No.642898

一刀の晋王転生録 最終章十三話

k3さん

曹操と夏候惇に会話に入る麗羽。はたしてその結末とは?

2013-12-05 20:16:34 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2292   閲覧ユーザー数:1964

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第十三話

   「愛とは……」

 

 

「何だと……貴様が言うな!」

 

 夏候淵の死を汚すと言われ、今にも斬りかからんとするほどに夏候惇は怒りを示す。

 

「だって、そうではございませんの? 彼女を倒したのは私の部下であり、私が直接見た訳ではありませんがそれでもこれだけは分か

 

りますわ」

 

 麗羽は真っ直ぐに夏候惇を見据えながら言った。

 

「彼女は華琳さんに生きてほしくて命を懸けたのだと言う事ですわ。そして彼女は見事それを成してくれました。今此処に華琳さんが

 

居るのは彼女のおかげですわ。それなのに貴女は先ほど何と仰いました?」

 

「な、何を……」

 

「貴女は華琳さんと戦ってでもと私を討つと仰いました。という事は場合によっては殺してしまうかもしれないという事。そう、妹さ

 

んが命を懸けて生かした華琳さんをです」

 

「だ、黙れ!」

 

「貴女は妹さんが命懸けで成した事を台無しにしようとしているのですわ! それを妹さんの死を……誇りを……生きた証を汚すとい

 

う以外何と仰るのです!?」

 

「黙れぇー!」

 

 夏候惇はたまらず袁紹に斬りかかった。

 

「ぐっ!」

 

 それを曹操が庇い、傷を負った。

 

「華琳さん!?」

 

 麗羽は慌てて曹操を支える。

 

「だ、大丈夫よ麗羽……死にはしないわ」

 

 麗羽に支えられ、何とか立ち上がる曹操。

 

(わ、私は一体何を……)

 

 夏候惇は曹操を斬ったという事実に愕然する。

 

(私は、華琳様を殺そうとした?……)

 

 夏候惇の脳内に先ほどの麗羽の言葉が響いた。

 

「あ……あぁぁぁぁぁ!」

 

 彼女は絶叫し、そして術が解けた。

 

 麗羽の言葉と曹操を斬った事で、自分のしていた事を理解すると仇討ちの気が消失したのだ。暴走していた感情が無くなれば、暴走

 

することが無くなる事が道理。

 

 彼女はあまりの絶望と自分に対する失望により、自分の持つ大剣で、自分の身体を刺し貫いた。

 

「!? 春蘭!」

 

 崩れ落ちる夏候惇に、曹操は麗羽の手を借りて近づく。

 

「秋……蘭……華……琳……さ……」

 

 それだけを言って、夏候惇は絶命した。

 

 しばらく、二人の間に沈黙が続く。それを破ったのは曹操からだった。

 

「ねぇ、麗羽……私は……この娘を、いえ、皆を愛していたのかしら?」

 

「華琳さん?」

 

「私はどうして春蘭にもっと多くの生き方を学ばせなかったのかしら? 私のこの感情は……愛では無く、浅ましい、そしておぞまし

 

い所有欲なのかしら?……私、は……」

 

 曹操はこれ以上言葉を続けることが出来なかった。自分はこれほど愚かな人間だったのかという怒りと悔しさで。

 

「私は……そうでは無いと思いますわ。だって」

 

 麗羽は曹操の顔に指を指す。

 

「だって、出なければ貴女が涙を流すとは思えませんから」

 

 曹操ははっとし、手を顔に当てる。すると麗羽の指摘どうり、自分は涙を流していた事を自覚する。

 

「……ありがとう」

 

 この後、曹操は何とか立ち直り、麗羽と共に残る敵を倒していく。

 

 愛とは何か。

 

 戦に支障をきたさない程度に考えながら。


 
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