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デジモンクロスウォーズ 絆の将と魔道の戦士

第二十九話 漆黒の聖騎士VSΩを継ぐ者

2013-07-19 21:46:10 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2283   閲覧ユーザー数:2255

 

「グレイソード!!」

「クロスバーニングロッカー!!」

ブラックオメガモンの大剣と、シャウトモン×7の炎を纏った攻撃がぶつかり合い、巨大な衝撃波が発生した。

「パワーと攻撃の規模ではシャウトモン×7、スピードと武器ではブラックオメガモンに分があるか。」

クラウドはゆりかごの上から、その様子を見てこう言った。

「ガルルキャノン!!」

ブラックオメガモンは素早く距離を取ると、メタルガルルモンの頭部から大砲を出して、強力な冷凍光線を発射した、

「サナオリアで相殺してください!!」

アインハルトが叫ぶと、シャウトモン×7は左腕に装着されたスパロウモンの胴体から、炎に包まれた弾丸を発射した、

「うおおぉぉぉぉぉ!!!!」

二発の弾がぶつかり合い、砂煙が発生すると、中からブラックオメガモンが飛び出した、

「グレイソード!!」

相手は完全に自分の間合いに入っているので、皆がもうダメだと思った時、

「シャウトモン×7!応戦だ!!」

と、タイキが叫んだ。

(この状態でか?!)

シャウトモンがこう思った時である、一つだけ使える技があるのを思い出した。見様見真似なので、威力は出るか分からないが。

「メテオインパクト!!」

そして、シャウトモン×7は自身の×5形態の必殺技の一つである、メテオインパクトをブラックオメガモンに放った。結果、グレイソードはシャウトモン×7を掠ったが、ブラックオメガモンにシャウトモン×7の拳が入った。

「ぐがぁ!!」

ブラックオメガモンがふっ飛ばされると、その隣を何かが飛んで行った。

「ありがとう、トーレ。」

「ではお気を付けて。」

飛んで行ったのは、なのはを連れたトーレだった。ライドインパルスでブラックオメガモンの後ろに回り込んだのだ。

「ブラスターバインド!!」

なのはは、レイジングハートから細いエネルギーの塊を飛ばし、ブラックオメガモンを拘束しようとした。

「何ぃ!?」

ブラックオメガモンが気が付いた時には、すでに自分の左腕は拘束されていた。

「フェイトちゃん!シグナムさん!エリオ!ティアナ!」

なのはが呼びかけると、

「うん!!」

「心得た!!」

「はい!!」

「分かりました!!」

高速で飛翔するフェイトとシグナム、ウイングロードに乗って走ってくるエリオとティアナがやって来た。

「ジェットザンバー!!」

フェイトは自身の雷の力を纏った双剣を振り下ろし、

「紫電一閃!!」

シグナムは先ほど同様に、アギトの力も持ってレヴァンティンで斬りかかり、

「エリオ流!ビクトリーブレイブ!!」

エリオは自分の槍を使って高速で突進し、

「一点集中!ピンポイントスナイプ!!」

ティアナは、以前模擬戦で一度だけ使用した、荒い突貫技を発動させた。

「やはり左手の破壊が目的か!」

ブラックオメガモンがこう叫ぶと同時に、四つの攻撃は左腕にヒットした。

「よし、ダメ押しを頼むぜ!!」

攻撃が当たると同時に、キサキがドラゴン形態となり、ブラックオメガモンの目の前に飛んできた。背中には刃物を構えたチンクが乗っている、

「喰らえ、スティンガー!!」

チンクは大量の刃物を投げつけた、

「残念だが、拘束具に守られて効かないな。」

ブラックオメガモンはこう言って、刺さった刃物を抜こうとしなかった。だがそれが、ミスとなった。

「弾けろ!!」

チンクは自身の能力を使って、刺さった刃物をすべて爆発させた。一方キサキは、長い尾でチンクを捉えると、爆風を背中の翼で受ける事で距離を取った。

「くそ、左腕が壊れたか。」

爆風で発生した煙が晴れると、ブラックオメガモンは立っていた。しかし、左腕は罅だらけになり、使い物にならなくなっていた。

「確かに、左腕は防具にもなっている。防御が出来ないとなれば、戦いにおいて負ける選択肢が出てくるが。」

ブラックオメガモンはこう言って、自身の左腕のグレイモンのヘッドを外すと、

「こんなことも考えて、替えは用意しておいたんだ。」

マントの中から巨大な鎌を取り出した。

「オファニモン、力を借りるぞ。」

ブラックオメガモンはこう言うと、鎌を作って巨大な斬撃を飛ばした。

「やべ、パイルドラモン、超進化!!」

キサキはクロスローダーを掲げると、エクスブイモンとスティングモンをデジクロスさせて、さらに進化させた。

「超進化!インペリアルドラモン、ファイターモード!!」

インペリアルドラモンは、右腕に装着された大砲から巨大な炎を発射し、斬撃を吹き飛ばした。

「オファニモンの鎌なんて、なんで持っているんだよ?!!!」

キサキが抗議する口調でこう訊くと、

「実はあれ、オークションで買えるんだよ。」

ブラックオメガモンは、あっさりとこう言った。

「どうするよタイキ、このままじゃ負けなくても勝てない。」

キサキがタイキに訊くと、

「何とかして奴の力を低下させないと。」

タイキはこう言って、何かないかとポケットの中を探った。すると、

「あの、これは使えませんか。」

ヴィヴィオが、デジメモリを持ってきた。そこには、「パラサイモン」と書かれていた。

「よし、使ってみよう。」

タイキはこう思ったが、自分のクロスローダーにはすでに「リミットブレイク」のデジメモリが刺さっていた。なので、

「デジメモリ!パラサイモン、発動!!」

キサキのクロスローダーにデジメモリを突き刺した。

すると、ブラックオメガモンの背後に、足が沢山生えて、巨大な目を持つデジモンが現れ、呼んで名の通りブラックオメガモンに寄生した。

「エネルギー吸収だと。」

ブラックオメガモンがこう言った時である、突然ブラックオメガモンが黒いオーラに包まれると、ブラックウォーグレイモンとブラックメタルガルルモンに分離した。

「ブラックメタルガルルモン!何をする気だ?!」

ブラックウォーグレイモンがこう言うと同時に、ブラックメタルガルルモンは高速で飛び出すと、ゆりかごめがけて突っ込んでいった。

「野郎、自爆する気か?!!」

シャウトモン×7はブラックメタルガルルモンの思惑に気が付いて、止めようとしたが、ブラックメタルガルルモンのスピードに追い付くことができず、ブラックメタルガルルモンはそのまま突っ込んでいった。

「インペリアルドラモン!!」

キサキはインペリアルドラモンに皆を庇わせたが、ゆりかご事態の防御は間に合わないと思った。その時である、

「ギガントハンマー!!」

ヴィータが自身のハンマーの最強形態「ギガントフォーム」で、ブラックメタルガルルモンを受け止めた。

「早く何とかしろ!長くは持たないぞ!!」

と、ヴィータが叫ぶと、

「よっしゃあ!!でかした!!」

クラウドはこう叫んで、ブラックメタルガルルモンの背中に乗った。

「お前の向かうべきはこっちじゃない。」

クラウドはこう言って、ブラックメタルガルルモンの頭を上空へ向けた。そして、

「そらよ、好きなとこまで飛んでけ!!」

頭の向いている方向へブラックメタルガルルモンを飛ばした。その為、ブラックメタルガルルモンは空高く飛んでいき、姿が見えなくなった所で爆散した。

「うおおぉぉ!!!ブラックメタルガルルモン!!!」

ブラックウォーグレイモンはこう叫ぶと、

「お前の犠牲は無駄にはしない!!ガイアフォース!!」

自身の頭上に、太陽が降りてきたと勘違いするほどに巨大な火炎の弾を作り上げた。

「デジモンだからって、何でもありかよ。」

ノーヴェがこう言うと、

「あれほどの力を出せる技法はブラスターだけ、でもその技は自身の命を削って行う自己ブースト。撃てば打つだけ使用者は死に近づくとはいえ、これを防ぐのは難問ですね。」

クワットロはこう分析した。

「喰らえ!!」

ブラックウォーグレイモンはこう叫んで、炎の塊を投げつけた。

炎の塊がゆりかごを包み、仕留めたとブラックウォーグレイモンは考えた。しかし、ゆりかごは無傷で飛んでおり、その甲板の上の魔道士たちも無事だった。

「危なかったぜ。」

見ると、シャウトモン×7が攻撃を庇っていた。本来なら無傷では済まない攻撃を無傷で済ませて、

「なるほど、聖王の鎧か。」

キサキはその様子を見て言った。聖王の鎧とは、かつて最強と言われた王である「聖王」が持っていた特殊能力で、一定レベルのダメージをすべて無効にする効果がある。これは本来ヴィヴィオの持つ能力だが、彼女によってデジクロスさせられているので、シャウトモン×7にも影響が出ているのだろう。

「なにぃ!!貴様等何者だ!!」

ブラックウォーグレイモンが叫ぶと、人間、魔道士、デジモン、戦闘機人たち全員が同時に、

「我々は絆を護る者だ!!」

と、叫んだ。その時である、

「八神部隊長!部隊長のリミッター解禁。ヘイムダル発動承認されました!!」

操舵室で舵を取っている部隊員が、通信で報告した、

「そうか、ならとどめの時間や。」

はやてはこう言って、夜天の書を開くと、

「海より集え、水神の槍、彼方より来たれ銀雪の吐息、逆巻き連なり天に座せ、ヘイムダル!!」

と、唱えた。すると、ブラックウォーグレイモンの頭上に氷山よりも巨大な氷の塊が現れた。

「うわぁ、チートだ。チート。」

ブラックウォーグレイモンが唖然としながら言うと、

「どんな防御も関係ない、物理重量による攻撃。」

と、はやては言った。

「待て!早まるな!こんなものを落とせばどんな甚大な被害が発生するか…」

ブラックウォーグレイモンはこう叫んだが、はやては、

「心配せんでも、安全確認はクリア済みや、それにぶつけた後は砕いて雪にするから津波も起きない。」

と、言って、シュベルトクロイツを掲げた。

「って言うか、物理物体なら砕くまで!!」

しかし、ブラックウォーグレイモンは回転しながら突進し、ドラモンキラーで氷を粉々に砕いた。

「詰めが甘いな、物理攻撃は着弾前に破壊すれば問題は無い。」

ブラックウォーグレイモンはどや顔でこう言ったが、

「詰めが甘いのはそっちや、槍陣を成せ、白銀の破鎚!!」

はやてはこう叫んで、夜天の書を最大出力で発動させると、

「ヘイムダル再結晶!!」

砕け散った氷を再び巨大な塊に変えた、しかも、ブラックウォーグレイモンごと凍らせるおまけつきで、

「砕こうが無駄や。再生の方が早い。」

はやてはこう言って、

「タイキ君、キサキ、決めて!!」

と、叫んだ。

「インペリアルドラモン、ギガデスだ!!」

インペリアルドラモンはキサキの指示を受け、胸部のインペリアルドラモンの頭部から超高熱の光線を発射し、

「シャウトモン×7、セブンビクトライズだ!!」

シャウトモン×7は、タイキとアインハルト、ヴィヴィオの力を受けて、自身の必殺光線を放った。

二つの光線は、ヘイムダルを包むとブラックウォーグレイモンごと氷を消し飛ばした。

 

 

 

「ブラックウォーグレイモンまで敗れたか。」

ムルムクスモンは、ブラックウォーグレイモンのやられる瞬間を見ながら言った。

「だがまあいい、あれが奴らの力なら、何の問題も無い。バイオドラゴンももうすぐ完成だ。」

ムルムクスモンの見る水槽の中には、まるで使徒と戦うロボットのような形の竜が浮いていた。

「にしても、奴の目的、ほんのちょっとの幸運など。くだらん。」

最後に、ムルムクスモンはブラックウォーグレイモンの戦う理由である、ほんの少しの幸運が欲しい、という理由を思い出し、こう言い残した。

 

 

カットマン

「カットマンと。」

 

モニタモンズ

「モニタモンズの。」

 

全員

「デジモン紹介のコーナー。」

 

カットマン

「今回のテーマはディアボロモン。ディアボロモンはあらゆる情報が謎に包まれたデジモン。必殺技は高熱の破壊光線を放つ「カタストロフィーカノン」だ。」

 

モニタモンA

「クラモンから始まり、どんどんデータを吸収して強くなりますな。」

 

モニタモンB

「かつてはミサイルを飛ばそうとして、大問題を起こしましたな。」

 

モニタモンC

「二度にわたって現れ、選ばれた子供を苦しめたデジモンですな。」

 

全員

「それじゃあまたね。」

 

 

 

 

 

 

次回予告

比較的平和なある日、クワットロは戦闘機人たちを集め、世にもくだらない作戦を実行させる。

次回「仲直し作戦」

 

 

 
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