No.617628

ALO~聖魔の剣~ 第34剣 ユウキの学校体験

本郷 刃さん

第34剣です。
学校体験その2になります。

どうぞ・・・。

2013-09-09 10:12:25 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:9411   閲覧ユーザー数:8648

 

 

 

 

 

 

 

第34剣 ユウキの学校体験

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウキSide

 

ボク、自分が感動して、すっごく喜んでるのが分かる。

昨日の内にALOでキリトから大体のことは聞いてたけど、本当に学校に行けるなんて思わなかったよ!

キリトとその友達が作ったメカ、それを使ってボクはアスナの肩の上に小さなサイズで立っている感じで、

楽しいし、新鮮にも思える。それに、職員室はいままで苦手だったけど、

アスナ達の学校の先生はみんな良い人でボクを迎えてくれた。

そういえばアスナから聞いた話だけど、彼女たち…ううん、ここに通っている生徒はみんな『SAO生還者(サバイバー)』だってことを聞いた。

勿論ボクはそんなことは気にしてなくて、

アスナからはお互いに「秘密にしてたからお相子だね」って言われて、ボクも笑って頷いたりした。

職員室で先生達と挨拶をしてから出て、1度キリトとは別れることになった。

HRは別みたいだからっていうのは分かったけど、

ボクが1番驚いたのはキリトがアスナよりも1つ年下だったこと、むしろ年上なんだと思ってた。

まぁそういうことで、ボクはアスナの肩に乗りながら(で、いいのかな?)彼女の教室に一緒に来ました。

 

「おはよう」

「おはよ、明日奈」

「おっはよ、明日奈…って、なにその肩のやつ…」

 

アスナが挨拶しながら教室の中に入ったら、男の子と女の子が声を掛けてきた。

あれ…あの女の子、髪の色が違うけど前にアスナと一緒に居た子だ。アスナと同じでALOとおんなじ姿だし…。

 

「それが和人達が作った『視聴覚双方向通信プローブ』なんだな」

「あ、そうなのね? でも、どうしてそんなもの付けてるのよ」

「うん、それも説明するから……ユウキ、まずは自己紹介」

 

アスナに促されたから自己紹介しなくちゃね。

 

『うん…えっと、はじめまして、紺野木綿季です。よろしくお願いします』

「「「「「……はい?」」」」」

「おう、キリトから話しは聞いてるよ」

 

スピーカーから流れたボクの声を聞いた女の子と他のクラスメイトさん達は首を傾げてるけど、

1人の男の子はキリトの名前を出して答えた。

あ、この人は辻デュエルをやってた時に見かけた人だ。確かキリトが「仲間だ」って言ってたっけ?

 

「それじゃあ、説明するね。いま聞こえてきた女の子の声は………」

 

それからアスナはボクが入院していること、このメカをキリトが作ったこととかを説明して、

みんな納得したり、理解したみたい。

 

「なるほどね、事情は分かったわ。あたしは篠崎里香よ、よろしく」

「俺は十六夜志郎、もしくはハクヤでも可」

「えっと、あたしはね~……」

 

アスナの友達の女の子である里香―リズベットかリズでもいいと言われた―と、

キリトの友達の志郎…ハクヤが自己紹介をしてきて、続いて他のクラスメイト達も次々と声を掛けてくれた。

まさか、こんなに歓迎してもらえるなんて…。

 

『うん、みんなよろしく!』

 

今日は、すごく楽しくなりそう!

 

 

まずはアスナの担任である女の先生がやってきて、朝のHRが始まった。

予めアスナがみんなに説明したけど、先生が改めてボクのことを簡単に説明してくれた。

それから、今日アスナが受ける授業にキリトが同行することになったことが説明されると、

みんなは驚いたあとになんでか納得していた。どうやらキリトはこの学校では相当知られてるみたいだね。

そしてHRが終わるとほんの少しの準備時間になって、そこでキリトが机と椅子を持ってやってきた……それぞれを片手で持って…。

 

「失礼しま~す」

「お、結城さん。王子様が来たみたいよ~」

「う、うん///」

 

教室に入ってきたキリトは机と椅子を窓際のアスナの席の後ろに置いて、荷物のデイバックを横に掛けた。

女の子、確か高畑さんだったよね…彼女の言葉にアスナは照れてるみたい。

そういえば、アスナとキリトって婚約者同士なんだよね?

いいなぁ~、ボクもクーハと……って、何を考えてるんだろうね、ボクは…//////

 

「明日奈、体の方に負担は無さそうか?」

「うん、いまのところは平気だよ」

「そうか。ユウキも、プローブの方に不調は出てないか?」

「問題無しだよ。むしろ絶好調なんじゃないかな」

「それなら良かった」

 

キリトはボクとアスナに様子を聞いて、満足そうに頷いてからハクヤに声を掛けた。

なんでも3年生の教材データをコピーするからということみたいだよ。

 

 

準備時間が終わって、最初の授業の先生がやってきた。

1時間目、高校とかでは1コマ目だったね、その授業は数学。

仮想世界の学校に通ったりしてるから問題は理解できるけど、さすがに高校3年生の問題は難しいね。

問題を解いてるアスナを見て思ったけど、彼女は頭が良い、要領よくすらすらと解いてるみたい。

そこで専用仮想空間に居るボクのところに1通のメッセージファイルが届いて、

内容を読んでみるとアスナ達が解いてるのと同じ問題が書かれたファイルが添付されてた。

送信者はなんと後ろの席にいるキリト、ボクはレンズを後ろに向けて彼の顔を見た。

イタズラが成功したような笑顔でいる。きっと、ボクにも問題を解けるようにしてくれたんだよね、ありがとう。

先生の解説を聞きながら、ボクもキリトが用意してくれた問題集を解いていく。

2,3ヶ所は分からないところがあったけど、他の問題は解けたぞ~。

 

「それじゃあここの問題を……折角だから、紺野さん、難しいかもしれないけど、解いてもらえる?」

『え、あ、はい! この式は……………ということで、答えは√5xになります』

「正解、良く勉強していますね」

 

まさか指名されるとは思ってなかったけど、答えられる問題だったから口答して、正解を貰えた。

他のみんなも「おぉ~」と言って感心してくれてる。

 

「他の男子達も、紺野さんを見習って少しは勉強しなさいよ?」

「そりゃないですよ、せんせ~」

 

先生の言葉に1人の男子が応じるとクラス内に笑いが満ちた。

ボクもアスナもクスクスと笑みが零れる。良いなぁ、すっごく楽しい。

 

「授業に戻りますよ……さらに折角だから、こっちの問題は桐ヶ谷君に解いてもらいましょう」

「分かりました」

 

キリトは指名されると苦笑しながら前の大型パネルに歩み寄り、難なく答える。

先生も「さすがね~」と言っていて、他のみんなも似たような反応。

ボクが思うのも難だけど、キリトって学年は下なんだよね?

 

 

2コマ目の授業は歴史、時代的には近代史って言えばいいのかな?

中年の男の先生は、主に戦争のことを中心に授業を行っている。

まぁ、少し前から丁度戦争のところを始めたみたいだからなのかもしれないけどね。

この授業は先生が解説をして、要所で生徒に軽い問題を掛けたり、どんな意図があったとかを指摘している。

ここでボクが思ったのは、やっぱりこの学校の生徒は普通じゃないということ。

普通、戦争の授業っていうのはあまり人気があるものじゃないと思う。

歴史って言えば、戦国時代とか江戸時代とか、そういったものが人気だから…。

だけど、ここのみんなは戦争に関することに真剣に向き合っている。

多分、SAOという世界に居たってことが、死が間近に迫る世界が、みんなの中の何かを変えたのかもしれない…。

少なくとも不真面目に聞いてるような人はいないし、聞き流すようなことをしてる人もいない気がする。

なにより、アスナの後ろの席に座ってるキリトの表情は真剣そのもので、

端末に表示される文字よりも先生の言葉に常に耳を傾けているみたい。

そんな空気も授業が終盤に近づくと和らいできた…。

 

 

3コマ目の授業は選択科目の授業でアスナは家庭科の裁縫の授業を受けてる。

ボクは彼女の手際の良さに感動しながら、その手先を目で追っていく。

どんどん、それでいて綺麗に小物を縫っている……あれ?

アスナは小物をさっさと作り終えると、他の男子や道具の準備を手伝ってたキリトを呼び寄せた。

 

「どうかしたのか?」

「ちょっとだけ後ろを向いてもらっていい?」

「まぁ、構わないけど」

 

そう言って振り向いたキリトにアスナは抱きついて…え?

 

「あの、明日奈さん? なんで抱きついてるのかな? いやまぁ個人的には非常に嬉しいが…」

「ん~、和人くん分の補給///?」

「…さいですか」

「はい、ありがとう///」

 

アスナが体を離すとキリトは自分の仕事という手伝いに戻った。

ちなみにアスナが抱きついてる間、男子や女子が「リア充爆発!」とか言ってたけど、仕方がないよね。

 

「さて……やっぱり和人くん身長伸びてたな~。体も少し大きくなってたし、採寸して正解だったよ」

 

……あれ?

 

『え…さい、すん? アスナ、キリトの採寸をしてたの? というか、アレでわかるの?』

「うん、分かるよ。和人くんだって、わたしを抱き締めたら出来るんじゃないかな~?

 (ぼそっ)目測でわたしのスリーサイズが分かるくらいだし…///」

『あ、あはは、そうなんだ…』

 

多分、抱き締めて完全に分かるんじゃなくて、ある程度が分かるってことなのはボクも理解できたよ、うん。

でも、キリト……目測でスリーサイズって、なに…?

またも、ボクの中のキリトへの謎が深まったりしました…。

 

 

午前中最後である4コマ目の授業は英語。

この授業は終始楽しく続いた……というのも、この授業を担当する先生はアメリカに滞在していた時があって、

授業内容は主に会話を中心にしていたから。

先生が話す言葉が即座に大型パネルに日本語訳されて、それに回答する為に指名された生徒が端末で英語に変換、

英語で喋りつつ先生が発音を正しく教えてくれたり、単語の解説や応用などについても教えてくれた。

だからボクも授業に大きく加わることが出来たんだ。

後ろの席のキリトは特に積極的に参加していたけど、それについて彼に聞いてみたら、

「今後の進路によっては必要になる可能性が高いからな」って言ってた。色々と考えてるんだね~…。

 

 

そして終わった午前の授業~!

これからボクとアスナは女の子達と一緒に中庭にある小さな芝生と庭園、そこでお昼ご飯を食べることになったんだ。

まぁボクは食べれないけど、それでもみんなが一緒に話しが出来るからって言ってくれた。

学年が下で中等部の珪子ちゃん―シリカでも良いよと言われた―も加わって、10人近い女の子と一緒になった。

キリトはハクヤと他の男子達と一緒にカフェテリアに行ったみたい。

 

「えっ!? それじゃ、木綿季ちゃんがあの【絶剣】だったの!?」

「紺野さんすご~い!」

『え、えへへ、ありがとう///』

 

ボクが【絶剣】ユウキであることを明かしても、みんなの反応は純粋に褒めてくれるものだった。

気付いたけど、どうやらここにいるみんなはALOプレイヤーみたい。

 

「ま、あたしとしては和人とまともに戦ったのを見たから、正直なんとも言えないわね」

「言い過ぎですよ、里香さん……分からなくはないですけど…」

 

リズとシリカちゃんが言ったのはどういう意味かと思った。ボク、キリトに負けちゃったしな~。

もしもキリトがボクとの戦いで、あの時の2本の剣で戦っていたら一瞬で負け……あれれ?

 

『ねぇ、アスナ。キリトって、二刀流で戦うのが本気なの?』

「あ~、別にそういうわけじゃないんだよ。

 ただ、キリトくんは二刀流と伝説級武器(レジェンダリーウェポン)を使うのは本当に大事な時だけって、制約を決めてあるんだよ」

 

興味本位で聞いたけど、アスナは穏やかな表情ながら真剣な雰囲気でそう言った。

キリト達にはキリト達で色々とあるんだな~って思った。

 

「さて、みんなも食べ終わったし、そろそろ学校の中を案内するね」

『うんうん、行こう行こう!』

「それじゃあ行きましょう」

 

アスナの言葉に賛成して、リズも同意してくれたからみんなで学校の中を歩くことになったよ。

 

 

学校の中を周っている途中、なんだか少し良くない雰囲気になった……というのも、4人の男子が絡んできた。

いちゃもんとかそういうのじゃなくて、女子だけだからなのかもしれないね。そんな時…。

 

「へぇ、俺の女に何か用か?」

「遠慮はするなよ、じっくりと話を聞いてやるから」

「それで、ご用件はなんですか?」

「あぁ、まさか手を出そうとしたわけじゃないっすよね?」

「……そうだと言うのなら、こちらにも考えがあるが…」

「「「「ごめんなさいすいません! だから肩に置いてある手を離してぎゃあぁぁぁっ!?」」」」

 

キリトとハクヤが3人の男の子と一緒にやってきて、4人の男子の肩に手を置くと力を込めたみたいで、絶叫が聞こえた。

うわぁ~、痛そうだね~…。男子4人はペコペコと頭を下げながら去って行っちゃった…。

そのあとは平和に学校を周ることが出来て、色々な場所を知ることができて楽しかったな~♪

 

 

5コマ目の授業は現代国語、ボクにまた来て構わないと言ってくれたお爺ちゃんの先生だ。

 

「それでは、今日から教科書98ページにある芥川龍之介の『トロッコ』をやります。え~、この作品は………」

 

先生が『トロッコ』についての説明を始めた。

ボクはこれでも読書家だからね、この作品も何度か目を通したことがあったっけ。

 

「……それでは、最初から読んでもらいましょうか。紺野木綿季さん、お願いできるかな?」

『はい、分かりました!』

 

先生の指名を受けて、ボクは返事をする。アスナは慌てて立ち上がって、ボクが端末を見れる高さに端末を持ち上げてくれた。

 

「ユウキ、読めるの?」

『へへん、勿論だよ』

 

自信を込めて応えて、ボクは『トロッコ』の文を読み始める。

それから、まるで学校全体がボクの声を聞いてくれてるかのように感じた。

静かな午後の授業だから、余計に響いているように感じるのかも。

ただ、みんなが心地良さそうに聞いてくれてるのは解って、凄く嬉しかった…。

 

 

本日最後の授業である6コマ目はなんと体育。

この学校の体育はレクリエーション形式に近くて、体を鍛えることよりも、楽しく体を動かすことに念頭においてるみたい。

アスナは今回見学という形にしてくれたから、少し申し訳なかったけど、見てるだけでも楽しいと思った。何故なら…、

 

「死に晒せぇっ!」

「舐めるなぁっ!」

「……墜ちろっ!」

 

キリトとハクヤとキリトの同級生のハジメの3人が高速でボールを投げ合っている。

ドッヂボールなんだけど、弾速が凄いね、ボクでも追いつけないよ…。

既にコートに残っているのはキリト&ハジメVSハクヤっていう図だね。

外野に出された人達や他の人達はみんなで応援したり、賭けをしてるし…。

ま、ボクの隣に映るアスナはキリトに視線が釘付けなんだけどね。

結果は時間切れで引き分けに終わったけど(笑)

 

やっぱりこの学校は……すっごく楽しい!

 

ユウキSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

原作とは違い、てんこ盛り?な授業内容にしてお送りしました。

 

ところどころで和人が活躍しているけど、気にしない方向でお願いしますw

 

次回は明日奈とユウキが紺野家を訪れる話しになります。

 

それではまた~・・・。

 

 

 

 

 


 
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