序章 -楕円の地獄-
A.D.88年 8月11日
帝政ローマ領 ローマ市内フラウィウス円形闘技場
怒号喝采の鳴り止まぬ闘技場に織斑一夏はいた。円で囲む形の闘技場は血に飢えたローマ市民並びに第11代ローマ皇帝ドミティアヌス帝も王族観覧席から観覧していた。貴族席も元老院議員や執政官、国政を担う政務官や騎士長官などで溢れかえっていた。
「闘え、倭人剣闘士《イチカ・オリムラ》」
王族観覧席からドミティアヌス帝が立ち上がり決闘を促した。それに反応するように飛び交っていた怒号も叫びも穏やかになり静寂が訪れた。
「私は剣闘士が好きだ。強い者が好きだ。私を飽きさせない武術と芸術と美術を見せろ」
「何の為に俺は闘わなくちゃいけないんだ!!」
一夏は反逆の眼でドミティアヌス帝を睨みつける。
「<あの鎧>を見せろイチカ、それで闘え、そして勝ち取ればいい・・・女を」
ドミティアヌス帝は不敵な笑みを浮かべて警護している
程なくして、戻ってきた軍団幕領の手には憔悴しきった"篠ノ之箒"の姿があった。
「箒ッッッッッ!!!!!!」
一夏は箒の名を叫ぶとIS《白式》を身に纏い軽く浮いた。
その瞬間闘技場中が先程の怒号以上に
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ユリウス歴88年の帝政ローマ領にタイムスリップした織斑一夏とその仲間たちの物語