No.626207

IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−

トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!

2013-10-08 14:55:27 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:721   閲覧ユーザー数:713

 

 

 

episode219 真実と復讐と絶望

 

 

 

「どういう事だ?お前がかつては俺の様って・・・」

 

『と、言う事は、お前も転生者なのか』

 

「そういう意味ではない。昔の俺は今のお前の様なやつだったって言う意味だ、神風隼人」

 

「・・・なぜ、俺の名前を」

 

「この声を聞いても分からないか。ならば、この姿ならどうだ」

 

 と、ダークネスカイザーは霧に包まれると、次の瞬間にはファントムの姿に変貌していた。

 

「ファントム!?」

 

『知っているのですか?』

 

「あ、あぁ。だ、だが、なぜお前が・・・!?」

 

「見ての通りだ。ファントムの名と姿は偽りのもの。真の姿はこっちだ」

 

 再び霧に包まれると、次の瞬間にはダークネスカイザーが現れる。

 

「・・・なぜだ。ならなぜ、あの時俺にヴィヴィオの居場所と秘密前線基地の場所を教えたんだ」

 

「面白そうだったからな」

 

「面白そう・・・だと?」

 

『たったそれだけの理由で?』

 

「あぁ。あの時のお前は自暴自棄になっていた。その状態では俺とまともに戦えんからな」

 

「・・・・」

 

「だから、教えたのさ」

 

「・・・ただ、自分が楽しむ為に、か」

 

「・・・・」

 

 

 

「なぜお前はバインドを作り出したんだ。お前の目的は一体なんだ!」

 

「・・・・」

 

 そうしてレイはため息を付くと、隼人を見る。

 

「復讐だよ」

 

「何?」

 

『一体誰に向けて。これほど強大な力を持ってして復讐をしようと言ってのは・・・』

 

 

「・・・神だ」

 

「な、何だと!?」

 

『どういう事なんだ!』

 

「俺は神によって、全てを奪われた。大切な仲間や家族。そして・・・愛する者を・・・何もかも、全てだ!」

 

「・・・・」

 

「お前は知らないだろうな。一体どれだけの世界が神によって、理不尽に滅ぼされているかをな」

 

「・・・どういう事だ」

 

「やつらは秩序を守るとか戯言をほざいているが、実際は自分達の障害となりうるような世界を滅ぼしているだけだ」

 

「・・・・」

 

「俺の世界もそうだった。そう・・・・・・この世界と同じ世界も、やつらに滅ぼされた」

 

『なに?』

 

『この世界と同じ・・・世界?』

 

「・・・限りなく近く、限りなく遠い世界。つまりは、パラレルワールドだ」

 

「パラレルワールド・・・だと」

 

「世界の基本構成は同じでも、一部のマテリアルが異なる事で、異なる時間を進んだ世界。それがパラレルワールド。多次元世界だ」

 

『つまりお前は、この世界と同じであって、異なる世界からやってきたというのか』

 

「そういう事だ」

 

「それで、神の復習の為にこの世界を巻き込むというのか!それに復讐して何になるというんだ!」

 

「貴様に何が分かる!!」

 

 と、レイは血を震わせるほどの声を出し、隼人は少し押される。

 

「どうする事も出来ず、目の前で大切な仲間達や家族が、心から愛した者が消えていくのを、ただ見ていることしか出来なかった俺の事が分かるものか!」

 

「・・・・」

 

「そして知った!神はただの独裁者だ!血の気も無い、非道な連中であるとな!」

 

「・・・・」

 

「お前だって、神のほんの僅かなミスで殺された者だろうが!」

 

「くっ・・・」

 

『・・・・』

 

 事実が故に隼人とリインフォースは言い返せれなかった。

 

「ならば、逆に問おう。そんな連中が作り出したこの世界に、価値があるのか」

 

「何だと!この世界に価値が無いって言いたいのか!」

 

「そうだ。この世界に価値などない。神々の遊びで生み出された仮想の世界。そんな世界に意味など無い」

 

「そんな事は無い!!お前がどう言おうが、価値のない世界など無い!」

 

「ふん。貴様は何も知らないからそう言える。全てを知ってから、同じ事が言えるのか」

 

「・・・・」

 

「言えない。言えるはずが無い」

 

「それは・・・」

 

 

 

「だから、俺は手にしたのだ。全てを創造する力を。闇の力を。そして、文明を滅ぼせれる力をな!!」

 

「・・・・」

 

「お前が俺の前に立ちはだかると言うのならば・・・」

 

 レイは背中のウイングを展開すると、右手に複雑な構造を持ちそうな形状の片刃の大剣を展開して手にする。

 

「貴様を屠るまでだ」

 

 と、赤いバイザーが発光する。

 

 

 

「・・・二人共。いけそうか?」

 

 隼人はホフヌングの柄を持つ右手の力を入れる。

 

『先ほどの戦闘でエネルギーを消耗しました』

 

『しかし、全快の状態でも相手とまともに戦えるかどうか・・・』

 

「それでも、やらなければならない」

 

 隼人はダークネスカイザーを睨む。

 

「こいつを倒さなければ、この世界に未来は無い」

 

『隼人・・・』

 

 

 

 そして隼人は背中のウイングと腰のウイングバインダーを展開し、一気に飛び出す、

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 勢いよくホフヌングを振るうも、刃が到達する前にダークネスカイザーの姿が無くなる。

 

「っ!?」

 

 次の瞬間には背後にダークネスカイザーが回り込んで手にしている大剣を振るって背面を切り付ける。

 

「ぐぅ!」

 

 吹き飛ばされるもすぐに体勢を立て直して後ろを振り返るも、その瞬間ダークネスカイザーは更に背後に回り込んで蹴りを入れる。

 

「は、速い!?」

 

「違うな。お前が遅いだけだ」

 

 レイは大剣を振るって黒紫の光波を放つも、隼人はとっさに後ろに振り返り際にホフヌングを横に振るって光波を切り裂く。

 

「ふっ」

 

 すると大剣の根元にあるカバーがショットガンのポンプアクションの様に前に動いて開くと、空薬莢を排出して元の位置に戻って閉じる。

 

《チェンジアップ!!Gアックス!!》

 

 と、刀身が複雑に変形していくと、柄が長くなって刀身が中央から後ろに倒れ、両刃の斧になる。

 

「カートリッジシステムだと!?」

 

 隼人が驚いている間にもレイはGアックスを振るってくるも、とっさに上に飛んで斬撃をかわす。

 

「俺は幾多の世界を渡り歩いてきた。その世界特有の技術を習得している。まぁ、この『マルチウェポンギミック』は俺の世界にあったものだがな!」

 

 勢いよく飛び出すとGアックスを振るい、隼人はとっさにホフヌングを前に出して受け止めようとするが、強大なパワーに押し飛ばされる。 

 

 

《ブレイクアタック!!インパクトゲイザー!!》

 

 するとGアックスの刀身に光が纏うと、それを勢いよく振るって空気の壁に叩き付けると、衝撃波を隼人に向けて放つ。

 

「っ!」

 

 隼人はとっさにスラスター全開で飛び上がると、衝撃波が壁に衝突して大爆発を起こす。

 

「今のをかわすか。そう簡単にやられては面白くは無いからな!」

 

 レイはカートリッジをリロードする。

 

《チェンジアップ!!Gスピアー!!》

 

 再び複雑に変形していくと、四つの刃を持つ矛になると、刀身が回転して収束し、四つの刃を持つランスが完成する。

 

 勢いよく飛び出してGスピアーを突き出すも、隼人は横に飛んでかわすとアルトアイゼンを突き出すも、レイはすぐにGスピアーを振るい、刀身で杭を受け止める。

 

「ふんっ!!」

 

 そのまま強引にGスピアーを振るって隼人を押し返す。

 

《ブレイクアタック!!グロリアスレイ!!》

 

 するとGスピアー全体に衝撃波を纏わせると、それを勢いよく回して前の方に放り出すように振るい、複数の槍状となった衝撃波を放つ。

 

「くっ!」

 

 隼人は飛来してくる衝撃波を必死になって回避するも、一発が直撃して大爆発を起こし、そのまま勢いよく吹き飛ばされて壁に背中を叩き付ける。

 

「がはっ!?」

 

 一瞬意識が飛びそうになるも、すぐに上へと飛び上がると、先ほどまで居た場所にGスピアーが突き刺さる。

 

「・・・・」

 

 レイは引き寄せるかのように右手を引き、Gスピアーが壁から抜かれてレイの元へと戻っていき、右手に掴まれる。

 

 と、Gスピアーと柄の境が伸びると間よりカートリッジがリロードされて空薬莢が排出される。

 

《チェンジアップ!!Gトンファー!!》

 

 するとランスの刀身が光に包まれると形状が大剣形態に戻ると、中央から割れて二つに分かれると、刃を持つ大型のトンファーとなってレイは両手に持つ。

 

「くそっ!」

 

 隼人はアルトアイゼンの装甲を展開してベアリング弾をばら撒くも、Gトンファーを振るって光波を二つ放つとベアリング弾にぶつけて爆発させる。

 

 直後に飛び出して左腕のGトンファーを突き出すも、隼人はホフヌングを前に出して刀身の腹で受け止める。

 

「どんだけ武器を変形させるんだよ!」

 

「これで驚くな。まだ三つ残しているのだからな!」

 

「嘘だろ!」

 

 隼人は何とかして強引に押し返すと背中の四枚のウイングの内側二枚の間にエネルギーを発生させて収束ビームを放つも、レイは横に飛んでかわす。

 

《ブレイクアタック!!ライジングスマッシュ!!》

 

 するとGトンファーに雷が纏うと、勢いよく飛び出して雷を纏わせたGトンファーを連続で突き出す。

 

「くっ!」

 

 隼人は連撃を何とか受け流して行くが、雷が副次効果として身体を襲う。

 

 直後に勢いよく右脚を振るってアルティメット・ゼロの左横腹に蹴りを入れて吹き飛ばす。

 

「少し面白い事をしてやる」

 

《チェンジアップ!!Gマグナム!!》

 

 するとGトンファーの打撃面が上に上がるとその間よリロードしたカートリッジの空薬莢が排出されると、一部が変形して銃身が長いハンドガンへと変形する。

 

「くっ!」

 

 隼人はとっさに体勢を立て直すが、その瞬間にレイはトリガーを引いてGマグナムより何かを放って隼人にぶつける。

 

「な、何だ!?」

 

 すると直撃したそれは粉々に砕け、周囲にキラキラした物が漂う。

 

『鏡・・・?』

 

 リインフォースは一瞬理解できなかったが、すぐにハッとする。

 

「遅い!」

 

《ブレイクアタック!!ミラーバレットレイン!!》

 

 レイは二つのGマグナムより連続でビームを放つと、放たれたビームがキラキラした物にぶつかると、それが鏡面に反射して別の鏡面に反射し、アルティメット・ゼロの背面にビームが直撃する。

 

「っ!?」

 

 更に前の方より反射してきたビームが飛んできて胸部に直撃する。

 続けてビームを放ち、次々と多方向よりビームを直撃させて隼人の動きを止める。

 

《チェンジアップ!!Gキャノン!!》

 

 両手に持つGマグナムの上部が後ろに後退してカートリッジをリロードし、空薬莢を排出すると二つのGマグナムが合体すると大剣形態に戻り、剣先が縦に割れて刀身に折り畳まれると、そこから二つの銃口が出現すると同時に峰の根元よりトリガーが出てきて逆さまになってレイはトリガーを持つ。

 

《ブレイクアタック!!エクスバスター!!》

 

 レイはGキャノンを隼人に向けると中央から割れて間に電磁エネルギーが発生すると、そこと二つの銃口より収束したエネルギーを放つ。

 

「なっ!?」

 

 隼人は避ける暇も無く、直撃を受けて壁へと叩きつけられると、そのままエネルギーが大爆発を起こす。

 

 

《チェンジアップ!!Gバスター!!》

 

 銃身根元よりカートリッジをリロードして空薬莢を排出すると、再び大剣形態に戻って中央から上の峰の部分が縦に割れて折り畳まれると、先端に銃口が現れ、柄がトリガーに変形してレイはそこを右手で持つ。

 

《ブレイクアタック!!ヘルファイアー!!》

 

 Gバスターを隼人が居る場所に向けると前方にターゲットスコープが三枚現れると、トリガーを引いて高密度に圧縮したエネルギー弾を三発連続で放つと、最後に収束したエネルギーを照射する。

 そのままエネルギー弾は煙の中へと入り、三回分爆発が起こった直後に収束させたエネルギーをその中に照射すると大爆発が起こる。

 

 

 

「・・・・」

 

 レイはGバスターを下ろして爆発で起きた煙を見る。

 

 

 

 すると煙の中より瞬間加速を掛けて隼人が飛び出してくる。

 

「っ!」

 

 レイはとっさに横にかわそうとしたが、ほんの一瞬隼人の方が早く、ホフヌングの剣先がダークネスカイザーの胸部コアを掠る。

 

「くっ!」

 

 隼人はとっさに体勢を立て直してスラスターを噴射して急停止する。

 

「ほぅ。あれだけの攻撃を受けて尚動け、更にこの俺に傷を負わせたか」

 

 レイはGバスターの銃身根元の下部よりカートリッジをリロードして空薬莢を排出する。

 

《チェンジアップ!!Gブレイド!!》

 

 Gバスターは複雑に変形すると大剣形態であるGブレイドに戻ると、峰の根元のカバーが前にスライドし、その中にカートリッジを五発中に入れて装填するとカバーを元の位置に戻す。

 

「そうでなくては、面白くない」

 

「・・・くっ」

 

 ボロボロになりながらも、隼人はホフヌングを両手で持って構える。

 

 

 

 

 


 
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