No.622998

ALO~聖魔の剣~ 第43剣 再戦、覇王VS絶剣!

本郷 刃さん

第43剣です。
デュエルトーナメントも終局へ向かいます。

どうぞ・・・。

2013-09-27 10:09:13 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:10034   閲覧ユーザー数:9329

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第43剣 再戦、覇王VS絶剣!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウキSide

 

現在行われてる『統一デュエル・トーナメント』、その準々決勝でボクはアスナと戦うことになった。

先に舞台に上がったボクは彼女の登場を待つ……そして、そこに現れたのは…。

 

「ア、アスナ…?」

「うふふふ~、なぁに、ユウキ?」

 

うん、アスナなんだけど、背中に何かが見えるんだけど!?

それに変なオーラが漂ってるし、しかも目もなんかおかしいよ!?

一体なにがあったの!?

 

「ユウキ……わたし、全力でいくから。負けないよ…」

「ボ、ボクだって、本気で行くからね!」

 

これは退いたら負けだね、攻めていかないと…。そしてボク達の間にデュエル開始のカウントダウンが現れる。

ボクは愛用している剣『ダルクブレイド』を構えて、アスナも細剣を構える。

 

そして、カウントが0になる…。

 

その瞬間、離れた場所にいたはずのアスナの姿が消えて、気付けばボクの真横から彼女とその剣閃が迫っていた。

 

「くっ!?」

 

―――ガキィンッ!

 

すぐさま剣でそれを防ぐ、速い…! このまえ戦った時や一緒に戦った時とは段違いだ。

なんでここまで、なにがアスナをここまでさせてるの?

そう考えていると、ぶつかり合っている剣越しに彼女が何か呟いているのが聞こえてきた。

 

「キリトくんのご褒美キリトくんのご褒美キリトくんのご褒美キリトくんのご褒美キリトくんのご褒美

 キリトくんのご褒美キリトくんのご褒美キリトくんのご褒美キリトくんのご褒美キリトくんのご褒美」

 

怖っ!? ていうかなにそれ!? もしかしてそれが目当てでこうなってるの!?

そう思ってみんなが居るところを確認、キリトと少し目が合ってから、彼が取った行動は…。

 

手を合わせて合掌、そして頭を下げ、「すまん」と一言口が動いてる…。

 

ちょっとーーー!? ホントにそれだけでアスナってこうなっちゃうの!?

とにかくツッコミたいことはたくさんあるけど、ボクだって今回は勝つ為に参加したんだから、負けられないよ!

 

「やぁっ!」

 

気合いの声を出しながら剣で押し返し、そのまま斬り掛かる。

それをアスナは回避すると鋭い一閃、連続して突きを繰り出してきた。

それをなんとか躱しつつ、ボクも斬ったり、突きを放ったりする。

それにしても本当に速いよ、アスナの連突は…。

最初に戦った時はボクと変わらないくらいだと思ってたのに、思い入れが違うだけでこんなに力を発揮するだなんて…!

 

「やぁぁぁっ!」

「てぇぇぇいっ!」

 

お互いに素早い攻撃を放つ。

アスナの連突はまるで光が通るように剣閃を残しながら繰り出され、的確に急所まで狙ってくる。

それを回避するか剣で逸らすかして、なんとか攻撃を捌く。

一方、ボクも斬り掛かりや突きを組み合わせて攻撃を続ける。

斬り上げ、斬り下ろし、横薙ぎ、そこに突きなどを加える。

アスナはそれを無理に防御はしないで、回避かいなすことで大きなダメージを喰らわないようにしてる。

 

「たぁっ!」

「せぇい!」

 

速さの戦い、まさにそう言えるね。

正直、余裕を保てる状態じゃないし、かといって彼女も余裕があるわけじゃない。

むしろ必死でボクについてこようとしてる。

その様子を見て、さっきまでの餓えたようなアスナじゃなくて、真剣に戦っている剣士だと理解できた。

ボクは嬉しくなって、多分笑みを浮かべたと思う。だから、彼女も小さな笑みを見せてくれたんだと思う…。

 

―――ガキィン、ガガァン、ガギィィィンッ!

 

剣がぶつかったり、掠ったり、それによってお互いにダメージがどんどん減っていく。

勿論大きなダメージは入らないけど、小さなHITが増えていって、お互いにHPは5割を下回ってる。

その時、アスナがほんの1歩バックステップをして距離を空けた……かと思えば、

体勢をかなり前倒しにしながら細剣を前に突きだして突進してきた!

 

「はぁぁぁっ!」

「うっ、くぅっ!?」

 

突進しながらの連突、さらに続けて細剣にライトエフェクトが現れ始めた。

この体勢と状況で、ソードスキル!? しかもこれは、《フラッシング・ペネトレイター》!

突進のままでソードスキルを発動、それならボクも!

 

「てぇやぁっ!」

「あっ、きゃっ!?」

 

彼女のスキル、その際に生まれる隙を突いて、ボクはソードスキル《ホリゾンタル・スクエア》を叩き込んだ。

それは上手くアスナに直撃して、彼女の使ったペネトレイターを無効化し、大きくダメージを与えた。

けれど、アスナはまだあきらめてなかった。空中で無理矢理体勢を直して着地した瞬間に再び突進。

ボクもそれに真っ向から立ち向かった。

 

「「っ、えぇぇぇい!」」

 

同時に向かったボクとアスナ。

ボクの斬り掛かりとアスナの突き、それはお互いの体にHITした………けど、ボクのHPは残って、アスナのHPは0になった。

 

 

「えへへ。ボクの勝ちだね、アスナ」

「はぁ~、悔しいな~…。また負けちゃった~…」

 

舞台から降りたボクとアスナは通路を歩いている。そこに、前の方からクーハとキリトが近づいてきた。

 

「おめでとう、ユウキ。それにアスナさんもお疲れ様」

「ありがとう、クーハ♪」

 

彼の言葉を聞いたボクは周りにキリトとアスナしかいないから、折角なのでクーハに抱きついた。

照れるけど別に良いよね、恋人同士なんだし///

 

「うぅ、負けちゃったよ、キリトくん…」

「動機はアレだったが、かなり善戦したんだ。良く頑張ったな、アスナ(なでなで)」

「そ、そうかな///?」

 

アスナはキリトに頭を優しく撫でられて、少しだけ紅くなりながら嬉しそうにしてる。

あれくらい自然なのもいいな~、と憧れてみたり…。

 

「ユウキ、次は準決勝だな。そのあとは俺との再戦だ……待ってるぞ」

「うん、待っててよ!」

 

キリトの激励を受けて、ますますやる気が出てきたよ! 準決勝も勝って、今度こそキリトに勝つんだから!

 

それから3人は観客席に戻って、ボクは控え室に移動した。

そして準決勝の相手はシルフ領主のサクヤさんで、ボクは少し苦戦したけど、それでも勝つことが出来た。

ついに、決勝戦だ…!

 

ユウキSide Out

 

 

 

キリトSide

 

やはりユウキが勝ったな……まぁ、いくらサクヤが強いとはいえ、

あの状態だったアスナが勝てないのであれば彼女でも勝つのは非常に難しいだろう。

それにしてもようやく俺の出番だな…アスナを伴って控え室に入った俺は5分後に迫った決勝戦への準備に入る。

準備とはいっても、装備を整えて並んだ椅子にアスナと座るだけなのだが。

 

「ようやくユウキとの再戦だね……今回はどうするの? 『覇気』とか使うのかな?」

「ユウキが望めば使うつもりだ。一応、お互いに本気っていうことだし」

 

もし相手がユウキじゃなくて『神霆流』の誰かだったとしたら、死闘か死合になっただろうけど。

 

「相手に失礼がないように本気で行く、だね…。ユウキは耐えられるかな?」

「どうだろうな~? アスナやリズ達は俺達の傍にいたからある程度は慣れてきたが、

 未だにクーハはユウキのまえでは覇気を出していない。

 彼女が覇気に触れたのは1回目の俺とのデュエルと第27層ボス攻略の時だけ、どうするかはユウキ次第だな」

 

仮に彼女が覇気を出しての本気を望んだとしても、手を抜くつもりはない…。

ただ、今回は『神霆流』の技を使うことはないだろう。

本気の決闘、されどこれは大会の場…しかもこれから行われる決勝戦は、

『MMOストリーム』によって生中継されることになっている。

SAOの時とは違う、録画もされてしまう決闘だ……技が晒されることは避けたい。

それに《二刀流》も使わないからな、接戦になるかもしれない。

と、そうこうしている内に時間がきたみたいだな。

 

「アスナ、今日の夜は寝かさないからな」

「なっ、キ、キリトくん//////!?」

「いいだろう、優勝者のご褒美ってことで…?」

「もぅ…そんなだと、足元掬われるよ…///?」

「油断はしない、目的があればなお頑張れるだけさ」

 

彼女に期待させつつ、俺自身もかなり期待する。

 

「頑張ってね、キリトくん。ご武運を…」

「あぁ、()ってくる」

 

俺は2本の剣、『聖剣エクスキャリバー』と『魔剣カラドボルグ』を背負い、舞台へと足を踏み入れた。

 

 

決勝戦が行われる闘技場の舞台、そこで相対する俺とユウキ。

 

「再戦に相応しい舞台になったな」

「すごく立派な舞台だけどね」

 

観客は凄まじいまでの熱気に包まれており、大歓声も上がっている。そんな中、俺はユウキに声を掛ける。

 

「折角だし、エクスキャリバーを使ってみるか? 俺はカラドボルグを使うが…」

「え?…い、いいの?」

「問題無い、筋力値はユウキなら十分足りてるだろうしな」

 

俺達は近づくとトレードウインドウをだし、一時的にユウキにキャリバーを渡す。

最初は重たそうにしていたユウキだが、いまは感動しながら無邪気にそれを振り抜く。

そして俺も、カラドボルグを振り抜き、構える…。

 

「これで対等だが、この前の覇気はどうする?」

「出してくれると嬉しいかな…。勝てる勝てないよりも、本気のキリトと戦ってみたいんだ」

 

彼女の回答を得て、俺は覇気を解放する。

一瞬、ユウキは驚いた表情をしたが、それはすぐに笑みに変わる……そして、カウントダウンが始まる。

カラドボルグを構える俺、エクスキャリバーを構えるユウキ……カウントが0になった瞬間、俺達は互いに駆け出した。

 

 

2つの伝説級武器(レジェンダリーウェポン)がぶつかり合い、俺達の筋力値と攻撃力から導き出された衝撃波とライトエフェクトが巻き起こる。

だが、俺もユウキもそれを無視して剣をぶつけ合う。

 

「はぁぁぁぁぁっ!」

「えぇぇぇぇいっ!」

 

―――ガガガガガガガガガガッ!!!

 

お互いに仕掛ける凄まじい連撃。

斬り下ろせば斬り上げで対抗し、突きには突きで対抗、斬り掛かれば同じく斬り掛かって対抗する。

決して手を緩めない為、巻き起こる衝撃波とライトエフェクトもまた留まることを知らない。

大きく振りかぶり、斬りつけた一撃がぶつかり合うことで一際大きな衝撃が起こり、

俺達は大きく後ろに吹き飛ばされた…が、再度接近してまたもや斬り合う。

 

「おぉぉぉぉぉっ!」

「やぁぁぁぁぁっ!」

 

今度はソードスキルを発動する。互いに片手剣を装備している為、発動されるスキルもまたほぼ同一。

《ソニック・リープ》、《ヴォーパル・ストライク》、《スラント》、《ホリゾンタル》、《バーチカル》、

《レイジ・スパイク》、《スター・q・プロミネンス》、《ホリゾンタル・スクエア》、《バーチカル・スクエア》、

《ファントム・レイブ》、《ハウリング・オクターブ》などの片手剣スキルを使用。

さらには細剣のスキルである《リニアー》、《ストリーク》、《アヴォーヴ》などを互いに再現して使用する。

さらには数連撃のOSSもお互いに織り交ぜて攻撃する為、その相殺数も半端なく、また苛烈も極める。

 

「でぇぇぇいっ!」

「せぇぇぇいっ!」

 

未だにまともにHITしない攻撃、それでも僅かな掠りや衝撃などでダメージは通る。

そのダメージ量はユウキの方が多くて4割、俺のダメージ量は2割程度、その差は倍である。

それでも彼女に以前のような焦りはない、むしろHPを見ていないのかもしれないが…。

しかし、まだまだだな……もっと面白いものをみせてやろうか。

 

「俺が再現できるのが、細剣の下位スキルだけだとは思うなよ?」

「っ!」

 

俺の言葉を聞いたユウキは表情をさらに引き締める。そして、俺は再現する、数多のソードスキルを…。

短剣スキル《ラウンド・アクセル》、《クロス・エッジ》、

曲刀スキル《リーパー》、《デス・クリープ》、《フェル・クレセント》、

両手剣スキル《アバランシュ》、《ブラスト》、

細剣スキル《リップ・ラヴィーネ》、《スウィープ》、《アクセル・スタブ》、《ペネトレイト》、

そして細剣の8連撃スキル《スター・スプラッシュ》。

ユウキはそれらに対して驚きながらも、片手剣スキルやOSSで対抗し、冷静に対処する。

そうだ、それでいい……焦り、また防御だけに徹していれば押されて終わっていたのだから。

 

「やはり、楽しい、な!」

「確かに、負けてても、そう思えるのって、不思議、だね!」

 

途切れながらも言葉を紡ぎ、力を持って語り合う。

それでも、当然ながらこの戦いにも幕が下りるのは必然である。

俺の怒涛の攻撃が功を成したのか、彼女のHPは残り4割を切っており、俺はまだ7割近くを残している。

幕切れを誘う為、俺達は己が全力を持って仕掛ける。

 

 

最初に動いたのはユウキ。

彼女は俺の左肩から右下へ向けて5連突を繰り出してきたので、

対抗するべく12連撃OSSの《スターサークル・レイン》を発動。

しかし、そこで判断を誤ったことに気が付いた。

ユウキの11連撃OSSかと思ったがそれは違う……ライトエフェクトが発生していない、再現してきたか!?

気付いた時には既に遅く、俺のOSSは動き続け、剣は振るわれる。

だが彼女はスキルではないため、瞬時に動きを変えて、

俺に生まれた隙を突いて今度こそ11連撃OSSの《マザーズ・ロザリオ》を発動してきた。

どうする、どうしたらいい……こうするのが、一番いいだろ…。

 

「………ッ!!!」

「うっ、そぉっ!?」

 

無声の気合いを込めながら、俺は自身のOSSの12連撃目が外れながらも決まった瞬間に《剣技連携(スキルコネクト)》を使用し、

《体術》スキルの初歩、《掌底》を繋げた。

彼女のOSSの11連撃目と俺の左手によるスキルがぶつかり、ユウキの剣は俺の手を貫く。

しかし、俺のHPはそれなりに削れたものの、HPは3割を残し、彼女のHPはいくらかダメージを受けたので2割ほど。

これほどとは……だが、俺も終われない!

 

「「これでぇぇぇっ!!!」」

 

同時に技後硬直から解放された俺達、ユウキは再び11連撃の《マザーズ・ロザリオ》を放ち、

俺もそれに対抗するべくOSSを発動する。

 

俺は剣を振るう…。

額、左肩、左腕、左脇腹、左脚、下腹部、右脚、右脇腹、右腕、右肩、そして額の順番で星を形作りながら斬りなぞらえ、

形勢した星を囲むように円状に斬りつけ、最後に縦横の十字に斬りつけることで多大なダメージを与える。

俺の片手剣OSS最高の連撃を誇るオリジナル・ソードスキル、13連撃OSS《スターダスト・クロス》だ。

 

13連撃目、それがユウキを斬りつけたことで、彼女のHPを0にした。

その瞬間、俺の勝利と優勝が決まり、会場内は大歓声に包まれた。

 

キリトSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

オリジナルOSS説明

 

《スターダスト・クロス》

額、左肩、左腕、左脇腹、左脚、下腹部、右脚、右脇腹、右腕、右肩、額の順番で星を形作りながら斬り、

形作った星を囲むように円状に斬りつけ、最後に十字に斬りつける13連撃の片手剣OSS。

 

 

 

 

 

後書きです。

 

前回が手抜き感が多かった分、今回は頑張れたと思います!・・・多分。

 

まぁというわけで、『統一デュエル・トーナメント』は今回で幕を下ろさせていただきました。

 

次回は毎度のごとく宴会とイチャラブになる・・・予定です。

 

それではまた~・・・。

 

 

 

 

 


 
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