No.638517

真・恋姫†無双~赤龍伝~第123話「赤斗、男を逃がすのこと」

さん

主人公も含めてオリジナルキャラクターが多数出てきますので、ご注意ください。

2013-11-21 02:02:04 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2499   閲覧ユーザー数:2351

真・恋姫†無双~赤龍伝~第123話「赤斗、男を逃がすのこと」

 

 

雪蓮「ヤッホー赤斗♪」

 

赤斗が広間までやってくると、雪蓮が笑顔で手を振りながら出迎えてくれた。

 

赤斗「雪蓮、嶺上。まさか蜀にやってくるなんて思わなかったよ」

 

雪蓮「だって今は諸国を漫遊して世直し旅をする絶好のチャンスじゃない。これを逃す手はないわ」

 

嶺上「おかげで私は雪蓮のお守りをさせられるはめになったがな」

 

雪蓮「別に嶺上に来てなんて言ってないわよ」

 

嶺上「何だと~。こっちは火蓮さんの言い付けで来てやってんだぞ」

 

唸り声を上げながら、雪蓮と嶺上は睨み合いを始めた。

 

赤斗「相変わらず、仲がいいね」

 

雪蓮「どこがよ!」

嶺上「どこがだ!」

 

赤斗「……息ぴったりだね。それはそうと、またあとでね」

 

嶺上「ん?」

 

雪蓮「どこか行くの?」

 

赤斗「昨日捕まえた辻斬りの様子を見に行くんだよ」

 

雪蓮「辻斬り? 成都って物騒なのね。それで強いのそいつ?」

 

赤斗「愛紗さんを倒すほどの腕前だからね。強いと思うよ」

 

雪蓮「愛紗を倒したですって!?」

 

嶺上「そいつはスゴイな」

 

赤斗「じゃあ、あとでね」

 

雪蓮「私も行く♪」

 

嶺上「私もな♪」

 

赤斗「……言うと思ったよ」

 

そう言うと赤斗は雪蓮と嶺上と一緒に辻斬りの居る地下牢へと向かった。

 

 

朱里「赤斗さんに雪蓮さん、嶺上さん。三人ともどうしたんですか?」

 

赤斗「昨日捕まえた辻斬りの様子を見に来たんだけど…どう?」

 

朱里「今は自害できないように拘束しています」

 

赤斗たちの目の前の牢の中には、まったく身動き出来ないように縛られ、舌を噛み切らないよう拘束された男の姿がある。

 

昨夜つけていた仮面は外され、素顔は露になっていた。

 

雪蓮「ねえねえ赤斗。あれが愛紗を倒した辻斬りなの?」

 

赤斗「まあね」

 

興味深深に雪蓮は男の事を見る。

 

男はそんな雪蓮を睨み返していた。

 

雪蓮「ふーーん♪」

 

 

赤斗たちは朱里とともに広間に戻ってきた。

 

雪蓮「良い目してたじゃない」

 

朱里「良い目ですか?」

 

雪蓮「たとえ拷問されようとも口は割らないって目ね。あれは」

 

嶺上「自害する覚悟があるんだ。拷問しても意味ないだろうな」

 

雪蓮「さっさと殺しちゃえば♪」

 

赤斗「……笑顔で言うな」

 

雪蓮「じゃあ、どうしろって言うのよ」

 

朱里「…………ならこうしましょう」

 

 

赤斗「お邪魔するよ」

 

赤斗は再び地下牢へとやってくると辻斬りのいる牢へと入った。

 

見張り「あ、あのちょっと…!?」

 

見張りが慌てて赤斗を止めた。

 

赤斗「ごめんごめん。先に言うべきだったね。。僕が尋問する事になったんだよ」

 

見張り「えっ!尋問を?あなたがですか!?」

 

赤斗「そうだよ。孔明ちゃんの許可は取ってあるから安心して。あ、そうだ。悪いんだけど尋問の間は、席を外してくれないかな。二人きりで話したいんだ」

 

見張り「え? は、はい。わかりました」

 

納得できないようだったが見張りは地下牢から出て行った。

 

赤斗「さてと、これで二人きりだね。今から拘束を全て外すけど、間違っても自殺なんてしないでね」

 

見張りが出て行くのを確認すると、男の拘束具を外し始めた。

 

その様子を男は不審そうに見ていた。

 

赤斗「よし♪ これで最後」

 

最後の拘束具が外れると同時に男は動いた。

 

赤斗「なっ!ま、待て!!」

 

男は赤斗を凄まじい勢いで押し退けて地下牢から飛び出ていった。

 

 

男は地下牢を抜けると、そのままの勢いで城からも脱出し、成都の街を人々の間を縫いながら疾走していた。

 

赤斗「けっこう速いな」

 

男を追い赤斗は屋根の上を駆けていく。

 

赤斗「このままだと街の外に出ちゃうな」

 

街の外に続く門が見えると同時に赤斗は仕掛けた。

 

赤斗「はぁぁぁっ!」

 

屋根の上から男に向かって赤斗の蹴りが襲う。

 

だが男は蹴りを難なく避けると、男も蹴りで赤斗を迎撃した。

 

その蹴りを咄嗟にガードした赤斗だったが、勢いは殺せずにそのまま蹴り飛ばされてしまった。

 

赤斗「痛っーーー!!」

 

すぐに赤斗は体を起こしたが、すでに男の姿は見当たらなかった。

 

赤斗「……………………」

 

 

つづく


 
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