No.58150

真・恋姫†無双 魏END 外伝第2章

南風さん

外伝第2章です。また勢いで書きました。よろしければ感想等をよろしくお願いします。1章よりもキャラ崩壊があるかもしれませんが、よろしくお願いします。

2009-02-14 23:13:22 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:26084   閲覧ユーザー数:16788

真・恋姫†無双 魏END 外伝第2章

~大切な人の為~

 

 

 

「こんなに・・・・・・笑ったのは・・・・久しぶりね・・・くくっ」

そういった華琳は、まだ笑みを浮かべ肩を震わせていた。

「私も久しぶりね~こんなに楽しかったの~。」

雪蓮は芝生の上で大の字で倒れ同じく笑っていた。

 

一方その頃、桃香はというと・・・。

「いいもん・・・いいもん・・・私は仲間はずれ・・・・・・・・。」

隅っこで蹲って、のの字を書いていた。

 

「桃香、悪かったからこっちに来なさいな。」

まってましたと言わんばかりに、桃香は顔を明るくして満面の笑顔で駆け寄ってくる。

「あなたもいい加減立ちなさい、雪蓮。汚れるわよ。」

そう言って華琳は手をさしだす。

雪蓮はおどけながら、

「そうね、せっかくの私の美貌が台無しになっちゃうわ。」

「はいはい、そうね。」

手を取り、ゆっくりと立ち上がり服の誇りをはらう。

「で?これからどうするの、華琳?」

「そうね・・・・・明日、皆に伝えるわ。今だけはこの瞬間を楽しませてあげたいの。」

「そう・・・頑張ってね。」

「えぇ・・・・・。」

「ぶぅ~また2人でお話して~。仲間に入れてください!」

そう言うと桃香は華琳の胸を弄りだす。

「ちょ・・・やめ・・・・・なさいってば!・・・桃香!・・・・・・くすぐったいわよ!」

「嫌です。やめませんよ~。」

「雪蓮・・・・・見てないで助けなさいよ。」

「嫌よ。巻き込まれたくないし。」

雪蓮の顔から笑みがこぼれる。

それは、親友(とも)へ向ける最上の微笑み・・・。

 

 

 

 

 

こうして宴は夜を徹しておこなわれた。

 

在る者は、大声で歌い踊り、

 

在る者は、酒を飲み高らかに笑い、

 

また在る者は、今までのことを思う・・・。

 

今日という日を喜ぶために・・・。

 

その日、宴の席から聞こえる声は・・・・・

 

朝日が昇るまで途切れることは無かった。

 

 

 

 

 

翌、太陽が天の真上にさしかかった頃。

 

華琳は魏の主要メンバーに集合をかけた。

 

「ふわぁ~眠いの~」

「ほんまや~いったい何の用やねん大将は?なぁ、凪?」

「・・・・・・・・・・。」(グー。)

「凪ちゃん?」

「あかん、寝てるわ。」

「たまに見るけど、本当に器用なの~、沙和には真似できないの~。」

立ちながら目を開けて眠る凪を見て飽きれる沙和と真桜。

とある隊の三羽烏と呼ばれる、仲良し三人組。

 

「ぐぅ~~~。」

「もう、季衣ったら起きなさい!!」

「流々~もう、食べられないよ~~~。」

「何、寝言言ってるの!起きないと、華琳様に怒られちゃうよ?」

地面に座り込んで、眠りこんでいる季衣を必死に起こそうとしている流々。

2人は華琳の親衛隊、そしてあいつの妹分。

 

「大丈夫か姉者?」

「あぁ、さすがに飲みすぎたようだ。」

「あぁ~頭が、ガンガンする~。」

「霞、だらしがないぞ。」

「んなこと言われもやなぁ~~、頭が痛くてたまらんのや。」

頭をかかえる、春蘭と霞。霞にいたっては地面にあぐらをかき俯いている。

秋蘭は、そんな2人をみて溜息をもらす。

霞と春蘭・秋蘭、魏屈指の武官、そしてあいつを憎からず思っている。

 

「まったく、そろいもそろって何やってるのよ。」

「桂花ちゃん、そんな目くじら立てると駄目なのですよ。」

「風の言うとおりです。」

「ふん!華琳様に呼ばれたと言うのに、だらしがなさすぎよ。」

「まぁまぁ、昨日が昨日ですしー。」

「それにあの万年発情男は、まだ来てないじゃない!」

「そう言えばそうですね。風、何か知ってますか?」

「ぐぅ~~~~」

「「寝るな!」」

お決まりをかます風と、つっこむ稟と桂花。

魏の三大軍師である。

あいつを想う風。大嫌いな桂花。何の想いもない稟。

 

 

皆、華琳が来るのを待っていた。そして、あいつの事を考えていた。

 

 

 

 

「皆、待たせたわね。」

華琳が幕をあけ入ってくる。

「そのままで結構。昨日の疲れがあるでしょう。けど寝ている者は起きなさい。

大事な話があるわ。」

慌てて身だしなみを直そうとする者達に言葉をかけ、皆の前に立った。

そして、華琳は少し息を吸い込んで、吐き出し、

あらためて皆の顔を見渡し1人1人に視線をあわせる。

そして、

「皆、今から話すことは事実である。そして最後まで話を聞きなさい。その後から、意見がある者は述べなさい。いいわね?」

「「「御意。」」」

各々、返事を返す。

 

 

「気付いている者もいるでしょう。今、この場に一刀がいないことに。・・・・・北郷一刀は・・・・・・・・昨日の夜に逝ったわ。己が天命をまっとうしたために。」

 

「華琳様・・・今・・・・・なんと・・・?」

「隊長が・・・・?」

「なっ・・・・・!?」

「嘘・・・・?」

「華琳・・・・・嘘やろ?」

反応は様々だった。華琳にたいして問い掛ける者。

黙り次の言葉を俯いて待つ者。

驚きの目を華琳にぶつける者。

 

 

「最後まで聞きなさい。逝ったという表現は正しくないのかもしれないわ。けど、北郷一刀はこの大陸・・・いや、この世界中どこにもいな-「だから、何つまらんことぬかしとんねん!!!!!」

華琳の言葉を遮ったのは霞の怒号だった。

「いくら何でも、信じられへん!!何で一刀がいなくならきゃ、いけないちゅーねん!!冗談で-「黙りなさい!!」――――――っ!」

華琳の一声と放つ覇気に霞は言葉を詰まらせる。

 

 

 

華琳の放つ威圧感に誰しもが身に悪寒を覚える。

今まで誰もこのような華琳を見たことがなかった。

「さて、話を続けるわよ。いいわね?」

「・・・・・・・(コクッ)。」

霞は、しぶしぶと頷く。

 

 

「逝ったという表現は正しくないかもしれない。私の目の前から消えてしまったのだから。天の国に帰ったと言った方が正しいのかもしれないわ。どっちにしろ北郷一刀はもうどこにもいないのよ。それにもう戻ることはないでしょ。」

 

「・・・・・劉備・呂布連合軍との戦いで私を救い、定軍山の戦いで秋蘭を救い、赤壁の戦いで我らに勝利をもたらした。そして今の平和を・・・・・我が覇道が実現したからこそ・・・北郷一刀は自らの役目をはたしたからこそ天の国へ逝った。」

 

「それが北郷一刀の天命。曹孟徳が覇道を実現させる時まで、天が我らに遣わした存在。ただ・・・・・それだけ。」

 

 

 

華琳は逃げなかった。皆を一心に見つめ、語った。

 

 

「今までの話で意見は?」

 

 

 

・・・・・・・・・・。

 

 

 

「無いようね。では、今後についての話よ。警備隊の隊長は凪が、副隊長は真桜が、張三姉妹の連絡役は沙和が引継ぎなさい。北郷隊は凪・沙和・真桜の三隊に振り分けるわ。後、これが一番重要な話よ。・・・・・・・城に戻ってから北郷一刀の話を一切禁ずる。やぶった者は厳罰を覚悟なさい。北郷一刀の事を忘れること、いいわね?」

 

 

 

華琳が言い放った言葉に皆驚愕する。

あまりにも非情な一言。あまりにも思ってもいなかった一言。

言い表せない沈黙があたりを支配する。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・ません。」

 

沈黙をやぶったのは華琳に身も・・・・心も・・・・全てを・・・・捧げた人物。

 

「いくら・・・・・華琳様のご命令でも・・・・・・・それだけは・・・聞けません。」

 

そうそれは、魏の大剣。

 

「・・・・・共に今まで戦い、華琳様につかえ・・・・・。」

 

そうそれは、魏武の象徴。

 

「・・・・・私は・・・私は・・・・・・」

 

そうそれは、

 

「あやつを・・・・・北郷一刀を忘れるなど、私にはできません!!」

 

夏候元譲、その人であった。

 

 

 

第2章  完

 

 


 
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