No.572070

ALO~閃姫Next after~ EP12 奈良修行編・最終修行

本郷 刃さん

EP12になります。
今回は最後の修行の様子などをお送りします。

どうぞ・・・。

2013-05-02 10:38:37 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:10951   閲覧ユーザー数:9879

 

 

 

 

 

 

 

 

 

EP12 奈良修行編・最終修行

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人Side

 

昨日の夏祭りから一夜明け、朝食を終えた俺達は再び山の家屋へと向かった。

そこで袴に着替えてから道場の中へと移動する。

 

「体力作り、筋トレ、無駄な筋肉の排除、全ての準備運動(・・・・)が終わりました。最終段階に入りましょうか、これを…」

 

そう言った師匠は俺達に木製の得物を渡してきた。

俺には二振りの木刀、志郎には鎌の形状を、景一には長刀の形状を、烈弥には薙刀の形状を、刻には長い棒を、

公輝には木剣を、九葉には小太刀の形状のものを。

 

「最終段階と言いましたが内容は単純です。戦ってください」

「「「「「「「はっ?」」」」」」」

「一対一、多対一、多対多、どれでも構いません、裏手にある空き地でとにかく戦ってください。

 リアルでの実戦形式こそ最後の調整に相応しい」

 

体力を上げ、筋肉をつけ、無駄な筋肉を省く。

走り込みや筋トレ、組手が準備体操というのはそういう意味か。

確かにVRMMOでの戦闘は感覚などを強化できるが、アミュスフィアだと俺達にとっては不完全だ。

それを考えるとリアルでの戦闘が一番良いといえるな。

 

「私は直葉さんに剣道の稽古と燐に少し手解きをします。適度に休憩を取りながら行ってくださいね、それでは健闘を祈ります…」

 

師匠に言われた通りに裏手にある空き地へと向かい、円を組むように向かい合う。

 

「さて、どうする?」

「一対一、多対一、多対多の3つと言ったが…」

「もう1つありますね」

 

俺の問いかけに志郎と烈弥が応える。

 

「ならソレ(・・・)にするっすよ」

「ある意味で一番実戦らしいからな」

 

刻と九葉もやる気満々で応じてきた。

 

「……それならば早く始めよう」

「もう10時前だからな、昼飯までガンガンやろうぜ」

 

景一と公輝も問題無し、それなら早速始めるか。

 

「それじゃあ最後の選択肢……全員敵のバトルロイヤル、スタート!」

 

俺の言葉を合図に、俺達はそれぞれ木製の得物を構えて戦闘を始めた。

 

 

 

「ハァッ!」

「チィッ…!」

 

志郎の持つ木製の鎌を右手の木刀で受け止める……が、

背後から景一が高速の居合を放ち、それを左手の木刀でなんとか受けきる。

押し切られる前にそれらを弾き、志郎に蹴りを放ったが鎌で受け止められてしまう。

その時、俺の元に刻が棒を振るい、志郎には烈弥が薙刀を振るってきた。

お互いにギリギリで回避したところに九葉が二振りの小太刀による連撃を行い、俺はそれを回避と腕で捌いていく。

志郎は木剣を振るってくる公輝とやりあっている。

景一はリーチのある得物を持つ烈弥と刻を同時に相手取っているようだ。

多少の技なら大丈夫だよな…?

 

「神霆流闘技《呀雷(やらい)》」

 

右手の木刀を逆手に持ちながら前に構え、左手の木刀をそれに添えながら強力な突きを繰り出したが、

九葉は持ち前の素早さで受け流しながら回避した。

 

「神霆流闘技《劣・天霆葬送(れつ・てんていそうそう)》」

「「くっ!」」

 

景一は劣化版《天霆葬送》を放って烈弥と刻の体勢を崩させた。

 

「神霆流闘技《霧裂(きりさき)》」

「ぐっ…っそぉ!」

 

志郎の鎌による《霧裂》の回転攻撃をなんとか受けきって持ち堪えた公輝。

俺達は一斉に距離を置いて再び円形を取り、

 

「「「「「「「おぉぉぉっ!」」」」」」」

 

微かな笑みを浮かべたまま、また得物をぶつけ合う。

 

 

 

それから2時間後…。

 

「「「「「「「はぁ、はぁ……」」」」」」」

 

少しの息切れを起こしながらも俺達は全員まだ立っているが、さすがに乱戦だったので無傷とはいかない。

得物と技をぶつけ合い、互いに飛ばされるなどしながらも全員が意地を張った結果、こんな状況。

袴が土と砂で汚れているが、そんなものは知ったことではない。

構えを取り、駆け出そうと思ったその瞬間…、

 

「みなさん~、お昼ご飯が出来ましたよ~」

 

―――ズコォ~ッ!

 

葵さんののほほん声の影響か、気が抜けてしまって一斉にこけた。

 

「あらあら~、大丈夫ですか~?」

「「「「「「「だ、大丈夫(です)…」」」」」」」

 

すぐに立ち上がり、近くにある井戸から上げた水で手と顔を洗ってタオルで拭き、葵さんに着いていき縁側に移動した。

その縁側には明日奈達と師匠が座っており、いつもの料理も並んでいた。

なるほど、俺達の袴が汚れているから縁側で食べることにしたのか。

激戦と言える乱戦を行ったからかなりの空腹状態だ、

女性陣の料理をせっせと胃袋に収めた……勿論、味わうことも忘れていない。

昼食を終え、1時間程の休憩を終えてから実戦式修行を再開した。

 

 

 

「喰…らえっ!」

「かはっ!?」

 

烈弥の薙刀による突きを木刀で挟んで受け止め、動けなくなった彼の脇腹に軽い蹴りを叩き込む。

そこに刻と九葉が動きを合わせながら左右の木刀を攻撃してきたので木刀が弾き飛ばされ、

公輝の木剣による突きの追撃を腹部に受けてしまった。

 

「ふぐっ…!」

 

なんとかバックすることでダメージは軽減出来たが、やはりそれなりに効くな…。

弾き飛ばされた木刀を回収し、公輝に向けて一気に接敵して二振りの木刀と脚で連撃を加える。

公輝は堪らずに一気にバックステップで後退し、刻と九葉も今の様子を見て引き気味だ。

そんな2人に木刀を投げつけ、飛んできた木刀を弾いた2人の腹部に向けて掌底を放ち、2人は後ろに僅かに飛ばされる。

 

「がっ……はぁ、はぁ…ていうか、いま何時だよ…」

「……周りを見れば、分かるだろう?もう、夕方だ…」

 

志郎と景一が息切れと痛みを堪えたように話しかけてきた。

さすがの俺達も休憩ありとはいえ、乱戦形式ではかなりの疲労と消耗になる。

全員が木製の得物を地面に置きながら座り込む……もう無理、戦う分は動けない…。

 

「おやおや、大分堪えたようですね」

「あ、父さん…」

 

九葉が師匠に気付いたようだ、いつの間にか近くまで歩いてきていたらしい。

そこでもう1つ気が付いた、なんと明日奈達も空き地の隅に集まって俺達の様子を見ていたようである。

あまりにも集中していたのとコイツら相手に気が抜けなかったせいだろう。

 

「お疲れ様、和人くん。大丈夫?」

「大丈夫じゃないかも…」

 

傍に来てくれた明日奈の気遣いに苦笑して応じる、真面目に大丈夫じゃないかもしれないからな。

みんなも女性陣に心配されたり、九葉は燐と共に苦笑している。

 

「それでは和人達は温泉に入ってきなさい。汗と砂に塗れていますからね」

 

自分達の様子を見て確かにと思い、クタクタな体を動かして温泉へと向かった。

体中に擦り傷やら青痣が出来ており、湯に浸かるとかなり沁みたのは言うまでもない。

 

 

 

温泉から上がって夕食を終えた後、俺達男性陣はまだ課題を全て終えていない為、

それらを終わらせるように取り組んでいる。

女性陣は課題を終えたので少し手伝ってもらったりもした。

なお公輝と雫さんは『高認』が控えているので勉強は欠かしていない。

夜も更けていき、午後10時……ALOで明日奈と2人でユイとの触れ合いを楽しんでから就寝することにしたのだが…、

 

「一緒に、寝よ…//////」

「………えっ?」

 

そう明日奈に言われたので思わず聞き返してしまう。

 

「あの、一緒の布団で寝たいなって…//////」

「ぁ、あぁ、そういう…」

 

どうやらお誘いではなく、単純に同じ布団で眠りたいということか。

しかし初日に師匠が冗談で言った(ほとんど本気)部屋割りを拒否していたはずだが、

俺が疲れているから大丈夫だろうと思ったのかな。

 

「和人くん疲れてると思うけど、その…///」

「(くすっ)良いよ、一緒に寝よう…」

「うん、ありがとう///♪」

 

様子を窺ってくる明日奈が可愛くて、小さな笑みを浮かべてOKすると笑顔を浮かべた。

俺の布団を小部屋に移し、並んで布団に横になり、薄い掛布団を体に乗せる。

夏場だからこれくらいで十分だ。

 

「おやすみ、明日奈…」

「おやすみなさい、和人くん…」

 

愛しい人の温もりを感じながら瞼を閉じれば、ほんの少しで眠りについた。

きっと疲れだけではなく、明日奈の温かさがあったからだと思う。

 

 

1週間、師匠に言われた通りにみんなと実戦形式で戦い続け、俺達の奈良での修業は最終日を迎えた。

 

和人Side Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

今回で修行の様子は終わりです、次回で「奈良修行編」は終わりを迎えます。

 

そろそろ公輝と雫の馴れ初め話しに入りたいと思っております。

 

あと、EPReverseを全面開放したことを伝えていなかったような気がしますので、一応この場で伝えさせていただきます。

 

もう1つ、『黒戦』のプロローグに『閃姫』と同じOPイメージを書きましたので、是非読んでみてください。

 

それでは・・・。

 

 

 

 

 


 
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