No.642509

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 外伝~クロスベル警察”特務支援課”の情報~前篇

soranoさん

外伝~クロスベル警察”特務支援課”の情報~前篇

2013-12-04 00:03:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2073   閲覧ユーザー数:1935

同日、20:30――――

 

その後明日の戦いに向けて準備を整え、食事を終えたアリサ達はサラと共にミーティングを始めていた。

 

~第3学生寮~

 

「さてと。明日はクロスベル湿地帯で現れた”大樹”に向かい、”特務支援課”と協力して作戦を開始するけど……先程、プリネ姫の使者――――ルクセンベール卿から”特務支援課”や彼らに協力するメンバーについての詳細な情報を渡してもらえたからコピーした書類を貴方達にも渡すわ。……先に言っておくけど、とんでもない豪華メンバー揃いよ?」

サラは多くの書類をアリサ達に配って口元に笑みを浮かべた。

「豪華メンバー揃いって……」

「それほどの強者が揃っているのか?」

サラの言葉を聞いたエリオットは冷や汗をかき、ラウラは尋ねた。

「――――ま、説明を聞いていれば嫌でもわかるわ。まずは”特務支援課”リーダー、ロイド・バニングス。彼は”天使”と”悪魔”をそれぞれ一人ずつと”契約”――――つまり従えているわ。」

「ええっ!?て、天使と悪魔を……!?」

「普通に考えて真反対の存在ですよね……?」

サラの説明を聞いたアリサは驚き、エマは冷や汗をかいて尋ねた。

「ロイド・バニングスの事件解決能力は抜群でね。――――かつてはマクダエル市長暗殺未遂事件、D∴G教団事件を解決したのも彼が動いたからそうよ。正直、彼の捜査官としての実力はクロスベル警察でもエリート揃いの捜査一課クラスと言ってもおかしくないわ。」

「なっ!?マクダエル市長暗殺未遂事件に加えて、”D∴G教団”事件まで……!?」

「ほう………………」

「……俺達より一年年上……と書いてあるな。凄いな……」

「そう言えばオジサンもロイド・バニングスの事件解決能力は褒めてたね~。」

「………それに”教団”にも関わったとなると武術の腕も相当…………」

ロイドの情報を聞いたマキアスは驚き、ユーシスとガイウスは感心し、ミリアムとフィーは静かな口調で呟いてロイドの写真を見つめていた。

「それと彼が従えている天使がとんでもない曲者でね…………”西ゼムリア通商会議”で”鉄血宰相”とロックスミス大統領を嵌めた策を考え、裏で動いていたのはその天使だそうよ。」

「なっ!?」

「馬鹿なっ!?あの”鉄血宰相”に加えてロックスミス大統領もだと!?」

「あの時から僕達”革命派”の旗色が一気に悪くなったんだよね~。」

「……つまりは彼らにとって軍師の役割と言う訳か……」

ルファディエルの説明を聞いたマキアスとユーシスは声を上げ、ミリアムは疲れた表情をし、ラウラは静かな口調で呟いた。

「そうね。”革命派”は彼が従えている天使の策略によってボロボロにされたと言ってもおかしくないわ。」

「…………………」

「フン、とんでもない策士だな…………」

「とても天使とは思えない方ですね……」

サラの説明を聞いたマキアスは複雑そうな表情をし、ユーシスは鼻を鳴らし、エマは不安そうな表情をしていた。

 

「――――次に行くわよ。エリィ・マクダエル。”特務支援課”のサブリーダーよ。」

「”マクダエル”というと…………」

「マクダエル元議長と”聖皇妃”の縁者か。」

サラの話を聞いたマキアスはエリィの写真を見つめて考え、ユーシスは静かに呟き

「ええ……確かエリィさんはマクダエル元議長の孫娘でイリーナ皇妃の妹のはずよ。」

アリサは頷いて答えた。

「アリサさんは知っているのですか?」

「うん……とは言っても小さい頃にお母様と一緒に会った事があるIBCのディーター総裁から話を聞いている程度よ。自分の娘―――マリアベルさんの友人で、マクダエル市長にちょうど私と同じくらいの孫娘がいるって。……ただイリーナ皇妃については知らなかったようだけど……」

エマに尋ねられたアリサは頷いた後考え込み

「あの情報は寝耳に水な話だったんだよね~。今でも何でメンフィルがそこまでして”聖皇妃”の情報を隠したのか意味不明なんだよね~。」

ミリアムは不思議そうな表情で答えた。

 

「―――ティオ・プラトー。”闇夜の眷属”の一人にしてエプスタイン財団の”魔導杖(オーバルスタッフ)”のテスト用員の第一人者……つまりエリオットとエマにとって先輩にあたる子ね。」

「え…………」

「”魔導杖”の……ですか?」

サラの話を聞いたエリオットは呆け、エマは不思議そうな表情をし

「そう。その子が使っているのは初期タイプの”魔導杖”だそうよ。貴方達二人の”魔導杖”はその子の”魔導杖”のデータを元に作られた改良型よ。」

二人の言葉にサラは頷いて答え

「しかし……何故14歳で既に働いているのだ?日曜学校も卒業していない歳だろうに……」

ラウラはティオの写真を見て眉を顰めていた。

「あ~……その子はちょっと色々と”ワケあり”でね。対面した時は何も聞かないようにして。」

ラウラの言葉を聞いたサラは気まずそうな表情をして答え

「…………どうやら”特務支援課”とやらも俺達”Ⅶ組”のように色々と理由があって集まっているメンバーのようだな……」

ガイウスは静かな口調で呟いた。

「―――――ランディ・オルランド。元クロスベル警備隊所属だったんだけど……その前の経歴が凄いわ。それについてはフィー、貴女の方がよく知っているんじゃないの?」

「ん…………”赤い星座”の団長――――”闘神”バルデル・オルランドの息子にして”赤き死神”。……私も何度かやり合った事がある。”闘神の息子”が猟兵を辞めて、何で警察なんかにいるのかが理解不能だけど。」

サラに視線を向けられたフィーは頷いてランディの写真を見つめていた。

「ええっ!?」

「も、元猟兵がクロスベル警察に……!?」

フィーの話を聞いたアリサとマキアスは驚き

「……それでフィー。このランディという者は実際どのくらいの実力の持ち主なんだ?」

ラウラは真剣な表情でフィーを見つめて尋ねた。

「……正直一対一でまともにやり合ったら私では勝てない。」

「ええっ!?フィーちゃんが!?」

「フィ、フィーって確か”西風の旅団”っていう猟兵団で”西風の妖精(シルフィード)”っていう異名で呼ばれて活躍していたんだよね?そのフィーでも無理なの……?」

静かな口調で答えたフィーの言葉を聞いたエマは驚き、エリオットは信じられない表情で尋ねた。

「……”赤き死神”と私の強さのスペックは全然違う。以前私を含めた2個中隊が”赤き死神”が率いる僅かな手勢によって壊滅に追いやられたし、”猟兵”としての実力も恐らくだけどザクセン鉄鉱山で戦った”V”―――――ヴァルカンと同じくらいだと思う。」

「あのテロリストの幹部の一人と同じだなんて……!」

「……相当な強さだわね……」

「フィーをも遥かに超える強さを持つ元猟兵か……」

フィーの説明を聞いたマキアスは驚き、アリサとラウラは真剣な表情でランディの写真を見つめていた…………

 


 
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