Ａ「うーん。うちの場合、明確にプロポーズっていうのはなかったと思う」

Ａ「強いて言えば、あの時かな。私が小学５年生で、旦那が高１の時」

Ａ「旦那の家に連れこまれて、服を脱がされて」

Ｂ「……え？」

Ａ「写真撮られて、いろんな人に見せられたの」

Ｂ「ちょ、ちょっと、何よそれ！？」

Ａ「それで旦那に『もう家には帰さない、ずっとここにいろ』って言われて」

Ｂ「それ……それって犯罪じゃない！」

Ａ「それからずっと一緒に暮らしてるわけだから、あれがプロポーズって言えば、そうなのかもね」

Ｂ「ちょっと、なんでそんなに落ち着いてるのよ！？」

Ｂ「ひどい話！　Ａさんの旦那さんがそんな人だったなんて！」

Ｂ「Ａさん、今すぐ警察に行きましょう！　そんな犯罪者、すぐ捕まえてもらわなきゃ！」

Ｃ「Ｂさん、違うの。落ち着いて」

Ｃ「大丈夫よ。もう終わったことなの。捕まるべき人は、ちゃんと捕まってるから」

Ｂ「え……どういうこと？」

Ｃ「ありがとうＡさん。いいお話を聞かせてもらったわ。うん、すごくいい話よね」

Ｂ「意味がわからないわ。どういうことなの？」

Ａ「そうね……Ｂさんは知らないのよね。地元の人じゃないから」

Ｃ「あの時はすごい噂になったものね。説明の必要ないくらいに」

Ｂ「そりゃそうでしょ」

Ｃ「だから違うんだってば、Ｂさん」

Ａ「Ｃさんは幼馴染みだから、事情をよく知ってるの。一緒に修学旅行にも行ったしね」

Ｂ「修学旅行……？　それが何の関係があるの？」

Ａ「そうだＢさん、これからスーパー銭湯に行かない？」

Ａ「見ればすぐにわかると思う。うっすらとだけど、まだ痕が残ってるから」