No.60764

詩集「奏詞」終巻

華詩さん

詩集「奏詞」の第七巻。詩集「奏詞」はこの巻が最後になります。自分が思っていた以上に書き綴った詩がありました。

2009-02-28 16:56:51 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:522   閲覧ユーザー数:491

【必象】

 

見つめなくてはいけない必ず訪れる事象

 

ただこれを意識しはじめると

頭の中は軽いパニックをおこし

ちょっとした恐怖で支配される

 

幼いときはそれがあまりにも

怖くて怖くてどうにかなりそうだった

 

かく言う今もそんなには変わらない

ただ意識していたことを

強制的に忘れられるようになっただけ

でも意識しておかないと後悔する

 

いつ訪れるか分からない

極端に言えば1秒後かもしれないし

何十年も先の事なのかもしれない

誰にもそれはわからない

 

 

【先にあるもの】

 

いつかはたどりつく先

その先に待つものは何なのか

もしかしたら何も待ってはいないのか

誰も知らない

 

先はいつかは必ず体験する

それまで知る事が出来ない

それはもどかしくそして恐ろしい

 

 

【今昔】

 

何だかよく分からない事ばかり

嫌違う分かりたくもない事ばかり

今まで生きてきた世の中は変化している

 

殴る蹴る叩くは私の学生時代もあった

でもそれらの限度は知っていた

 

喧嘩も乱闘もあった互いに殴られたし殴った

でも互いに次の日は五体満足だった

 

けど今は限度を知らないだから悲劇がおこる

 

 

【生現】

 

辿り着く場所は誰もがきっと同じでも確かじゃない

だってついた場所から帰ってきた人は誰もいないから

 

だから誰も辿り着く場所を知らない

もしかしたら辿り着く場所なんてないのかもしれない

 

あったにしろなかったにしろ

それはそこに辿り着いたときにしかわからない

 

けれでそれはその時までの楽しみにと

言えるだけの強さはさらさらない

 

だから精一杯に今をすごす

 

【終姿】

 

花火のように

鮮やかに咲き

同じように

消えていく

 

最後が綺麗なら

どんな風に

軌跡を描こうとも

 

それは限りなく

美しい

 

 

【追音】

 

静かに近づいてくる足音

今はまったく気にならない足音

まだまだ遠い足音

誰しもが最後は追いつかれる足音

いつ来るのかがわからない足音

 

でも着実に一歩一歩近づいている

まぁこれはどうしようもなくしかたがない事

 

今は足音に気がつかないフリして

面白可笑しく楽しくフラフラといってみようか

 

 

【慎心】

 

サラサラと崩れていく

きっかけはちょっとしたこと

 

ずっと続くと思っていた

でも永遠なんて約束はされてない

よく使われるフレーズ

 

思い出すしては後悔する

信じていたから

 

いつかは終わる

それを前提に一生懸命

気遣い思いやる

 

終わらないように

 

 

【海〜人々の思い一つの時代】

 

海に浮かぶ 紙風船が一つ 流れにまかせてゆられてる

遠い所にいる あの人に会いにいくみたいに

私もあの風船みたいに 海に浮かんで あの人の所へいきたい

 

なぜ私を残していってしまたの あなたの声をきかせて

私は紙風船になって あの人の場所までいきたい

何も言わないで 私をのこしていくことないでしょう

 

かなわない願いと知っていても 願わずにはいられない

波にゆられて流れていく紙風船よ

あの人の場所までつれていってください

 

 

【流風車】

 

時には 少し静かに

空を眺めよう

今まで 見えなかった

何かが見えるから

 

傷ついた心も 少しは慰められる

 

大きな白い雲が流れていき

あの日の事を思い出させる

 

好きな子に気持ちを伝えた日

あの日は 雨が降って

今 見てる大きな白い雲はどこにもなかった

 

大きな白い雲が流れていき

あの日の事 思い出させる

 

プールに浮かんでいた

僕の上を通りすぎていった

その雲に似ていた

 

あの雲 明日(あす)は

どこでなにしている

 

またどかで

会うことあるのかな

 

 

【暖かな時】

 

春の風が柔らかく吹く頃に

海に貴方と一緒に行きたい

 

約束しましたね私と、覚えてますか

 

貴方は微笑んでいいよって言ってくれました。

 

私が無理を言っているのを承知で

 

あの時の笑みは

涙でぼやけてはっきりしない

涙脆い性格が恨めしいかった

 

貴方と一緒にいられた時間は

愛しすぎてそして

過ぎていくことが怖かった

 

最後までそばにいてくれてありがとう

私にくれた貴方の大切な時間

貴方に感謝しています

 

あの日の約束を果たすため

今日一人でこの場所にやってきました

二人で見ることのできなかった

春の海はとても穏やかで寂しい音色を奏でていました

 

 

【明最】

 

明確に表示されていない最後

その最後に向かって一歩一歩

 

時には小走りに時には全力で

時にはゆっくりと歩んでいる

 

いっそのこと立ち止まれたら

いっそのこと進み続けれたら

いっそのことUターンしたら

 

考えるだけ無駄だとわかっていても

ついついそんな事を考える

 


 
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