No.624212

春風荘

初音軍さん

オリジナル。幼女とおじさんのお話。こういう組み合わせも好きでね。思いの限りに書いてみましたが期間がけっこう空いてたりして色々おかしいとこあるかも。少しでも楽しんでもらえれば幸いです。

2013-10-01 13:39:59 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:368   閲覧ユーザー数:368

 

 

「おい、しっかりしろよお前!」

「・・・すみません」

 

「なんだよその生意気そうな面は!」

 

 ちょっとしたヘマをやらかして延々と上司に絞られていると、

周りからは意地の悪そうな笑い声が聞こえてくる。

 

 俺は昔から人間と付き合うのが極端に苦手でよく弄られたりもしたもんだが。

こういうことがあると、本当に嫌いになってくるな。

 

 胸の中ではすっぱり辞めることを決めながら、俺は怒鳴る上司の不意をついて

思い切り頬の部分に拳をえぐりこんで殴り抜いた。

 

 

 それからさっさと逃げ出して、実家に転がり込むも親がうるさくてしかたない。

今すぐ就職活動しろだの何だの。それはそれは確かにまともな言い分なのだが、

心身共に疲れきった俺にはどうでもいいことにしか聞こえないのだ。

 

 めんどくさい家から飛び出して、散歩がてらに気まぐれで初めて買った

宝くじを天にかざして眺めていた。

 よくCMとかでやってる6つの数字を書き込んで数字が揃えば大金ってやつを

俺は買ったのだ。

 

「こんな紙切れ一枚でそんなこと起こるわけねーわな」

 

 ふぅ~っと口から煙草の煙を出してから伸びをした。

普段空なんて見たことないから何年かぶりの晴天はとても心地良かった。

思えば昔から自然を感じるとこが好きなことがあった。

 

 もしかしたら俺の性質は人間ではなく、植物とか動物に近いものなのかも

しれない。

 

 一枚の紙切れを見ながら何となく、こんなことを浮かんでいた。

 

 こんなの当たったら人気の少ない場所にいって、一生のんびり過ごしてみたいと。

別に希望を持って望んだことではないのに。

 

 半ばこの願ったことが当たることになるのだ。

 

 

「ば、ばかな・・・」

 

 俺は宝くじを確かめにいくと、全ての数字が揃っていて販売所のおばさんも

驚きを隠せないでいた。

 

 何をどうすればいいのかわからない俺はおばさんに詳しいことを説明されて

銀行へ直行する。

 

 説明を受けて口座の番号をサインをする。念のために複数の口座を

作ってはいたが。あまりに急展開すぎて手の震えが止まらない。

無事にその場所から離れられた俺は非現実的な展開に怖くなった。

 

 そして、このことは自分だけの秘密にしておこう。親兄弟にも話しては

ならぬ。そう直感が告げていたのだ。

 

 この出来事を機に俺は地元を離れ、遠くにある高い丘の上にある

人気のない土地と建物を購入した。

 

「ここか・・・」

 

 予想通り木々が多く、せいぜい良くて道路が整備されてるくらい。

一時間ほど車で遠出すれば買い物もそんなに不便じゃない。そんな場所。

階段をゆっくり昇りつつ景色を楽しんだ。

 

 草や木々が生い茂る中で深呼吸をするととても清々しい気分になる。

空気も綺麗で、この先にある建物に向かうのがワクワクしていた。

 

 29歳、独身。どうしようもなく自分勝手で、一人でいるのが好きな変人だ。

友人と呼べるものもいず、信用できる家族もいない。ある意味孤独と言えよう。

 

 少し息が切れた時、上りきった俺は目の前にボロいアパートの姿を確認した。

まったく補強をしていなく見るからにボロボロだが、管理人も住人もいなく

正真正銘俺の物になったのだ。物件でえらく安く売られていたから即買いだ。

 

 いくら宝くじで当たったとしても、高い買い物をしている内に無くなっていく

心配から少しでも消費は抑えたかった。

 

 まぁ、住めないほどだったら少しリフォームすれば新しいとこ購入するよりは

費用を抑えることができるだろう。

 

 もらっていた合鍵をつかって部屋を確認していく。

管理人室。住人用の部屋。一つ一つ扉を開け、日で照らしていくのだ。

何かワケアリ物件かも、と警戒してはいたが何事もなさそうで何より。

 

 と、ホッと胸を撫で下ろした直後。

 

 ガタンッ

 

 部屋の隅っこで何か物音がして俺は少しビビリながらも中へと慎重に

進んでいく。そこには押入れのある古い湿った畳のある部屋だった。

 

 昔の住人が置き忘れたのが落ちただけだろうと思いこんで

玄関に向かって振り返ると、背後から押入れの戸が開く音がして。

 

「だれ~~?」

「ぎゃああああああああああああああああああああ」

 

 不意にかけられた声で俺は人生で初めての叫び声をあげたのだった。

 

 

 

「お前、どこのガキんちょだ!おどかしやがって!」

「別に驚かせたつもりじゃないって、私の秘密基地のつもりだったの」

「秘密基地?」

 

「そう」

「だけど、ここはもう今日から俺のだから」

 

「へ?」

 

 いきなりの俺の発言に驚き過ぎて意味をわかっていない少女に大人の世界を

垣間見せてしまう。大人とは子供に遠慮ないほど勝手なことを教えてやるのだ。

 

「え~、だとしてもこんなにお部屋あるならいいじゃん」

「だめだ。全部使う予定」

 

「ぶ~」

「ところでお前の連れは? 親とかいるんだろ?」

 

 目の前にいる明るい茶で前髪パッツンのセミロングの少女を見ながら俺は聞いてみる。

一人でこんなとこにいるわけがない。

 

 そんな俺の予想を裏切るように少女は真顔で顔を横に振る。

 

「お父さんは会社でいないよ」

「じゃあ、母親は」

 

「いない」

「いないって…」

 

 もういいじゃん…どっちでも。溜息をついて急に立ち上がって外に出ようとする

間際、少女は蹲るといきなり咳き込みだした。

 

 嘘だとか演技だとは思えないほど辛そうにしていたのを見て、俺は駆け寄る。

 

「どうしたんだよ」

「ごほっ・・・。ちょっと療養に来てたんだけど。そろそろ帰らなくちゃ」

 

「一人で帰れるのか?」

「けっこう近いから大丈夫」

 

 とは言うが、子供の足で来れる近場に家なんて確認できなかったが。

そう思いながら、大体の時間を聞いてみた。

 

「来るときに一時間くらいかかったかな」

「おい…」

 

 病人がそんなに時間かけてこんなとこまで来るんじゃねえよ、とぼやきながら

少女の前に座りこんで両手を後ろに回した。

 

「?」

「背負ってやるよ、早く乗れ」

 

 俺の言葉に少女が一瞬躊躇う間を開けるが、辛いのは確かなようで

咳をしながら俺の肩に掴まると、俺は両手で彼女を安定させられるのを

確認すると、ゆっくり歩き出した。

 

「ごめんなさい…」

「もう来るなよ」

 

「やだ、また来る」

「おい、ガキ。あんまめんどくさいことすると置いていくぞ」

 

「あなたにはそんなことできそうもないけど?」

「ちっ・・・」

 

「名前は?」

「あ?」

 

 人や車が通らない道をゆっくりと歩きながら会話を続ける俺たち。

 

「高地だよ、高地荘(たかち・そう)」

「私は春空(はるぞら)風(ふう)だよ。よろしくね、そーくん」

 

「だからよろしくしたくないんだよ!」

「ツンデレ?」

 

「やっぱ置いていくか…」

「わー、うそうそごめんなさい~~」

 

 時折、苦しそうに呼吸しながらも明るそうに振舞い、

楽しそうにしている表情が痛々しかった。

 

 しばらく歩いていくと大きな家が見えてくる。3階建てくらいはあるだろうか。

足が徐々に痛み始めた俺はガキを家の前まで行って降ろす。

 

「どうしたの、足でも痛いの?」

「なんでもねえよ…それより鍵は持ってるんだよな」

 

「当たり前よ」

「じゃあとっとと中へ入れ」

 

「わかったわよ~」

 

 生意気そうな笑みを浮かべて鍵を使って中に入っていくのを確認して

俺も我が家に帰ることにした。そういえば、俺の家の前もけっこう階段あるんだったよな。

道の途中で近くの木に身をもたれると空を見上げて苦笑した。

 

「なにやってんだ、俺は…見ず知らずのガキのために…」

 

 なんとかして家へ戻って足を確認すると靴擦れのせいもあってか少しだけ血が出ていた。

 

 それからガキは何度も俺の家へ出入りして、最初は追い出していたがあまりにも

しつこいから途中から受け入れるようになっていった。

 

「ねぇねぇ、これなぁに?」

「何でもいいだろ、ガキ」

「ガキじゃないって、風ってよんで!」

 

 俺がゲームをしていると興味津々に近づいてきて話を聞いてきたり。

自由な時間がとれずにうざったいと思う時が多かった反面…どこか充実していた、

 

 そんなある日だ。

 

「君が高地君かい?」

「あ、はい。そうですが…あなたは?」

 

 今回珍しく風と一緒にスーツ姿のサラリーマンが俺の目の前に立っていた。

 

「風が世話になってるそうで」

 

 きつい表情だが娘の名前を口にした時の笑顔は驚くほどさわやかに見えた。

風の方も安心していたような気がしたが。その後、目の前にいる二人の顔が少し

曇ってきた。

 

「じつは私が仕事の都合で都会の方へ出向かなければいかなくなりまして…」

「はぁ…」

 

 そこで俺は不意に頭によぎったことを父親に言葉を投げかけた。

 

「アイツを連れていくんですか?」

「いや…それは無理だ。知ってるとは思うが娘は病気がちであんな空気の悪いところへは

行かせられない。だが、一緒に住ませてやれる人もいないんだ」

 

 ということはその間、アイツは一人であの家に住むことになってしまう。

体が弱いのにその状況はまずいと思えた。いくら環境が良い地域とはいえ…。

そう考えた直後、俺は考えてもいなかったことを目の前にいる風の父親から

提案をされてしまった。

 

「高地君が嫌じゃなかったら、娘のことを見てもらえないだろうか」

「えっ、俺が!?」

 

「いくら仲が良いといっても他人だから嫌かもしれないが」

「いえ…それより何で見ず知らずの俺を頼りにするんですか。

怪しいとか、そういうのは感じないんですか?」

 

「子供とはいえ、娘の目を私は信頼してるからね。これまで色々驚かされたよ。

洞察力というか、観察眼というか。そういうのが外れたことがなくてね」

 

 近づいたら悪い人や良い人の区別が少し触れ合うだけでわかってしまうらしい。

俺とそこそこ付き合っていたのを娘の話を聞きながら信頼できると判断したらしい。

 

「娘をこんな他人に任せるとか、大切ではないのですか」

「いや、娘は宝物だよ。彼女がいないと私は生きていけないだろう。

だが、状況が状況だ。環境の良いとこで養生していてくれないと困るんだ」

 

 前に自然環境にない場所でいたときはまるで喘息のように咳が止まらないこともあった

らしい。それから父親は娘の体調が少しでもよくなるような場所を探していたようだ。

 

 そして、仕事もできることから単身赴任を任されてしまったようだ。

説明をしても断ることができず、職を失うわけにはいかないと。それで悩んでいたすぐに

俺が引っ越してきたというわけだ。

 

「はぁ…」

「やっぱ気乗りしませんか?」

 

 俺がため息を吐いて不安がる父親に俺は軽く首を横に振った。

 

「いえね、人と面と向かって付き合うことが苦手でそれで色々仕事で衝突したことが

あるんです。

 ここへ来たのも幸運があったおかげでそんな思いをしないで暮らすためだったんです。

そんな俺にアイツと一緒にいられるかどうか…正直心配してるんですよ」

 

「そうですか…」

 

 しばしの沈黙の後、予想に反してさわやかな笑顔でこう返してきた。

 

「そういう時はあの子に任せればいいと思いますよ。私もいつも進言をもらったりして

風は天才なんじゃないかと思う時があります」

「親ばかですか…」

 

「あはは、そうかもしれませんね」

 

 でも、それくらい気楽にやっていいのか。これまでも一緒にやれていたんだから。

 

「わかりました。責任持って娘さんを預からせていただきます」

「よろしくお願いします」

 

 それまでの間。一切口を挟まずにじっと目を閉じて座っていたアイツを見てると

まるで人形のように見えた。まさか息してないんじゃないかと思うくらい静かだったから

話が終わった後にすぐ俺の傍に寄ってくるのを見て安心した。

 

 その時、この風と一緒にいてどこかで味わったような感覚があったのは

俺の子供の頃、一緒に遊んでいた犬に似ていたのかもしれない。雰囲気が。

だがこれを言うと怒られそうだから黙っている。

 

「おじさん、これからよろしくね」

「あぁっ…」

 

 こうして二人で同じ家に住むことになった。これまで自由にする予定だったが

急遽二人のルールを作って部屋を割ることにした。元々アパートに近い作りだったからか、

余った部屋の数が多いのを見た風は不意打ち気味に俺にこう話かけてきた。

 

「おじさん働いてないでこういう場所買えるってことはさ。宝くじみたいので

大金が入ったんでしょ」

「え…?」

 

「その歳で定年ってことはありえないし、若いもん。ってことは世間に負けてお金が

ないとこんな生活はありえないよ」

「そっか…」

 

 こんな子供にでも見抜かれるような生活を俺はしていたのか。だったら少しずつ

見直した方がいいのかもしれない。そして続けて風は俺に言葉をかける。

 

「そんなんじゃ良くないよね。良くないよ、うん」

 

 勝手に頷いているこいつを見て何を考えてるのかわからなかったが、答えは

すぐに俺に投げつけられた。

 

「ここをぱっと改装してさ! 新たにアパート開いちゃおうよ」

「お前一体何を…」

 

「春はこの辺は桜でいっぱいになってとっても綺麗」

「おい勝手に話を進めるな」

 

 土の上に積もる枯葉の上を踊るように回る風の姿にドキッとしながら

とりかえしがつかなくなる前に止めないと、と思った俺は風の腕を掴む。

 

 真剣な顔をした風に俺は別の意味でドキッとされた。

まるですべてを見抜かれたような目で…。

 

「このまま人の目につかない人生でいいの。それで寂しくないの…?」

「ふう…?」

 

「私はここで楽しい人生を送りたいよ。たとえ長くなかったとしても」

 

 意味深な言葉に俺は言葉が出てこなくなる。

 

「だったら楽しい人がいっぱい来てくれた方がいいじゃない。それに、働かなくても

家賃で収入が増えるよ、やったねおじさん」

 

 どこかのフラグのように聞こえたから俺は思わず「おいやめろ」とツッコミを

入れると照れくさそうに笑いながら風は俺に背を向けて呟いた。

 

「大丈夫安心して、私がいるから。それに悪い人は来ないと思うよ。

類は友を呼ぶっていうしね」

「おい、どういう意味だ」

 

「へへへ、どういう意味だと思う?」

 

 振り返って笑う姿に思わず俺は釣られるようにして笑っていた。

まるでこの後のことを当たり前のように…いやコイツにはその光景が見えているのだろう。

確実性は一切ないけど、コイツが言うと本当になりそうに思える。

 

「仕方ないな…。家賃のためにもがんばるか。楽して暮らすためにもな!」

「えへへ、うん!」

 

 色々展開が早くて、いつしか疲れを感じていた俺は背と腕を伸ばして

ため息をついた。今まで気づかなかったけど、今改めて深く呼吸をしたら

とても清清しく感じた。

 

「ねぇ、おじさん」

「なんだ?」

 

「名前をつけよう。私とおじさんの名前からとって…。うーん」

「おいおい、気が早すぎるんじゃないか?」

 

「こういうのは早い方がいいの!そうだ、春風荘ってどうかな!」

 

 春には相応しい名前になるからって、他だとそうでもないのかとツッコミを入れると

照れくさそうに笑う。春の桜の花弁が風にのって柔らかな空気を作る。

考えただけで綺麗そうな、そんな名前に俺は否定する要素はなかった。

 

「じゃあ、ここは春風荘って名前にするか」

「うん!」

 

 二人でつぼみがつくかつかないか。そんな枯れた木々を見てその日が来るのが

待ち遠しく感じられた。生きていて一番ワクワクしていたかもしれなかった。

 

 それから周りを綺麗にしたり、リフォームの計画とか大変だったことは多かったが

何とか二人でやり遂げて俺たちの「春風荘」が始まったのだ。

 

 

「へー、ここのアパートの名前、そこから来てるんだ?」

「は、どういう意味?」

 

 住人の一人で俺やこのアパートのことが気になって聞き出してきた女が

嬉しそうに俺にそう言ってくる。

 

「大家さんとその子の名前から着てるんだね。春とふう、そして大家さんの荘」

「あー、そうかもしれないな…」

 

 アイツが思いついた通りの名前を思い出していた。長い時間経って忘れていたようだ。

この場所に来てから何年も経っているというのに。

 

「知らなかったの?にぶーい」

「何が鈍いってんだよ」

 

「そんな怖い顔しないで」

「怖い顔は生まれつきだよ!」

 

「彼女、大家さんのこと好きだったんじゃないの?」

「はあ?」

 

 そんなわけあるかと笑い飛ばすと、相手の女は本気の目をしていて

困ってしまう。

 

「まぁ、大家さん鈍いからわかんないか」

「おい、追い出してやってもいいんだぞ?」

 

「あ、すみません。それだけは勘弁してください」

「ったく・・・。」

 

 少し間があったあと、彼女は再び俺に質問をしてきた。

桜の木からはなびらが散っていくのが窓から見える。

 

「その病気がちの女の子はどうしたんです?もしかして悪化して・・・」

 

 不吉なことを青褪めながらいうものだから、俺はそれを訂正しようと

話を進める。

 

「あぁ、それがな・・・」

 

 その途中である、俺の背中に衝撃が走るのを感じると慌てて後ろに振り返る。

 

「へへー、ただいま。おじさん」

「おい、いきなり来るなって何度いったらわかるんだ」

 

「わっかりませーん」

「このクソガキが・・・」

 

 そう、今俺を困らせてるやつこそが・・・。

俺は溜息をついて話をしていた女の前で、そいつに向かって指を差して

言い放った。

 

「こいつですよ。もうすっかり元気になったんだけど、ここに正式に住むことに

なってね。困ったもんだよ」

「あ、新しいお客さん!?いらっしゃい、春風荘にようこそ!」

 

 ウマが合うのか、二人はすぐに仲良くなって部屋へと案内していた。

あんなにうるさかったのに一瞬にして静かになった部屋を見渡しながら

俺は畳の上に寝転がって欠伸をした。

 

 視線の先には窓から見える大量の桜の花。

 

「まぁ、こういうのも悪くはないな」

 

 新しく改良した共同風呂付きアパートは徐々に賑やかさを増していくのだった。

人と関わり合いたくない人間が変わった人間と楽しくやっていける。

ここはそんな場所なのだった。

 

お終い


 
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