No.634395

IS‐インフィニット・ストラトス‐黒獅子と駆ける者‐

トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!

2013-11-05 14:33:26 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:953   閲覧ユーザー数:935

 

 

 

episode227 現る破壊神

 

 

 

 

「舞台は揃ったな」

 

 レイは顔を上げると両腕を横に広げる。

 

 するとファイナルGシステムが起動し、エネルギータンクの上にあるアンテナよりエネルギーが放たれてレイとターンエーを包む。

 

「集え!我が僕達よ!!」

 

 レイが叫ぶと、ニューロの周りや内部よりバインドのレギナや無人機が残骸も含めてファイナルGシステムへと引き寄せられていく。

 

 

 

「な、何だ!?」

 

 次々とレギナや龍型、人型無人機、デストロイ、蜘蛛足型がニューロへと引き寄せられていって、隼人は驚き周囲を見渡す。

 

「バインドの無人機達が次々とあいつの元に集結して行ってる!しかも残骸まで?」

 

「しかも集まる度にエネルギー反応が増大し続けている」

 

 ユニコーンとバンシィは増大し続けるエネルギーに驚く。

 

「一体あいつは何をする気なの」

 

「まさかあいつ・・・・」

 

 一瞬隼人の脳裏にレイが行おうとしていることが過ぎる。

 

 

 

 するとニューロより三つの光が出てきた。

 

「っ!」

 

 その内の二つはハルファスとフェニックスで、もう一つはマスターフェニックスであった。

 

 

 

「どうやら、無事だったみたいね」

 

 ハルファスとフェニックスは隼人の元に戻る。

 

「ティア!?」

 

 フェニックスの腕の中で左腕と右脚を失い血だらけのティアに隼人は驚きを隠せれなかった。

 

「大丈夫。今の所容態は安定しているけど、出血が多い。応急処置はしているけどすぐに治療をした方がいい」

 

「そ、そうか。なら、頼む」

 

 フェニックスは軽く頷くとすぐにネェル・アーガマへと向かう。

 

 

 

「・・・・」

 

 するとマスターフェニックスもこちらにやってくる。

 

「お前は・・・・」

 

「このような形で話しすのは初めてだな、黒獅子」

 

「・・・・」

 

 

「生き残ったの、マスターフェニックス?」

 

「・・・・そのようだな」

 

 身体中ボロボロでクロスバインダーソードは刃こぼれして半分から折れていたが、損失した箇所はない。

 

「レギナと無人機が突然何かに引き寄せられるように飛んでいってな、その後外に出た」

 

「・・・・」

 

「戦いの中で俺は死のうとしたが、それでも俺は死ねない理由でもあるようだな」

 

「・・・・」

 

 

 

 

『さぁ!!お楽しみはこれからだ!!』

 

 と、周囲にレイの声が響くと、ファイナルGシステムを包み込むように光が全てを包む。 

 

 

 

 

「・・・・」

 

 ネェル・アーガマより一夏はニューロの甲板上で輝く箇所を見つめる。

 

「何が起きているんだ」

 

『・・・・・』

 

 非戦闘形態に戻ったツヴァイの表情は不安の色が浮かんでいた。

 

 

 

「凄いエネルギー・・・・」

 

 検知されたエネルギー数値にユニコーンは驚きを隠せれなかった。

 

「今までこれほどのエネルギーは無かった」

 

「・・・・」

 

 

 

 すると光の中より二つの突起物が現れる。

 

「・・・・」

「・・・・」

「・・・・」

 

 その突起物が赤く発光してスパークを起こすと、少しずつ光の中より巨大なものが姿を現す。

 

「あ、あれは・・・・」

 

「嘘、でしょ・・・・」

 

「・・・・」

 

 ユニコーンとバンシィは目を見開き、隼人は右手を握り締める。

 

 三人が見つめる中、光が弾け飛んでその巨体の全貌が現れる。

 

 

『・・・・』

 

 光の中より現れたレイの姿は原形を留めないほどまで変貌していた。

 

 太い武骨な表面を持つ手足を持ち、両肩には赤く輝くクリスタル状の突起物があり、それと同じクリスタル状の赤い突起物が背中にも縦に並んでいる。全身黒く、全身に血管の様なディテールがあり、頭部の形状はまるで恐竜の様な怪獣の頭をしており、額に四本のアンテナがあった。

 その姿は機械と言うより、有機物な怪獣そのものであった。

 

「ナハトヴァール・・・・」

 

「・・・・確かに、似ているね」

 

 僅かにだが、その姿は隼人が太陽に向けて飛ばし、消滅させたナハトヴァールに酷似しているが、細い胴体はなく、腰と胴体が太く繋がっている。

 

(ぶっちゃけ言えば胴体が長く細くない最終形態のデビルガンダムのようだが、どっかで見たことのあるような怪獣の姿に似ているな)

 

 そんな事を考えていると、レイは空気を振るわせるほどの咆哮を上げる。

 

『素晴らしい!!身体中から満ち溢れるこのパワァァァァァッ!!!』

 

 ドスの聞いた声で叫ぶと、全身をスパークさせてエネルギーを発生させる。

 

 

「バインドの機体達を全てベースに使い、更にあの機体も取り込んでいるから、エネルギー反応がとんでもない数値になってる」

 

 怪獣と化したレイを分析したユニコーンの表情は驚きに満ちている。

 

「これほどのものになるとは」

 

「もうやつは怪物そのものだ」

 

「全くだね」

 

「・・・・」

 

 

 

 すると両肩と背中のクリスタルが赤く発光すると同時に赤黒いスパークが起き、口の中より赤いエネルギーが光と共に溢れ出てくる。

 

「っ!」

 

 隼人はとっさに勘付き、とっさにネェル・アーガマに通信を繋げる。

 

「束さん!!ネェル・アーガマをすぐに右へと回避行動してください!!」

 

『ど、どうしてなの?』

 

「いいから早く!!」

 

『う、うん!』

 

 束はとっさにネェル・アーガマを右へと回避させると、その瞬間にレイは口より赤く収束した膨大なエネルギーを吐き出してきて、ネェル・アーガマの右舷をエネルギーが掠る。

 

「っ!!」

 

 隼人とユニコーン、バンシィは飛んでいくエネルギーをとっさに目で追いかけると、エネルギーは小島へと飛んでいって衝突すると、小島丸々包み込むように大爆発を起こす。

 

「なん、だと・・・・?」

 

「島が・・・・一瞬で・・・・」

 

「何て威力なの」

 

「っ!」

 

 隼人はすぐにネェル・アーガマを見る。

 

 ネェル・アーガマは右舷が大きく抉れて右格納庫が消滅しており、大量の煙を出しながら高度を落としている。

 

「大丈夫ですか!?束さん!」

 

『な、何とかね。右には誰も言っていなかったから怪我人はいないよ』

 

「そ、そうですか」

 

 隼人は胸を撫で下ろす。

 

『でも、エンジンをやられたから、航行はこれ以上無理だよ』

 

「・・・・」

 

 三人はすぐにレイの方を向く。

 

 

「ユニコーン、バンシィ。いけるか?」

 

「そう言いたいけど・・・・予想以上にエネルギーの消耗が激しい」

 

「これ以上の激しい戦闘はできない」

 

 よく見れば露出している服の部分の一部が焼け焦げており、装甲も一部が欠損している。

 

「そうか・・・・」

 

 

「たぶん、まともに戦えそうなのは隼人君と、ハルファス、フェニックスの三人だけ」

 

「・・・・」

 

 

(測定不能なまであるエネルギーを放つ敵に、これだけの戦力では・・・・)

 

 リインフォースは不安げな声で隼人に問う。

 

(確かに絶望的な状況だが、それでもやらなければならない)

 

(隼人・・・・)

 

(やつを倒さなければ、俺たちやこの世界だけじゃない。全ての世界がやつによって破壊される)

 

(・・・・)

 

 

 

 

 すると隼人の近くにハルファスとフェニックスがやって来る。

 

「私達も命を掛けて戦うわ」

 

「ハルファス・・・・」

 

「お兄様たちが見てきて、見守り続けたこの世界を、守る為に」

 

「・・・・」

 

 

 隼人は背中のウイングを展開してマスターブレイカーを肩に担ぐ。

 

「行くぞ!」

 

 そして隼人とハルファス、フェニックスはニューロの上に立つ怪獣と化したレイへと向かう。

 

 

 

 

「・・・・」

 

 その様子をマスターフェニックスはただ見つめていた。

 

「あなたは行かないの?」

 

 ユニコーンは静かに問い掛ける。

 

「・・・・もう俺には戦うだけの力すらない」

 

 と、半分から折れて刃こぼれしたクロスバインダーソードを見ると、俯く。

 

「行った所で、あいつらの邪魔になるだけだ」

 

「・・・・」

 

「今の俺は、囮にすらならないだろうな」

 

「・・・・そう」

 

 ユニコーンはゆっくりと隼人の後ろ姿を見る。

 

 

 

 

 

 

 


 
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