No.656222

真・恋姫†無双 裏√ 第四十八話

桐生キラさん

こんにちは!
今回は日常編、詠ちゃん視点のお話です
ハードトレーニング詠ちゃんストーリー

2014-01-20 13:07:42 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2309   閲覧ユーザー数:1995

 

 

 

 

 

詠ちゃんのとある一日

 

 

 

 

 

 

詠「ふぅ…今日もいっぱい働いたわぁ」

 

最近は仕事にも慣れて来たけど、さすがに夜になるとしんどいのよね。お風呂が気持ちいいわ

 

詠「ん?誰か体重計使ったのかな。出しっ放しじゃない」

 

お風呂から上がり、着替えていると、ふと部屋の隅に置いてあった体重計に目がいく。

東が出した未来の器具で、確か人や物の重さを数字で表すものなのよね。

ここに来た当初は、なんでも珍しくって、この体重計にも乗ったっけ。

基準がわからないから、あまり何とも思わなかったけど

 

詠「そう言えば、あれ以来測ってないわね」

 

ということで、乗ってみることにした。

僕も女の子だ。自分の体型は気になる。太ってはいないはずだけど

 

詠「…うそ」

 

み、見間違いかしら?増えてるように…

 

詠「……そんな」

 

僕は恐る恐る目を開き確認する。明らかに、増えていた

 

詠「ど、どうしよ…あ、東のせいだわ!あいつの料理が美味しいから…」

 

美味しいから、仕事終わりはいっぱい食べていた…

これはまずいわ。まさか増えてるなんて…

 

悠里「あーっとっと。やっぱり出しっ放しにして…」

 

詠「きゃー!」

 

悠里「うお!な、なになに?どうしたの詠ちゃん」

 

僕が茫然自失としていると、戸が開き悠里が入ってきた。

何よ突然。びっくりするじゃない

 

悠里「んん?んー…」

 

詠「?」

 

何こいつ。僕のことじろじろ見て

 

悠里「わかりました詠ちゃん!増えてたんでしょ!」

 

詠「ぐはっ!」

 

直球で言われてしまった。なんでわかったのよ!

 

悠里「あーやっぱりー?詠ちゃん分かり易いなぁ」

 

クッ!不覚だわ。第一線から遠退いたとは言え、仮にも軍師をやっていたのに。

だがしかし、ばれてしまっては仕方ない

 

詠「……悠里、残念だけど、知ってしまった以上、あなたを放置するわけにはいかないわ」

 

悠里「え?あれ?あたし、殺されちゃう?」

 

詠「大丈夫、楽にしてあげるわ」

 

悠里「ちょ、ちょっと待って!詠ちゃん落ち着いて!」

 

詠「問答無用!」

 

僕が悠里を襲おうとすると、再び戸が開かれ、今度は咲夜が入ってくる

 

咲夜「おいお前ら、何騒いでやがる」

 

そしてそのまま、制止させられてしまった

 

 

 

 

咲夜「なるほどな。事情はわかった」

 

あの後、僕は観念して咲夜に事情を説明した。じゃなきゃ、解放できそうになかったし

 

悠里「女の子にとって、体型って重要ですもんねー」

 

詠「油断してたわ。確かにここに来てから、いっぱい食べてたから」

 

咲夜「ふーん。ならさ、増えた分減らしたらいいじゃないか」

 

詠「は?どうやって?」

 

悠里「どうって、運動しかないよ詠ちゃん」

 

運動?僕が?

 

咲夜「あぁ。詠は仕事ばかりで、運動はしてないだろ?」

 

詠「まぁね。ここに来る前までも、頭は使っても体は使わなかったわ」

 

咲夜「体型が気になるなら、明日の明け方に起きろ。一緒に走るぞ」

 

詠「うへぇ、走り込みかぁ。きつそうだわ。食べないってやり方じゃダメなのかしら?」

 

悠里「ダメです」

 

咲夜「ダメだな。食わないと体力落ちるわ、筋肉も萎むわでいい事ないぞ。

それに、人間は食わなきゃ生きていけないから、いつかは食う。

それで食わなかった反動でいっぱい食って、また重くなるってのを延々と繰り返すことになる」

 

詠「楽しちゃいけないって事ね。わかったわ。なら、明日の朝頼むわ」

 

悠里「あ!それとお昼に恋ちゃんとうちに来るといいよ!きっと凄い運動になるから」

 

詠「わかった。お昼に寄らせてもらうわ」

 

と言った具合で、僕の減量計画は始まった

 

 

 

 

詠「……くらっ」

 

目覚ましの音がなり、僕は目覚める。外はまだ微妙に暗い。

咲夜はいつもこんな早くに起きているのかしら

 

詠「既に、心が折れそう…」

 

いつもより少し朝が早いだけで、ここまで眠いのか。だけど、起きなきゃ

 

詠「顔、洗お」

 

僕は部屋から出て、洗面所を目指す。

まだちゃんと覚醒していないせいか、ぼぉっとしてしまう

 

 

ごんっ!

 

 

詠「…ん?」

 

扉を開けると、何かがぶつかる音が聞こえた。

僕は気になり、部屋を覗くと、そこには頭を抑えている東の姿があった

 

詠「あ、ごめん、大丈夫?」

 

どうやら僕が扉を開けた時に、頭をぶつけてしまったのだろう。ついてないわね

 

零士「だ、大丈夫だよ。おはよう詠ちゃん。今朝は早いね」

 

詠「そうねー。ちょっと健康を気にして」

 

零士「そっか。それはいい事だね。

それじゃあ、僕は台所でお茶飲んでるから、何かあったら言ってね」

 

詠「うーぃ」

 

そして東は台所に向かって行った。僕はそれを見送ることもなく、洗面所に入っていく。

その際、後ろからドンッと何かをぶつける音が聞こえた気がしたが、あまり気にはしなかった

 

 

 

 

外に出ると、既に咲夜は待機していた。ほんと、早いわね

 

詠「おはよー」

 

咲夜「おはよう詠。ちゃんと起きれたみたいだな」

 

詠「まだ眠いけどね」

 

咲夜「だろうな。じゃあ眠気覚ましに、少し柔軟しておこう。

いきなり走ったら、体壊すかもしれないしな。じゃあ詠、私の行動を真似てくれ」

 

詠「うーい」

 

そして柔軟体操が始まった。体中の筋肉を伸ばし、ほぐしていく

 

詠「んーっ、気持ちいいわ」

 

咲夜「よし、次はこうだ」

 

咲夜は直立のまま、体を曲げ、足のつま先を掴んだ。

え?無理じゃね?

 

詠「んーっ!こ、これ以上いかない!」

 

とりあえずやってみたが、膝を曲げない限り、届く気がしなかった

 

咲夜「詠は硬いな。ほら、こうだ」

 

詠「にゃー!」

 

僕がもがいていると、咲夜が後ろから押し、無理やり掴ませようとした。正直、折れるかと思った…

 

 

 

 

「おはようございます咲夜さん」

 

柔軟をしていると、聞き慣れた柔らかい声が聞こえた。

え!?この声って…

 

咲夜「おはよう月。今日もよろしくな」

 

詠「え?月?なんでここにいるの?」

 

僕の大親友、月がやってきた

 

月「あれ?詠ちゃん?どうしてここに?」

 

う、減量計画中って言うのは、なんとなく気恥ずかしいわね

 

詠「ぼ、僕はちょっと、あの、ただの運動よ!深い意味はないわ」

 

月「じゃあ、今日は詠ちゃんも一緒に走るんだね」

 

詠「え?月って毎朝走ってんの?」

 

咲夜「あぁ。さすがに武術訓練には参加させてないがな」

 

詠「だからか…」

 

僕は月を見ながら呟く。月の無駄のない肉体、そして実は体力もある。

これは月の毎朝の努力の結果なのだろう

 

咲夜「さぁ、さっさと走るか」

 

月「あ、はい!」

 

詠「よーし!頑張るわよ!」

 

僕も、月に習わなくちゃね!

 

 

 

 

と思っていた時期が僕にもありました…

 

月「詠ちゃん、大丈夫?」

 

詠「はぁ…はぁ…」

 

僕は大の字になって寝転がっていた。は、走るだけで、こんなになるなんて…

ていうか…

 

詠「ゆ、月…いつも…こんなに走ってるの?」

 

月「う、うん。今日はまだ、ゆっくり走ったほうだよ」

 

詠「……うそ…でしょ…」

 

信じたくなかった…

 

月「詠ちゃんどうする?私これから朝ごはん作りに行くけど」

 

詠「ぼ、僕はもう少し、休んでいくわ…」

 

月「うん。じゃあ、また後でね」

 

咲夜「毎朝ありがとうな月」

 

月「いえ、お料理、好きなので」

 

そして月は家の台所に向かって行った。

僕は壁にもたれかかって座り、咲夜の訓練を眺めていた

 

詠「きっつ…」

 

咲夜「はは、最初は誰だってそうさ」

 

咲夜は素振りをしつつ、話しに付き合ってくれた

 

詠「咲夜も、最初はこんな感じだった?」

 

咲夜「まぁな。それに、私の師は零士だったんだぜ?何回ぶっ倒れたか…」

 

咲夜は遠い目をして語っていた。一体、どれほど壮絶だったのだろう。

あまり知りたくはないわね

 

咲夜「さて、今朝はこんなもんかな。そろそろ切り上げて家に入るか」

 

詠「わかったわ」

 

しばらくして、咲夜は訓練を終えた。そして僕は立ち上がろうとするが…

 

詠「おぅ…」

 

足にきていた…

 

 

 

 

 

うちの台所に入ると、そこには月、東、そして恋と集まっていた。机には既に料理も並べられてある

 

咲夜「おはよう二人とも。お、ちょうどいい時にやってきたか?」

 

零士「おはよう咲ちゃん。みんな揃ったし、食べようか」

 

恋「♪」

 

詠「あーやばい。足がプルプルしてる気が…」

 

咲夜「だらしないぞ詠。月を見てみろ。あの後、ちゃんと仕事もするんだぞ」

 

詠「月やばい。月すごい。ホント尊敬するわ」

 

月「あ、あはは。それでは、いただきましょうか」

 

「いただきます!」

 

その後、僕達は朝ご飯を食べつつ、団欒としていた。

運動の後だからか、いつもよりさらにご飯が美味しく感じた

 

 

 

 

詠「恋、行こうか」

 

恋「ん。いこ、セキト」

 

食後しばらくして、僕と恋はセキトを連れ、悠里の家に向かった。

悠里は一体、何をしてくれるのだろう

 

悠里「いらっしゃーい!待ってたよー!」

 

子ども1「わぁ!恋おねーちゃんだー!」

 

子ども2「今日は詠ちゃんもいるー!」

 

詠「こらこら、詠姉様と呼びなさい!」

 

悠里の家にたどり着くと、僕と恋は子ども達に囲まれてしまった。

っとと、凄い元気な子ども達ね

 

椎名「あらあら、大人気ね」

 

詠「あ、おはようございます椎名さん」

 

椎名「おはようございます詠ちゃん。今日は珍しいですね」

 

詠「はい。悠里に呼ばれちゃって」

 

悠里「ふふーん。子ども達の相手って、凄く体力がいるんだよねー。

きっと詠ちゃんにとって、いい運動になるよー!」

 

この子達の、溢れんばかりの活力を見ればわかる。これは、覚悟しないといけないようね

 

子ども3「詠ちゃーん!こっちこっち!」

 

詠「うお!こ、こら、引っ張っちゃダメー!」

 

僕、一日持つかしら?

 

 

 

 

 

 

鬼ごっこ

 

 

 

悠里「じゃあ、まずは鬼ごっこをしよー!」

 

子ども達「いえーい!」

 

詠「鬼ごっこ?」

 

悠里「一人、追いかける役を決めて、他の子達は捕まらないように逃げるって遊び。

そして捕まった人は追いかける役を交代するんだよ!」

 

詠「へー。そんな遊びあるんだ」

 

悠里「じゃあ、まずはあたしが鬼やるねー!十数える間にみんな逃げるんだー!」

 

子ども達「わぁー!!」

 

僕と恋も、子ども達と一緒になって逃げ始める。

ふん、捕まらなきゃいいだけよね。こんなの楽…

 

悠里「九、十!じゃあいっくよー!!」

 

 

ヒュンッ!

 

 

詠「……え?」

 

十数え終えると同時に、悠里の姿は消えた

 

悠里「はい、詠ちゃんつっかまっえたー♪」

 

気づけば、悠里は僕の背後にいた

 

詠「……はい?」

 

そして悠里は、また消えてしまった

 

詠「…え?無理じゃね?」

 

恋「…悠里は、速い」

 

逃げ切る気も、追いつける気もしなかった

 

 

 

ドッジボール

 

 

 

悠里「じゃあ、次はドッジボールだ!」

 

子ども達「わぁーい!!」

 

詠「はぁ…はぁ…ど、どっじぼーる?」

 

鬼になった後、子ども達にいいように遊ばれた僕は、既に息が上がっていた。

さすが、悠里のとこの子ども達だわ。みんな速すぎる…

 

悠里「二つの陣営に分かれて、この球をぶつけ合う遊び。

飛んできた球を上手く取れなかったら、退場してもらって、先に全滅させた方の勝ち!」

 

詠「な、なるほど」

 

それなら、僕が上手く策を練っていけば、勝てるかもしれないわね

 

悠里「よーし!じゃあ私の陣営と恋ちゃんの陣営に分かれて、試合開始だ!」

 

子ども達「おー!」

 

ふふん、勝ってみせるわよ!

 

 

数分後

 

 

(´・ω・`)無理でした…

 

身体能力に差があり過ぎ、開幕直後に集中砲火、なんとか避けてくも次第に追い詰められ、

直撃を受けた。ていうか何なのよ、ここの子ども達は!みんな動きが活発過ぎるのよ!

 

 

 

サッカー

 

 

 

悠里「お次はサッカーだ!」

 

子ども達「おぅいぇあー!!」

 

詠「さっかー?」

 

悠里「そそ!今度も二つの陣営に分かれて、相手のゴールって呼ばれる枠の中に球を入れる遊び。

ただ、手は使っちゃいけません!基本は足を使ってもらいます!」

 

詠「へー。さっきのドッジボールでは、早いうちに退場したから、体力は回復済みよ!」

 

悠里「お!いいねー!じゃあさっそくやろー!」

 

 

数分後

 

 

詠「ぜぇ…ぜぇ…」

 

子ども4「詠ちゃーん!ぼーる行くよー!」

 

詠「…え?ノァッ!」

 

きっつ…なにこれ…走り回ってばかり…しかも手が使えないから余計難しい…

 

恋「…詠、こっち」

 

詠「にゃあ~…」

 

球を仲間に送ることすら難しかった…

 

 

 

 

悠里「いやぁ~、今日はいっぱい遊びましたねー」

 

夕も暮れる頃、僕はようやく休む事が出来た。

あのサッカーの後、まだまだ遊び倒し、僕の体力を極限まで削っていった。

もはや、歩く事すらままならない

 

詠「…あんた、いつもこんな事を?」

 

悠里「そうだよー。まぁお姉ちゃんだから、ってのもあるけど、やっぱり子どもは好きだからさ!」

 

そう答える悠里の顔は、とても輝いて見えた

 

僕は悠里の事を見誤っていたのかもしれない。

ただの女の子好きな馬鹿だと思っていたが、それだけじゃない。

彼女は周りを明るく照らす、慈愛に満ちた、優しい女性なのだ

 

詠「それじゃあ、そろそろ帰るわ」

 

悠里「あ、またいつでも来てね!うちの子達も、詠ちゃんの事気に入ってるからさ!」

 

詠「ふふ、わかったわ」

 

恋「…悠里、またね」

 

そうね。また、来てもいいかもしれないわね

 

恋「…詠、大丈夫?」

 

詠「…ちょっと、肩貸してくれるかしら…」

 

これさえなければ…

 

 

 

 

詠「ってな事があったのよ。思いっきり運動して、増えた分の体重を減らすつもりだったのよね」

 

僕は『晋』に帰り、事のあらましを月に説明した。依然、僕はだらっとした状態だ

 

月「んー…でも詠ちゃん、太ってませんよね?」

 

咲夜「あぁ。私もそう思うんだがな。本人は増えてるって言うんだ」

 

詠「うっ…」

 

改めて、増えてるって思うと傷つくわね…

 

恋「…詠、身長は?」

 

身長?背の高さよね?それがどうかしたのかしら

 

咲夜「あぁ、詠、身長は測っていないのか?」

 

詠「へ?測ってないけど、なんで?」

 

咲夜「身長が伸びてる分、体重も増えなきゃいけないだろ?」

 

詠「まぁ、そうね」

 

言われて気づく。そういえば、どうなのかしら

 

僕らは身長を測る器具を取り出し、測ってみる事にした。結果は…

 

詠「あ、結構伸びてる」

 

以前測った時に比べ、割と伸びていた

 

咲夜「じゃあ、身長と体重を元に計算して…っと、こんなもんか。

詠、お前太ってないぞ。標準体型だ。むしろ痩せてる方なんじゃないか?」

 

詠「え?そうなの?」

 

咲夜「あぁ、今のお前の身長なら、それくらいの体重が無きゃおかしい。

だから気にしなくていいぞ」

 

詠「なんだぁ~…」

 

月「ふふ、よかったね詠ちゃん」

 

じゃあ、もう気にしなくてもいいのね

 

詠「あー、なんか安心したら、お腹空いてきたわ」

 

恋「…恋も」

 

咲夜「はは、なら夕飯にするか」

 

月「あ、私もお手伝いします」

 

詠「あれ?そういえば、東はどうしたのかしら?」

 

咲夜「あぁ?そういえば見ないな」

 

月「まだ帰ってきてないのかな?」

 

零士「ただ、いま…」

 

詠「お、噂をすればね。おかえりあず…ま?」

 

帰ってきた東を見てみると、僕以上にボロボロの出で立ちだった

 

咲夜「お、おい、大丈夫かお前?」

 

これには流石の咲夜も心配する程だった

 

月「いったい、何があったんですか?」

 

東は若干虚ろな目をして、口を開いた

 

零士「実は…」

 

 

 

 

 

「零士さんの不幸な一日」に続く………

 

 

 


 
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