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魔法少女リリカルなのはTime Leapなの? 〜過去に戻った高町なのは〜 【A's】 第七十三話

新暦85年、高町なのははある任務の途中で死亡する。

任務は全て嘘であり、全てはなのはを殺害するための一部の管理局員による計画だった。

なのははその計画通りに殺されるが、その任務に向かう途中に偶然何故か落ちていた拾ったジュエルシードによって、なのははタイムリープをするのだった!!

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2013-09-05 14:48:37 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1496   閲覧ユーザー数:1450

「うぅん……ここは?」

「あ、目覚めたみたいね」

 

 私が目を覚ますと、そこは病室みたいであり、その隣にはフェイトちゃんが私と同じようにベッドで寝ていました。

 すぐさま思考を回転させて、どういう状況なのかを現状だけで理解することにした。

 

「……そっか、私あのまま意識失ったのか」

 

 フェイトちゃんが意識を失って私と同じようにベッドに横たわっていたことを考えて、結果的には私の予定通りにはなったのでしょうけども、なんか釈然としない。

 理由はヴィータちゃんと戦った結果のことで、レイジングハートがないという失態をしたせいで全力で戦いきれなかったということだ。全力で戦い、最後は闇の書に蒐集される予定ではあったのですけど、あんな結末は私としても気に食わない。ヴィータちゃんとしてもなんか勝ったような気持ちがしてないでしょうね。

 そんなことを考えていると、私たちがいる部屋にドアから誰かが入ってくる音が聞こえ、そちらを見るとリンディさんがいました。

 

「あら、なのはさんは目覚めたのね」

「はい……私がレイジングハートを持ち運んでいなかったせいで」

「そのことについて、今詳しく聞いていいかしら」

 

 フェイトちゃんがまだ意識が回復する前に聞いた方がよいと思ったのか、リンディさんはどうして私がレイジングハートを持っていかなかったことについて、今のうちに聞いてきました。

 正直どうしましょうかね。アリサちゃんに貸してしまったというのは今後の事も考えると言えないし、置いてきたというのは逆に怪しまれる可能性がある。となれば、例のあの手段を使いますか。

 

「えっとですね、少し前に例の師匠の家を片付けに言ったのですけど、私の他にも一人いまして、その子は私と違って魔法にあまり優れなかったためにレイジングハートを貸したという感じです」

「なるほどね。何事も起きないだろうと思っていたら、予想外にも襲撃にあったと」

 

 実際はアリサちゃん達に貸してしまったから丁度持っていなかったということなんですけどね。それにしても、師匠がいたという架空の設定は意外と応用性ききますね。

 

「管理外世界だからと思って侮っていましたね。一応デバイスなしでも戦えなくはないのですけど、相手の魔法形式が悪かったということもありまして……」

「魔法形式?」

「ベルカ式――と言えば分るかと」

「なるほど……」

 

 リンディさんはそこで納得するように頷き、私が負けた原因も何となく分かったような感じだった。幼いころから魔法に長けている私だとしても、ベルカ式のカートリッジをされてしまえばデバイスなしで防ぐのはさすがに難しいと考えたのでしょう。

 正直言えば、負けたことに対しての理由についてを考えていなかったということもありましたから、結果的にはよかったのかもしれません。私でもあの結果について納得はできませんけども。

 ちなみに、フェイトちゃんがやられた相手はシグナムさんだと思います。フェイトちゃんが私から離れたあと、シグナムさんに襲撃されて倒されたのかと思っています。

 

「とにかく、当分の間は安静にしておいてください。リンカーコアの魔力を抜き取られたのですから」

「分かりました。意識が戻ったらフェイトちゃんにも言っておきますね」

「お願いね」

 

 それからリンディさんは部屋から出ていき、病室の中はまたしても私とフェイトちゃんの二人だけとなりました。

 数日の間は多分出てこれないだろうということをヴィータちゃん達には伝えてあったため、管理局に気付かれないように蒐集してくれるでしょうから問題ないはずです。しかしまぁ、フェイトちゃんは意識が回復しそうな気がしないし、念のため連絡とっておこうとすることにしました。

 連絡する手段は前に教えてもらいましたため、ヴィータちゃん達にいつでも話せたりすることが可能です。このようにしたのは闇の書を私が借りているときに、ヴィータちゃん達から返してほしいと言われることがあるだろうと思ったからというのが一番の理由なのですが、一応近況報告として伝えておいた方がいいかなと思いましたのでね。

 ってなわけで、私は一番状況伝達として良さそうなシャマルさんと連絡を取るようにしました。というかこれはシャマルさんのクラールヴィントを経由しているのでシャマルさん経由でしか話せないんですよね。念話でもいいのですけど、別の次元世界にいた時のことを考えて今はこの手段を取ることにした。

 

「……シャマルさん、今大丈夫ですか?」

『な、なのはちゃん!? 今連絡して大丈夫な!?』

「一人近くで意識を失って寝ていますけど大丈夫です。それで、そちらの状況はどうですか?」

『特に変化はないから、なのはちゃんが言った予定通りに進めようとはしてますけど……』

「……けど?」

 

 何か支障でも出たのでしょうかと私は思いましたが、予定通り進められるということはそれほどの問題ではないということではると私は考えました。

 そして案の定、というか計画していた内容とどうでもいい内容がシャマルさんから伝えられました。

 

『ヴィータちゃんが今回の戦いの結果がかなり納得いっていなくて……』

「……あぁ、それは私もなんですよね」

『「次に戦うときがあったらレイジングハートがあった時にしてやる!!」とか言ってたし』

 

 確かにあの戦いはお互いとしても納得いかないだろうと思っていたし、ヴィータちゃんもそう思っていたのだろうと考えていましたからね。

 

「じゃあ、今度時間があればヴィータちゃんと戦える時間を設けるからとヴィータちゃんに伝えておいてください。さすがにあれは私としても不服だったし」

『分かった。そう伝えておくね』

「それじゃあ特に話しておくこともありませんので、あとは私が建てた計画通りに動いてもらえれば大丈夫かと思いますので」

「うぅ~ん」

 

 と、そこまで話した直後、フェイトちゃんが意識を取り戻したような感じなため、そろそろ切ることに私はします。

 

「意識が回復したようですのでこれで」

『えぇ、わかったわ』

 

 そこで私はシャマルさんとの通話を切り、フェイトちゃんの方へと向けました。

 フェイトちゃんの方へ向くと、なぜか仰向けのまま私の方へと顔を向けていました。最後の部分だけ聞かれたかもと私は思いましたけども、あれだけだと怪しいと気付かれないと思ったので、微笑みながらフェイトちゃんに話しかけました。

 

「意識が回復したようですね」

「なのは……あれ、私どうして病室なんかに?」

「多分ですが、私たちはあの子たちに襲われてそのまま意識を失ったのですよ」

 

 寝起きのためあまり思考が回転してないようでしたので、思い出させようと私は言いました。

 そしてフェイトちゃんはようやく病室に居たのかという理由がようやく思いだし、ベッドから起き上がりました。

 

「そっか……私はシグナムにやられたのか」

「シグナム?」

「あの後なのはに言われた通り逃げたのだけど、なのはが戦っていた子の仲間に会ってしまって」

「そっか……私もそんな感じで負けちゃって……」

 

 シグナムの名前を知らないように私は聞き返しましたが、とりあえず予定通りの結果となっていたようですね。

 今回の襲撃で蒐集したページ数はかなり増えただろうと思いますし、かなり順調な感じになりました。

 と、そんな会話をして丁度終えたところでまるでタイミングを合わせたかのように病室の中にクロノ君が入ってきました。珍しく空気を読みましたか?

 

「丁度フェイトも目が覚めたころだったか。目が覚めたばかりで移動させるのもなんだからここで話してもいいか」

 

 クロノ君の言葉に私とフェイトちゃんはほぼ同時に頷き、クロノ君は今回の件について話し始めるのでした――


 
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