュラルを見下す者が増えていった。しかし、ダイクンはジョージの言葉にあった「新人類」という言葉には共感的だった。しかし、その理念も、コーディネイターの中でコーディネイター自身が選ばれた新人類だという、選民思想に取って代わってしまう。この事態に危機感を抱いたダイクンは、ブルーコスモス盟主を辞任し、側近のデギン・ソド・ザビを初めとする多くの同志と共に、地球から最も遠い宇宙都市、サイド3「ムンゾ」に移民する。ダイクンはそこで、人の革新「ニュータイプ」の存在と、コロニー国家の可能性を示し、人々の支持を集めていった。

 

U.C.0058、サイド3「ムンゾ」は独立を宣言、『ジオン共和国』を樹立する。この事態に対し、地球連邦政府はジオンに対し経済制裁を行うと同時に、「地球圏の治安維持」を名目に、地球連邦軍を結成する。これに対抗しジオンも国防軍を樹立、両国の関係は緊張状態となる。

 

やがて数年後、ジオン内部でダイクン派とザビ派の内部抗争が表面化する。理想を追い求めるダイクンと、現実主義のデギンの間で亀裂が生じたのである。この混迷の中、U.C.0068、ダイクンは急死する。この死には、病死説とザビ家の暗殺説があるが、真相は不明である。ダイクンはこの時、後継人として、デギンを指名した。

 

デギンは実権を握ると、次男サスロ・ザビが何者かに暗殺されたのを皮切りに反対する勢力を弾圧、粛清し、翌年4月、共和制を廃し、公王制に移行を宣言する。

 

権力を独占したザビ家は、武力による地球からの独立を掲げ、軍拡の道を進み始めた。

 

U.C.0078 12月24日、プラントの農業生産コロニーであるユニウスセブンが何者かによって核攻撃をうけた。後に、血のクリスマスイブと言われたこの惨劇により、24万3721人が犠牲となった。地球連邦はこの事件をジオン公国攻撃と発表したが、ジオン側は連邦の戦闘機が核攻撃する瞬間の写真を提出し全面否定した。そしてジオン公国総帥、ギレン・ザビは地球圏全域に次の演説を行ったのである。

 

「罪無きプラント市民に涙するものはいるか!当然だ!哀れ深い我がジオン国国民は彼らのために泣き、彼らの為に祈るだろう!同時に我が国民は満悦の怒りを邪悪な地球連邦に向けなければならない!プラント最高評議会を唆し、我々を敵対させようとした地球連邦こそが真の敵である!」

 

この演説により、プラントの世論は親ジオンに傾き、同年12月30日、プラントとジオンの間で軍事同盟が締結されるのである。

 

 

全ての舞台は、整った。

 


 
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