No.608530

IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−

トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!

2013-08-14 10:03:06 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:572   閲覧ユーザー数:560

 

 

 

episode201 限界

 

 

 

「どういう事なの、これは・・・?」

 

「・・・・」

 

 秘密前線基地がある海域に到着したユニコーン達は目を疑った。

 

 到着する前にそこが戦場になっていたからだ。

 既に破壊されてスクラップと化したデストロイが二体海に浸かっており、レギナの残骸が海面に浮かんでいる。

 

「誰かがここを先に攻めている?」

 

「でも、一体誰が?ここを知っているのは私達だけなはず・・・ましてもバインドに抵抗できる戦力は――――」

 

 

「・・・まさか、隼人君がここに?」

 

 ユニコーンは思い当たる人物の名前を呟く。

 

「それはありえないよ。隼人はここを知らないはず」

 

「・・・・」

 

「仮に居たとしても、たった一人で攻略も、ヴィヴィオを助ける事も無理だよ。あんな身体じゃ・・・」

 

「・・・・」

 

 

 

「どちらにしても、今私たちがやるべき事は一つ」

 

 ユニコーンの言葉にバンシィは頷く。

 

「各機に通達!これよりバインドの秘密前線基地の攻略を開始する!目的はヴィヴィオの救出!可能であれば敵の殲滅をお願いします!」

 

『了解!』と全員より返答が帰ってきて、一気に前線基地がある島へと飛び出す。

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 その頃秘密前線基地の地下では―――――

 

 

 

「・・・・」

 

 隼人は海中から一気に飛び出すと、地面に着地する。

 

「ここまで情報が正確とはな」

 

 周囲を警戒しながら立ち上がり、一旦装甲を閉じてユニコーンモードに戻ってファントムより受け取ったデータを見る。

 

 海中に入った後水中戦仕様のレギナを全て撃破し、海底にある洞穴より島内部と繋がっている水路を通って内部に侵入した。

 

(しかもここには敵も知らない場所って言うのも本当とは)

 

 薄暗い場所であるが、そこにはレギナの姿は無い。

 

「ここからなら・・・ヴィヴィオが居る区画まですぐそこか」

 

 そこまで正確とは疑わしいも、ここまでファントムのデータ通りだったので、信用しない気にはなれない。

 

「だがこれで、ヴィヴィオを救える」

 

 一瞬気が緩み、歩き出そうとした瞬間―――――

 

 

 

 

「―――――!?」

 

 突然今までに無いぐらいの激痛が身体中を走り、その場で両膝をつけてしまう。 

 

(な、何だ・・・!?)

 

 そのまま両手を地面に付けると、胸を中心に激痛が起きて、直後にバンシィ・ノルンが強制解除される。

 

「うっ・・・ゴハッ!?」

 

 直後に隼人は大量の血を吐き出し、地面を赤く染める。

 

「く、くそっ・・・」

 

 隼人は激痛に耐えて立ち上がるも、その瞬間に更に大量の血を吐き出してしまう。

 

(ここまで・・・来て・・・身体が限界を迎える・・・だと・・・)

 

 ふらつく足で数歩前に足を運ばせるも、再度血を吐き出し、足に力が入らなくなってそのまま地面に前のめりに倒れる。

 

「・・・・」

 

 身体を動かそうにも力が入らず、指一本すら満足に動かせない。

 

(くそっ・・・こんな・・・所で・・・終わるのか・・・!?

 ヴィヴィオが・・・・・・手の届く場所に・・・居るって・・・言うのに・・・!)

 

 次第に身体全体の感覚が無くなっていき、視界が暗くなっていく。

 

(・・・悔し、い―――――)

 

 そして隼人は意識を失ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・・』

 

 すると倒れている隼人の近くに光の粒子が集まり出し、次第に人の形に形成される。

 

『その身体で・・・よくここまで耐えたな』

 

 と、形を形成した光が弾け、実体化したノルンがうつ伏せに倒れ、瀕死の状態の隼人を見つめる。

 

『隼人・・・』

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 一夏はウイングスラスターを噴射して飛び出すと『雪片零式』を振るってレギナを切り裂く。

 直後に背中のバインダーを展開し、そこからエネルギー状のビット『ソードビット』を射出し、次々とレギナに突き刺して爆発させる。

 

 と、背後より接近してくるレギナを振り向く際に頭を掴むと、掌のビーム砲を放って撃ち抜くと、雪片零式を横に振るいながら後ろに振り返り、背後から接近するレギナを切り裂く。

 

 直後に背後よりレギナがビームファンを手にして切り掛かって来るも、一夏は両脚側面の装甲を展開するとそこからエネルギーフィンを出してから飛び出し、攻撃をかわす。

 そのままウイングスラスターを上に向けて噴射し、降下しながら展開装甲のフィンを刃に変換し、踵落としの様にしてレギナを縦に切り裂く。

 

「っ!」

 

 一夏はとっさに左手の甲のリフレクターを展開して後ろを振り向くと、ビームを弾く。

 

 

 

「よく気付いたな。さすがだな、オリジナル!」

 

「っ!」

 

 リフレクターを収納してビームが飛んできた方を見ると、そこにはビームライフルを構える黒いデスティニーこと闇一夏の姿があった

 

「お前は・・・!」

 

 一夏はとっさに雪片零式の柄を両手に持って身構える。

 

「さて、始めようじゃねぇか。殺し合いをな!!」

 

 闇一夏はビームライフルをリアアーマーにマウントし、背中より対艦刀を抜き放って刀身を展開し、両手で持って一夏へと飛び出す。

 

 

 

 

 

 ユニコーンはエクサランスカノンのトリガーを引いてビームを放つも、ハルファスベーゼはビームサイスを振るってビームを切り裂き、両肩のクロスバインダーキャノンを前方に向けてビームを放つ。

 ユニコーンはブラスタービットを瞬時展開してビームフィールドを張り、ビームを弾く。

 

 直後にハルファスベーゼが飛び出して来るも、とっさにエクサランスカノンの後部コンテナを展開してミサイルを放つも、両肩より有線式のファンネルを放ってミサイルを撃ち落す。

 そのまま一気に飛び出してビームサイスを振るうも、ユニコーンはエクサランスカノンのバレルの刃で斬激を受け止める。

 

「しかし、分からぬものだな。なぜお前達がこの場所を知っていたのかがな」

 

「それは企業秘密だよ。わざわざ自分の手の内を明かすのは馬鹿がする事だよ」

 

「確かにな。だが、思い当たる節はある」

 

「・・・・」

 

「最近ハルファスとフェニックスが失踪してな。だがあの二体にはスパイ疑惑があった」

 

「・・・・」

 

「そんな時に失踪するなど、偶然の一致と思うか?」

 

「そっちの事情なんか知った事じゃないよ」

 

「ふん。だが、その二体より齎された情報でここを知ったのではないか?」

 

「さぁね」

 

 

 

「あぁそういえば、さっき黒獅子が襲撃してきたな」

 

(隼人君が・・・?)

 

「あいつには参ったものだ。黒獅子のお陰でデストロイが二体。それとレギナが半数以上も撃破されたのだからな」

 

「・・・・」

 

「とんだ痛手となった。だが、その後水中に入ってからずっと出てきてないようだがな」

 

 それを聞いてユニコーンは背筋に冷たい感じが走る。

 

(やっぱり隼人君が・・・。それに今の状態でそんな無茶な事をしたら・・・)

 

 少なくともただでは済まない。予想していた最悪の事態に陥るかもしれない。

 

 

 

「・・・どうやらお前達は黒獅子がここに来た事は知らされてないようだな」

 

「・・・・」

 

「向こうは独自で動いていた。まぁそちら側の事情は知らんがな」

 

「・・・・」

 

「それに、黒獅子は時より動きが鈍っていた。それはなぜかな?」

 

「・・・・」

 

「まさか万全な状態じゃない不安定な状態でここを攻略に来る訳が無いよな」

 

「・・・・」

 

「それと、先ほどからお前は黒獅子の話になると少し動揺しているように見えたな」

 

「・・・・!」

 

「・・・そういう事か」

 

 ハルファスベーゼは確信を得てツインアイを細める。

 

「黒獅子にはもう戦う余力すら残ってないようだな。それなのにここにやって来たのは・・・マテリアルを救出する為か」

 

「・・・・」

 

 

「・・・ふ、フフフ」

 

 と、静かに笑い出す。

 

「何が可笑しいの?」

 

 ユニコーンはヴィヴィオを救う隼人の事を言うと笑うハルファスベーゼに怒りを覚える。

 

「これが笑わずに居られるか?あの転生者は黒獅子の魂を宿し、黒獅子に近い存在へと変化した。かつて最凶までと謳われた無限皇帝の魂を宿した人間が神となったようにな」

 

「・・・・」

 

「そしてマテリアルはその黒獅子・・・即ち破壊の王の娘・・・聖なる王の末裔。時を越えて二つの王として、親子として再会する」

 

「・・・・」

 

「これほど可笑しいものはない。違うか?」

 

「・・・・」

 

 ユニコーンは右手を握り締める。

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 バンシィは光の如く速く飛び出すとライオットブレードを振るうが、マスターフェニックスは両手に持つバインダーソードを振るって激しく刃を交える。

 

 両者は同時に離れると一気に上へと飛び上がってメビウスの輪を描きながら交差する。

 

 バンシィはライオットブレードのカートリッジをリロードして刀身のエネルギーを増幅させ、勢いよく右から左へと交互に振るって光波を放つ。

 マスターフェニックスはバインダーソードの先端を前に向けて太いビームを放ち、光波を撃ち落す。

 

(やるっ!)

 

(こいつは手応えがありそうだな!)

 

 バンシィはライオットブレードを連結してライオットザンバーにすると、刀身にプラズマを発生させて更に巨大な刀身を形成する。

 

 マスターフェニックスも両手のバインダーソードを連結して大剣にすると、刀身に炎に似たエネルギーを纏わせて巨大な刀身を形成する。。

 

「プラズマザンバァァァァァァァァッ!!!」

「バァァァァァニングソォォォォォドッ!!!」

 

 同時に巨大な刀身を振る下ろして激しく刃が衝突すると、接触面よりスパークが発生し、直後に大爆発を起こす。

 

 

 爆煙が上がる中、中よりバンシィとマスターフェニックスが出てきて再び接近して刃を交える。

 

 

 

 

 

 ラウラは背中と両膝のGNキャノンⅡを放ってレギナを撃ち落していくと、近くでリアスが左掌よりアンカーを射出し、レギナの胴体に突き刺すと同時に勢いよく引っ張り、別のレギナにぶつけると、ラウラが右手のGNバズーカⅡを放って二体のレギナを撃ち抜いて撃破する。

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

 二人は一旦見合わせると頷き合い、一気に左右に散ってラウラがGNバズーカⅡを底部を連結して前に向けると砲身を展開し、球体状のビームを形成して放ってレギナを巻き込んで焼滅させる。

 リアスは背中のユニットのレールキャノン二門を展開して超音速に弾丸を放ってレギナを撃ち抜き、右手にユニットの対艦刀を抜き放って片方にビーム刃を出し、接近してビームファンで切り掛かって来るレギナに向かって振るい、攻撃を受け止めると左脚を振り上げて蹴り飛ばして対艦刀を振るって横に真っ二つに切り裂く。

 

 

「・・・・」

 

 ノインは背中のバルカンとガンランチャーを放ってレギナを牽制すると、左手にトリガーを持って右手にフォアグリップを握って構えるアグニを前に向け、高出力ビームを放ってレギナを三体飲み込んで撃破する。

 背後よりレギナが接近してくるも、左から横腹を撃ち抜かれて撃破される。

 

「甘いっすよ?仲間の背中を取ろうなんぞ」

 

 と、弓矢の様な形態をした『アローフォーム』のタクティクスアームズを構えるウェンディーは左手の人差し指を伸ばして立てて左右に振ると、タクティクスアームズをアローフォームのまま側面を右腕に接続する。

 

 

 近くでノーヴェが両腕のユニットを前に向け、アンカーを射出するとレギナ二体を掴み取り、勢いよく左へと振るい、別のレギナに二体連続でぶつけるとそのまま撃破してアンカーを戻し、背中より対艦刀を右手に持って抜き放つと一気に飛び出すと、勢いよく巨大な刀身を振り下ろし、レギナ二体を真っ二つに切り裂く。

 

 

 

 

「・・・・」

 

 レギナ五体が一斉に背中のバインダーライフルを放ってくるも、楯無はその場から動こうとはしない。

 

 するとフォビドゥン・アクアのシールドにあるアクアクリスタルが発光すると、レギナの放ったビームがフォビドゥン・アクアの目の前で散り散りになって拡散される。

 

(これが『アクアウォール』。ビーム兵器の前では無類の強さを誇る・・・水の壁)

 

 アクアウォールの性能に驚く間にレギナがバインダーライフルを放ってくるも、全てアクアウォールによって拡散される。

 

「その程度のビームじゃ、このアクアウォールを突破するのは不可能よ」

 

 と、一旦アクアウォールを停止させてから左手のビームガンと蒼雷旋の刀身にある銃口四つよりビームを連続で放ち、レギナを撃ち抜いて行く。

 

 すぐに背中のユニットを頭を覆うように移動させると両側のシールドを展開すると、ユニットのスラスターを噴射してその場から飛び出し、左手のビームガンにある大型のソードを銃口へと移動させて展開し、レギナを次々と切り裂いていくと背後よりレギナがビームファンを手にして切り掛かって来るが、とっさに後ろに振り返って蒼雷旋を突き出し、レギナを貫くとそのまま振るって別のレギナにぶつけ、上部ユニットのビーム砲を放って二体を撃ち抜く。

 

 直後にユニットのガトリング四門を放ち、レギナを次々と撃ち落していく。

 

 レギナが次々と集まってくるも、楯無は蒼雷旋を上に突き上げると、刀身に水流が纏うと、円錐状に形成され螺旋に回転し始める。

 

「貫きなさい!『グングニール』!!」

 

 楯無は蒼雷旋を勢いよく突き出し、螺旋状に回転する円錐を刀身から放ち、集結していたレギナを次々と貫いたり回転している際に起きている刃で切り裂いていく。

 

 蒼流旋のドリル状に水流を刀身に纏わせる機構を大型化し、『ミストルティンの槍』の威力に匹敵するフォビドゥン・アクアの切り札の一つ『グングニール』。

 

 

「っ!」

 

 蒼雷旋を構え直すと、とっさに前方の見る。

 

「・・・・」

 

 まだ距離はあるものも、目を細める視線の先には上空を黒い点が覆っていた。

 

「増援・・・。こんな時に!」

 

 楯無は奥歯を噛み締める。

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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